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224話 「えんとつさん その2」
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俺は猫。町暮らしで名無しの野良猫だった。
「よ、えんとつ」
「おう」
現在、俺は教会に移り住んで飼い猫になっている。最近では仲間の猫から”えんとつ”と呼ばれるようになった。
今まで新入り新入りと雑に扱われてきた。名前が認知されたからか新入りとは呼ばれる回数は減ってきた。少し地位が上がったのだろう。
今日は教会の猫の序列について話そう。
群れの中には圧倒的な権力を持つ猫がいる。分かりやすく言えばボスやリーダーと呼ばれる強い猫だ。それが群れの序列のトップ、地位の一番高い存在。
この群れではまさかの子猫がそのトップに立っている。しかも猫でありながら人間という摩訶不思議な存在。
お分かりの通りこの群れのナンバー1は”メンテ”という名前の子猫だ。
メンテがいるから飯がうまいし快適に暮らせる。また群れの中で唯一の魔法を使える点から文句なしに最強の猫である。
こんな幼い年齢の猫がトップ、なおかつ群れを率いている話は聞いたことがない。しかも完璧に猫達をまとめあげており、統率力の優れたリーダーといえる。特に生活を縛るような命令もなく、自由にのびのびと暮らせるのには驚いた。
これは嘘みたいな本当の話。
町で暮らしていたときはその存在すら知らなかった。噂を聞いても冗談扱いされるだろう。
ではメンテの次に偉い猫。ナンバー2の話だ。
2番目に偉い猫は教会のまとめ役。皆から”シロさん”と呼ばれるあの白い猫である。秩序を守らないやつは絶対に許さない恐ろしいメス猫だ。
俺はあまり話したことがないのでこれぐらいの情報しか持っていない。
まあここまでは誰でも知っているだろう。では3番目に権力を持つ猫は誰か?
それは、”初期組”と呼ばれる猫達だ。
この群れではメンテと知り合うのが早ければ早いほど序列が高くなる。ゆえに昔から教会に住んでいる猫ほど順位が高く、偉くなっていくのだ。だいたい20~30匹程がこの初期組に該当する。この猫達の発言力は強い。メンテと会う前から教会の家族みたいに暮らしていたからな。団結力が優れている。
この群れの序列は、年齢や強さは全く関係ないので特殊な例と言えよう。他の猫グループとの明確な違いだな。
そして、なによりも羨ましいことがある。それは初期組の猫達は名前が分かりやすいこと。
赤ければレッド。青ければブルーのようにお前がその色の代表的存在だと名付けられている。後から来た猫程よく分からない色の名前が与えられるのだ。
まあそれでもカッコ良い名前の方が多い。が、俺の名前はひどい。しかも定着してしまってどうしようもない。
このことから名前だけでも群れの中での順位が決まっていると分かる。これが初期組だ。
4番目に権力を持つのが”ご近所さん”と呼ばれる猫達。
このご近所さんは、教会に住む猫のことではない。メンテの家の近くに住んでいる飼い猫達の総称だ。近くに住んでいるので挨拶したことから交流が始まったらしい。
この猫達の強みは、おもに人間が関係している。メンテのお世話をしている人間の飼い猫が大多数を占めるのだ。
いわばメンテにとって側近の関係者。知り合うのが初期組より遅かったとはいえ立場は同じぐらい高い。俺のような新参には無下に扱うことは出来ない相手だ。
そんなご近所さんは比較的に穏やかな性格の猫が多い。地位とか立場は気にしてなさそうだから気軽な付き合いなのが救いである。
今後も仲良くしたい。
最後に5番目。というか群れで全く権力のない底辺。それが俺だ。
簡単に言えば”初期組”と”ご近所さん”以外の猫達全てが当てはまる。特に最近になってメンテの存在を知った町に住む猫達の序列はここからスタートする。
新入りと名前も呼ばれないのはゴミ同然の存在。ただの雑用係である。
メンテに名前を貰ってからやっと群れの一員として認めて貰える。そのあとに初期組に認められれば待遇は良くなるのだ。
序列の話はここまでとしよう。目の前で初期組の猫達が話し合っている。俺はその会話を静かに聞いていた。
「今日は誰が泊まる?」
「俺行くにゃ」
「私もー」
「じゃあ新入りどもは教会な。あ、えんとつも残れよ」
「にゃ?!」
立場の低い今の俺では初期組に逆らうことは許されない。
メンテの家に泊まれる猫は選ばれし猫だけ。新入りが増えすぎて泊まりに行ける数が制限されているからだ。
はあ、今日も俺は教会で寝泊まりか。
新入りが寝泊まり出来るのは週に1回あれば良いほうである。初期組は毎日のように泊まりに行ってるけどな。
にゃあああ、悔しい。早く初期組に認められねばと思った。
◆
俺はえんとつ。今メンテの家にいる。
やった、久しぶりの天国だ!
夜はダメでも昼はまあまあ遊びに行けるようになった。俺より下の立場の新入りが増えたからな。
「おい、ぼさっとするな。足拭け」
「は、はい」
おっと、危ない。忘れていた。
メンテの家に入る条件は清潔なこと。体に付いた汚れを落とさないと人間に迷惑が掛かり、その日は罰として全員飯抜きになる。怒り狂った先住猫にボコボコにされるので注意が必要なのだ。
まあ先住猫っていうか初期組の猫なんだけどな。あまり教会に帰らない先輩猫と言った方が良いのかもしれない。
メンテの家に着いたらまず風呂場というところに連れて行かれる。そこで全身の汚れを落とす。
俺は水が苦手だ。町で暮らしているときから雨で濡れるのが嫌いだった。でもここでは水が温かいからか何とか我慢出来ている。正直風呂とかいうでかい水たまりに俺を入れるのは勘弁してほしい。
そんな風呂場には、毎回人間も一緒に付いて来る。俺達を丁寧に洗うのが役目らしい。
「あれ? おかしいなあ。この猫全然汚れ全然落ちないよ」
「あ、それ汚れじゃなくて模様なんじゃ」
「……っは?! そういえば変な色の猫いましたね」
「多分その子のことでしょ」
「あはは、たまにしか来ないから忘れてました。洗い過ぎたかも」
毎日ここに来ている猫とは違い、俺は汚れが多い。だから泡立つのが遅くて人間が苦労しているらしいと先輩に怒られた。
確かに俺は毎日ここには来てない。というか本当はこの天国に毎日行きたいのだが、俺の立場が低すぎて却下されまくっている。
序列を上げるには人間のことを詳しく知るのが必須条件。それを理解出来てないうえに群れのルールも守れていないと俺は初期組に全然認められないのだ。
だから汚れに関しては多少は目をつぶってほしい。町にいるときより清潔になったのは間違いないはず。そこは認めて欲しい。
……それにしても一緒にここに来た先輩猫は綺麗だ。つり目が可愛いというか俺好みの顔をしている。もっとこっちを見て欲しい。
さっきからすごーく彼女が気になる。これが恋なのか??
思わずつがいになってくれ! と頼んだら即断られた。
えっ、序列が低すぎて無理? あと汚れのひどい猫はNGだと……?!
……死にたい。
俺はトボトボと歩き出す。廊下を歩いていると俺より先に教会入りした猫の先輩に出会う。
この先輩猫は初期組に認められている数少ない元町の猫なのだ。少し質問をしてみた。
「早く序列を上げたい? それなら手っ取り早い方法ならあるにゃ」
詳しく話を聞くと、メンテに顔を覚えて貰うのが一番だと分かった。特に機嫌が悪い時に手伝うと良いらしい。どんな命令が来ても何も考えず、ただその通り実行するだけで簡単だと教えて貰った。
なるほど。そんな方法があるのか。
さっそくやってよう。それと序列を上げたらもう一度あの先輩に告白しよう。
「まあライバルは多いだろうから頑張れにゃ」
「え?」
メンテのよくいる子供部屋に入ると、猫達の視線が俺に向かって一斉に注がれた。一瞬ビクッとしたが気にせずに部屋中の猫を観察してみる。
ってどいつもこいつも町の猫じゃにゃいか?!
みんな俺と同じことを考えているようだ。多分誰かから俺と同じ話を聞いたのだろう。部屋の中はライバルだらけだった。そこらじゅうで俺がやる俺がやるってオーラをまき散らしてバチバチである。
一緒に部屋に入った先輩は、序列を上げたい新入り達を監視することで皆から信頼を得ているらしい。よく見渡すとそういう猫がちらほらと確認出来た。
この群れにはそういう仕事もあるのか。俺は本当に何も知らない新参猫だったようだ。努力が足りていないと初期組の猫に怒られるのはこういうことか。
ちなみにメンテはこんな猫の様子に全然気付いていないと思われる。ごろ~んと床に転がってずっとボケ~っとしていた。自由すぎる。
ふう。今日もいろいろ学べた。
天国でずっと暮らせる可能性が少し見えてきた。どうやらこの群れには成り上がるチャンスもあるらしい。気付けて良かった。
やる気が湧きまくった俺は心で叫ぶ。
やったるにゃー!
こうして俺は群れの一員として頑張りだしたのだ。
「よ、えんとつ」
「おう」
現在、俺は教会に移り住んで飼い猫になっている。最近では仲間の猫から”えんとつ”と呼ばれるようになった。
今まで新入り新入りと雑に扱われてきた。名前が認知されたからか新入りとは呼ばれる回数は減ってきた。少し地位が上がったのだろう。
今日は教会の猫の序列について話そう。
群れの中には圧倒的な権力を持つ猫がいる。分かりやすく言えばボスやリーダーと呼ばれる強い猫だ。それが群れの序列のトップ、地位の一番高い存在。
この群れではまさかの子猫がそのトップに立っている。しかも猫でありながら人間という摩訶不思議な存在。
お分かりの通りこの群れのナンバー1は”メンテ”という名前の子猫だ。
メンテがいるから飯がうまいし快適に暮らせる。また群れの中で唯一の魔法を使える点から文句なしに最強の猫である。
こんな幼い年齢の猫がトップ、なおかつ群れを率いている話は聞いたことがない。しかも完璧に猫達をまとめあげており、統率力の優れたリーダーといえる。特に生活を縛るような命令もなく、自由にのびのびと暮らせるのには驚いた。
これは嘘みたいな本当の話。
町で暮らしていたときはその存在すら知らなかった。噂を聞いても冗談扱いされるだろう。
ではメンテの次に偉い猫。ナンバー2の話だ。
2番目に偉い猫は教会のまとめ役。皆から”シロさん”と呼ばれるあの白い猫である。秩序を守らないやつは絶対に許さない恐ろしいメス猫だ。
俺はあまり話したことがないのでこれぐらいの情報しか持っていない。
まあここまでは誰でも知っているだろう。では3番目に権力を持つ猫は誰か?
それは、”初期組”と呼ばれる猫達だ。
この群れではメンテと知り合うのが早ければ早いほど序列が高くなる。ゆえに昔から教会に住んでいる猫ほど順位が高く、偉くなっていくのだ。だいたい20~30匹程がこの初期組に該当する。この猫達の発言力は強い。メンテと会う前から教会の家族みたいに暮らしていたからな。団結力が優れている。
この群れの序列は、年齢や強さは全く関係ないので特殊な例と言えよう。他の猫グループとの明確な違いだな。
そして、なによりも羨ましいことがある。それは初期組の猫達は名前が分かりやすいこと。
赤ければレッド。青ければブルーのようにお前がその色の代表的存在だと名付けられている。後から来た猫程よく分からない色の名前が与えられるのだ。
まあそれでもカッコ良い名前の方が多い。が、俺の名前はひどい。しかも定着してしまってどうしようもない。
このことから名前だけでも群れの中での順位が決まっていると分かる。これが初期組だ。
4番目に権力を持つのが”ご近所さん”と呼ばれる猫達。
このご近所さんは、教会に住む猫のことではない。メンテの家の近くに住んでいる飼い猫達の総称だ。近くに住んでいるので挨拶したことから交流が始まったらしい。
この猫達の強みは、おもに人間が関係している。メンテのお世話をしている人間の飼い猫が大多数を占めるのだ。
いわばメンテにとって側近の関係者。知り合うのが初期組より遅かったとはいえ立場は同じぐらい高い。俺のような新参には無下に扱うことは出来ない相手だ。
そんなご近所さんは比較的に穏やかな性格の猫が多い。地位とか立場は気にしてなさそうだから気軽な付き合いなのが救いである。
今後も仲良くしたい。
最後に5番目。というか群れで全く権力のない底辺。それが俺だ。
簡単に言えば”初期組”と”ご近所さん”以外の猫達全てが当てはまる。特に最近になってメンテの存在を知った町に住む猫達の序列はここからスタートする。
新入りと名前も呼ばれないのはゴミ同然の存在。ただの雑用係である。
メンテに名前を貰ってからやっと群れの一員として認めて貰える。そのあとに初期組に認められれば待遇は良くなるのだ。
序列の話はここまでとしよう。目の前で初期組の猫達が話し合っている。俺はその会話を静かに聞いていた。
「今日は誰が泊まる?」
「俺行くにゃ」
「私もー」
「じゃあ新入りどもは教会な。あ、えんとつも残れよ」
「にゃ?!」
立場の低い今の俺では初期組に逆らうことは許されない。
メンテの家に泊まれる猫は選ばれし猫だけ。新入りが増えすぎて泊まりに行ける数が制限されているからだ。
はあ、今日も俺は教会で寝泊まりか。
新入りが寝泊まり出来るのは週に1回あれば良いほうである。初期組は毎日のように泊まりに行ってるけどな。
にゃあああ、悔しい。早く初期組に認められねばと思った。
◆
俺はえんとつ。今メンテの家にいる。
やった、久しぶりの天国だ!
夜はダメでも昼はまあまあ遊びに行けるようになった。俺より下の立場の新入りが増えたからな。
「おい、ぼさっとするな。足拭け」
「は、はい」
おっと、危ない。忘れていた。
メンテの家に入る条件は清潔なこと。体に付いた汚れを落とさないと人間に迷惑が掛かり、その日は罰として全員飯抜きになる。怒り狂った先住猫にボコボコにされるので注意が必要なのだ。
まあ先住猫っていうか初期組の猫なんだけどな。あまり教会に帰らない先輩猫と言った方が良いのかもしれない。
メンテの家に着いたらまず風呂場というところに連れて行かれる。そこで全身の汚れを落とす。
俺は水が苦手だ。町で暮らしているときから雨で濡れるのが嫌いだった。でもここでは水が温かいからか何とか我慢出来ている。正直風呂とかいうでかい水たまりに俺を入れるのは勘弁してほしい。
そんな風呂場には、毎回人間も一緒に付いて来る。俺達を丁寧に洗うのが役目らしい。
「あれ? おかしいなあ。この猫全然汚れ全然落ちないよ」
「あ、それ汚れじゃなくて模様なんじゃ」
「……っは?! そういえば変な色の猫いましたね」
「多分その子のことでしょ」
「あはは、たまにしか来ないから忘れてました。洗い過ぎたかも」
毎日ここに来ている猫とは違い、俺は汚れが多い。だから泡立つのが遅くて人間が苦労しているらしいと先輩に怒られた。
確かに俺は毎日ここには来てない。というか本当はこの天国に毎日行きたいのだが、俺の立場が低すぎて却下されまくっている。
序列を上げるには人間のことを詳しく知るのが必須条件。それを理解出来てないうえに群れのルールも守れていないと俺は初期組に全然認められないのだ。
だから汚れに関しては多少は目をつぶってほしい。町にいるときより清潔になったのは間違いないはず。そこは認めて欲しい。
……それにしても一緒にここに来た先輩猫は綺麗だ。つり目が可愛いというか俺好みの顔をしている。もっとこっちを見て欲しい。
さっきからすごーく彼女が気になる。これが恋なのか??
思わずつがいになってくれ! と頼んだら即断られた。
えっ、序列が低すぎて無理? あと汚れのひどい猫はNGだと……?!
……死にたい。
俺はトボトボと歩き出す。廊下を歩いていると俺より先に教会入りした猫の先輩に出会う。
この先輩猫は初期組に認められている数少ない元町の猫なのだ。少し質問をしてみた。
「早く序列を上げたい? それなら手っ取り早い方法ならあるにゃ」
詳しく話を聞くと、メンテに顔を覚えて貰うのが一番だと分かった。特に機嫌が悪い時に手伝うと良いらしい。どんな命令が来ても何も考えず、ただその通り実行するだけで簡単だと教えて貰った。
なるほど。そんな方法があるのか。
さっそくやってよう。それと序列を上げたらもう一度あの先輩に告白しよう。
「まあライバルは多いだろうから頑張れにゃ」
「え?」
メンテのよくいる子供部屋に入ると、猫達の視線が俺に向かって一斉に注がれた。一瞬ビクッとしたが気にせずに部屋中の猫を観察してみる。
ってどいつもこいつも町の猫じゃにゃいか?!
みんな俺と同じことを考えているようだ。多分誰かから俺と同じ話を聞いたのだろう。部屋の中はライバルだらけだった。そこらじゅうで俺がやる俺がやるってオーラをまき散らしてバチバチである。
一緒に部屋に入った先輩は、序列を上げたい新入り達を監視することで皆から信頼を得ているらしい。よく見渡すとそういう猫がちらほらと確認出来た。
この群れにはそういう仕事もあるのか。俺は本当に何も知らない新参猫だったようだ。努力が足りていないと初期組の猫に怒られるのはこういうことか。
ちなみにメンテはこんな猫の様子に全然気付いていないと思われる。ごろ~んと床に転がってずっとボケ~っとしていた。自由すぎる。
ふう。今日もいろいろ学べた。
天国でずっと暮らせる可能性が少し見えてきた。どうやらこの群れには成り上がるチャンスもあるらしい。気付けて良かった。
やる気が湧きまくった俺は心で叫ぶ。
やったるにゃー!
こうして俺は群れの一員として頑張りだしたのだ。
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