もっと甘やかして! ~人間だけど猫に変身できるのは秘密です~

いずみず

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154話 「猫の集会 祖父母はどうだった編」

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 なんやかんやで盛り上がったハーフバースデー。その夜、ナンス家の畳の部屋にて。祖父母はお茶を飲みながら今日の感想を言い合っていた。


「はあ~、今日は疲れたわねえ」
「うむ」
「でもみんな元気に育ってたから良かったわよ。相変わらず魔法のことに興味深々だったり、少し女の子らしくなってたわねえ。明日帰ると思うと寂しいわ……」
「そうじゃの」
「中でも一番変化がすごかったのは、もちろんメンテちゃん。ね? そうでしょ?」
「うむ。前より感情が芽生えておった」
「そうそう、半年前はなんで泣いてるのかも分からなかったわよ。でも今だとおしゃべりも出来るようになってきたからね。可愛いけど問題はあれよね……」
「うむ……」
「「猫がね(じゃの)」」


 やはり話題になるのは、猫についてである。


「普通の猫とは何か違う。そう言いたいのじゃろ?」
「そうねえ。だってみんなメンテちゃんへの懐き方に驚いてたじゃない? こんな人懐っこい猫じゃなかったとか。初めて会ったとは思えないって言ってたし」
「そこはわしもおかしいと思ってたぞ」
「飼っている人が普段と様子が違うって驚いてたもんね。まさかメンテちゃんにこんな力があるとは思わなかったわよ」


 猫達が一列になって順番にナデナデを要求したり、50匹が同時に全く同じ動きをしたり、ここゴミ落ちてるよと伝えてきたりなどなど。今日の1日だけでも不思議なことがいっぱいあったのだ。すべてメンテによる指示なのである。特に食べ物に関しては、連帯責任と言いつけてあったため猫達も必死であった。


「うむ。メンテのユニークスキルは、”動物の力”と似たようなものかと思ったが全然違うかもしれんな」
「そうなの?」
「まだメンテは身体強化が使えないようだしのう。しっぽも耳もなければ毛が生えているわけでもない。そういう変化が全くないみたいじゃ。どちらかというとテイマー系なのかもしれんぞ?」
「それでいっぱい猫がいるってことかしら。ここまで多いとただの猫屋敷に見えるわね」
「……メイドの次は猫じゃな」



「じいじ、その話もっと聞かせてよ!」



「――ふぉ?!」
「――!? きゅ、急にびっくりしたわね。そういえばイブシは探知って出来なかったっけ? 今日もいっぱい猫が草むらから猫が出て来たじゃない。あれにも驚いていたけど分からなかったの?」
「わしは魔法が使えないから探知は無理じゃ。まあ似たようなことは出来なくもないが、このオーラで直接触れないと何も分からん。基本的に近距離にしか対応出来んのじゃよ」
「へえ、そうだったの。で、どうしたのアニーキ―ちゃん?」
「今日はアーネとメンテが一緒に寝たいんだって。だから連れて来たよ」
「えへへ。来たよ~」「えぐぐ~」


 畳の部屋に孫達がやってきた。驚かせようとこっそり来たのであった。


「で、さっきは何の話をしてたの? ねえ、じいじー。じいじってば」
「……揺らすの止めたら話そう」
「はい、じいじ」


 手でグラグラとイブシを押すのをやめるアニーキ―である。その間にアーネはメイクの膝の上に、メンテはイブシの膝の上に座った。ここに座ると祖父母が喜ぶからである。


「うむ。メンテには”動物の力”らしい能力がなさそうと話しておったのじゃ」
「俺もそう思うよ」
「えぐぅ~?」
「でも猫がなついておるじゃろ? だからテイマーに近いのかもしれんとな」
「ああ、分かる。というかみんなそう言ってるね」
「んぐぅ~?」


 何の話をしてるの? と可愛く首を傾げるメンテ。興味津々である。


「まあ調教師ってとこじゃの。召喚したらそれはそれで別かもしれんが」
「今のところそれっぽいよね! 猫魂に関してはそれが一番有力な説だよ!!」
「えぐうううううううううううううううううう!」バシバシバシ
「……なぜわしは叩かれておるのじゃ?」
「もっと教えろって言ってるよ。いつものメンテだよ」
「……そうか」


 メンテがイブシを叩いても、勝手にオーラが動いて守るので全然効果がないのだ。それを分かっているメンテは全力で叩いてアピールしたという。


「アーネちゃんは今日どうだった?」
「えへへ、ばあばと会えて楽しかったよー」
「あらー。なんて可愛い女の子なんでしょうねえ!」
「「「「「ざわざわ」」」」」


 ほのぼのとした時間が続くのであった。そして、眠くなったのか目をこすり始めるメンテ。寝る時間になったのである。


「じいじ、ばあば」
「「どうしたの(じゃ)?」」
「にゃにゃ~」
「「え?」」
「いつもわたしとメンテは猫と一緒に寝てるのー!」
「きっとメンテは、ここに猫を呼んでもいいかって聞いてるんだよ。そうでしょ?」
「えぐえぐ」
「そうなのね。まあいいんじゃないの?」
「うむ。少しぐらいなら構わん」
「はあーい!」


 メンテはイブシの膝の上から降りると、ドアにトテトテと走っていく。とても可愛い。メンテと一緒にドアに近づいたアニーキ―がドアを少し開けた。この兄は、弟の出来ないことをしっかり理解しているのである。まさに兄らしい行動である。そして、メンテは叫んだ。


「にゃにゃああああー!」


 ドドドドドッ、ドドドドドドドドドドッ、ドドドドドドドドドドドドドドドッ……。


「「……ん?」」←祖父母


 ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ、ドドドドドッ!!!!!!!!!!


『にゃあああああああああああああああああ!』
「ええええええ?!」「ふぉ?!」←祖父母


 メンテの叫びに、約50匹もの猫が畳の部屋に集結するのであった!


「えっぐ~」
「えへへ、今日は猫でいっぱいだね~」
「いや、来すぎでしょ?!」「絶対におかしいじゃろ?!」


 すごーく驚く祖父母である。でも孫達にとっては見慣れた光景なのだ。そんな中、アニーキ―は毛がモフモフの猫を探し始めた。お気に入りの猫を見つけて抱きかかえると、「じゃあ俺はそろそろ行くから」と言ってすぐさま出て行った。自分の部屋に戻ったのである。アニーキ―が猫を抱き枕にしていることを知らない祖父母は、え? 今何で連れ去ったの? と若干困惑気味であった。


「ちょ、これどうするのよ?! あたいにはもう意味が分からないんだけど……」
「……とりあえず寝るかの」
「えへへ~」「はあーい!」


 ◆


「えぐえっぐ!(猫魂!)」


 寝静まった後に変身しちゃう僕ですよ~。というわけでこんばんにゃ~。今日も猫の集会が開かれております。参加猫は、教会の猫が約30匹と使用人の飼い猫が約20匹。合計で50匹ぐらいいるのですよ。集会の規模は過去最大ですね!

 今日は親睦会的な意味もあったので、疲れて寝ている猫も多いです。だから会話に参加しているのは集まった猫の半分ぐらいですかね。まあ今日はみんな頑張ったので寝ていてもいいでしょう。元気のある猫達には参加して貰いますよ。今日の議題は祖父母についてです。参加している猫達に話を聞いてみましょう!


「みんなー、僕の祖父母はどうだった?」


「優しかったー」
「おいしかった」
「もっと食べたい」
「毎日飯くれよ」
「もっと飯くれにゃあ」
「最初は戸惑っていたからこっちの対応も困ったにゃ」
「なんか普通の人って感じ?」
「ピカピカしてた」
「わかるにゃ。すんげえええキラキラしてるね」
『『『『『にゃわにゃわ~』』』』』


 ふむ、悪いことは聞きませんでした。今日は祖父母が食べ物を持ってきたと伝えましたからね。タクシーと違って最初から猫達からの評判はすこぶる良いのですよ。さすが食べ物の力ですな。そのせいか夕飯の話が多いですけどね。

 教会と使用人の猫達は仲良くなれたと思います。お互いおいしい食べ物を貰うために協力していたのでね。僕も猫も祖父母に媚びまくりでした。きっと良い印象を与えたでしょう。


「そういえば僕の作った猫のドアについて聞きたいんだけど」
「いいよ。うちは半日ほど持った」
「私のところは1日ほど残ってたにゃ」
「こっちはね……」
『『にゃわにゃわ~』』


 僕はみんなに聞きたかったことを聞いていきます。ふむふむ、なるほど。魔力の使い方によってはすぐ消えたり残ったりするのね。実験のため色々魔力の使い方を変えてみた甲斐がありました。よし、今後の参考にしましょう。


「この屋敷は広いし人がいっぱいで明るいのう。怪我したとか言って悪かったの。ここは安全じゃわい」←猫じい
「いや、いいよ別に」
『初めて会う猫も私の姿が見えているのね。びっくりよ』←猫ばあ
「まあ壁を壊したからね。壁を直せば見えなくすることも出来るよ」
『え?!』
「……この子猫は何でもありじゃにゃ」
『そうね。もう本当の魔王に見えてきたわ』
「あはは、それは大げさだよ」


 今日は猫じいだけでなく、猫ばあもいるのです。幽霊といっても猫は猫ですからねえ。みんな連れてきましたよ。でも人間には幽霊が見えている人はいなさそうでしたね。僕が壊したのは猫の壁だから猫にしか効果がなかったのかも? というかこの世界に霊感がある人っているの? もしいたらスキル持ちっぽい気がしますが。


「ねえねえメンテ。なんでメンテのジジイは光ってるの? メンテと違うよ」
「ジジイじゃなくでじいじと呼んでね。明日からみんなの食べ物なくなるよ?」
「分かったにゃ。で、なんでメンテのじいじは光ってるの?」
「これは”銀”っていうスキルなんだ。僕が猫に変身出来る力を持っているように、じいじは僕と違う力を持っているんだよ。この銀色のオーラは自由に動かせるみたいだよ」
「へえ。それみんな不思議がってたにゃあ」
『『『『『にゃわにゃわ~』』』』』


 猫達も僕ののじいじに興味があるみたいです。まあキラキラ光ってるからね。猫なら勝手に動いちゃいそうですよねえ。僕も何これどうなってるのといつも触ってるし。ここでちょっと疑問が浮かんじゃいました。


「……そういえばじいいに魔法って効くのかな?」
「さあ」「知らにゃい」「やってみたら?」
『『『『『にゃわにゃわ~』』』』』


 なんか猫達も興味を持ち始めてきましたね。よし、やってみましょう!


「よし、使ってみるからみんな離れて。猫睡眠を使ってみるよ。さすがにしっぽで攻撃すると起きちゃうだろうし」
「メンテのじいじが起きたらどうするの?」
「もし起きたらみんな寝たふりするんだよ。わかった~?」
『『『『『にゃ!』』』』』


 というわけで実験開始です!

 この部屋には布団が2つあり、メイクばあばとイブシじいじの間に僕とアーネの2人が寝ているのです。まあ今の僕は猫だけどさ。というわけで猫の姿でイブシじいじに近づきます。静かに静かに、こっそりと忍び足でね。もちろん僕は布団の上を歩いていますよ。もしじいじが起きても、布団の上ならすぐ猫魂を解除するだけでバレないと思ってさ。


「…………………………………………ぺろぺろ」


 おっと、ついついイブシじいじを舐めてしまいました。なんだかオーラの味が気になったのでね。ん? 味がするといえばするようなしないような……。これがオーラの味なのかな? あまり舐めると起きちゃうので一旦止めます。そして、イブシじいじの顔が見える位置に近づくとみんなに合図を出します。これで猫達はいつでも寝たふりが出来るのです。


「………猫睡眠」


 僕はイブシじいじに魔法を放ちます。僕の魔法がじいじに当たった瞬間……。


「……む?」
「――ふぇ?!」『『『『『――にゃ!?』』』』』


 ガバッっとイブシじいじの上半身が起き上がりました。なんと、僕の魔法がオーラに触れた途端にすぐ反応したのです。そういえば、オーラが触れられるような近距離なら探知出来るとか言っていたような言ってないような……。

 すっかり忘れてたけどイブシじいじは冒険者。外で寝るときに無防備では危ないですからねえ。何かあったら素早く対応出来て当然かもしれません。そんなすごい反応スピードでしたよ。ってそんな考えている場合じゃないね。やばい、見つかっちゃう!!!!!


「……なんじゃ?」


 ゆっくりと部屋中を見回すイブシ。幸いなことにここは安全な家の中。身の危険はないと分かっているので、イブシはまだ寝ぼけていた。もしこの油断がなければ、メンテは即座に見つかっていたであろう。


「ん? メンテがおらん……」


 オーラを伸ばしてメンテを探し始めるイブシ。するとイブシの足元、布団から出た畳の位置にメンテがいたのである。焦りすぎたメンテは、布団から飛び出てしまったのである。そこで猫の姿を解除したのだ。布団の上で解除する計画すら忘れるような緊急事態であった。そして、他の猫達はいっせいに寝たふり中である。


「じいじ……」
「おお、こんな時間にどうしたメンテ。よしよし、怖かったのか。なあに、わしがついておるからな。安心しなさい。がはははは、じいじに出来んことなぞない!」
「じいじ、ぱあい」
「……え?」
「おっぱい。おぱーい。まんまあ、おっぱい。ぱいぱいぱいぱいぱい…………」
「……………………すまんなメンテ。じいじにも出来んことがあったみたいじゃ……」
「うううう……。うぇええええええええええええん!」
「メイクや起きてくれー!」


 秘密がバレないようめっちゃ誤魔化した。



 この日以降、使用人達の猫もナンス家に遊びに来るようになったという。急に外出するようになったため、最初はどこに行ったのかと戸惑う声も多かった。だが行き先がナンス家だけだと使用人やその家族に知れ渡り、まあ食費が減るからといいかと心配しなくなったらしい。

 また、アイやラブといった猫達もナンス家行きたいのアピールで外に出られるようになったのだとか。うまいこと祖父母を利用したメンテなのであった。

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