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第二章 第1試練~己の衣を血で染めるべからず~
2-3 殺戮の街II
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武装はこの殺戮世界で生き延びるための必需品だ。基本的に外へ行くときは必ず武装をする。兜やら鎧等が主流だが、それらは高価過ぎて孤児院暮らしの俺には到底買えない。かといって、外に出ないわけにはいかない為、俺は自分でガラクタを集めて加工して武装を作っていた。見た目はあれだがこれで何度命を救われたか。
フライパン、鉄板、鉄パイプ、木の板、刃こぼれた包丁、座布団…どれも俺にとっては大切な資源だ。
アンダーグラウンドに正式に入隊すれば専用の武装を身に付けられるのだろうが、それまでは今までのスタンスでこの試練を乗り越える覚悟だ。
※※※
「こ、これで良し!」
頭部は工場近くのゴミ捨て場で偶然見つけたヘルメット。1ヵ所穴空いたり、凹んでたりするけど、まぁ何とか使えるはずだ。
そして、背中には安定の鉄板、腹部は良く分からないけど固そうな板を複数枚ずらしながら縄で固定っと。
そして、武器は鉄パイプと錆びた鎖、そしてトンカチっと。うーん…なんだが、自分にやるのは問題無いけど、人にやるとなるとちょっとまずいような…
これは…何とか罪で捕まるかもしれない…
「うわぁ…これは!う…動きにく…いや、なんでもありませんっ」
「大丈夫かな?動ける?」
「な、何とか大丈夫そうです!」
鉄製のものが多いから女性には重すぎるかと思ったが、ハルさんは案外大丈夫そうだ。見かけによらず力持ちのようだ。さすが、入隊試験合格者だ。俺も含めて。
「よし、武装ができたから、次はレッドアイのいる場所へ向かおうか」
「そうしましょう。早くクリアしないと3日間なんてあっという間ですしね」
そう言うと、ハルさんはポシェットからアンダーグラウンドで渡された地図を取り出した。
「ここからだと…結構近そうです!」
「よし、そうと決まればちゃっちゃと済ましちゃおうぜ」
「そうしましょう!今ボクたちがいるのはアールシティ第1国道沿いなので、この道を真っ直ぐ行けばレッドアイの住み処であるヴォイドシティに着くはずです」
ヴォイドシティはこの殺戮世界でも名高い犯罪区域である。よっぽどの用がなければ普段は昼間でも立ち寄らないような場所だ。勿論、住んでる人間なんて囚われのカルマとその家族くらいという噂だ。中でもレッドアイ遭遇率はトップレベルで、日夜アンダーグラウンドの上級隊員達が警備をしている。
「危険区域に指定されている街なので気をつけて進みましょう」
「ああ…」
「いざとなれば、このトンカチで頭をゴンとカチ割ってやりましょう!」
「ええっ!」
「じょ、冗談ですって!そんなことしたら一瞬でボクたち失格になっちゃいます!」
相手を傷つけ、純白の衣が赤く染まった時、俺達の試練はそこで終了だ。無傷の状態でターゲットの捕獲なんてかなり難易度が高い。まぁ、それだけアンダーグラウンドの隊員になることは簡単ではないと言うことか。
フライパン、鉄板、鉄パイプ、木の板、刃こぼれた包丁、座布団…どれも俺にとっては大切な資源だ。
アンダーグラウンドに正式に入隊すれば専用の武装を身に付けられるのだろうが、それまでは今までのスタンスでこの試練を乗り越える覚悟だ。
※※※
「こ、これで良し!」
頭部は工場近くのゴミ捨て場で偶然見つけたヘルメット。1ヵ所穴空いたり、凹んでたりするけど、まぁ何とか使えるはずだ。
そして、背中には安定の鉄板、腹部は良く分からないけど固そうな板を複数枚ずらしながら縄で固定っと。
そして、武器は鉄パイプと錆びた鎖、そしてトンカチっと。うーん…なんだが、自分にやるのは問題無いけど、人にやるとなるとちょっとまずいような…
これは…何とか罪で捕まるかもしれない…
「うわぁ…これは!う…動きにく…いや、なんでもありませんっ」
「大丈夫かな?動ける?」
「な、何とか大丈夫そうです!」
鉄製のものが多いから女性には重すぎるかと思ったが、ハルさんは案外大丈夫そうだ。見かけによらず力持ちのようだ。さすが、入隊試験合格者だ。俺も含めて。
「よし、武装ができたから、次はレッドアイのいる場所へ向かおうか」
「そうしましょう。早くクリアしないと3日間なんてあっという間ですしね」
そう言うと、ハルさんはポシェットからアンダーグラウンドで渡された地図を取り出した。
「ここからだと…結構近そうです!」
「よし、そうと決まればちゃっちゃと済ましちゃおうぜ」
「そうしましょう!今ボクたちがいるのはアールシティ第1国道沿いなので、この道を真っ直ぐ行けばレッドアイの住み処であるヴォイドシティに着くはずです」
ヴォイドシティはこの殺戮世界でも名高い犯罪区域である。よっぽどの用がなければ普段は昼間でも立ち寄らないような場所だ。勿論、住んでる人間なんて囚われのカルマとその家族くらいという噂だ。中でもレッドアイ遭遇率はトップレベルで、日夜アンダーグラウンドの上級隊員達が警備をしている。
「危険区域に指定されている街なので気をつけて進みましょう」
「ああ…」
「いざとなれば、このトンカチで頭をゴンとカチ割ってやりましょう!」
「ええっ!」
「じょ、冗談ですって!そんなことしたら一瞬でボクたち失格になっちゃいます!」
相手を傷つけ、純白の衣が赤く染まった時、俺達の試練はそこで終了だ。無傷の状態でターゲットの捕獲なんてかなり難易度が高い。まぁ、それだけアンダーグラウンドの隊員になることは簡単ではないと言うことか。
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