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第23話 熊さん達のご飯事情
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「ううう~、にゃあああ~!」
まともな通路の無くなったテラフォーミング施設から、我輩達はようやく脱出すると、そこにはハンター達のBPSが集まっていた。その中には、顔見知りのハンターギルドの受付さんもいる。一瞬武器を向けられかけたけど、すぐに受付さんがこちらに気付いて話しかけてきた。
「えっと、ぴぴさん達ですよね?」
「少し汚れているけど、これは間違いなくミニぴぴぷちゃ号よ」
「ご無事で何よりです。それで、ご一緒に出掛けられた熊太郎さん達のパーティーはご一緒ではないのですか?」
「熊太郎達ならここにいるわよ」
「おっす、受付さん! 俺達のパーティーは全員無事だぜ。俺達本人だけじゃなく、BPSもな」
「ああ、ご無事で何よりです。その丸い宇宙船の中に、入れたのですね」
「まあ、ぎゅうぎゅうだがな。そんなことより、受付さん達こそこんなところでなにしてんだ? まさか俺達とぴぴさん達のパーティーが心配だったってだけじゃねえだろ?」
「はい。先ほどこの周辺ですさまじい宇宙パワーが観測されたので、小鬼達が何かしてるのではないかと大急ぎで確認に来たのです。ハンターさん達は私の護衛です。ですが、心配していたのも事実なのですよ? 皆さんのパーティーは現在もハンターアライアンス時のコードをお持ちですが、先ほどの爆発があってからそちらの反応も消えていましたので」
「恐らく地下深くの宇宙パワーが濃すぎる場所にいたから、通信が遮断されたのね」
「ご説明していただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
その後、我輩達は事情を説明した。もっとも、我輩はほとんど単独行動で、みんなが何してたのか全然しらないから、受付さんと一緒に話を聞いていただけだけど。
「なるほど、そういうことだったのですね。それで、その口に咥えているのが超高濃度のスペースマテリアルで、両手で持っているトロッコの中身が、高濃度のスペースマテリアルというわけですか」
「ええ」
「すごいです! みなさん凄すぎです! ものすごいお手柄ですよ!」
「そう? その内採掘ギルドあたりが探し当てていたでしょう?」
「それはそうかもしれませんが、この惑星から採掘可能なスペースマテリアルがどの程度の品質のものなのか確定できない状態で探すのと、分かったうえで探すのとでは、全然違いますよ」
「それもそうね。ところで、これは私達で使いたいのだけれど、サンプルはあったほうがいいわよね?」
「それはもちろんです」
「それなら超高濃度のサンプルにはこれをあげるわ」
そういってぴぴは、ぴぴ自ら採掘してきたスペースマテリアルを受付さんにあげた。
「あとはそのトロッコから適当なのを持っていっていいわ」
「はい、ありがとうございます」
「私達はこのまま街に戻るわ。構わないわよね?」
「はい、先ほどのご説明の際にデータもいただきましたし、問題ありません」
我輩達は街へ進路を取り、帰還することにした。
てくてくてくてくてくてく。
遅い。すんごく遅い。ミニぴぴぷちゃ号の動く理屈はよくわかんないけど、推進力を生んでいるのは間違いなく4本の手足だ。丸いボディに直接くっ付いてて可動領域がほとんど無くても、間違いなく4本の手足なのだ。でも、いまはその内2本がトロッコに抱き着いていて使えない。よって、ビックリするほどミニぴぴぷちゃ号が遅い。はあ、やんなっちゃう。
一方ミニぴぴぷちゃ号の船内では、熊さん達が騒ぎ出す。
「うおっしゃ~。無事に終了だ! そんじゃ、打ち上げとでもいくか~!」
「「「お~!」」」
「よし、野郎共、食いもん取ってこい!」
「「「おう!」」」
どうやら熊さん達は打ち上げ会をやるようだ。各自がBPSに積み込んでいた食料を持ち寄り、ご飯の準備をする。
「うし、じゃあ食うぞ~! ぴぴさん達も一緒に食わないか?」
「ええ、いいわ。でも、食料は私は私のお弁当を食べるから気にしないで」
「わたしも」
「そうか? まあ、食いたいものがあったらいつでも言ってくれ」
「ええ」
「うん」
我輩もちょっと様子を見に行ったが、熊さん達の用意していたものは保存食だ。保存食とはいえ、缶詰やフリーズドライの物など、それなりのレパートリーがあるみたいだ。
「温めたい場合は向こうにキッチンがあるから、好きに使ってね」
「おう、サンキュー! って、ぴぴさんもぷうさんも上手そうな弁当食ってんな」
「私達の場合、BPSにお弁当用の保管庫があるのよ」
「なるほど、それでか。でも、お弁当っていうかワンプレートの普通の食事だな」
「うん、はぴの手作りなんだけど、美味しいよ~」
「は~、はぴさん料理できるのか、羨ましいぜ」
「熊さん達は出来ないの?」
「うちは、なあ?」
「うん」
「ああ」
「ダメじゃのう」
「ま、戦闘要員だけの少数パーティーなんてそんなもんだよ。この缶詰とかは市販品だしな。でも、俺達だって出来るだけ美味いものを探して、それぞれお気に入りの缶詰を買い込んでいるからな、味は保証するぜ! ここのところずっと同じメニューでもうだいぶ飽きてきたけどな」
「うん・・・・・・」
「もしよかったら、わたしのお弁当食べる?」
「いいのか?」
「うん、予定より早く終わっちゃったから、いっぱいあるしね」
「じゃあ、くれ!」
「僕も欲しいです!」
「おれも!」
「わしも!」
「じゃあ、わたしのをとりあえずあげるね。ぴぴのもあげていいよね?」
「ええ、構わないわ。熊さん達は私達よりも食べるでしょうしね」
「うお~、マジ感謝だぜ!」
我輩も食事を取る。ミニぴぴぷちゃ号にはオートパイロットモードもあるので、手放し運転も簡単にできるのだ。我輩の視線の先では、ぴぴとぷうが楽しそうに熊さん達と食事をしている。ハードボイルドにゃんことして、静かな食事を愛する我輩だが、たまにはこういうにぎやかな食事会もいいものだ。
まともな通路の無くなったテラフォーミング施設から、我輩達はようやく脱出すると、そこにはハンター達のBPSが集まっていた。その中には、顔見知りのハンターギルドの受付さんもいる。一瞬武器を向けられかけたけど、すぐに受付さんがこちらに気付いて話しかけてきた。
「えっと、ぴぴさん達ですよね?」
「少し汚れているけど、これは間違いなくミニぴぴぷちゃ号よ」
「ご無事で何よりです。それで、ご一緒に出掛けられた熊太郎さん達のパーティーはご一緒ではないのですか?」
「熊太郎達ならここにいるわよ」
「おっす、受付さん! 俺達のパーティーは全員無事だぜ。俺達本人だけじゃなく、BPSもな」
「ああ、ご無事で何よりです。その丸い宇宙船の中に、入れたのですね」
「まあ、ぎゅうぎゅうだがな。そんなことより、受付さん達こそこんなところでなにしてんだ? まさか俺達とぴぴさん達のパーティーが心配だったってだけじゃねえだろ?」
「はい。先ほどこの周辺ですさまじい宇宙パワーが観測されたので、小鬼達が何かしてるのではないかと大急ぎで確認に来たのです。ハンターさん達は私の護衛です。ですが、心配していたのも事実なのですよ? 皆さんのパーティーは現在もハンターアライアンス時のコードをお持ちですが、先ほどの爆発があってからそちらの反応も消えていましたので」
「恐らく地下深くの宇宙パワーが濃すぎる場所にいたから、通信が遮断されたのね」
「ご説明していただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、構わないわ」
その後、我輩達は事情を説明した。もっとも、我輩はほとんど単独行動で、みんなが何してたのか全然しらないから、受付さんと一緒に話を聞いていただけだけど。
「なるほど、そういうことだったのですね。それで、その口に咥えているのが超高濃度のスペースマテリアルで、両手で持っているトロッコの中身が、高濃度のスペースマテリアルというわけですか」
「ええ」
「すごいです! みなさん凄すぎです! ものすごいお手柄ですよ!」
「そう? その内採掘ギルドあたりが探し当てていたでしょう?」
「それはそうかもしれませんが、この惑星から採掘可能なスペースマテリアルがどの程度の品質のものなのか確定できない状態で探すのと、分かったうえで探すのとでは、全然違いますよ」
「それもそうね。ところで、これは私達で使いたいのだけれど、サンプルはあったほうがいいわよね?」
「それはもちろんです」
「それなら超高濃度のサンプルにはこれをあげるわ」
そういってぴぴは、ぴぴ自ら採掘してきたスペースマテリアルを受付さんにあげた。
「あとはそのトロッコから適当なのを持っていっていいわ」
「はい、ありがとうございます」
「私達はこのまま街に戻るわ。構わないわよね?」
「はい、先ほどのご説明の際にデータもいただきましたし、問題ありません」
我輩達は街へ進路を取り、帰還することにした。
てくてくてくてくてくてく。
遅い。すんごく遅い。ミニぴぴぷちゃ号の動く理屈はよくわかんないけど、推進力を生んでいるのは間違いなく4本の手足だ。丸いボディに直接くっ付いてて可動領域がほとんど無くても、間違いなく4本の手足なのだ。でも、いまはその内2本がトロッコに抱き着いていて使えない。よって、ビックリするほどミニぴぴぷちゃ号が遅い。はあ、やんなっちゃう。
一方ミニぴぴぷちゃ号の船内では、熊さん達が騒ぎ出す。
「うおっしゃ~。無事に終了だ! そんじゃ、打ち上げとでもいくか~!」
「「「お~!」」」
「よし、野郎共、食いもん取ってこい!」
「「「おう!」」」
どうやら熊さん達は打ち上げ会をやるようだ。各自がBPSに積み込んでいた食料を持ち寄り、ご飯の準備をする。
「うし、じゃあ食うぞ~! ぴぴさん達も一緒に食わないか?」
「ええ、いいわ。でも、食料は私は私のお弁当を食べるから気にしないで」
「わたしも」
「そうか? まあ、食いたいものがあったらいつでも言ってくれ」
「ええ」
「うん」
我輩もちょっと様子を見に行ったが、熊さん達の用意していたものは保存食だ。保存食とはいえ、缶詰やフリーズドライの物など、それなりのレパートリーがあるみたいだ。
「温めたい場合は向こうにキッチンがあるから、好きに使ってね」
「おう、サンキュー! って、ぴぴさんもぷうさんも上手そうな弁当食ってんな」
「私達の場合、BPSにお弁当用の保管庫があるのよ」
「なるほど、それでか。でも、お弁当っていうかワンプレートの普通の食事だな」
「うん、はぴの手作りなんだけど、美味しいよ~」
「は~、はぴさん料理できるのか、羨ましいぜ」
「熊さん達は出来ないの?」
「うちは、なあ?」
「うん」
「ああ」
「ダメじゃのう」
「ま、戦闘要員だけの少数パーティーなんてそんなもんだよ。この缶詰とかは市販品だしな。でも、俺達だって出来るだけ美味いものを探して、それぞれお気に入りの缶詰を買い込んでいるからな、味は保証するぜ! ここのところずっと同じメニューでもうだいぶ飽きてきたけどな」
「うん・・・・・・」
「もしよかったら、わたしのお弁当食べる?」
「いいのか?」
「うん、予定より早く終わっちゃったから、いっぱいあるしね」
「じゃあ、くれ!」
「僕も欲しいです!」
「おれも!」
「わしも!」
「じゃあ、わたしのをとりあえずあげるね。ぴぴのもあげていいよね?」
「ええ、構わないわ。熊さん達は私達よりも食べるでしょうしね」
「うお~、マジ感謝だぜ!」
我輩も食事を取る。ミニぴぴぷちゃ号にはオートパイロットモードもあるので、手放し運転も簡単にできるのだ。我輩の視線の先では、ぴぴとぷうが楽しそうに熊さん達と食事をしている。ハードボイルドにゃんことして、静かな食事を愛する我輩だが、たまにはこういうにぎやかな食事会もいいものだ。
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