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第7話 はぴ、留守番す
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我輩が今後の展開について悩んでいる間にも、ニュース番組は続いていく。
『まず、今回の戦闘に参加した当方の概要になります。妖精軍宇宙防衛部隊に所属する、第1~第5艦隊。それに加えて、ハンターアライアンス部隊になります』
『妖精軍の艦隊は1000m級を中心に、500m級2隻、300m級4隻で1艦隊とするケースが多いですから、総数で言えば1000m級が5隻、500m級10隻、300m級20隻といったところでしょうね』
『それから、ハンターアライアンスに関して言えば、ハンターギルド本部の1000m級に、支部の500m級4隻が中心になったと思われます。あとは一部の大規模ハンターパーティーが保有する500m級や300m級が参戦しておりましたね』
キャスターのダリア以外に、いきなり妖精軍の事情通っぽい妖精と、ハンターギルドの事情通っぽい熊が現れたが、まあ、気にしてはいけない。登場人物がいつの間にか増えているのは、この番組ではよくあることだからな。ちなみにこういうカウントの時に、我輩のミニぴぴぷちゃ号のような300m未満の小さい宇宙船なんかは数に入れてもらえない。まあ、ハンターパーティー1つ、あるいは妖精軍の1個小隊1つにつき、1隻は小型艦がいるため、非常に数が多いから仕方ないといえば仕方ない。
『そして、肝心の被害に関しては、全体としてみると大したことはないようなのですが、第2艦隊所属の1000m級1隻と500m級1隻が手ひどくやられた模様です』
『そうですね。今回の作戦では第2艦隊が少し突出する形になってしまったため、被害をもろに受ける形になりましたね。装甲もそれなりダメージを受けた模様なのですが、特に人的被害が多く発生しているという報告があります。なんでも、子鬼の1000m級宇宙船を至近距離の砲撃で撃破した際の爆発による衝撃で、この2隻がかなり揺れたらしく、床や天井に頭をぶつけたり、あついお茶を零したりと、かなりの乗組員が被害を受けたもようです』
『ハンターアライアンスに関して言えば、初動が遅れたこともあり、被害はほぼ受けておりませんね。重軽傷者や、意識不明者も0ではありませんが、重傷者は子鬼にやられてくやしくて帰還後に壁などを蹴ったり叩いたりして手足を骨折したものが中心で、意識不明者もそれを頭でやって脳震盪を起こしたものが数名いたもようです。まあ、いつものことというやつですね』
『それに関しては妖精軍でも、同様ですね。軽症者はともかく、重傷者に関しては、第2艦隊でも敵の攻撃というよりは壁パンチによる骨折者のほうが多いと伺っております』
妖精の国では戦闘での死者はめったに出ない。というのも、妖精軍にしろハンターにしろ、BPSの母艦となる宇宙船には、BPSの緊急脱出時の亜空間フィールドを周囲に展開する装置がついており、BPSには緊急時に操縦者を、その亜空間に放り出す機能が組み込まれている。そのため、BPSがやられても、亜空間に操縦者を避難、母艦のトラクタービームで回収というプロセスで、無傷で帰還できるのだ。もっとも、だからこそ帰還後に悔しくて壁パンチをして手の骨を折る連中がそこそこいるのだが。
便利機能ではあるものの、もちろん欠点もいくつかある。まず、あくまでも母艦の発生させる亜空間フィールド内にいないといけないため、母艦を離れての活動時には作動しない。次に、この機能にリソースを割かれる分、BPS、母艦、ともに単純な戦闘力は低下する。最後に、脱出出来るのは操縦者のいるコックピットブロックだけなので、当然BPSそのものは大破となっていることが多く、お財布ダメージは結構大きいということだ。
『最後に敵の子鬼達の撃破状況の説明になります。子鬼達が攻めてきた戦力は1000m級が30隻という布陣だったもようです。その内、艦隊戦において1000m級を5隻、迂回しようとした1000m級を1隻、追撃戦で2隻と、計8隻を撃破という戦果ですね』
『こちらの1000m級が6隻も出ているのです。妥当な戦績といえるでしょうね』
『そうですかな? こちらの1000m級が無傷なら妥当と言えるでしょう。ですが、1隻がかなりのダメージを受け、当面修理のために退かねばならなくなりました。これは少しいただけません』
この辺の評価はなかなかに辛らつだ。一見するとほぼ完勝のようであるが、こちらに被害が出たのは面白くないようである。まあ、被害をたくさん出しながらの入植ともなると、いろいろと批判されやすいため、それを避ける意味でも、被害0を目指すのはいいことではあるが。
さて、現状の把握も出来たし、YNCもこの辺でいいにしようかな。昼にはぴぴとぷうも帰ってくることだし、その時に今後の予定を相談すればいいだろう。ただ、お昼ご飯にはまだまだ時間があるか。ふむ、ここはハードボイルドにゃんこ的な有意義な時間の使い方、午前中からお昼寝と洒落込もうではないか。
「にゃ~! にゃ~! みぎゃ~!」
「な~! な~! なあ~あ!」
んあ? なんだか外が騒がしいな。っと、ぴぴとぷうか。この声は、入れろってことね。はいはい、すぐに開けますよ。ぴぴとぷうだって、外からミニぴぴぷちゃ号の口を開けて入ることも出来るのに、なぜか我輩に開けさせたがるんだよね。まあ、かわいいからいいけど。
「も~、はぴってば、寝てたでしょ?」
「うん、ごめんね」
「私達が出てるってことを忘れないでほしいわ」
「ほんとだよ! もうお昼なんだからね!」
「ほんと? じゃあ、さっそくお昼にする?」
「ええ、そうしましょう」
「うん!」
ふあ~、どうやらちょっと寝すぎてしまったようだ。朝からお昼寝は大正義とはいえ、気持ちよすぎるのが難点だな。我輩はいつものようにご飯を用意し、みんなでお昼ご飯を食べ始める。
「はぴは妖精軍の今後の動向は知っているかしら?」
「うん、YNCでやってたから知ってるよ。惑星アルファにまだ残っている、子鬼達の地下基地の攻略をするんでしょ?」
「ええ、そうよ。TVでもやっていたのね」
「それでね~、今日わたしとぴぴでハンターギルドに行ってたんだけど、わたし達も参加することにしたんだ!」
「うん、いいよ~」
「あら、もしかして予想してたの?」
「まあね。2人ともこの間の戦闘は物足りないって言ってたし、地下基地なら宇宙空間での戦闘とはまた違った楽しさがあるでしょ?」
「ええ、その通りよ」
「うん!」
「妖精軍は30日後って言う事だけど、2人はいつから参加するの?」
「そうね、私達は明日から参加しようと思っているわ」
そうそう、ここでいう1日というのは24時間のことなのだが、1日が24時間で流れるのは、妖精や我輩達動物などが元々住んでいた故郷の星、惑星メイクンなのだ。なので、当然24時間で自転1回転するのは惑星メイクンであり、惑星アルファは24時間で自転1回転するわけじゃない。具体的には惑星アルファの自転は結構早めで、16時間ちょっとで1回転するため、もはや外の明るさと、1日の長さがぜんぜん釣り合っていない事態になっている。もちろん公転周期などもちがうが、各惑星ごとに1日や1年を設定していたら非常にややこしくなるため、そこは全部故郷の星、惑星メイクンに基準があわせられている。
とはいえ、公転周期はまだしも、自転周期はテラフォーミングの過程で、24時間で1回転出来るように、調整できるのなら調整しちゃうのだそうだ。そこは妖精の国のスーパーテクノロジーのなせる技といえよう。
「ミニぴぴぷちゃ号はきっと中に入っていけないよね」
「恐らくそうね。妖精軍のBPSが自由に飛びまわれないって話だから、多分内部はそんなに広くないでしょうね」
「はぴはのんびりご飯でも作って待ってて、わたしとぴぴがやられることはないと思うし、万が一の時でも、惑星アルファ内の地下基地なら、ここからでも十分亜空間脱出機能は使えるでしょ?」
「そうだね。じゃあ我輩はのんびりしてるかな」
こうして、我輩はお留守番となるのであった。
『まず、今回の戦闘に参加した当方の概要になります。妖精軍宇宙防衛部隊に所属する、第1~第5艦隊。それに加えて、ハンターアライアンス部隊になります』
『妖精軍の艦隊は1000m級を中心に、500m級2隻、300m級4隻で1艦隊とするケースが多いですから、総数で言えば1000m級が5隻、500m級10隻、300m級20隻といったところでしょうね』
『それから、ハンターアライアンスに関して言えば、ハンターギルド本部の1000m級に、支部の500m級4隻が中心になったと思われます。あとは一部の大規模ハンターパーティーが保有する500m級や300m級が参戦しておりましたね』
キャスターのダリア以外に、いきなり妖精軍の事情通っぽい妖精と、ハンターギルドの事情通っぽい熊が現れたが、まあ、気にしてはいけない。登場人物がいつの間にか増えているのは、この番組ではよくあることだからな。ちなみにこういうカウントの時に、我輩のミニぴぴぷちゃ号のような300m未満の小さい宇宙船なんかは数に入れてもらえない。まあ、ハンターパーティー1つ、あるいは妖精軍の1個小隊1つにつき、1隻は小型艦がいるため、非常に数が多いから仕方ないといえば仕方ない。
『そして、肝心の被害に関しては、全体としてみると大したことはないようなのですが、第2艦隊所属の1000m級1隻と500m級1隻が手ひどくやられた模様です』
『そうですね。今回の作戦では第2艦隊が少し突出する形になってしまったため、被害をもろに受ける形になりましたね。装甲もそれなりダメージを受けた模様なのですが、特に人的被害が多く発生しているという報告があります。なんでも、子鬼の1000m級宇宙船を至近距離の砲撃で撃破した際の爆発による衝撃で、この2隻がかなり揺れたらしく、床や天井に頭をぶつけたり、あついお茶を零したりと、かなりの乗組員が被害を受けたもようです』
『ハンターアライアンスに関して言えば、初動が遅れたこともあり、被害はほぼ受けておりませんね。重軽傷者や、意識不明者も0ではありませんが、重傷者は子鬼にやられてくやしくて帰還後に壁などを蹴ったり叩いたりして手足を骨折したものが中心で、意識不明者もそれを頭でやって脳震盪を起こしたものが数名いたもようです。まあ、いつものことというやつですね』
『それに関しては妖精軍でも、同様ですね。軽症者はともかく、重傷者に関しては、第2艦隊でも敵の攻撃というよりは壁パンチによる骨折者のほうが多いと伺っております』
妖精の国では戦闘での死者はめったに出ない。というのも、妖精軍にしろハンターにしろ、BPSの母艦となる宇宙船には、BPSの緊急脱出時の亜空間フィールドを周囲に展開する装置がついており、BPSには緊急時に操縦者を、その亜空間に放り出す機能が組み込まれている。そのため、BPSがやられても、亜空間に操縦者を避難、母艦のトラクタービームで回収というプロセスで、無傷で帰還できるのだ。もっとも、だからこそ帰還後に悔しくて壁パンチをして手の骨を折る連中がそこそこいるのだが。
便利機能ではあるものの、もちろん欠点もいくつかある。まず、あくまでも母艦の発生させる亜空間フィールド内にいないといけないため、母艦を離れての活動時には作動しない。次に、この機能にリソースを割かれる分、BPS、母艦、ともに単純な戦闘力は低下する。最後に、脱出出来るのは操縦者のいるコックピットブロックだけなので、当然BPSそのものは大破となっていることが多く、お財布ダメージは結構大きいということだ。
『最後に敵の子鬼達の撃破状況の説明になります。子鬼達が攻めてきた戦力は1000m級が30隻という布陣だったもようです。その内、艦隊戦において1000m級を5隻、迂回しようとした1000m級を1隻、追撃戦で2隻と、計8隻を撃破という戦果ですね』
『こちらの1000m級が6隻も出ているのです。妥当な戦績といえるでしょうね』
『そうですかな? こちらの1000m級が無傷なら妥当と言えるでしょう。ですが、1隻がかなりのダメージを受け、当面修理のために退かねばならなくなりました。これは少しいただけません』
この辺の評価はなかなかに辛らつだ。一見するとほぼ完勝のようであるが、こちらに被害が出たのは面白くないようである。まあ、被害をたくさん出しながらの入植ともなると、いろいろと批判されやすいため、それを避ける意味でも、被害0を目指すのはいいことではあるが。
さて、現状の把握も出来たし、YNCもこの辺でいいにしようかな。昼にはぴぴとぷうも帰ってくることだし、その時に今後の予定を相談すればいいだろう。ただ、お昼ご飯にはまだまだ時間があるか。ふむ、ここはハードボイルドにゃんこ的な有意義な時間の使い方、午前中からお昼寝と洒落込もうではないか。
「にゃ~! にゃ~! みぎゃ~!」
「な~! な~! なあ~あ!」
んあ? なんだか外が騒がしいな。っと、ぴぴとぷうか。この声は、入れろってことね。はいはい、すぐに開けますよ。ぴぴとぷうだって、外からミニぴぴぷちゃ号の口を開けて入ることも出来るのに、なぜか我輩に開けさせたがるんだよね。まあ、かわいいからいいけど。
「も~、はぴってば、寝てたでしょ?」
「うん、ごめんね」
「私達が出てるってことを忘れないでほしいわ」
「ほんとだよ! もうお昼なんだからね!」
「ほんと? じゃあ、さっそくお昼にする?」
「ええ、そうしましょう」
「うん!」
ふあ~、どうやらちょっと寝すぎてしまったようだ。朝からお昼寝は大正義とはいえ、気持ちよすぎるのが難点だな。我輩はいつものようにご飯を用意し、みんなでお昼ご飯を食べ始める。
「はぴは妖精軍の今後の動向は知っているかしら?」
「うん、YNCでやってたから知ってるよ。惑星アルファにまだ残っている、子鬼達の地下基地の攻略をするんでしょ?」
「ええ、そうよ。TVでもやっていたのね」
「それでね~、今日わたしとぴぴでハンターギルドに行ってたんだけど、わたし達も参加することにしたんだ!」
「うん、いいよ~」
「あら、もしかして予想してたの?」
「まあね。2人ともこの間の戦闘は物足りないって言ってたし、地下基地なら宇宙空間での戦闘とはまた違った楽しさがあるでしょ?」
「ええ、その通りよ」
「うん!」
「妖精軍は30日後って言う事だけど、2人はいつから参加するの?」
「そうね、私達は明日から参加しようと思っているわ」
そうそう、ここでいう1日というのは24時間のことなのだが、1日が24時間で流れるのは、妖精や我輩達動物などが元々住んでいた故郷の星、惑星メイクンなのだ。なので、当然24時間で自転1回転するのは惑星メイクンであり、惑星アルファは24時間で自転1回転するわけじゃない。具体的には惑星アルファの自転は結構早めで、16時間ちょっとで1回転するため、もはや外の明るさと、1日の長さがぜんぜん釣り合っていない事態になっている。もちろん公転周期などもちがうが、各惑星ごとに1日や1年を設定していたら非常にややこしくなるため、そこは全部故郷の星、惑星メイクンに基準があわせられている。
とはいえ、公転周期はまだしも、自転周期はテラフォーミングの過程で、24時間で1回転出来るように、調整できるのなら調整しちゃうのだそうだ。そこは妖精の国のスーパーテクノロジーのなせる技といえよう。
「ミニぴぴぷちゃ号はきっと中に入っていけないよね」
「恐らくそうね。妖精軍のBPSが自由に飛びまわれないって話だから、多分内部はそんなに広くないでしょうね」
「はぴはのんびりご飯でも作って待ってて、わたしとぴぴがやられることはないと思うし、万が一の時でも、惑星アルファ内の地下基地なら、ここからでも十分亜空間脱出機能は使えるでしょ?」
「そうだね。じゃあ我輩はのんびりしてるかな」
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