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125話 「猫魔法の研究 その2」
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ここは子供部屋。今日も魔力を放出しながら粘土で遊びます!
ぐにょにょ~ん!
やっぱり自分が思うような形に粘土は変形するのです。ここ最近毎日のように猫になっては粘土で遊びますが、全く変化しないんだよね。理由は分かりませんが、人間のときだけ有効なようです。猫魔法には反応しないってことなのかな?
ちなみに今僕が作っているのは鏡餅ですよ。正月飾りに使えそうじゃない?
「まんまー」
「あら、メンテちゃん上手になったわね」
「きゃきゃ!」
「ママー、メンテがうんち作ってるよ」
「しぃー! そこは黙って見守るの。メンテちゃん頑張って作ったんだから」
「えー? それうんちにしか見えないよー。ねー、ママー」
どうやらこの世界には、日本のような正月文化がないようです。
「あーえ、えぐえぐおんち(アーネ違うよ、おもちだよ)」
「ほらー、メンテうんちって言ってるよ。ママ聞いてるー?」
「うううぅ……」
アーネよ、うんちうんちって言わないで~。
◆
「えぐぐぐぐ~(猫魂)」
さて、今日も猫魔法について調べましょう!
子供部屋に着くと今日は猫が3匹います。今回は彼ら(レッド、ブルー、グリーン)に任せましょう。
「兄貴の部屋からあれ持って来て」
「「「御意」」」
数分後。猫達はある物を持ってきました。口にくわえるのは難しかったのか、サッカーボールのように転がしてきました。この3匹は体を動かして遊ぶのが好きなのですよ。
「みんなありがとう。じゃじゃーん。兄貴の魔力ボール!」
そうです。おなじみの魔力ボールです!
これは魔力に反応して色が変わるおもちゃです。俺の持っているボールのほうが高級だと兄貴が僕に見せつけてくるように言っていました。高級だと色がはっきり変化するんだって。粘土がダメならこっちで調べたらいいんだよね!
「お前の兄の部屋散らかっていて探すの大変だったよ」
「この部屋とか姉の方の部屋はキレイにゃのに」
「でも荒らしても気付かれないにゃ」
「ドアもあけっぱだし入り放題だにゃん」
「「「にゃわにゃわ」」」
なんか兄貴の部屋がさんざんな言われようです。でもスルーします。この猫達には明日ご褒美をあげましょう。
「メンテ、これで何するの?」
「転がしても大丈夫だったよ。思ったより頑丈だよね」
「そうだ、みんなでころころして遊ぼうよ!」
「「それいいにゃ! メンテもやるにゃー!」」
みんなで遊ぼうと誘ってくれますが今日は我慢します。
「う~ん、それもいいけど今日はこれで猫魔法を調べたいんだ」
「「「まほう?」」」
「時間が余ったらそれで遊ぼうよ」
「「「にゃったー!」」」
このボールは壊れても問題ありませんよ。兄貴の部屋は散らかっているので、わざと踏むような空白地帯に置いておけば兄貴が勝手に踏みます。そして、割れて壊れます。僕と達猫は偶然それを見てしまい騒ぎます。兄貴が壊したと父に見せつけてやる完璧なシナリオがあるのでね!
「色変わるかもしれないんだ。みんな見ててよ」
「「「色?」」」
「そうそう。まずは魔力だけ出して身体強化!」
僕がボールに触れると、白色に光りだしました。
「「「にゃこれ?!」」」
「これね、魔力で光るボールなの」
「「「へえ~」」」
なぜ白色になるのか。それは体を強化する魔法を使っているからです。体に魔力を纏ったままだとこうなると聞いたので間違いないと思います。
ここまではいつも通り。人間の姿でも白く光るのでね。問題はここからです。
「まずはこのしっぽから……!」
「「「おお、光った―!」」」
しっぽを伸ばしてボールを触ります。すると光りだしました。でもこの色は白というより何か違いますね。
「次!」
「「「おお、光ってる!」」」
今度は爪でボールを触ります。光るけどこれも白色じゃないです。
「次!」
「「「メンテが消えたにゃ?!」」」
「これも光ったね」
「「「にゃ?! いつ見てもびっくりにゃ」」」
気配を消しながらボールに触っても光ります。やっぱり白色じゃないです。
ん~、今僕が出来ることはこれぐらいかな?
では結論から言いますね。しっぽも爪も気配消すのも全部猫魔法だと思います。全部同じ色だったのがその理由です。なんというかごちゃごちゃもわもわしている色です。複雑すぎて説明できませんが。
……ということはギフトを見る前から無意識に魔法を使っていたようですね。
爪を伸ばしたときの話なのですが、花瓶が落ちるときに初めて使いました。ぶっつけ本番です。僕がこれ出来そうだなと思ったら本当に出来ていたのです。もしかしてあれが新しい魔法に目覚めたときだったのかな?
ともあれ僕が魔法を使えるのは確定しました!
異世界に来て本当に嬉しいなあと思った瞬間がまさに今日かもしれませんね。魔法が使えるなんて夢みたいな話ですよ。次におっぱいですかね。……いや、1番がおっぱいで今日は2番かな??
少し問題があるとすれれば、人間のときに魔法を全く使えない点ですかね。まだ小さい子供だし焦らず成長を待てばいいかな。一応僕って猫魔法使えるもんね。なんか奥の手を持っているような安心感を感じますよ。魔法を全く使えなかったらどうしようという焦りが消えましたし。
「じゃあみんな遊ぼー!」
「「「にゃふー!」」」
切り札は隠そう。だってその方がかっこいいじゃん? そう思うことでメンテの心に余裕が出来るのであった。
ぐにょにょ~ん!
やっぱり自分が思うような形に粘土は変形するのです。ここ最近毎日のように猫になっては粘土で遊びますが、全く変化しないんだよね。理由は分かりませんが、人間のときだけ有効なようです。猫魔法には反応しないってことなのかな?
ちなみに今僕が作っているのは鏡餅ですよ。正月飾りに使えそうじゃない?
「まんまー」
「あら、メンテちゃん上手になったわね」
「きゃきゃ!」
「ママー、メンテがうんち作ってるよ」
「しぃー! そこは黙って見守るの。メンテちゃん頑張って作ったんだから」
「えー? それうんちにしか見えないよー。ねー、ママー」
どうやらこの世界には、日本のような正月文化がないようです。
「あーえ、えぐえぐおんち(アーネ違うよ、おもちだよ)」
「ほらー、メンテうんちって言ってるよ。ママ聞いてるー?」
「うううぅ……」
アーネよ、うんちうんちって言わないで~。
◆
「えぐぐぐぐ~(猫魂)」
さて、今日も猫魔法について調べましょう!
子供部屋に着くと今日は猫が3匹います。今回は彼ら(レッド、ブルー、グリーン)に任せましょう。
「兄貴の部屋からあれ持って来て」
「「「御意」」」
数分後。猫達はある物を持ってきました。口にくわえるのは難しかったのか、サッカーボールのように転がしてきました。この3匹は体を動かして遊ぶのが好きなのですよ。
「みんなありがとう。じゃじゃーん。兄貴の魔力ボール!」
そうです。おなじみの魔力ボールです!
これは魔力に反応して色が変わるおもちゃです。俺の持っているボールのほうが高級だと兄貴が僕に見せつけてくるように言っていました。高級だと色がはっきり変化するんだって。粘土がダメならこっちで調べたらいいんだよね!
「お前の兄の部屋散らかっていて探すの大変だったよ」
「この部屋とか姉の方の部屋はキレイにゃのに」
「でも荒らしても気付かれないにゃ」
「ドアもあけっぱだし入り放題だにゃん」
「「「にゃわにゃわ」」」
なんか兄貴の部屋がさんざんな言われようです。でもスルーします。この猫達には明日ご褒美をあげましょう。
「メンテ、これで何するの?」
「転がしても大丈夫だったよ。思ったより頑丈だよね」
「そうだ、みんなでころころして遊ぼうよ!」
「「それいいにゃ! メンテもやるにゃー!」」
みんなで遊ぼうと誘ってくれますが今日は我慢します。
「う~ん、それもいいけど今日はこれで猫魔法を調べたいんだ」
「「「まほう?」」」
「時間が余ったらそれで遊ぼうよ」
「「「にゃったー!」」」
このボールは壊れても問題ありませんよ。兄貴の部屋は散らかっているので、わざと踏むような空白地帯に置いておけば兄貴が勝手に踏みます。そして、割れて壊れます。僕と達猫は偶然それを見てしまい騒ぎます。兄貴が壊したと父に見せつけてやる完璧なシナリオがあるのでね!
「色変わるかもしれないんだ。みんな見ててよ」
「「「色?」」」
「そうそう。まずは魔力だけ出して身体強化!」
僕がボールに触れると、白色に光りだしました。
「「「にゃこれ?!」」」
「これね、魔力で光るボールなの」
「「「へえ~」」」
なぜ白色になるのか。それは体を強化する魔法を使っているからです。体に魔力を纏ったままだとこうなると聞いたので間違いないと思います。
ここまではいつも通り。人間の姿でも白く光るのでね。問題はここからです。
「まずはこのしっぽから……!」
「「「おお、光った―!」」」
しっぽを伸ばしてボールを触ります。すると光りだしました。でもこの色は白というより何か違いますね。
「次!」
「「「おお、光ってる!」」」
今度は爪でボールを触ります。光るけどこれも白色じゃないです。
「次!」
「「「メンテが消えたにゃ?!」」」
「これも光ったね」
「「「にゃ?! いつ見てもびっくりにゃ」」」
気配を消しながらボールに触っても光ります。やっぱり白色じゃないです。
ん~、今僕が出来ることはこれぐらいかな?
では結論から言いますね。しっぽも爪も気配消すのも全部猫魔法だと思います。全部同じ色だったのがその理由です。なんというかごちゃごちゃもわもわしている色です。複雑すぎて説明できませんが。
……ということはギフトを見る前から無意識に魔法を使っていたようですね。
爪を伸ばしたときの話なのですが、花瓶が落ちるときに初めて使いました。ぶっつけ本番です。僕がこれ出来そうだなと思ったら本当に出来ていたのです。もしかしてあれが新しい魔法に目覚めたときだったのかな?
ともあれ僕が魔法を使えるのは確定しました!
異世界に来て本当に嬉しいなあと思った瞬間がまさに今日かもしれませんね。魔法が使えるなんて夢みたいな話ですよ。次におっぱいですかね。……いや、1番がおっぱいで今日は2番かな??
少し問題があるとすれれば、人間のときに魔法を全く使えない点ですかね。まだ小さい子供だし焦らず成長を待てばいいかな。一応僕って猫魔法使えるもんね。なんか奥の手を持っているような安心感を感じますよ。魔法を全く使えなかったらどうしようという焦りが消えましたし。
「じゃあみんな遊ぼー!」
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