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185話 「猫の集会 2つのギフト編」
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俺の名前はアニーキー。最近悩みが出来た。
その悩みとは弟が関係している。俺の弟の名前はメンテと言い、なぜか人よりも猫に好かれている1歳の赤ちゃんだ。猫とどうやって意思疎通をしているのか未だに分からないから気になっている。だって上手にしゃべれないし、魔法も使えないんだよ? テレパシーでも使って会話してるのかな??
おっと、話がズレたね。それで俺の悩みとは、弟が部屋に猫をいっぱい連れてくること。これを止めさせたいんだよね。月に何回か猫がいっぱい家に集まる日があって、そのときは必ず俺と猫と一緒に寝ると弟は言うんだ。昨日もそうだったし、今日も猫がいっぱい集まっているから少し警戒しているよ。
別に1匹や2匹なら気にしないけど2、30匹も同時に連れてくるのは困るって。狭くなって寝返りが出来ないし、物音がしたりと気になって眠れないんだ。だいたい部屋のサイズ的に無理だよ。だから俺が止めてと言っても伝わってないのか弟はとぼけた顔をするんだ。まあ年齢を考えるとこれはどうしようもないね。もし分かっていてこれを実行しているなら弟は頭がおかしいんじゃないか? と思うよ。そんなことはないだろうけどね。
そこで弟に数の数え方とその意味を教えることにしたんだ。少しでも頭が良くなってくれたらなと思ってね。
「メンテ、これ何個?」
「いっこ」
「これは?」
「にこ」
「おー、正解だよ。偉いよメンテ」
「きゃきゃ!」
普通1歳の子ってまだ頭良くないんだよね。妹のアーネがそうだったもん。でもメンテは教えたらすぐ覚えた。何日かかかるかなと思ったけど数時間でマスターしちゃったよ。しかも個とか匹やら本みたいに数えるときの言い方もね。本当にびっくりしたよ。もしかして弟は天才なのかもしれない。すごい勢いで俺が教えたことを吸収していったよ。
「よ~し、俺と寝るときの猫は何匹まで?」
「いっぴき!」
「おお、正解だよ。賢くなったね!」
「いっぴきー!」
「う~ん、そのポーズはしなくていいよ。でも1匹は覚えてね」
「はーい!」
すごい、指で数を伝えるのも覚えちゃったみたいだよ。呑み込みが早いね!
そして、今日も弟は俺と一緒に寝ると言い始めた。猫の数から今日も言うだろうと予測していたからね。だから今回はバッチリ対策をしたんだ。弟は俺の言葉を完璧に理解しているはず。寝る時間になって俺と弟は部屋に移動したんだ。
「あれ? メンテは猫連れて来てないの?」
「あっち」指プイ
「え、まだ廊下にいるの?」
「はーい」
「じゃあドアを開けるから中に入れて。もちろん1匹だけだよ」
「はーい!」
部屋のドアを開けると、すぐに猫が1匹入って来た。ドアの前で待ってたのかな?
「あにきー。いっぴき!」
「そう、それが1匹だよ。よく覚えたね~」
「はーい!」
ついにメンテは1匹を覚えたみたいだ。やったぜ、頑張って教えたかいがあったぞー! と思いながらドアを閉めようとしたら……。
「にゃあ」
「いっぴき!」
「ん?」
「にゃお」
「いっぴき!」
「え? ええっ……?!」
「にゃごお」
「いっぴき!」
「待った待った待ったーっ!」
「にゃほん」
「いっぴき!」
「これ1匹じゃないって! ――――――はっ!?」
嫌な予感がして俺がドアを開けると、廊下に猫が並んでいた。しかも綺麗に一列になって。
「うわあ、何これ?!」
「にゃふう」
「いっぴき!」
「ま、まさか1匹ずつ中に入れようって思ってるの?! 俺そういう意味で1匹って言ったんじゃないよ?!!!」
「にゃら」
「いっぴき!」
「ちょっと、俺の話聞いてる? くっ、猫が途切れず入って来るからドアが閉められない……」
「にゃべ~」
「いっぴき!」
「ダメだ、メンテが全然俺の話を聞いてないぞ。しまった、またやられたー!!」
俺の弟はある意味頭が良いのかもしれない。くそう、今回も俺の負けだよ。でも次は絶対に1匹を覚えさせてやるー!!!
◆
「えぐえっぐー!(猫魂ー!)」
僕メンテ。二日連続で集会を開催しました。今日は昨日と違うメンバーです。今日こそ”猫ギフト”の謎を解こうと思います!
「ちょっと待ってね。えいっ」
『おお!』
今日もみんなと会話がし易いように空中に猫バリアを作ります。昨日と同じように好評でした。
「まずはみんなの年齢を知りたいんだけど……」
『にゃわにゃわ!』
まずは昨日の続きをと思い年齢について色々な意見を聞いていきます。まだ疑問点が多いのでね。で、結果としては昨日とほぼ同じでした。年齢は? と聞けば猫達は大人とか子供と返して来ます。何歳だという返事はゼロ。うん、猫と人間で考え方が違うのは間違いないのでしょう。
次の話題にいきましょう。まず僕のギフトをみんなに公開。それからみんなの意見を聞いていくよー!
「ギフト―!」
『にゃわにゃわ!』
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
===========
はい、昨日となんら変わりがない僕のギフトです。ですが、今日は昨日と違ってシロ先生がいるのですよ。頼もしい味方です。
「シロ先生もこっちに来て―!」
「はいはい」
「じゃあ僕みたいにギフトを使ってみて。で、みんなに見せてよ」
「え? 私使い方分からないんだけど……」
「じゃあ剥がそう」
「待って、それは止めましょう。みんな驚いて話が進まなくなるわよ? ね? だからギフトの使い方を教えてくれる?」
「いいよ。多分ギフトって言えば出てくると思うよ。または自分の状態を知りたいなあと思ったら頭の中に浮かんで来るね。この場合は目を閉じててもなぜか見えるんだ。まあこれは僕の場合なんだけどね」
「やってみるわね。……ギフト!」
===
猫
===
「本当に出てきたわ!」
「おお、本当だ。ちゃんと使えたね。シロ先生おめでとう!」
「え? これ喜んだ方がいいの?」
シロ先生は自分の力だけでギフトを使えました。まあギフトっていうか猫ギフトなんですがね。人が使うときに人間ギフトとか言わないでしょ? だから猫の部分は省略しても問題ないと思います。
「え? シロのはどこに?」
「見えないよ」
「どこにもないよね? メンテのは見えるけど」
「本当にあるのかにゃ?」
『にゃわにゃわ!』
どうやら僕にしかシロ先生のギフト見えていない模様。これはあれです。最初に使った時と同じ状態ですね。
「シロ先生、他の人にギフトを見せたいと思ってみて。多分みんなに見えるようになるから」
「……こうかしら?」
「おお、何か出てきたにゃ?!」
「なんじゃあれー」
「すげえ!」
『にゃわにゃわ!』
シロ先生のギフトを他人ならぬ他猫にも見せることが可能になりました。なるほど、ギフトも猫ギフトも使い方自体は一緒なようです。あとは中身の違いを確認するだけだね!
そして、僕とシロ先生は横に並びます。みんなに見えるようにね。
「どう?」
「いや、どうって言われてもにゃ……」
「初めて見たしね」
「何て答えればいいのかねえ」
『にゃわにゃわ』
そこでどんどん質問していく僕です。結果としてはギフトのことは誰も知らないようでした。知り合いにギフトを使える猫はいないかと聞いても誰もいないそうです。むしろなぜシロ先生が使えてるかの方が気になるって。僕の力って言ったらなぜか納得してたけどね。よく分からないけど猫達が急に理解したから驚いちゃった。僕の説明が天才的に上手だったのかなあ?
で、話を聞いていると猫にはギフトの力が宿らないの? と新たな疑問が出てきちゃいましたよ。もしかして教会に行って貰ってないから? なら王都の猫はどうなんだろう。う~ん、分からないね。でも教会に行かなくても僕があげれば簡単に済む話よね。
ギフトって結局なんなんだろうね。考えれば考えるだけ分からない力だなあ。
「まあいいや。それでさ、僕とシロ先生のギフトを比べると中身が全然違うんだよね。これについてどう思う?」
「確かにメンテはいっぱい文字があるよね」
「文字だらけにゃ。何でこの文字俺たちも読めるんだろうねえ」
「というかさ、なんで先生はそんなに短いの?」
「そこ、先生じゃなくてシロをつけなさい。私は先生じゃないのよ」
『にゃわにゃわ!』
だよね~。僕の思っていることと同じようなことを猫達は感じたようです。そんなとき、この場にいた赤い猫が飛び出して来ました。この猫のレッドですね。
「なら俺にもその力くれよ!」
「え? いいの?」
「ギフトて悪い力じゃないんだろ? 面白そうだし」
「ありがとう。これで謎が解明するかも」
今までシロ先生だけしか猫ギフトを持ってなかったからね。やっぱり検証するにしても数が必要なのですよ。自ら実験に協力するととレッドは素晴らしい猫です。明日はご褒美をあげちゃいましょう。そう思いながら僕は力を使います。
「猫ギフト!」
神々しい白い光に包まれるレッド。これでレッドも猫ギフトを使えるようになったはずです。
「力の使い方はさっきシロ先生に教えたように……」
「分かった。ギフト! よっしゃー! よく分からないけど俺も出来た……にゃ?!」
===
猫
===
「……えっ?!」←メンテ
『……にゃあ?!』
僕も猫達も唖然として声がでません。あれ? これシロ先生の中身と全く同じなんだけど……。レッドだよねこれ?? というか1発でギフト出せたのすごいね。
「なんでシロ先生と俺は同じなんだ?」
「そこは私も知りたいんだけど……」
「ねーねー、メンテどういうこと~?」
「ん~、よく分かんない。……よし、僕の猫ギフトを貰った猫には明日いろいろご褒美するよ!」
『やるにゃー!』
それから僕はここに集まった全ての猫に猫ギフトを与えました。検証するにも数が足りないから協力して貰おうとね。その結果……。
===
猫
===
「おー」
「まただ」
「みんなと一緒にゃ」
「仲間ー!」
『にゃわにゃわ!』
全ての猫がシロ先生やレッドと同じでした。……えー、なんで? 僕だけみんなと違うんだけど。あ、そういえば兄貴寝てるじゃん。丁度良いから実験してみよう。
「兄貴にも使ってみよっと。猫ギフト!」
アニーキーが光に……包まれませんでした。まあ兄貴は人間だから猫ギフトには反応しなかったのかなあ。あれ猫の使えるギフトだし。
「じゃあ僕に使うか。猫ギフト!」
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
===========
「……??」
僕は光に包まれたけど今まで通りでした。猫ギフトとして自分に使ってみたのは初めてなんだけどなあ。ということは今まで猫の姿のときは、無意識にこの”猫ギフト”を使っていたってことだよね?
……おや? 何か引っかかるぞ。じゃあ人間のときのギフトは何なの? あれはあれで人間のときの能力を確認出来たしなあ。ん? んんん?! もしかして僕の普段使っている”ギフト”と”猫ギフト”って同じではないの?! それだと人間と猫のときとでは中身が違うって理屈は分かるような気もするね。
ということは、僕にギフトが2つあるって事……?
「……」
「あら、どうしたの?」
「ちょっと試したいことが出来たから考えていたんだよ。でも今日はもう遅いし寝るよ。よし、明日も集会するから兄貴の部屋に集まるぞー!」
『にゃー!』
その悩みとは弟が関係している。俺の弟の名前はメンテと言い、なぜか人よりも猫に好かれている1歳の赤ちゃんだ。猫とどうやって意思疎通をしているのか未だに分からないから気になっている。だって上手にしゃべれないし、魔法も使えないんだよ? テレパシーでも使って会話してるのかな??
おっと、話がズレたね。それで俺の悩みとは、弟が部屋に猫をいっぱい連れてくること。これを止めさせたいんだよね。月に何回か猫がいっぱい家に集まる日があって、そのときは必ず俺と猫と一緒に寝ると弟は言うんだ。昨日もそうだったし、今日も猫がいっぱい集まっているから少し警戒しているよ。
別に1匹や2匹なら気にしないけど2、30匹も同時に連れてくるのは困るって。狭くなって寝返りが出来ないし、物音がしたりと気になって眠れないんだ。だいたい部屋のサイズ的に無理だよ。だから俺が止めてと言っても伝わってないのか弟はとぼけた顔をするんだ。まあ年齢を考えるとこれはどうしようもないね。もし分かっていてこれを実行しているなら弟は頭がおかしいんじゃないか? と思うよ。そんなことはないだろうけどね。
そこで弟に数の数え方とその意味を教えることにしたんだ。少しでも頭が良くなってくれたらなと思ってね。
「メンテ、これ何個?」
「いっこ」
「これは?」
「にこ」
「おー、正解だよ。偉いよメンテ」
「きゃきゃ!」
普通1歳の子ってまだ頭良くないんだよね。妹のアーネがそうだったもん。でもメンテは教えたらすぐ覚えた。何日かかかるかなと思ったけど数時間でマスターしちゃったよ。しかも個とか匹やら本みたいに数えるときの言い方もね。本当にびっくりしたよ。もしかして弟は天才なのかもしれない。すごい勢いで俺が教えたことを吸収していったよ。
「よ~し、俺と寝るときの猫は何匹まで?」
「いっぴき!」
「おお、正解だよ。賢くなったね!」
「いっぴきー!」
「う~ん、そのポーズはしなくていいよ。でも1匹は覚えてね」
「はーい!」
すごい、指で数を伝えるのも覚えちゃったみたいだよ。呑み込みが早いね!
そして、今日も弟は俺と一緒に寝ると言い始めた。猫の数から今日も言うだろうと予測していたからね。だから今回はバッチリ対策をしたんだ。弟は俺の言葉を完璧に理解しているはず。寝る時間になって俺と弟は部屋に移動したんだ。
「あれ? メンテは猫連れて来てないの?」
「あっち」指プイ
「え、まだ廊下にいるの?」
「はーい」
「じゃあドアを開けるから中に入れて。もちろん1匹だけだよ」
「はーい!」
部屋のドアを開けると、すぐに猫が1匹入って来た。ドアの前で待ってたのかな?
「あにきー。いっぴき!」
「そう、それが1匹だよ。よく覚えたね~」
「はーい!」
ついにメンテは1匹を覚えたみたいだ。やったぜ、頑張って教えたかいがあったぞー! と思いながらドアを閉めようとしたら……。
「にゃあ」
「いっぴき!」
「ん?」
「にゃお」
「いっぴき!」
「え? ええっ……?!」
「にゃごお」
「いっぴき!」
「待った待った待ったーっ!」
「にゃほん」
「いっぴき!」
「これ1匹じゃないって! ――――――はっ!?」
嫌な予感がして俺がドアを開けると、廊下に猫が並んでいた。しかも綺麗に一列になって。
「うわあ、何これ?!」
「にゃふう」
「いっぴき!」
「ま、まさか1匹ずつ中に入れようって思ってるの?! 俺そういう意味で1匹って言ったんじゃないよ?!!!」
「にゃら」
「いっぴき!」
「ちょっと、俺の話聞いてる? くっ、猫が途切れず入って来るからドアが閉められない……」
「にゃべ~」
「いっぴき!」
「ダメだ、メンテが全然俺の話を聞いてないぞ。しまった、またやられたー!!」
俺の弟はある意味頭が良いのかもしれない。くそう、今回も俺の負けだよ。でも次は絶対に1匹を覚えさせてやるー!!!
◆
「えぐえっぐー!(猫魂ー!)」
僕メンテ。二日連続で集会を開催しました。今日は昨日と違うメンバーです。今日こそ”猫ギフト”の謎を解こうと思います!
「ちょっと待ってね。えいっ」
『おお!』
今日もみんなと会話がし易いように空中に猫バリアを作ります。昨日と同じように好評でした。
「まずはみんなの年齢を知りたいんだけど……」
『にゃわにゃわ!』
まずは昨日の続きをと思い年齢について色々な意見を聞いていきます。まだ疑問点が多いのでね。で、結果としては昨日とほぼ同じでした。年齢は? と聞けば猫達は大人とか子供と返して来ます。何歳だという返事はゼロ。うん、猫と人間で考え方が違うのは間違いないのでしょう。
次の話題にいきましょう。まず僕のギフトをみんなに公開。それからみんなの意見を聞いていくよー!
「ギフト―!」
『にゃわにゃわ!』
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
===========
はい、昨日となんら変わりがない僕のギフトです。ですが、今日は昨日と違ってシロ先生がいるのですよ。頼もしい味方です。
「シロ先生もこっちに来て―!」
「はいはい」
「じゃあ僕みたいにギフトを使ってみて。で、みんなに見せてよ」
「え? 私使い方分からないんだけど……」
「じゃあ剥がそう」
「待って、それは止めましょう。みんな驚いて話が進まなくなるわよ? ね? だからギフトの使い方を教えてくれる?」
「いいよ。多分ギフトって言えば出てくると思うよ。または自分の状態を知りたいなあと思ったら頭の中に浮かんで来るね。この場合は目を閉じててもなぜか見えるんだ。まあこれは僕の場合なんだけどね」
「やってみるわね。……ギフト!」
===
猫
===
「本当に出てきたわ!」
「おお、本当だ。ちゃんと使えたね。シロ先生おめでとう!」
「え? これ喜んだ方がいいの?」
シロ先生は自分の力だけでギフトを使えました。まあギフトっていうか猫ギフトなんですがね。人が使うときに人間ギフトとか言わないでしょ? だから猫の部分は省略しても問題ないと思います。
「え? シロのはどこに?」
「見えないよ」
「どこにもないよね? メンテのは見えるけど」
「本当にあるのかにゃ?」
『にゃわにゃわ!』
どうやら僕にしかシロ先生のギフト見えていない模様。これはあれです。最初に使った時と同じ状態ですね。
「シロ先生、他の人にギフトを見せたいと思ってみて。多分みんなに見えるようになるから」
「……こうかしら?」
「おお、何か出てきたにゃ?!」
「なんじゃあれー」
「すげえ!」
『にゃわにゃわ!』
シロ先生のギフトを他人ならぬ他猫にも見せることが可能になりました。なるほど、ギフトも猫ギフトも使い方自体は一緒なようです。あとは中身の違いを確認するだけだね!
そして、僕とシロ先生は横に並びます。みんなに見えるようにね。
「どう?」
「いや、どうって言われてもにゃ……」
「初めて見たしね」
「何て答えればいいのかねえ」
『にゃわにゃわ』
そこでどんどん質問していく僕です。結果としてはギフトのことは誰も知らないようでした。知り合いにギフトを使える猫はいないかと聞いても誰もいないそうです。むしろなぜシロ先生が使えてるかの方が気になるって。僕の力って言ったらなぜか納得してたけどね。よく分からないけど猫達が急に理解したから驚いちゃった。僕の説明が天才的に上手だったのかなあ?
で、話を聞いていると猫にはギフトの力が宿らないの? と新たな疑問が出てきちゃいましたよ。もしかして教会に行って貰ってないから? なら王都の猫はどうなんだろう。う~ん、分からないね。でも教会に行かなくても僕があげれば簡単に済む話よね。
ギフトって結局なんなんだろうね。考えれば考えるだけ分からない力だなあ。
「まあいいや。それでさ、僕とシロ先生のギフトを比べると中身が全然違うんだよね。これについてどう思う?」
「確かにメンテはいっぱい文字があるよね」
「文字だらけにゃ。何でこの文字俺たちも読めるんだろうねえ」
「というかさ、なんで先生はそんなに短いの?」
「そこ、先生じゃなくてシロをつけなさい。私は先生じゃないのよ」
『にゃわにゃわ!』
だよね~。僕の思っていることと同じようなことを猫達は感じたようです。そんなとき、この場にいた赤い猫が飛び出して来ました。この猫のレッドですね。
「なら俺にもその力くれよ!」
「え? いいの?」
「ギフトて悪い力じゃないんだろ? 面白そうだし」
「ありがとう。これで謎が解明するかも」
今までシロ先生だけしか猫ギフトを持ってなかったからね。やっぱり検証するにしても数が必要なのですよ。自ら実験に協力するととレッドは素晴らしい猫です。明日はご褒美をあげちゃいましょう。そう思いながら僕は力を使います。
「猫ギフト!」
神々しい白い光に包まれるレッド。これでレッドも猫ギフトを使えるようになったはずです。
「力の使い方はさっきシロ先生に教えたように……」
「分かった。ギフト! よっしゃー! よく分からないけど俺も出来た……にゃ?!」
===
猫
===
「……えっ?!」←メンテ
『……にゃあ?!』
僕も猫達も唖然として声がでません。あれ? これシロ先生の中身と全く同じなんだけど……。レッドだよねこれ?? というか1発でギフト出せたのすごいね。
「なんでシロ先生と俺は同じなんだ?」
「そこは私も知りたいんだけど……」
「ねーねー、メンテどういうこと~?」
「ん~、よく分かんない。……よし、僕の猫ギフトを貰った猫には明日いろいろご褒美するよ!」
『やるにゃー!』
それから僕はここに集まった全ての猫に猫ギフトを与えました。検証するにも数が足りないから協力して貰おうとね。その結果……。
===
猫
===
「おー」
「まただ」
「みんなと一緒にゃ」
「仲間ー!」
『にゃわにゃわ!』
全ての猫がシロ先生やレッドと同じでした。……えー、なんで? 僕だけみんなと違うんだけど。あ、そういえば兄貴寝てるじゃん。丁度良いから実験してみよう。
「兄貴にも使ってみよっと。猫ギフト!」
アニーキーが光に……包まれませんでした。まあ兄貴は人間だから猫ギフトには反応しなかったのかなあ。あれ猫の使えるギフトだし。
「じゃあ僕に使うか。猫ギフト!」
===========
【 】
年齢 なし
性別 なし
称号 なし
所持スキル
なし
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「……??」
僕は光に包まれたけど今まで通りでした。猫ギフトとして自分に使ってみたのは初めてなんだけどなあ。ということは今まで猫の姿のときは、無意識にこの”猫ギフト”を使っていたってことだよね?
……おや? 何か引っかかるぞ。じゃあ人間のときのギフトは何なの? あれはあれで人間のときの能力を確認出来たしなあ。ん? んんん?! もしかして僕の普段使っている”ギフト”と”猫ギフト”って同じではないの?! それだと人間と猫のときとでは中身が違うって理屈は分かるような気もするね。
ということは、僕にギフトが2つあるって事……?
「……」
「あら、どうしたの?」
「ちょっと試したいことが出来たから考えていたんだよ。でも今日はもう遅いし寝るよ。よし、明日も集会するから兄貴の部屋に集まるぞー!」
『にゃー!』
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