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第26話 デメキン攻略作戦
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「話を続けるぞ。まず、妖精軍の動きを知らせておく。妖精軍は明日先遣部隊を出発させ、本隊を5日後に出発させる予定だ。この作戦に参加する妖精軍の数は現在アルファに駐留する妖精軍の7割ということだ。そして、俺達ハンターギルドも、妖精軍の動きに合わせてギルド保有の全宇宙船の8割を出発させる予定だ」
うう、鬼のことが気になるけど、ギルマスはどんどん説明を続けるようだ。ま、小鬼をわざわざ小さい鬼なんて名称で呼んでいるんだから、子が付かない普通の鬼がいるのは当然といえば当然かな。みんながざわついた理由が知りたい気もするけど、あとでめめさんに聞こうかな。いや、ぴぴかぷうなら知ってるかな?
「んで、ここからが一番重要なんだが、妖精軍からハンターギルドへいくつか依頼が出ている。一つ目は、足の速い連中でデメキンを突いてほしいって話だ。目的はデメキンを突いて、敵の戦力を釣りだし、敵の種類や規模を推測するためだ。求められる能力は、とにかく嫌がらせが得意なことだな。適当に攻撃して逃げるを繰り返してくれりゃあいい。質問はあるか?」
「いいか?」
ハンターの一人が羽を上げる。種族は猛禽類だ。適当に攻撃してサッと逃げるだけでいいんなら、高い飛行技術を持つ猛禽類はこの作戦に適している。
「おう、なんだ」
「観測はどうするんだ? 俺達で行うのか? 観測用の味方を配置してくれるのか?」
「おっと、言い忘れてたな。今回観察は偵察部隊と工作部隊が担うことになっている。知ってるやつもいるかもしれないが、アルファの侵攻前から、他の拠点からの増援を警戒して、妖精軍、ハンターギルド共に偵察部隊と工作部隊をあっちこっちに展開させている。よって、今回の観測は連中が担当してくれることになっているから、任せればいい。なにせ向こうはその手のプロだからな。ちなみにデメキンを発見したのもやつらだから、すでに部隊として展開済みだ。いつ仕掛けてくれても構わんぜ」
「なるほど、わかった。だが、任せっきりでいいのか? こないだの亜光速ゲートには気付かなかったんだろ?」
「あ~、それに関しちゃあ申し訳ねえがあんまり言えねえんだ。気に入らんかもしれないがわかってほしい」
「そうか・・・・・・、そういうことなら仕方ない」
ギルマスの歯切れが悪いが、質問したハンターも追及するつもりはないみたいだ。ただ単に気付かなかったって雰囲気じゃないな。あえて見逃したとか、そんな雰囲気を感じる。めめさんと熊さんも、やっぱりそうだったのかって感じの反応をしてるから、そういうことなんだろう。
ま、国や軍、ギルドが何を考えていようが、我輩はそこまで興味ない。我輩はぴぴとぷうが、好きな時に楽しく狩りしたり遊べるのなら、それでいいしね。こないだの亜光速ゲートも、損するどころか大幅に儲かっちゃったし。
「んじゃ、次だ。2つ目の依頼は単純明快、デメキンの敵に対しての撃破報酬が山のように出てる。妖精軍本体と合流して戦ってもいいし、好きに暴れてもいい。そこはいつも通り適当にやってくれ。俺が干渉することじゃねえしな。詳細はデータを送信した、受け取ってくれ」
我輩はデータを受け取る。敵ごとの撃破報酬の書かれたデータを配ってくれる。おお~、鬼の報酬すごい! 小鬼の100倍以上あるじゃん。しかも、強さによってはもっと上乗せするかもって、凄すぎる!
「んで、後はまあ細々した依頼がちらほらでてる。例えば物資の運搬だったり、地下基地の監視と出てきた連中の排除とかな。詳細はさっきのデータの中に一緒に入っているから見てくれ。ただ、出来ればここにいるメンバーには戦闘関連の依頼を受けてもらいたい。以上だ。何か質問は?」
ハンター達がこぞって手を上げる。ここからは質問タイムみたいだ。
「2人はどうするの? 参加する?」
「はい。私達は参加することになると思います。私達の農場に害をなそうだなんて、許せるはずがありません。潰します・・・・・・」
うあう、めめさんが怖い。
「流石狂乱のリーダーだな。すげえ圧だぜ」
「きょうらん?」
「あれ? はぴさん知らないのか? このめめさん達のパーティーの二つ名が狂乱っていうんだよ」
狂乱って、めめさん、大人しい顔してまさか結構やばい人だったの?
「違うんです、はぴさん。誤解です。根も葉もない言いがかりです。こほんっ、そんな下らない噂話のことよりも、熊太郎さんこそどうなさるのですか?」
ちょっと顔に出ちゃったようで、めめさんが慌てて否定し始める。
「俺達の参加は難しいな」
「そうなのですか?」
「ああ、こないだはぴさん達と地下基地の一つを攻略をしたんだが、敵基地の自爆に軽く巻き込まれてな。BPSの損傷がひどいんだ。たぶん、仲間内での話し合いでは妖精軍の本隊について行こうって話になると思うが、デメキンとの接敵まで20日もないだろ? 修理が間に合うかわからん」
「そういう意味では我輩達もどうなるか微妙だな。ぴぴのBPSのダメージが結構大きいみたいでな」
「ぴぴさんがダメージを負ったのですか?」
「うむ。宇宙パワーの非常に濃いエリアの探索をしたらしくてな。おかげで、お宝を発見出来たから、お手柄といえばお手柄なんだが」
「そうだったのですね。そうだ、もしよろしければ、私達3パーティーで組みませんか?」
「我輩達が?」
「いや、俺達のBPSは全機まともに動かないぞ?」
「私達の宇宙船には大規模な修理設備がございます。私達はアルファに来てからというもの、BPSを農作業用のパワードスーツに換装していたため、現在破損している機体は1機もございません。戦闘用に再度換装が必要ですし、メンテナンスも必要ですが、本格的な修理設備を使用する予定はございません。ですので、デメキンとの接敵までの間、ご使用されてはいかがでしょうか?」
「なるほど、めめさん達のパーティーといえば、そこそこ規模の大きいパーティーとして知られているからな。その宇宙船の修理設備を併用させてもらえるってなると、確かに修理速度は格段にあがるな。だが、いいのか? めめさん達にメリットはほとんどないと思うんだが」
「そこは戦闘時に協力していただければ問題ありません。私達の一番の敵は数か月に及ぶブランクだと思っておりますので、いかがでしょうか?」
「俺はそうさせてもらえるとありがたい」
「我輩もだ。BPSの修理に関しては、我輩まったくタッチしてないからわからないが、めめさん達と熊さん達ならぴぴとぷうも嫌がらないと思うし、なにより楽しそうだからな。一緒に組もう」
「はい! ありがとうございます!」
「じゃあ、あとはいつ出発するかだな」
「我輩達はいつでも大丈夫。ミニぴぴぷちゃ号はいつでも遠征できるように補給は常にしてるから」
「俺達はこないだの地下基地攻略からこっち、BPSの修理ばかりしてて、物資が不足気味だ。出来れば二日くらいほしいな」
「かしこまりました。私達の準備もそのくらいで出来ると思いますので、二日後の朝に出発でいいでしょうか?」
「うむ!」
「ああ!」
ふっふっふ~、今度は熊さん達だけじゃなく、めめさん達とも一緒か~。楽しくなりそうだね。
うう、鬼のことが気になるけど、ギルマスはどんどん説明を続けるようだ。ま、小鬼をわざわざ小さい鬼なんて名称で呼んでいるんだから、子が付かない普通の鬼がいるのは当然といえば当然かな。みんながざわついた理由が知りたい気もするけど、あとでめめさんに聞こうかな。いや、ぴぴかぷうなら知ってるかな?
「んで、ここからが一番重要なんだが、妖精軍からハンターギルドへいくつか依頼が出ている。一つ目は、足の速い連中でデメキンを突いてほしいって話だ。目的はデメキンを突いて、敵の戦力を釣りだし、敵の種類や規模を推測するためだ。求められる能力は、とにかく嫌がらせが得意なことだな。適当に攻撃して逃げるを繰り返してくれりゃあいい。質問はあるか?」
「いいか?」
ハンターの一人が羽を上げる。種族は猛禽類だ。適当に攻撃してサッと逃げるだけでいいんなら、高い飛行技術を持つ猛禽類はこの作戦に適している。
「おう、なんだ」
「観測はどうするんだ? 俺達で行うのか? 観測用の味方を配置してくれるのか?」
「おっと、言い忘れてたな。今回観察は偵察部隊と工作部隊が担うことになっている。知ってるやつもいるかもしれないが、アルファの侵攻前から、他の拠点からの増援を警戒して、妖精軍、ハンターギルド共に偵察部隊と工作部隊をあっちこっちに展開させている。よって、今回の観測は連中が担当してくれることになっているから、任せればいい。なにせ向こうはその手のプロだからな。ちなみにデメキンを発見したのもやつらだから、すでに部隊として展開済みだ。いつ仕掛けてくれても構わんぜ」
「なるほど、わかった。だが、任せっきりでいいのか? こないだの亜光速ゲートには気付かなかったんだろ?」
「あ~、それに関しちゃあ申し訳ねえがあんまり言えねえんだ。気に入らんかもしれないがわかってほしい」
「そうか・・・・・・、そういうことなら仕方ない」
ギルマスの歯切れが悪いが、質問したハンターも追及するつもりはないみたいだ。ただ単に気付かなかったって雰囲気じゃないな。あえて見逃したとか、そんな雰囲気を感じる。めめさんと熊さんも、やっぱりそうだったのかって感じの反応をしてるから、そういうことなんだろう。
ま、国や軍、ギルドが何を考えていようが、我輩はそこまで興味ない。我輩はぴぴとぷうが、好きな時に楽しく狩りしたり遊べるのなら、それでいいしね。こないだの亜光速ゲートも、損するどころか大幅に儲かっちゃったし。
「んじゃ、次だ。2つ目の依頼は単純明快、デメキンの敵に対しての撃破報酬が山のように出てる。妖精軍本体と合流して戦ってもいいし、好きに暴れてもいい。そこはいつも通り適当にやってくれ。俺が干渉することじゃねえしな。詳細はデータを送信した、受け取ってくれ」
我輩はデータを受け取る。敵ごとの撃破報酬の書かれたデータを配ってくれる。おお~、鬼の報酬すごい! 小鬼の100倍以上あるじゃん。しかも、強さによってはもっと上乗せするかもって、凄すぎる!
「んで、後はまあ細々した依頼がちらほらでてる。例えば物資の運搬だったり、地下基地の監視と出てきた連中の排除とかな。詳細はさっきのデータの中に一緒に入っているから見てくれ。ただ、出来ればここにいるメンバーには戦闘関連の依頼を受けてもらいたい。以上だ。何か質問は?」
ハンター達がこぞって手を上げる。ここからは質問タイムみたいだ。
「2人はどうするの? 参加する?」
「はい。私達は参加することになると思います。私達の農場に害をなそうだなんて、許せるはずがありません。潰します・・・・・・」
うあう、めめさんが怖い。
「流石狂乱のリーダーだな。すげえ圧だぜ」
「きょうらん?」
「あれ? はぴさん知らないのか? このめめさん達のパーティーの二つ名が狂乱っていうんだよ」
狂乱って、めめさん、大人しい顔してまさか結構やばい人だったの?
「違うんです、はぴさん。誤解です。根も葉もない言いがかりです。こほんっ、そんな下らない噂話のことよりも、熊太郎さんこそどうなさるのですか?」
ちょっと顔に出ちゃったようで、めめさんが慌てて否定し始める。
「俺達の参加は難しいな」
「そうなのですか?」
「ああ、こないだはぴさん達と地下基地の一つを攻略をしたんだが、敵基地の自爆に軽く巻き込まれてな。BPSの損傷がひどいんだ。たぶん、仲間内での話し合いでは妖精軍の本隊について行こうって話になると思うが、デメキンとの接敵まで20日もないだろ? 修理が間に合うかわからん」
「そういう意味では我輩達もどうなるか微妙だな。ぴぴのBPSのダメージが結構大きいみたいでな」
「ぴぴさんがダメージを負ったのですか?」
「うむ。宇宙パワーの非常に濃いエリアの探索をしたらしくてな。おかげで、お宝を発見出来たから、お手柄といえばお手柄なんだが」
「そうだったのですね。そうだ、もしよろしければ、私達3パーティーで組みませんか?」
「我輩達が?」
「いや、俺達のBPSは全機まともに動かないぞ?」
「私達の宇宙船には大規模な修理設備がございます。私達はアルファに来てからというもの、BPSを農作業用のパワードスーツに換装していたため、現在破損している機体は1機もございません。戦闘用に再度換装が必要ですし、メンテナンスも必要ですが、本格的な修理設備を使用する予定はございません。ですので、デメキンとの接敵までの間、ご使用されてはいかがでしょうか?」
「なるほど、めめさん達のパーティーといえば、そこそこ規模の大きいパーティーとして知られているからな。その宇宙船の修理設備を併用させてもらえるってなると、確かに修理速度は格段にあがるな。だが、いいのか? めめさん達にメリットはほとんどないと思うんだが」
「そこは戦闘時に協力していただければ問題ありません。私達の一番の敵は数か月に及ぶブランクだと思っておりますので、いかがでしょうか?」
「俺はそうさせてもらえるとありがたい」
「我輩もだ。BPSの修理に関しては、我輩まったくタッチしてないからわからないが、めめさん達と熊さん達ならぴぴとぷうも嫌がらないと思うし、なにより楽しそうだからな。一緒に組もう」
「はい! ありがとうございます!」
「じゃあ、あとはいつ出発するかだな」
「我輩達はいつでも大丈夫。ミニぴぴぷちゃ号はいつでも遠征できるように補給は常にしてるから」
「俺達はこないだの地下基地攻略からこっち、BPSの修理ばかりしてて、物資が不足気味だ。出来れば二日くらいほしいな」
「かしこまりました。私達の準備もそのくらいで出来ると思いますので、二日後の朝に出発でいいでしょうか?」
「うむ!」
「ああ!」
ふっふっふ~、今度は熊さん達だけじゃなく、めめさん達とも一緒か~。楽しくなりそうだね。
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