132 / 259
132話 「お宝収集 その1」
しおりを挟む
「くわぁ~」
「あら。メンテくん起きちゃったわね」
「うぐぅ?」
欠伸の後は体をぐーっと伸ばして状況確認をします。僕がお昼寝から目覚めると目の前にキッサさんがいました。周りを確認すると他のメイドさんもいますね。あれ? さっきまで一緒にいたカフェさんがいません。どこにいったのかな?
「……いっさ?」
「おしいわ。キッサよ。キッサ」
「いっさー!」
だいぶ名前も言えるようになってきたと思います。あと少しで完全な言葉になりそうです。
「カフェと交代したの。最近うちのバカが問題を起こすから疲れるのよね。何でもポンポンポンポン爆発させたり、奇跡とか変なこと広めてろくなことしないわ」
「うぐぅ~?」
「これよ、これ! じじいと違って子供は見ているだけで癒されるのわ~」
僕は誰のことを言っているかすぐ理解しちゃいましたね。でも知らないふりをします。何言ってんの? というポカーンとした顔でキッサさんを見つめます。難しいことは分からない赤ちゃんアピール成功ですね。
玄関を爆発させたのは僕のせいではないのです。とある執事が勝手にしたことです。その事件のせいで、玄関のドアが耐久性を重視した物になりました。戦争でも始めるんですかね? そのため猫の入口計画はおじゃんになりました。そのため猫達は我が家の裏口から入ることが多いです。
ちなみに奇跡と使用人達に広めたのも同じ執事ですね。あとその娘も。おかげで母は奇跡という言葉が嫌いになったそうです。
いろいろあってキッサさんは疲れているようですねえ。一応僕も関わっているんだよね。う~ん、これは何とかしてあげたいです。
よし、キッサさんを癒しましょう!
「きゃきゃー!」
「うん?」
僕はキッサに手を伸ばします。一緒に遊ぼうよとアピールです。
「キッサおばちゃんと遊びたいのかい?」
「うぐ~!」
「んふふ、可愛いわね~。じゃあ遊ぼうか」
「きゃきゃ!」
こうして僕はキッサさんとめっちゃ遊びました。
「きゃきゃー!」
「ふぅ~、ちょっと待ってメンテくん。キッサおばちゃん疲れちゃった。休憩しましょ。ね?」
「えぐぅ」
キッサさんはギブアップです。だいぶ笑顔になったと思います。
「体力ついてきたわね。やっぱり男の子なのね」
「んぐぅ?」←ポカーン顔
「まだこの話は難しいか。あっはっははは」
本当はすべて理解していますが、よく分からないという顔でキッサさんを見ます。可愛いでしょ? 僕ピュアなの。
「えぐぅ……」
僕も汗だくです。今日はめっちゃ動き回って遊んだからね。これは何か拭く物が必要ですよ。こういうときのために僕はハンカチを持っているのです。
ゴソゴソと服の中に手を突っ込みます。よいっしょっと。今日はこれで汗を拭きとりますよ。僕の自慢のコレクションのひとつです。汗をしっかり吸収してくれます。
「服の中から何か出て来たわね……」
「えぐぅ?」←ポカーン顔
おっと。キッサさんが目の前にいるのを忘れていました。当たり前のように服の中から出しちゃいましたよ。見られちゃったので仕方がありません。別にやましいことはないのでこのまま僕は汗を拭きます。よいしょ。ごしごし。
「……ん? ちょ、ちょちょちょ?! ちょっと待ちなさい?!!!」
「うー?」
キッサさんはバサッと音のする素早い動きで僕からハンカチを奪っていきました。
「これ下着じゃないの!? みなさん、掃除はあとでいいですから集合! 全員集合よ!」
パンパンと手を叩いてこの子供部屋にいるメイドを集めるキッサさん。あ、これ僕も怒られるやつかもしれません。
よし、絶対に怒られないようにするぞー!
◆
「これは誰の下着ですか! メンテくんが使っていましたよ!!」
キッサさんはメイド達の前でパンツを広げます。まるで若い子に嫉妬していじめているおばさんのような光景です。あまり見たくないので詳しい様子はスルーします。
ここで情報をまとめてみましょう。
現在、この部屋にいるのは僕を含めて6人です。そのうち1人はキッサさん。残りの4人は全員メイドさんなのですよ。キッサさんは、メイドの中の誰かが犯人だと思っているようですね。
ちなみに容疑者扱いされているのは、この4人のメイドです。名前が出るのは久々な方もいるので自己紹介もかねて。
①ニーホ・ヤモリン
ヤモリっぽい力を持っている。しっぽ遊びが上手。
②ロコロコ・リグンド
マッチョなドワーフ。男っぽい性格。
③ミスネ・ケアレス
よくミスをしちゃう人。僕の都合の悪いことは彼女に押し付けます。
④フウセン・バルーン
いつも浮いている。天上や高いところの掃除のエキスパート。
ここで問題です。僕が下着を持っていたのは、この中の誰かが協力してくれたからですよ。誰か分かるかな?
きっと犯人はキッサさんに怒られちゃいますね。でも僕は怒られたくないので必死に誤魔化しますよ!
では、次回に続きます。
「あら。メンテくん起きちゃったわね」
「うぐぅ?」
欠伸の後は体をぐーっと伸ばして状況確認をします。僕がお昼寝から目覚めると目の前にキッサさんがいました。周りを確認すると他のメイドさんもいますね。あれ? さっきまで一緒にいたカフェさんがいません。どこにいったのかな?
「……いっさ?」
「おしいわ。キッサよ。キッサ」
「いっさー!」
だいぶ名前も言えるようになってきたと思います。あと少しで完全な言葉になりそうです。
「カフェと交代したの。最近うちのバカが問題を起こすから疲れるのよね。何でもポンポンポンポン爆発させたり、奇跡とか変なこと広めてろくなことしないわ」
「うぐぅ~?」
「これよ、これ! じじいと違って子供は見ているだけで癒されるのわ~」
僕は誰のことを言っているかすぐ理解しちゃいましたね。でも知らないふりをします。何言ってんの? というポカーンとした顔でキッサさんを見つめます。難しいことは分からない赤ちゃんアピール成功ですね。
玄関を爆発させたのは僕のせいではないのです。とある執事が勝手にしたことです。その事件のせいで、玄関のドアが耐久性を重視した物になりました。戦争でも始めるんですかね? そのため猫の入口計画はおじゃんになりました。そのため猫達は我が家の裏口から入ることが多いです。
ちなみに奇跡と使用人達に広めたのも同じ執事ですね。あとその娘も。おかげで母は奇跡という言葉が嫌いになったそうです。
いろいろあってキッサさんは疲れているようですねえ。一応僕も関わっているんだよね。う~ん、これは何とかしてあげたいです。
よし、キッサさんを癒しましょう!
「きゃきゃー!」
「うん?」
僕はキッサに手を伸ばします。一緒に遊ぼうよとアピールです。
「キッサおばちゃんと遊びたいのかい?」
「うぐ~!」
「んふふ、可愛いわね~。じゃあ遊ぼうか」
「きゃきゃ!」
こうして僕はキッサさんとめっちゃ遊びました。
「きゃきゃー!」
「ふぅ~、ちょっと待ってメンテくん。キッサおばちゃん疲れちゃった。休憩しましょ。ね?」
「えぐぅ」
キッサさんはギブアップです。だいぶ笑顔になったと思います。
「体力ついてきたわね。やっぱり男の子なのね」
「んぐぅ?」←ポカーン顔
「まだこの話は難しいか。あっはっははは」
本当はすべて理解していますが、よく分からないという顔でキッサさんを見ます。可愛いでしょ? 僕ピュアなの。
「えぐぅ……」
僕も汗だくです。今日はめっちゃ動き回って遊んだからね。これは何か拭く物が必要ですよ。こういうときのために僕はハンカチを持っているのです。
ゴソゴソと服の中に手を突っ込みます。よいっしょっと。今日はこれで汗を拭きとりますよ。僕の自慢のコレクションのひとつです。汗をしっかり吸収してくれます。
「服の中から何か出て来たわね……」
「えぐぅ?」←ポカーン顔
おっと。キッサさんが目の前にいるのを忘れていました。当たり前のように服の中から出しちゃいましたよ。見られちゃったので仕方がありません。別にやましいことはないのでこのまま僕は汗を拭きます。よいしょ。ごしごし。
「……ん? ちょ、ちょちょちょ?! ちょっと待ちなさい?!!!」
「うー?」
キッサさんはバサッと音のする素早い動きで僕からハンカチを奪っていきました。
「これ下着じゃないの!? みなさん、掃除はあとでいいですから集合! 全員集合よ!」
パンパンと手を叩いてこの子供部屋にいるメイドを集めるキッサさん。あ、これ僕も怒られるやつかもしれません。
よし、絶対に怒られないようにするぞー!
◆
「これは誰の下着ですか! メンテくんが使っていましたよ!!」
キッサさんはメイド達の前でパンツを広げます。まるで若い子に嫉妬していじめているおばさんのような光景です。あまり見たくないので詳しい様子はスルーします。
ここで情報をまとめてみましょう。
現在、この部屋にいるのは僕を含めて6人です。そのうち1人はキッサさん。残りの4人は全員メイドさんなのですよ。キッサさんは、メイドの中の誰かが犯人だと思っているようですね。
ちなみに容疑者扱いされているのは、この4人のメイドです。名前が出るのは久々な方もいるので自己紹介もかねて。
①ニーホ・ヤモリン
ヤモリっぽい力を持っている。しっぽ遊びが上手。
②ロコロコ・リグンド
マッチョなドワーフ。男っぽい性格。
③ミスネ・ケアレス
よくミスをしちゃう人。僕の都合の悪いことは彼女に押し付けます。
④フウセン・バルーン
いつも浮いている。天上や高いところの掃除のエキスパート。
ここで問題です。僕が下着を持っていたのは、この中の誰かが協力してくれたからですよ。誰か分かるかな?
きっと犯人はキッサさんに怒られちゃいますね。でも僕は怒られたくないので必死に誤魔化しますよ!
では、次回に続きます。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる