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多摩川 万里(タマガワ バンリ)

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 杉山さんから警告は受けていたけれど、私は氷朱鷺が15になっても彼に対して危機感は全く持っていなくて、氷朱鷺から彼が小さい頃と同様のスキンシップを受けても、何ら違和感なく過ごしていた。
 だから今朝『も』私が朝食のウィンナーを焼いていると、氷朱鷺がさり気にバックハグをして私の肩に顎を乗せてきた。
「失敗したやつ頂戴」
 失敗した前提で要求してくるんだ……
「じゃあ、このカニ」
 私は炒めたカニさんウィンナー達の中でもよりすぐりの不細工を選んで肩越しに氷朱鷺に餌付けする。
 氷朱鷺がモグモグとそのカニを咀嚼し、私はその振動がこそばゆくて肩を竦めた。
「人の肩でモグモグしない」
「ここが落ち着くんだよ。今食べたカニは皮がくしゃくしゃしてたから平家蟹だね」
「くすぐったいからちゃんとテーブルに着いて食べて」
「エデンは敏感だよ。首が弱い」
 氷朱鷺は悪びれて私の首に唇を寄せてきた。
「邪魔邪魔、早く朝シャンしておいで」
 私がシッシッと手を振ると、氷朱鷺は生返事で風呂場へと向かった。
 因みにこれはいつもの光景。私達の日常だ。
 そして私は氷朱鷺がシャワーをしているすきにテキパキと朝食をテーブルに並べていき、リビングのソファーに氷朱鷺が着替えを忘れている事に気付く。
「氷朱鷺、着替え忘れてる」
 私が風呂場に届くくらいの声量で話し掛けると、すぐ後ろから手が伸びてきてびっくりする。
「わっ」
 驚いて振り返ると、そこに、腰にバスタオルを巻いただけの氷朱鷺がびしょ濡れで立っていて、私はもう一度驚く。
「近っ!!」
「さっきまでくっついてたのに、その驚き方、傷付くんだけど?」
「あ、ごめん。戦場で少年兵をしてたから、つい条件反射で」
「俺の事、敵だとでも思ったの?」
「別に。誰でも、いきなり後ろから腕が伸びてきたら驚くでしょ」
「それだけ?」
「それだけ?」
 他に何があると言うのだろう?
「俺を男として意識した、とか」
「ない」
「……」
 私がキッパリ言い放つと、氷朱鷺は不機嫌そうに口を引き結んだ。
 でもこうしてまじまじと氷朱鷺の体を見てみると、以前ののっぺりとした胸板や腕にしなやかな筋肉が付いているし、いつの間にか一人称が『僕』から『俺』に変わっているし、顔付きも中性的ながら凛々しさを増したように見える。
 15なんてまだ子供だと思っていたけれど、知らぬ間に氷朱鷺も男として成長していたんだ。
 感心感心。
「杉山さんの事は?」
「ん?」
 杉山さん?
「杉山さんの事は男として見てるの?」
 突拍子もない質問に、私は始めばかりは『は?』と思っていたが、次第にいつぞやのキスの件を思い出し、これを皮切りに杉山さんを意識してしまう。
「──ない」
 そりゃ誰だって、キスされたら相手を異性として意識しない訳がない、が、話がややこしくなりそうなのでその事は伏せておく。
「良かった」
 何が?
 ああ、でも、子供ながらに、親(私)を杉山さんに盗られそうで心配なのかもしれない。
 ──というか、さっきから氷朱鷺の髪から滴る水滴が私の顔面に降り注いで冷たいんだけど。
「氷朱鷺、雫が──」
 私が下から氷朱鷺の顔を見上げると、ひっきりなしに滴っていた雫が私の顔に降り注いだ。
 近くないか?
 間近に氷朱鷺の顔が迫り、何故か私は彼の濡れそぼった睫毛の長さに感銘を受ける。
 妙に色っぽい子供だ。
 子供に色っぽいとは不適切だが、今の早熟な氷朱鷺にはその言葉がぴったりだと思った。
「拭いてくれる?」
「ん?いいけど」
 昔は、恥ずかしがる氷朱鷺の体を強引に洗って着替えまで手伝ってやった事もあったけれど、すっかり成長した男の子の体を拭いてやるのは倫理的にいかがなものかと葛藤しないでもなかった。
 まあ、本人がそうしてほしいなら、問題ないか。
 しかし、いざ、私が氷朱鷺の腰のタオルに手をかけると、彼は頬を赤くして私の手を止めた。
「やっぱいい」 
「え?」
「自信ない」
 氷朱鷺は顔を背け、ポリポリと自分の鼻の頭を搔いている。
「──いや、そりゃ子供だから」
 私達は家族同然の関係なのに、自信とか、そんな見栄等必要ないように思うが……年頃はわからん。
「でも他の人と比べるでしょ?」
「誰と?」
 比べれる程男の全裸なんか見ていない。強いて言えば小さい頃の弟の裸とか、半裸なら杉山さんとか。
「杉山、さん、とか?」
 急に氷朱鷺の目がマジになった。彼は杉山さんの話になるといつもこうだ。
「杉山さん?他の人なんか知らないし、どうでもいいよ。氷朱鷺は変なところに拘りすぎ」
 そもそも人と比べる事自体馬鹿馬鹿しいと思う。
「えっ、エデンて、そうなの?」
 突然、氷朱鷺の表情が華やいだ。
「ん?何が?」
 何か嬉しそうだな。
「だってエデン、21でしょ?しかも調教師だし」
「まあ」
 よくわからないが、氷朱鷺が嬉しそうなのでそれはそれでいい。
「俺はてっきり、エデンは杉山さんとできてるのかと思ってた」
「杉山さんと?杉山さんは私の良きお兄さんだよ。それに杉山さんは大人だから、大人な女性と付き合ってるんじゃないかな?」
 杉山さんのそういった事情はよくわからないが、昔、彼は夜になるとよく何処かへ出掛けて行き、朝方スッキリとした顔で帰って来ていた。
 私も大人になった今、杉山さんの素行についてはだいたい想像出来るようになった。
 杉山さんはモテるから。
「そっか、良かった」
 良かった?
「いいから、早く支度して。朝食を食べたら道場に行くよ?」
「うん」
 私はそうして氷朱鷺を風呂場へと追い返した。


 食後、氷朱鷺と2人、道場へ行くと、他の調教師や献上品達に混ざって菖蒲と柳が道着を着て組み手をしていた。
 菖蒲は華奢で非力ながらも柳を床に押さえ込み、一本を取っていた。
「見かけによらないな」
 私が感心していると、氷朱鷺がぼそりと『そうかな?』と呟き、地肌に道着を着る。
 私はなんの事やらと思いつつシャツの上から道着を羽織り、隅っこで氷朱鷺と組み合う。
「氷朱鷺、私の足を取りたいのはわかるけど、そこばかり見てたら相手の次の手が読めないよ?」
 氷朱鷺の視線は実にわかりやすい。いかにして私を床に沈めようか虎視眈々としている。
「だったら──」
 氷朱鷺は挑発するようにチラッと私の目を見ると、掴んでいた前襟の部分を力任せに押して私を無理くり押し倒そうとした。
 氷朱鷺の奴、前より確実に力が強くなってる。
 しかし私にも調教師のメンツというものがある。ここで教え子に押し倒される訳にはいかなかった。
 私が氷朱鷺を投げやすくする為、一度思い切り氷朱鷺を自分の方へ引き寄せると、彼が耳を赤くして狼狽したので、私はすきを見て彼に足をかけて横に転ばせ、寝技に持っていく。
「色香を使うなんて狡いよ、エデン」
 氷朱鷺は私に組み敷かれながら不満を漏らした。
「使ってない」
 被害妄想もいいとこだ。
「今だって、胸を押し当ててる」
「当ててない」
 無い物をどうしたらそういうふうに感じるのか、不思議でしょうがない。
「当たってるんだって」
「当たったところで、私に押されてる理由にはならない」
「別に押されてなんか……」
 氷朱鷺は口を尖らせ、都合が悪そうにカウントをとられるのをじっと待っていた。
 杉山さんは心配していたけど、氷朱鷺はまだまだ私には敵わない。
 私はホッとして氷朱鷺を解放したが、彼は腹這いのまま額を床に擦りつけていた。
「どうしたの?」
 よほど悔しかったのか?
「ちょっと待って、すぐにおさまるから」
 何が?
「氷朱鷺、具合でも悪いの?」
 彼は両手を握り締め、じっと何かに耐えているよう。
「ちょっと黙ってて」
「ヒト──」
「エデンさん」
 私が本気で氷朱鷺を心配していると、いきなり背後から柳に声をかけられた。
「あぁ、柳君、さっきは惜しかったね」
「え?いやいや、菖蒲さんを怪我させるといけないから、手加減したんです」
 柳はハニカミながら後頭部を掻く。
 手加減?
 言われてみれば、道着の合わせから覗く柳の大胸筋をもってすれば、華奢な菖蒲に負ける筈がない事は確かだ。
 それに柳は気の優しい少年だ。負け惜しみでそんな事を言ったのではなく、本気で菖蒲を思いやって取り組みをしたのだろう。
「柳君は優しいね」
「練習になりませんけど」
「まあ、そうか。じゃあ、私とやってみる?私は軍にいたから、手加減無しでも大丈夫だし」
「駄目だ」
 私が何の気無しに提案すると、さっきまで腹這いになって突っ伏していた氷朱鷺が立ち上がって私達の間に割って入った。
「やあ、氷朱鷺、もうおさまった?」
 柳が意味深に微笑み、氷朱鷺は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「エデンにちょっかい出すな」
「提案したのは私だよ」
 昔から独占欲の強い子だったが、ここまで他人に敵意を向けるのはちょっとよろしくない。私は氷朱鷺の脇腹を軽く小突き、注意を促した。
「ごめん、柳君、うちの子は協調性が無くて」
 まるで番犬だ。
「いえいえ、気持ちは解ります。氷朱鷺は貴方にしか気を許していないようですし」
「それでも仲良くしてやってくれると嬉しいんだけど……」
 氷朱鷺がこんな態度故、何とも心苦しいお願いではあるが、彼にも同性の友人を作って欲しかった。
「勿論ですよ。氷朱鷺、午後から娯楽室で卓球でもしよう」
 柳が親指を立てて同意を求めると、氷朱鷺はスンとした態度で首を横に振る。
「え、いいよ」
「行きなよ。世界を広げるのはいい事だよ?」
「……」
 無表情だが、氷朱鷺はすこぶる嫌そうな顔をした。
 まったく、こんなんで親離れ出来るのかな。
 彼の将来がわりとマジで心配だ。


 柳は氷朱鷺より少しだけ年上で、その分献上品としての寿命は氷朱鷺より短い訳で、せっかく2人が仲良くなったとしてもすぐに離れ離れになってしまう。ならば同い年の友人でもいれば、ライバルとしてもしのぎを削れるのに──
 ──なんて考えていると、夕方、氷朱鷺と共に娯楽室から部屋に帰って来ると、珍しく部屋の鍵が開いていた。
「?」
 確かに締めた筈なのに、泥棒でも入ったかな?
 氷朱鷺を外で待たせ、私は恐る恐る室内へと足を運ぶ。
 すると──
「エデン!!」
 聞き慣れた声がして、リビングからこちらに人影が走って来る。
「万里?」
 玄関の電気をつけると、氷朱鷺と同じ背丈にまで成長した弟の万里(バンリ)が私目掛けて抱きついてきた。
「え、なんでここに?」
 万里はここから遠く離れた漁村で暮らしているのに、まさか1人でここまで来た訳でもあるまい。
「エデン、俺が万里を連れて来たんだ。勝手にお邪魔してるよ」
 リビングから杉山さんの声がする。
 顔パスで城に侵入出来る杉山さんは、度々この城の管理人を買収しては勝手に私達の部屋に上がり込んでいた。この男の前では私達にプライバシーは無い。
「万里、大きくなったね」
 私は、目線が上になってしまった万里の頭をポンポンと撫でた。
 ここ数年見ないうちに万里の甘えん坊そうな緩い顔はややキリッとした凛々しい顔になった。
 それでもまだ、目がくりくりとしていてゆるキャラみたいにかわいいけど。
 未だに残る両頬のエクボは万里のチャームポイントだ。
「エデン、誰?」
 後ろから氷朱鷺の不機嫌そうな声がして振り返ると、やっぱり彼は不機嫌そうに仁王立ちしていた。
「あ、ごめん。弟の万里。万里、私の献上品の氷朱鷺」
 私が2人の間に入り、互いに互いを紹介すると、万里の方から氷朱鷺に歩み寄って来た。
「君が姉ちゃんの献上品かぁ。ずっと気になってたんだ」
 万里が氷朱鷺に握手を求めると、意外にも氷朱鷺は普通にそれに応じる。
 あれ、いつもは人見知りなのに。
「俺も、エデンの家族には興味がある」
「アハハ、顔が似てなくて誰かと思ったでしょ?」
 氷朱鷺は、万里にブンブンと握った手を振り回されても黙ってされるがままになっていた。
「思った」
「姉ちゃんは美人で、僕はまあ、まあまあな顔をしてるけど、氷朱鷺はびっくりするくらい整った顔をしてるね。想像よりずっと綺麗だ」
「……」
『綺麗』と言った万里の褒め言葉に、氷朱鷺は複雑な表情を浮かべている。
「氷朱鷺相手じゃ、僕は足元にも及ばないなぁ」
 ん?
 なんか引っ掛かる言い方だなと思っていると、ちょうどリビングから杉山さんに呼ばれ、私達はダイニングテーブルを囲ってお茶をする事になった。

「杉山さん、いい加減、勝手に俺達の部屋に侵入するの、やめて下さい」
 氷朱鷺が、私の隣に席をとるやいなや、斜め向かいの杉山さんにぶっきらぼうに言葉を放つ。
『侵入』という言い方に敵意を感じるが、まあ、事実ではあるのでなんともフォローが難しい。
「氷朱鷺」
 私がテーブルの下で氷朱鷺の太腿を軽く小突くも、彼は何ら動じず杉山さんを睨んでいる。
 やれやれ。
 以前から、氷朱鷺の杉山さんに対する態度に関しては常々注意していたが、これに関して氷朱鷺は全然言う事をきいてくれないので、最近ではやや諦めかけている。それは杉山さんも同じようで、彼は全く意に介する事なくニコニコしていた。
「まあ、今後は不法侵入も減ると思うよ?」
 え、不法侵入ていう認識はあったんだ……悪質だな。
「杉山さんもお忙しいですし、そうちょくちょくおいでになれませんよね」
 突然の不法侵入はちょっと困るが、数少ない友人の訪問が減るのは単純に寂しいと思った。
「ハハ、そうじゃないよ」
 続けて杉山さんが『実は──』と切り出すと、それを何故か氷朱鷺の向かいでウズウズしていた万里が勢いよく遮る。

「僕、献上品として杉山さんに調教される事になったんだよ!!」

「えっ!」
 ──と驚きの声をあげたのは私だけで、氷朱鷺は冷静ながらに一瞬黒目を揺らした。
「ちょっと待って、なんで?」
 あまりに唐突で頭の整理が追いつかない。
「僕も、エデンと同じ城で働いてみたかったんだ。元々王室には興味があったし」
 万里は無邪気に両手に顎を乗せて愛嬌を振りまいている。
「万里、万里が考える程、ここはきらびやかな所ではないよ?」
 それに万里は、王女から選ばれなかった献上品の末路を知っているのだろうか?
 後宮にさえ入れれば人生はイージーモードだろうが、そうでなければ最悪、人身売買、戦地出向等、過酷な運命にさらされる。
 私は弟をそんな可哀想な目にあわせたくない。
「うん。それは杉山さんからも言われたし、ネガティブキャンペーンも沢山された。でも僕、姉ちゃんばっかりが家の家計を支えてるのを見てて、早く姉ちゃんを楽させたいとずっと思ってたんだ。それにもう引っ越しの手続きも終わって今日から住み始めるし」
 ……早過ぎるよ。
「駄目だって。杉山さん」
 わがままな弟の事、氷朱鷺同様私の言う事をきかないのはわかっていたので早々に杉山さんに目で訴えた。
「俺が言ってもきかなくて。何なら万里が勝手に願書を出しちゃって、それがまんまと通過しちゃったって訳。それからはあれよあれよという間に今に至る」
 杉山さんは苦笑して肩を竦めた。
「万里……」
 私は深くため息を吐き、両手でこめかみを押さえる。
 なんか頭痛い。
 そもそも、私に楽をさせたいという動機はありがたいけれど、自身が献上品になっては、私達のライバルになるじゃないか。
 我が弟ながら相変わらずの浅見さだ。
 まあ、既に賽は投げられたんだ、もう後には引けない。氷朱鷺と万里のどっちも王女の夫になれなくとも、2人共寵愛を受けて後宮に入れればウィンウィン、か?
「分かった。でもこれ以上杉山さんに迷惑はかけられないから、万里は私が調教師として面倒をみる」
「迷惑だなんて、寧ろ俺はこの状況を楽しもうと思ってる。部屋も隣だから、これからは管理人を買収しなくてもいつでもエデンに会えるだろ?」
「でも杉山さんには杉山さんのお仕事があるじゃないですか」
 それに隣に杉山さんが越して来たとなると、氷朱鷺が嫌がる。
「俺は経営者ってだけで、実際に働くのは従業員だからね。電話やネットさえ使えれば業務に差し障りはないよ」
「俺がイヤだ」
 優雅にコーヒーをあおる杉山さんに、氷朱鷺が静かに抗議した。
「どうして?弟にエデンを盗られそうだから?それとも、俺にエデンを盗られそうだから?」
 杉山さんはわざと余裕を見せつけるように人の良さそうな笑みを浮かべ、それに対し氷朱鷺は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「なんにせよ、今の君はエデンの物であって、エデンは君の物じゃない」
「俺はエデンの物だし、エデンも俺の物だ。ちょっかい出すな」
 現場は剣呑とした空気になり、事情を知らない万里は訳もなく何度もジュースをあおっては、肩身を狭そうにしていた。
「……万里、ホットケーキ食べる?」
「えっ、うんっ!」
 私は急に面倒くささが台頭し、現実逃避をする決断に至った。
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