239 / 242
239話 「黒蝶は宇宙を舞う その1」
しおりを挟む
今日までのおさらい。
この世界にはレベルとかステータスとかそういうゲーム的な概念はない。
唯一確認出来たのはスキルぐらいかな。得意なことや才能を言葉で表している。そのスキルを確認する力はギフトと呼ばれるもので、基本的に誰でも使える。これらは当たり前のように日常に馴染んでいる。
あと魔法という便利な力もあるね。それ以外は前世とたいして変わらないかも。
簡単にまとめると魔法とスキルが分かる世界の地球に住んでいる。僕はそんなイメージだ。
争いとかも起こっていなさそうで平和そのもの。どう生きるかはあなたの自由。かなりゆるゆるな異世界で生活してるんだ。
というわけでみなさん、こんにちは! それともこんばんはかな?
僕メンテ。そろそろ2歳になる男の子。
まあ今は猫なんですが。
実はね、最近とある猫の悩みを相談されていたんだ。
やけに勘がするどい人間がいるって言うんですよ。
僕ね、猫のいるお宅に入り込んで勝手に通れる魔法のドアを設置しています。それを疑うというか存在を見破りそうな人がいると報告してくれたんだ。
そんなすごい人いる? と思ったら顔見知りのメイドさんでした。
話によると家の中をしつこく探しまくり、トラップやら道をなくしたりして一時期本気で閉じ込めようと画策してたみたいです。これはもう疑いまくってますね。あげくに家全体をリフォームし始めたのだとか。
この行動力は怖いですねえ。
そこまでやるのかと怯える猫。可哀そうだからおやつを食べさせたら元気になりました。この猫の飼い主の分だし問題ないよね?
で、この案件さすがに僕も関係ある。そこでメイドさんに別のことに集中するよう彼氏を見つけてあげたんだ。おかげでドアの存在を気にする頻度が減ったらしいです。
猫とメイド、どっちの悩みも解決。我ながらいいことをしたと思います。
ちなみにメイドさん、彼氏の存在を同僚に秘密にしているそうです。秘密っていいよね。僕秘密だらけだからさ。
よ~し、彼女の名前は秘密にしておきましょう!
最近の話はこれぐらいにして今日もどこかへ遊びに行こう!
物を投げて倒れた方に進んでいくのが僕のマイブーム。ポイッとね。
今日は……こっちだ!
外に飛び出して数分。だいたい北海道と沖縄ぐらいの距離を移動した際、なんか見つけちゃいました。
「なにこれ……」
見たことがないモヤモヤっとした謎の何かがそこにありますね。こんなもの前世に絶対ない。この世界に来てからも初めてだよ。
どんな表現したらいいのか分かりません。形や色が一定ではなく常に変化し続け、地上ではなく空中に浮いている謎の何か。猫の勘ではこれが本当に実在するのかしないのかも疑わしい。目の錯覚のようで本物でもある。そんな空間がここにありますよ。
不思議とかそんな言葉の最上級じゃないかな? なにこれとしか言葉が出ないから。
でも安心してください。
僕には猫魔法というとっ~ても頼れる便利魔法があるのです。
「さわってみよう!」
しっぽを伸ばして謎のモヤモヤをツンツンするように触ってみます。
直接触れるとどうなるか分からないから念のためにね。魔力で作られたしっぽだから魔法を解除すれば本体の僕に影響はないのです。
「ん?」
するとどうでしょう。
「んー!!」
しっぽが抜けなくなりました。というかあの謎のモヤモヤに触ったしっぽ自体ないんだけど?!
これは触れた物を消し去る力があるのか?
仕方がないので魔法で爪を具現化させてしっぽを切断します。
「ふぅ」
切断したしっぽはモヤモヤに吸い込まれました。魔法で作られているので全然痛みはないですよ。安心してください。
急いでしっぽをモヤモヤから離そうとすると。
ゴゴゴゴゴッ!!
今度は身体全体が吸い込まれそうになりました。なんとか踏ん張って耐えてる僕。
これ僕の魔力ごと全部あの消し去る空間へ持ってこうとしてないでしょうか?
いや、まさかこいつ……。
こいつ僕のおっぱいの時間を邪魔しようとしているのか?!
ゴゴゴゴゴッ!!
モヤモヤはいっこうに力を弱める気はないようです。ゴゴゴーってうるさいですねえ。
こちとら赤ちゃんだよ? 栄養補給が大事なの分かってる??
ゴゴゴゴゴッ!!
ん~、こいつ全然話を聞いてない。そもそも生き物かも謎ですし。
よし、対話の時間は終わりだ。やっちゃうぞ。
「話を終わらす猫神パンチ!」
バギャアアアアアアン!!!!!!!!!!
この世界にはレベルとかステータスとかそういうゲーム的な概念はない。
唯一確認出来たのはスキルぐらいかな。得意なことや才能を言葉で表している。そのスキルを確認する力はギフトと呼ばれるもので、基本的に誰でも使える。これらは当たり前のように日常に馴染んでいる。
あと魔法という便利な力もあるね。それ以外は前世とたいして変わらないかも。
簡単にまとめると魔法とスキルが分かる世界の地球に住んでいる。僕はそんなイメージだ。
争いとかも起こっていなさそうで平和そのもの。どう生きるかはあなたの自由。かなりゆるゆるな異世界で生活してるんだ。
というわけでみなさん、こんにちは! それともこんばんはかな?
僕メンテ。そろそろ2歳になる男の子。
まあ今は猫なんですが。
実はね、最近とある猫の悩みを相談されていたんだ。
やけに勘がするどい人間がいるって言うんですよ。
僕ね、猫のいるお宅に入り込んで勝手に通れる魔法のドアを設置しています。それを疑うというか存在を見破りそうな人がいると報告してくれたんだ。
そんなすごい人いる? と思ったら顔見知りのメイドさんでした。
話によると家の中をしつこく探しまくり、トラップやら道をなくしたりして一時期本気で閉じ込めようと画策してたみたいです。これはもう疑いまくってますね。あげくに家全体をリフォームし始めたのだとか。
この行動力は怖いですねえ。
そこまでやるのかと怯える猫。可哀そうだからおやつを食べさせたら元気になりました。この猫の飼い主の分だし問題ないよね?
で、この案件さすがに僕も関係ある。そこでメイドさんに別のことに集中するよう彼氏を見つけてあげたんだ。おかげでドアの存在を気にする頻度が減ったらしいです。
猫とメイド、どっちの悩みも解決。我ながらいいことをしたと思います。
ちなみにメイドさん、彼氏の存在を同僚に秘密にしているそうです。秘密っていいよね。僕秘密だらけだからさ。
よ~し、彼女の名前は秘密にしておきましょう!
最近の話はこれぐらいにして今日もどこかへ遊びに行こう!
物を投げて倒れた方に進んでいくのが僕のマイブーム。ポイッとね。
今日は……こっちだ!
外に飛び出して数分。だいたい北海道と沖縄ぐらいの距離を移動した際、なんか見つけちゃいました。
「なにこれ……」
見たことがないモヤモヤっとした謎の何かがそこにありますね。こんなもの前世に絶対ない。この世界に来てからも初めてだよ。
どんな表現したらいいのか分かりません。形や色が一定ではなく常に変化し続け、地上ではなく空中に浮いている謎の何か。猫の勘ではこれが本当に実在するのかしないのかも疑わしい。目の錯覚のようで本物でもある。そんな空間がここにありますよ。
不思議とかそんな言葉の最上級じゃないかな? なにこれとしか言葉が出ないから。
でも安心してください。
僕には猫魔法というとっ~ても頼れる便利魔法があるのです。
「さわってみよう!」
しっぽを伸ばして謎のモヤモヤをツンツンするように触ってみます。
直接触れるとどうなるか分からないから念のためにね。魔力で作られたしっぽだから魔法を解除すれば本体の僕に影響はないのです。
「ん?」
するとどうでしょう。
「んー!!」
しっぽが抜けなくなりました。というかあの謎のモヤモヤに触ったしっぽ自体ないんだけど?!
これは触れた物を消し去る力があるのか?
仕方がないので魔法で爪を具現化させてしっぽを切断します。
「ふぅ」
切断したしっぽはモヤモヤに吸い込まれました。魔法で作られているので全然痛みはないですよ。安心してください。
急いでしっぽをモヤモヤから離そうとすると。
ゴゴゴゴゴッ!!
今度は身体全体が吸い込まれそうになりました。なんとか踏ん張って耐えてる僕。
これ僕の魔力ごと全部あの消し去る空間へ持ってこうとしてないでしょうか?
いや、まさかこいつ……。
こいつ僕のおっぱいの時間を邪魔しようとしているのか?!
ゴゴゴゴゴッ!!
モヤモヤはいっこうに力を弱める気はないようです。ゴゴゴーってうるさいですねえ。
こちとら赤ちゃんだよ? 栄養補給が大事なの分かってる??
ゴゴゴゴゴッ!!
ん~、こいつ全然話を聞いてない。そもそも生き物かも謎ですし。
よし、対話の時間は終わりだ。やっちゃうぞ。
「話を終わらす猫神パンチ!」
バギャアアアアアアン!!!!!!!!!!
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
236
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる