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3章 魔術師科二階の学年
5.公爵様と作戦会議
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アヤヒメ様がどうして魔術師科にいるのか、
理由を知ったのは出会いから数日後のことだった。
「アヤヒメ様の留学の理由がわかったぞ。」
そう言って訪ねてきたのはレイニードのお父様、ジョランド公爵だった。
「今は第一王子の婚約者じゃないのですよね?」
「ああ。やり直し前は婚約者として、
アヤヒメ様が十七歳の時に貴族科に編入してきているのだろう?」
「確かそうでした。第一王子が十八歳になるのに合わせて婚約を発表して、
アヤヒメ様もジンガ国からこちらに王妃教育のために来ていたはずです。
ジンガ国でもうすでに魔術師としての教育を終えているとのことでしたが…。」
六か国の中でもっとも広い国土と力を持つジンガ国。
他の五国が戦争などによって国が分裂したのにたいして、
ジンガ国はずっとジンガ国のままだった。
その理由の一つがジンガ国の王族が魔術師だということだ。
力を持つ者が王となり、周りの王族も魔術師として国を支える。
そのため国が荒れることなく、内乱も起こったことが無いという。
ジンガ国が六か国会議の議長国であるのは、
他の五国が束になって戦争を起こしたとしても、
絶対にジンガ国には勝てないという圧倒的な力の差があるからだ。
魔術師の自由が六か国法にかかれているのは、
ジンガ国の王族が他国の魔術師を保護するためにそうしたという話だった。
それほどまでに魔術師の地位が高く権力もある国。
アヤヒメ様は王妃から生まれた第三子で、今の王太子の末妹だ。
やり直し前の時にはジンガ国との友好のために第一王子とアヤヒメ様が婚約していた。
私とレイニードが十六歳の時に夜会でお会いしたのが最初だから、
レイニードは二年ほど近い場所で護衛していたことになる。
…その頃にはもうビクトリア王女も夜会に出席されていたから、
レイニードがアヤヒメ様と話す機会は無かっただろうけど。
「なるほどな。
確かに第一王子とアヤヒメ様の婚約話は出ていた。
が、その話が出ていた時期にビクトリア王女の悪評が広まった。
アヤヒメ様は第四王女ではあるが、ジンガ国王が可愛がっている娘だ。
悪評があるような王女を野放しにしている国にはやれないと断られたそうだ。
だけど同盟国として友好な関係ではいたいという。
結果、留学してきて、こちらの魔術師学校に通うことになった。
第一王子と婚約するかどうかの判断はアヤヒメ様に任されている。」
「それは…第一王子の婚約者候補ということですか?」
「候補にもなっていないようだがな。
だが、アヤヒメ様がいる以上、他の候補を決めるわけにもいかない。
第一王子は婚約者候補すら決められない状態で困っているようだな。」
「…自業自得です。
ビクトリア王女を甘やかしたのは陛下と第一王子ですから。
あんな風に育てたのが悪いんです。」
「まぁ、それもそうか。
いまだにビクトリア王女をどうするか決めかねているようだしな…。
で、どう思う?アヤヒメ様は婚約者になりそうか?」
理由を知ったのは出会いから数日後のことだった。
「アヤヒメ様の留学の理由がわかったぞ。」
そう言って訪ねてきたのはレイニードのお父様、ジョランド公爵だった。
「今は第一王子の婚約者じゃないのですよね?」
「ああ。やり直し前は婚約者として、
アヤヒメ様が十七歳の時に貴族科に編入してきているのだろう?」
「確かそうでした。第一王子が十八歳になるのに合わせて婚約を発表して、
アヤヒメ様もジンガ国からこちらに王妃教育のために来ていたはずです。
ジンガ国でもうすでに魔術師としての教育を終えているとのことでしたが…。」
六か国の中でもっとも広い国土と力を持つジンガ国。
他の五国が戦争などによって国が分裂したのにたいして、
ジンガ国はずっとジンガ国のままだった。
その理由の一つがジンガ国の王族が魔術師だということだ。
力を持つ者が王となり、周りの王族も魔術師として国を支える。
そのため国が荒れることなく、内乱も起こったことが無いという。
ジンガ国が六か国会議の議長国であるのは、
他の五国が束になって戦争を起こしたとしても、
絶対にジンガ国には勝てないという圧倒的な力の差があるからだ。
魔術師の自由が六か国法にかかれているのは、
ジンガ国の王族が他国の魔術師を保護するためにそうしたという話だった。
それほどまでに魔術師の地位が高く権力もある国。
アヤヒメ様は王妃から生まれた第三子で、今の王太子の末妹だ。
やり直し前の時にはジンガ国との友好のために第一王子とアヤヒメ様が婚約していた。
私とレイニードが十六歳の時に夜会でお会いしたのが最初だから、
レイニードは二年ほど近い場所で護衛していたことになる。
…その頃にはもうビクトリア王女も夜会に出席されていたから、
レイニードがアヤヒメ様と話す機会は無かっただろうけど。
「なるほどな。
確かに第一王子とアヤヒメ様の婚約話は出ていた。
が、その話が出ていた時期にビクトリア王女の悪評が広まった。
アヤヒメ様は第四王女ではあるが、ジンガ国王が可愛がっている娘だ。
悪評があるような王女を野放しにしている国にはやれないと断られたそうだ。
だけど同盟国として友好な関係ではいたいという。
結果、留学してきて、こちらの魔術師学校に通うことになった。
第一王子と婚約するかどうかの判断はアヤヒメ様に任されている。」
「それは…第一王子の婚約者候補ということですか?」
「候補にもなっていないようだがな。
だが、アヤヒメ様がいる以上、他の候補を決めるわけにもいかない。
第一王子は婚約者候補すら決められない状態で困っているようだな。」
「…自業自得です。
ビクトリア王女を甘やかしたのは陛下と第一王子ですから。
あんな風に育てたのが悪いんです。」
「まぁ、それもそうか。
いまだにビクトリア王女をどうするか決めかねているようだしな…。
で、どう思う?アヤヒメ様は婚約者になりそうか?」
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