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2章 学園編
10.ミーアの努力
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それからというもの、家庭教師の先生が家に来るようになった。
「六か国の公式語は三つです。これは必ず覚えなくてはいけません。
我が国のはファラー語です。読み書きは出来ますか?」
「話すのはできるけど、読み書きは少しだけ。」
「じゃあ、まずはファラー語からですね。
入学前にはジンガ語とユラール語も覚えなくてはいけません。
大変ですが頑張りましょうね。」
若い女の先生はそう言ったけど、
それまで教会で勉強するだけだった私にはファラー語を書くのが難しかった。
何とか読めるけど、書こうとすると文法が違いますって怒られる。
ようやくファラー語で合格したと思ったら、ジンガ語は絵にしか見えなかった。
「何これ。文字じゃないよ、こんなの。」
「絵のように見えますよね。
ですが、ジンガ語は六か国会議の議長国ジンガの公式語です。
必ず覚えなくてはいけません。
頑張りましょう?」
「…。」
頑張ってようやくファラー語を覚えたのに、今度はジンガ語。
しかも絵にしか見えないのに、これが言葉?
…それに、これ覚えても、ユラール語が待ってる。
魔術師になるのに、なんで六か国の公式語を覚えなきゃいけないの?
もっとこう、魔力を高める訓練とか、そういうのないの?
「魔力を高める…ですか?
魔術書を読むためには、公式語を覚えないといけないのですよ?
ユラール語まで覚えたら、魔術書を読めるようになりますから。」
来る日も来る日もジンガ語の絵を覚える毎日。
ちっとも頭の中に入らない。
あっという間に最初の家庭教師の日から一年がたっていた。
「ミーアの調子はどうだ?」
「それが…ジンガ語が覚えられないようで、
ユラール語もまだなのですが…。」
「一年もたって、ファラー語しかできていないのか?
入学まで間に合うんだろうな!?」
「…わかりません。」
「わかった、お前はもう来なくていい。」
そんな会話をお父様と先生がしていた次の日から、
今度は怖そうな顔したおじいさんが先生としてきた。
おじいさん先生の授業は厳しくて怒鳴るから、すぐに嫌になって逃げ出した。
毎日先生が来る前に部屋から出て、友達の家に遊びに行った。
そんな日が三か月続くと、今度は違う先生になっていた。
でも結果は同じ。厳しい先生ばかりで、すぐに逃げ出すことになった。
「…これは入学試験受からないかもしれませんね。」
そう先生は言ったけど、試験には公式語が出なかったから合格した。
喜んだお父様が制服とローブを買ってくれて、
勉強道具もすべて新しいものをそろえてくれた。
公式語を覚えなきゃ魔術師になれないなんて誰が言ったの?
試験には出なかったし、ちゃんと合格したもの。
覚えなくても問題なかったってことよね。
学園楽しみだな。どんな子がいるんだろう。
かっこいい男の子いたらいいな…。
同じ学園には貴族も通ってるって聞いた。
もし見初められたらどうしよう。
「お嬢様はお可愛らしいから、貴族のかたに見初められるかもしれませんね。
その時はアンナも一緒にお嫁入先に連れて行ってくださいね。」
そんな風にアンナにお願いされて頷いた次の週、
学園の魔術師科に入学した。
朝起きるのが苦手で、何度も起こされてやっと起きて、
そのあとも寝癖を直してもらっていたら時間がギリギリだった。
商会の馬車を一台私専用にしてくれたから、
行き帰りは馬車で送ってもらうことになっている。
アンナを連れて行くことは出来ないけど、
馬車で学園の中まで連れて行ってもらえるから大丈夫。
ようやく学園に着いたら、もう授業が始まっていた。
「ごめんなさいっ!遅れちゃいましたぁ!」
「六か国の公式語は三つです。これは必ず覚えなくてはいけません。
我が国のはファラー語です。読み書きは出来ますか?」
「話すのはできるけど、読み書きは少しだけ。」
「じゃあ、まずはファラー語からですね。
入学前にはジンガ語とユラール語も覚えなくてはいけません。
大変ですが頑張りましょうね。」
若い女の先生はそう言ったけど、
それまで教会で勉強するだけだった私にはファラー語を書くのが難しかった。
何とか読めるけど、書こうとすると文法が違いますって怒られる。
ようやくファラー語で合格したと思ったら、ジンガ語は絵にしか見えなかった。
「何これ。文字じゃないよ、こんなの。」
「絵のように見えますよね。
ですが、ジンガ語は六か国会議の議長国ジンガの公式語です。
必ず覚えなくてはいけません。
頑張りましょう?」
「…。」
頑張ってようやくファラー語を覚えたのに、今度はジンガ語。
しかも絵にしか見えないのに、これが言葉?
…それに、これ覚えても、ユラール語が待ってる。
魔術師になるのに、なんで六か国の公式語を覚えなきゃいけないの?
もっとこう、魔力を高める訓練とか、そういうのないの?
「魔力を高める…ですか?
魔術書を読むためには、公式語を覚えないといけないのですよ?
ユラール語まで覚えたら、魔術書を読めるようになりますから。」
来る日も来る日もジンガ語の絵を覚える毎日。
ちっとも頭の中に入らない。
あっという間に最初の家庭教師の日から一年がたっていた。
「ミーアの調子はどうだ?」
「それが…ジンガ語が覚えられないようで、
ユラール語もまだなのですが…。」
「一年もたって、ファラー語しかできていないのか?
入学まで間に合うんだろうな!?」
「…わかりません。」
「わかった、お前はもう来なくていい。」
そんな会話をお父様と先生がしていた次の日から、
今度は怖そうな顔したおじいさんが先生としてきた。
おじいさん先生の授業は厳しくて怒鳴るから、すぐに嫌になって逃げ出した。
毎日先生が来る前に部屋から出て、友達の家に遊びに行った。
そんな日が三か月続くと、今度は違う先生になっていた。
でも結果は同じ。厳しい先生ばかりで、すぐに逃げ出すことになった。
「…これは入学試験受からないかもしれませんね。」
そう先生は言ったけど、試験には公式語が出なかったから合格した。
喜んだお父様が制服とローブを買ってくれて、
勉強道具もすべて新しいものをそろえてくれた。
公式語を覚えなきゃ魔術師になれないなんて誰が言ったの?
試験には出なかったし、ちゃんと合格したもの。
覚えなくても問題なかったってことよね。
学園楽しみだな。どんな子がいるんだろう。
かっこいい男の子いたらいいな…。
同じ学園には貴族も通ってるって聞いた。
もし見初められたらどうしよう。
「お嬢様はお可愛らしいから、貴族のかたに見初められるかもしれませんね。
その時はアンナも一緒にお嫁入先に連れて行ってくださいね。」
そんな風にアンナにお願いされて頷いた次の週、
学園の魔術師科に入学した。
朝起きるのが苦手で、何度も起こされてやっと起きて、
そのあとも寝癖を直してもらっていたら時間がギリギリだった。
商会の馬車を一台私専用にしてくれたから、
行き帰りは馬車で送ってもらうことになっている。
アンナを連れて行くことは出来ないけど、
馬車で学園の中まで連れて行ってもらえるから大丈夫。
ようやく学園に着いたら、もう授業が始まっていた。
「ごめんなさいっ!遅れちゃいましたぁ!」
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