On ｍy deathbed 〜せめて妻と子に看取られて～

俺の人生

俺は今、死際にいる

それから、俺と恵美子、雅史、そして晴海との生活が始まった。

雅史は見違えるほどに大きくなっていた。四十代になった雅史をこんなに早く見られるとは正直驚きである。晴海とはなかなか上手く話すことができなかったが、年が経つに連れてだんだんお互いに打ち解けていた。彼女は妻に似て、とても綺麗であった。

そうして、楽しいひと時はあっという間に経ち、あれから三年が経った。

そんなある日、俺は風邪をこじらせてしまって肺炎になってしまった。年が年のせいもあり、命に関わるそうだ。咳が毎日出て、息が苦しい日が何日も続いた。もうそう長くないようだ。

そして今、俺はベッドに仰向けになっている。息はやっとしているって感じだ。目蓋を閉じたら、もうこの世界には戻って来られなくなってしまうかもしれない、実際、俺はまだ三十年程しか生きていない。ここで死ぬなんて不公平過ぎはしないか…
しかし、そんな俺の気持ちとは裏腹に、眠気は襲ってくる…俺は目を無意識に閉じた。