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第27話 合体! 羊羊熊猫!
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ハンターギルドでの話し合いから二日、あっという間に約束の日になった。今日からめめさん達と熊さん達と一緒に、デメキンへと向かって進撃だ!
待ち合わせ場所は惑星アルファの静止軌道だ。街の上空なんかでふよふよしているとなにかと迷惑だからな。妖精軍の旗艦グラジオラスの周りでは、妖精軍も進軍の準備にばたばたしているみたいだ。旗艦グラジオラスはいざという時の最大兵力なので、今回もお留守番かな?
我輩達がふよふよと浮かんでいると、熊さん達の熊宇宙船と、めめさん達の羊の宇宙船が静止軌道まで上がってきた。
めめさん達の宇宙船はデフォルメされた羊だ。まるまるしてて実に可愛らしい。ただ、そのサイズは結構大きい。長さが500mくらいある上に、胴回りも直径300mくらいある。横幅はそこに更にでっかい角も加わるため、なかなかの大きさだ。おまけに一隻じゃない。500mのでっかいのの後ろには、300mの少し小さいのが一隻ついてきている。しかも、これで全兵力というわけじゃなく、コーヒー農園の管理などのために、300mの宇宙船を一隻残して来たというんだから、めめさん達のパーティーの規模の大きさにはびっくりだ。
2隻から通信が入る。ここからはパーティー用のチャンネルを設定して、ずっと繋げっぱなしの予定だ。
「すみません。お待たせしました」
「悪い、待たせたみたいだな」
「いや、なんの問題もない。待ち合わせ時間には少し早いしな。それより、準備が済んでいるようなら出発しようか」
「はい。私達は大丈夫です」
「ああ、俺達もだ」
「では、予定通りめめさん達の500mの宇宙船を中心に隊列を組むとしよう」
「はい! ババ、ドッキング準備はいい?」
「おっけいだよ~!」
「では、ドッキング開始!」
ちなみにババさんというのは、めめさんの妹だ。もちろん羊だ。めめさんの名前は十中八九鳴き声のメーメーから来ていると思うのだが、ババさんも一緒なのだろう。なにせとある言語では、羊の鳴き声はbaa baaというらしいからな。きっとそうに違いない。
我輩達は隊列を組む。まず、めめさんが艦長を務める500mの羊さんの上に、ババさんが艦長を務める300mの羊さんが、どで~っと覆いかぶさるようにくっ付く。
「ねえさん。ドッキング完了したよ!」
「こちらでも確認したわ。では次、はぴさん、熊太郎さん、お願いします」
「うむ」
「おうよ!」
次は我輩と熊さんの番だ。熊さんの宇宙船は、300mの羊さんの更に上にドッキングする。これで、500mの羊さん、300mの羊さん、130mくらいの熊さんという、3段重ねが完成する。
そして、我輩のミニぴぴぷちゃ号だが、熊さんの上に乗るのかと思いきや、500mの羊さんの前方上部が空いているから、そこにドッキングだ。ただ、ドッキングとはいっても、ミニぴぴぷちゃ号にそんなことを前提にした装備はないので、500mの羊さんの上に、その可愛らしい手足でしがみ付くだけだけど。
「艦長、全宇宙船のドッキングを確認しました」
「よろしい。では、出発します。速度は巡航速度、目標は敵小惑星型移動拠点デメキン!」
「「「「「は!」」」」」
「メインブースター点火!」
めめさんの500mの羊さんが本格的に動き出す。最初こそなかなかのGが発生したが、しだいに巡航速度に近づいていき、それに伴いGも減少していく。そして、最終的には加速度はほとんどなくなった。
「みなさん、巡航速度になりました。ここからは安定飛行になりますので、自由に動いていただいて構いません。今後のスケジュールについて連絡がございますので、はぴさんと熊太郎さんは本艦のブリッジに来て頂けないでしょうか?」
「うむ」
「ああ、わかったぜ」
我輩はミニぴぴぷちゃ号から降りて500mの羊さんのブリッジへと向かう。宇宙船間の移動は、それ用の通路があるわけではなく、普通に宇宙空間に出て、てくてく歩いて向かう。生命の進歩と言っていいのか、食べ物等から大量の宇宙パワーを摂取している我輩達は、生身で宇宙空間を移動しても大した影響は受けない。
熊太郎も熊さんの宇宙船からぴょ~んと飛んでやってくる。
そして、我輩達はめめさんの500mの羊さんに乗り込み、ブリッジを目指す。
「ようこそいらっしゃいました」
「ここがめめさんの宇宙船のブリッジか、凄いもこもこだな」
「ああ、もこもこしてて気持ちいいな」
めめさんの宇宙船のブリッジは、一面もこもこだった。もこもこの絨毯に、もこもこの椅子。壁紙なんかももこもこだ。
「ふふ~ん。このブリッジのウールは全部ねえさんの毛から作ったんだよ。触り心地抜群でしょ?」
「うむ、実にいい手触りだ」
ミニぴぴぷちゃ号の床は、生活スペースには畳が敷かれている。あれはあれで気持ちいいのだが、このウールもまた実にいい。
「ああ、これはちょっとほしくなるな」
「でも、お姉ちゃんのウールは高いんだからね!」
「こらババ! もう、この子ったら、すみません。紹介しますね、この子は私の妹の一人で、ババと申します。300mの宇宙船の艦長でもあります」
「ババです! よろしくね!」
「うむ、こちらこそよろしく頼む」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「今後の予定なのですが、スクリーンをご覧ください」
ブリッジにあるスクリーンには、この船の現在位置と速度。デメキンの現在位置と予測進路、速度が映されている。
「まず、デメキンの動向ですが、妖精軍やハンターギルドからもたらされる情報から、進路、速度共に二日前と変わらず、現在は惑星アルファから28日地点を飛行中です。そして、こちらの巡航速度はデメキンより速いため、順調にいけば12日後に会敵可能です。いかが致しましょう?」
「12日後か、それだと妖精軍の本隊よりもだいぶ早いか?」
「はい、妖精軍の本隊は3日後に出発予定ですので、普段の巡航速度からして、15日後の会敵になるかと思われます」
「俺達としては、BPSが直ってくれれば俺達だけで仕掛けても問題ないな」
「うむ、我輩達も同意見だ」
「修理に関しては、間に合いそうなのですか?」
「何とも言えねえな。今日からめめさん達のエンジニアの力も借りる予定だから、それ次第ってところだな」
「我輩達のほうは微妙な感じで言っていたな。完全修理は間に合わないらしいが、最低限動けるようにする分には問題ないらしい」
「なるほど。では、熊太郎さん達のBPSの修理状況を見て決めますね。もし間に合わないようでしたら、会敵するタイミングを遅らせます」
「俺達は助かるが、いいのか? はぴさんとめめさん達のパーティーだけでやっててくれても構わないぜ」
「いえ、小鬼達だけならともかく、鬼がいる可能性がある以上、準備は万全にすべきです」
「そういうことなら、わかったぜ」
「では、当面はこのまま飛行し、会敵のタイミングに関しては、熊太郎さん達の修理状況次第ということでよろしいでしょうか?」
「うむ」
「すまんな」
「では熊太郎さん。BPSの修理状況の確認に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、頼む」
「では、我輩もついて行くかな」
「はい!」
待ち合わせ場所は惑星アルファの静止軌道だ。街の上空なんかでふよふよしているとなにかと迷惑だからな。妖精軍の旗艦グラジオラスの周りでは、妖精軍も進軍の準備にばたばたしているみたいだ。旗艦グラジオラスはいざという時の最大兵力なので、今回もお留守番かな?
我輩達がふよふよと浮かんでいると、熊さん達の熊宇宙船と、めめさん達の羊の宇宙船が静止軌道まで上がってきた。
めめさん達の宇宙船はデフォルメされた羊だ。まるまるしてて実に可愛らしい。ただ、そのサイズは結構大きい。長さが500mくらいある上に、胴回りも直径300mくらいある。横幅はそこに更にでっかい角も加わるため、なかなかの大きさだ。おまけに一隻じゃない。500mのでっかいのの後ろには、300mの少し小さいのが一隻ついてきている。しかも、これで全兵力というわけじゃなく、コーヒー農園の管理などのために、300mの宇宙船を一隻残して来たというんだから、めめさん達のパーティーの規模の大きさにはびっくりだ。
2隻から通信が入る。ここからはパーティー用のチャンネルを設定して、ずっと繋げっぱなしの予定だ。
「すみません。お待たせしました」
「悪い、待たせたみたいだな」
「いや、なんの問題もない。待ち合わせ時間には少し早いしな。それより、準備が済んでいるようなら出発しようか」
「はい。私達は大丈夫です」
「ああ、俺達もだ」
「では、予定通りめめさん達の500mの宇宙船を中心に隊列を組むとしよう」
「はい! ババ、ドッキング準備はいい?」
「おっけいだよ~!」
「では、ドッキング開始!」
ちなみにババさんというのは、めめさんの妹だ。もちろん羊だ。めめさんの名前は十中八九鳴き声のメーメーから来ていると思うのだが、ババさんも一緒なのだろう。なにせとある言語では、羊の鳴き声はbaa baaというらしいからな。きっとそうに違いない。
我輩達は隊列を組む。まず、めめさんが艦長を務める500mの羊さんの上に、ババさんが艦長を務める300mの羊さんが、どで~っと覆いかぶさるようにくっ付く。
「ねえさん。ドッキング完了したよ!」
「こちらでも確認したわ。では次、はぴさん、熊太郎さん、お願いします」
「うむ」
「おうよ!」
次は我輩と熊さんの番だ。熊さんの宇宙船は、300mの羊さんの更に上にドッキングする。これで、500mの羊さん、300mの羊さん、130mくらいの熊さんという、3段重ねが完成する。
そして、我輩のミニぴぴぷちゃ号だが、熊さんの上に乗るのかと思いきや、500mの羊さんの前方上部が空いているから、そこにドッキングだ。ただ、ドッキングとはいっても、ミニぴぴぷちゃ号にそんなことを前提にした装備はないので、500mの羊さんの上に、その可愛らしい手足でしがみ付くだけだけど。
「艦長、全宇宙船のドッキングを確認しました」
「よろしい。では、出発します。速度は巡航速度、目標は敵小惑星型移動拠点デメキン!」
「「「「「は!」」」」」
「メインブースター点火!」
めめさんの500mの羊さんが本格的に動き出す。最初こそなかなかのGが発生したが、しだいに巡航速度に近づいていき、それに伴いGも減少していく。そして、最終的には加速度はほとんどなくなった。
「みなさん、巡航速度になりました。ここからは安定飛行になりますので、自由に動いていただいて構いません。今後のスケジュールについて連絡がございますので、はぴさんと熊太郎さんは本艦のブリッジに来て頂けないでしょうか?」
「うむ」
「ああ、わかったぜ」
我輩はミニぴぴぷちゃ号から降りて500mの羊さんのブリッジへと向かう。宇宙船間の移動は、それ用の通路があるわけではなく、普通に宇宙空間に出て、てくてく歩いて向かう。生命の進歩と言っていいのか、食べ物等から大量の宇宙パワーを摂取している我輩達は、生身で宇宙空間を移動しても大した影響は受けない。
熊太郎も熊さんの宇宙船からぴょ~んと飛んでやってくる。
そして、我輩達はめめさんの500mの羊さんに乗り込み、ブリッジを目指す。
「ようこそいらっしゃいました」
「ここがめめさんの宇宙船のブリッジか、凄いもこもこだな」
「ああ、もこもこしてて気持ちいいな」
めめさんの宇宙船のブリッジは、一面もこもこだった。もこもこの絨毯に、もこもこの椅子。壁紙なんかももこもこだ。
「ふふ~ん。このブリッジのウールは全部ねえさんの毛から作ったんだよ。触り心地抜群でしょ?」
「うむ、実にいい手触りだ」
ミニぴぴぷちゃ号の床は、生活スペースには畳が敷かれている。あれはあれで気持ちいいのだが、このウールもまた実にいい。
「ああ、これはちょっとほしくなるな」
「でも、お姉ちゃんのウールは高いんだからね!」
「こらババ! もう、この子ったら、すみません。紹介しますね、この子は私の妹の一人で、ババと申します。300mの宇宙船の艦長でもあります」
「ババです! よろしくね!」
「うむ、こちらこそよろしく頼む」
「ああ、よろしく頼むぜ」
「今後の予定なのですが、スクリーンをご覧ください」
ブリッジにあるスクリーンには、この船の現在位置と速度。デメキンの現在位置と予測進路、速度が映されている。
「まず、デメキンの動向ですが、妖精軍やハンターギルドからもたらされる情報から、進路、速度共に二日前と変わらず、現在は惑星アルファから28日地点を飛行中です。そして、こちらの巡航速度はデメキンより速いため、順調にいけば12日後に会敵可能です。いかが致しましょう?」
「12日後か、それだと妖精軍の本隊よりもだいぶ早いか?」
「はい、妖精軍の本隊は3日後に出発予定ですので、普段の巡航速度からして、15日後の会敵になるかと思われます」
「俺達としては、BPSが直ってくれれば俺達だけで仕掛けても問題ないな」
「うむ、我輩達も同意見だ」
「修理に関しては、間に合いそうなのですか?」
「何とも言えねえな。今日からめめさん達のエンジニアの力も借りる予定だから、それ次第ってところだな」
「我輩達のほうは微妙な感じで言っていたな。完全修理は間に合わないらしいが、最低限動けるようにする分には問題ないらしい」
「なるほど。では、熊太郎さん達のBPSの修理状況を見て決めますね。もし間に合わないようでしたら、会敵するタイミングを遅らせます」
「俺達は助かるが、いいのか? はぴさんとめめさん達のパーティーだけでやっててくれても構わないぜ」
「いえ、小鬼達だけならともかく、鬼がいる可能性がある以上、準備は万全にすべきです」
「そういうことなら、わかったぜ」
「では、当面はこのまま飛行し、会敵のタイミングに関しては、熊太郎さん達の修理状況次第ということでよろしいでしょうか?」
「うむ」
「すまんな」
「では熊太郎さん。BPSの修理状況の確認に行きたいのですが、よろしいでしょうか?」
「ああ、頼む」
「では、我輩もついて行くかな」
「はい!」
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