もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

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211話 「職場体験 その7」

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「――というわけで優勝したのはウンセーさん。お守りが半日も持たずに全部なくなったらしいわ。それも圧倒的な強さでね」
「これがそのお守りね。フフッ、確かにこれなら選ぶ人は多そうね」
「ヒモが付いているからカバンに付けられるのがいいわ。軽いしストラップには最適よね」


 ここはナンスのお家。店から届けられた報告書をメンテの母親であるレディーとナンス家相談役のキッサの2人で読んでいた。


「2位がヌイグルミイさん。この人形を作ったらしいわ。女性と子供に人気があり、お土産に選んだ人が多かったみたいよ」
「全部の人形に服が付いてたのよね? 時間もないのによく間に合わせたなんてすごい子だわ」
「彼女は人形の数が足りなくて服が余ったと悔やんでいたそうよ。これがその服だって。すごいわよ」
「……この服すごい細かいところまで作り込まれているわ。こだわりがあるのかしら」
「話を聞いた人によると魔道具を作るより服やぬいぐるみを作る方が楽しいらしいわ。あとは接待がすごく上手だったみたい」
「なるほどねえ」


 ソノヒトの報告書を読む2人。職場体験の学生たちについての情報共有をしていた。

 ちなみに報告書と言っても気になることがあれば書いてくれ程度のものである。堅苦しいものではないので店のスタッフは全員報告書を作成している。


「3位がミチオくん。この猫の置物を作ったみたい。モデルは店にいた猫だって。今話した3人は初日で全部なくなったみたいよ」
「動物なら老若男女選ぶ人がいるわね」
「目の付け所は良さそうだわ。あとメンテくんとよく遊んでくれたらしいわよ」
「あら。良い子じゃない」
「他の子たちも2日目で全部なくなったそうよ。今年は皆優秀ね。予定より多く作った上に全部なくなって初めてじゃない?」
「フフッ、みんなスカウトしちゃってもよさそうね」
「ソノヒトには考えておけって報告しとくわ」


 良さそうな人材を探す二人。今回の学生は上々なようだ。


「もうひとつ課題があったわね? それはどうなったのかしら」
「値段の付け方が分かってないとかで売れなかったみたいよ。ただヌイグルミイさんの動物人形だけがバカ売れしたみたい」
「魔道具というより雑貨屋がメインになりつつあるわね」
「儲かれば何でもいいのよ」


 他に何か面白そうなことはないかとペラペラと報告書を見るキッサ。すると顔をしかめた。


「なんですって?!」
「どうしたのキッサさん?」
「……レディーちゃん、良い話と悪い話。どっちから知りたい?」
「悪い話ね。どうせパパが関係するのは分かってるわ」
「じゃあ手早く話すわね。新しい魔道具あったじゃない? あれに関することよ」
「商品名が決まったの? パパのネーミングセンスはあまり良くないから不安だわ」
「そうじゃなくて盗まれそうになったの。まあそれは防げたみたいだけどその後に問題が起きたわ。ソノヒトも存在を知らない新兵器で賊を撲滅? したみたい。道を吹き飛ばして通行止めよ。復旧まで数週掛かるって。逃げた先が町中じゃなくて町の外だったのが幸いね」
「……それはどこの道かしら?」
「コノマチと王都の間よ」
「最悪じゃない」


 流通に影響が出るが痛い。だがダンディの実験ならこうなってもしょうがないと二人は諦めた。


「キッサさん。パパはこのことについて何か言っていたの?」
「『コロスンでぶっ殺すん』だって。コロスンが武器の名称。『遠距離攻撃の時代に突入した。実験は大成功だ』と書かれているわね。これを読んだだけじゃ何を言ってるのか分からないわ」
「……私も分からないわよ」
「発射ボタンを押したのはメンテだから問題ない。はっはっは! だって」
「そこは問題あるでしょ。子供のせいにするのはどうかと思うわ。だいたいメンテちゃんは頭悪いんだから押すに決まってるじゃないの」
「他の報告だとメンテくんとタクシーだけは爆笑していたと。新兵器に関わっていたのはダンディと合わせてこの3人。まあメンテくんは見てただけだろうから犯人は実質いつもの2人よ。あとでしっかり話を聞きましょう」
「そうね」


 ナンス家ではこれぐらい日常茶飯事。比較的落ち着いている2人であった。


「じゃあ次は良い報告。学生のミチオくんって猫の置物を作った学生がいるじゃない? その子がメンテくんのおかげで力の使い方が分かったと感謝してたわ。あと卒業したらここに就職したいって」
「それは良い話じゃない。でもなぜメンテちゃんが関係するのかしら?」
「えーっと、どこだどこだ。あった。これこれ」


 1枚の紙をレディーに渡すキッサ。


「これがミチオくんのレポートね。メンテくんが連れて来た猫のおかげでスキルの使い方が分かったらしいわ。動物の中でも猫関連の物を作るときだけ力が発揮されるらしいわよ。今まで動物が苦手だったから避けていたみたいね」
「猫だけってところが珍しいわね」
「ソノヒトは最近出来たペット部門で活躍しそうだから期待してるみたいよ」
「それは期待出来るわね。ペット関連の売り上げは順調みたいだし」


 ミチオはメンテによって覚醒したようだ。


「あとこれもミチオくんのことなんだけど、一緒に来た学生のケイさんお付き合いを始めたらしいわ」
「あら、あらあら。そこはぜひとも詳しく聞きたいわね!」
「面白そうな話でしょ? じゃあ読むわよ」


 ◇


 最終日。


「ほら言ったじゃない。あなたはいいとこ突いたって」
「そうかな? まさか初日で全部なくなるなんて思わなかったけど」
「自信持ちなさいよ! 私の計算を上回ったんだから」


 今私は仲良くしゃべるお二人をこっそり覗き見しています。実はこのミチオとケイのお二人、なかなかいい感じなのです。でも付き合っていないそうです。早く付き合っちゃえよ。


「初めてだったんだよ。しっくり来たのが。これがギフトにあった俺本来の力なのかってさ。でも猫が襲って来るから必死にコツを掴んだだけだよ」
「私ねあなたの作った猫を見た瞬間、びびっと来たのよ。これは人気出そうって」
「それも計算魔法の力?」
「まあそれもあるけど……私が一番びびっと来たのはあなたの笑顔よ」ボソボソ
「え? 何か言った」
「べ、別になんでもないわ!」


 小さな声であなたの笑顔よと赤面している姿を見るとニヤけちゃいますね。早くくっ付けばいいのに。


「ところで聞きたいんだけど……。将来ミチオくんは何かしたいことはあるの?」
「え? んー、どうだろ。今はここで働いてもいいかなあって思ってるかも。ここ猫いっぱいいるからモデルに困らなそうだし」
「――! そ、そうなんだ……」
「どうしたのケイさん?」
「えっとね……」
「?」


 もじもじするケイさん。何かいいたそうですねえ。


「私もコノマチって住みやすいかなあって思ってね。王都は人が多すぎるっていうかなんて言うか」
「あー分かる。適度にいたらいいよなあ」
「でね、もしよければなんだけど一緒に住まない?」
「………………………………え?」
「お嫁さん欲しくない?」
「…………ええっ?!」


 きゃああああ! ケイさんが勇気をだして告白したわ!!!!

 見て見て、ミチオくんの顔も真っ赤よ。あれは脈ありどころかもう落ちているわ。男は単純なのよ!!


「お、俺でいいの? ……ケ、ケイさん。俺――」
「およめちゃんほちくない?」
「「――?!!」」


 え?! メンテくんいつからそこにいたの?? 今大事なところなの。一世一度の告白タイムなのよおおおおおお。


「およめちゃんほちくない? おえでいいの?」
「ぶふっー?!」←ミチオ
「きゃああ?! 待ってメンテくん!!」←ケイ
「およめちゃんほちくない? おえでいいの?」


 こうしてメンテくんが二人から逃げ、大きな声で言いふらしまくりました。その様子が映像として店中で流れ、盛大に二人の関係がバレました。

 その後、無事お付き合いをすることになったそうです。お二方曰く、メンテくんは恋の天使になったそうですよ。私はメンテくんが邪魔しなかったらプロポーズの言葉を聞けたのにと残念に思いました。

 あ、新しい魔道具の使い方を発見しました。盗み見しませんか? どこでも店の中でイチャイチャするカップルの様子が見えるようになりますよ。キャー!


 ◇


「フフッ、いいわよいいわよ! こういうのが聞きたかったの!! パパの報告なんてどうでもよくなっちゃうわ」
「このままミチオくんとケイさん二人がコノマチに引っ越して来るのかしもね」
「メンテちゃんが邪魔したからどうなるかと思ったけど結果良ければ全て良しだわ!」


 恋バナには年齢なんて関係なく盛り上がるのだ。なお盗み見の件は却下された。


「他にもメンテくんが宣伝で頑張ったという報告もあるわよ。赤ちゃんが実際にこう遊んでこういう反応をするんだって映像で見せつけたのがよかったわね。孫にこのおもちゃを買いたいって全部売り切れたわ。今は予約注文が殺到中なんだって。新魔道具の画期的な使い方で売り上げに貢献したメンテくんを褒めてくださいって書かれいているわ。売り上げが……これね。見たらびっくりするわよ」
「……普段の何倍かしら?」
「いつもよりすごいことになっているでしょ。これもメンテくんだしこれもメンテくん。ほとんどの全部の報告書にメンテくんの天然パワーが大活躍したって同じことが書かれているわ。印象的だったのかねえ。メンテくんはこんなことになるって何も考えてないでしょうがね。赤ちゃんってすごいわ」
「メンテちゃんも頑張ったのね。店の看板息子ね!」


 メンテの活躍が認められたという。


「これが最後の1枚ね。どれどれ……………ん?」


【メンテくんが遊びに来るのはいいのですが、おっぱいがないと暴れます。どうにかなりませんか? せめておっぱいを卒業してから店に遊びに……】


 キッサは報告書を読むと文章が途中で切れており、何か黒いものが紙に付いていた。さらにいたるところに傷跡で破れている。なんだこれと裏を返すと続きの文章が書かれていた。


【すごいです。メンテくん最高です。世界で一番可愛い赤ちゃんだよ。メンテくんはとても頑張りました。学生たちからも好評です。力を出し切ったのはメンテくんと猫のおかげと言っていました。褒めてください。怒り狂って何をするか分かりません。これはおっぱいの手紙だよっていうまで大暴れました。

 どうやらメンテくんは今回おっぱいのためだけに頑張ったようです。早くおっぱいをあげてください。殺されてしまいます。早くメンテくんにおっぱいを。おっぱいおっぱいおっぱい。はい、書きましたよ。猫に囲まれて怖いです。猫の視線には気を付けてください。狙われています。裏切り者は死ぬそうです。メンテくんにおっぱいをあげたら全て解決します。早くおっぱいを】


 血痕のついた報告書を読んだキッサは静かに考えた。

 ダンディのせいでトラブルには慣れている。その長年の経験からこの文章の意味を導き始める。まず文章自体が狂っている。だが内容的にはありえることも書かれている。よって全てが嘘ではないだろう。これだけでは判断するのはまだ早い。

 今度は別の視点から。他の報告書に異変はあったかどうか。何かおかしなところは……あった。メンテくんと猫の報告がやたら多く出て来る点だ。よくよく読むと全員が書いていた。しかも書き終わったあとで追記するような形で。これが怪しいとキッサはにらむ。

 動機は大抵単純なことだ。メンテくんと猫が関わっているのなら何かそこに意味があるはず。最近のメンテくんを思い浮かべると……いつも通り可愛い赤ちゃん。ってこれは違う。では猫達はどうか。猫がメンテくんに協力する日は食費がすごいことになる。まるでご褒美を貰うためにメンテくんに従っているのでは? と誰かから聞いた記憶がある。


 ……ご褒美? とキッサの鋭い勘が働いた。


 もしかしてメンテくんが店のスタッフに自分のことを無理矢理書かせたのかしら? 読んでいる人に褒めて貰いたいから。その理由は……おっぱい。最近メンテくんがおっぱいはダメと言われて泣いている姿をよく見る。だから遠回りに他の人からレディーちゃんにおっぱいあげろと伝えるようにしむけたのでは? とキッサは結論付ける。間違いないだろうと自信があった。


 キッサ大正解! 一瞬でたくらみを見抜くキッサはさすがと言えよう。

 だが相手はおっぱいのためなら職場体験も学生も利用するあの赤ちゃん。キッサの妨害すら予想の範囲内。これからどう対処しようか考えていたキッサの思考はここでストップすることになる。


「……」じぃー
「…………ひっ?!(う、後ろに猫がいる。めっちゃこっちを見てるわ?!)」


 いつの間にかキッサの背後にいる猫。その猫から放たれる謎の圧迫感。おい、分かってるよな? と言いたそうな顔で凝視していた。獲物を見るような目が非常に怖い。

 それどころかドアの向こう側から猫の鳴き声が聞こえる。窓の外を見ても猫。いたるところから猫の気配を感じるのだ。狙いは明らかにキッサ。報告書が作成された時点で対処するのはもう手遅れだったのかもしれない。猫達に監視されている。報告書通りの展開になりつつあった。

 メンテと遊ぶ猫達は頭が良いので協力関係を築いているのだろう。すでに先手を打たれているなんて分かるわけがない。まさか店のスタッフも油断して同じような目に……? とキッサは身震いした。キッサの敗北は決まっていたのだ。早くメンテにご褒美をあげなくてはならない。


「……(これ絶対誰かにおっぱいあげてと言わせたいんだわ。天然なのか本当にこの作戦をとったのか分からないから余計に怖いわ。レディーちゃんになんて言おうかしら?)」
「どうしたのキッサさん? 何か変なことが書かれていたのかしら?」
「なんでもないわよ。これもメンテくん褒めてだって。メンテくんはその……可愛い天使ね。本当に可愛い子よ。何かお願いでも聞いてあげたらどうかしら。猫達も頑張ったしご褒美に何か用意しないとね」


 その後、キッサは猫に豪華なご飯付をあげるまでつけ回された。またメンテもおっぱいあげろと言うまでずっと離れなかった。分かってるよなという無言の圧力がすごかったという。経験則を上回る高度な策略にキッサは恐れおののいたとか。




 今年も職場体験は成功。メンテの目論見(おっぱい欲しい)も大成功と満足のゆく結果になったのでしたとさ。
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