君が死んだ夏、銀色の猫。

粒豆

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7 会えない

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次の日から夏生は学校を休むようになった。
俺に会いたくないのだろう。
夏生は俺に会うために学校へ来るし、会いたくない時は休む。
夏生の生活は俺を中心に回っているように見えて、
そんな風に人間一人にこだわらずにもっと広い世界で生きたほうがいいのにと思った。
だけどそうやって視野を広く持つことは、まだ子供の夏生にとっては難しかったんだろう。
夏生は、本当に子供だった。実年齢より、精神が幼かった。
だから平気で遊びと称して非道徳的なことをするし、ワガママでヒステリックだった。
感情をコントロールし、器用に生きれるほど大人ではなかったんだ。
俺自身がもう子供ではなくなった今だから分かる。
今なら夏生の頭を撫でてやることが出来るかもしれないけれど、もうあの頃には戻れない。
もう夏生には、二度と会えない。
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