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95話 「部屋を訪ねる その1」
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「えぐううううううううう!」バンバン
今日は子供部屋の外に出たいとドアを叩きまくります。
「どうしたのメンテちゃん。廊下に出たいの?」
「うぐ!」
僕は歩けるようになったので行動範囲が広がりました。この部屋から出たいよーと暴れます。
「失礼します」ガチャ。
「あぐー!(チャンス!)」スタタタ。
「ほえ?! 何でここにメンテくんが??」
この声はミスネ・ケアレスさんです。僕の中では、彼女はよくミスをするメイドさんと認識していますよ。ドアが開いたのでサッと廊下に出ます。
「あ、メンテくん?! ちょっと待って下さいよ―」
ゆっくりですが歩き始めます。ミスネさんありがとう!
「行っちゃったわね」
「ひやぁ! 奥様すいません」
「フフッ、気にしなくてもいいのよ。それよりもメンテちゃんがどこに行きたいのか気になるわ。そう思わないかしら?」
母の声が聞こえますが、止めに来ないので先に進んじゃいますよ。
「そうですね……。最近のことなのですが、メンテくんはこの部屋から出たいと暴れることが多かったです」
「あら、そうなの? ならついて行きましょう。面白そうじゃないの」
「え? あ、奥様待ってください」
というわけで僕の後ろで、母とミスネさんがついてきます。実はこれも計算の内です。だって僕だけだとドアが開けられないのでね。
僕はゆっくりと歩きます。正直ハイハイの方が早いのですが、今回は歩きます。倒れそうになったら廊下の壁をタッチしながら歩きます。顔から転ばないので安全なのですよ。実はこの廊下の移動もしっかり歩けるようになるための訓練です。
「メンテちゃん結構歩けるようになったのね。ママ嬉しいわ」
「最近すごい成長してますよね。メイド達にも話題ですよ」
後ろからは声が聞こえますが、僕は振り返りません。これは必死に歩いているので気付いていないふりを演出しているのでね。こうやって僕の成長を見せつけているのです!
そして、すぐに目的の場所に到着です。
「あら、メンテちゃん急に止まったわね」
「どうしたのでしょうか?」
僕はドアに近づいて思いっきり叩き始めます。
「えっぐううううううううう!」バンバンバンバンバンバンッ!
ガチャっとドアが開きます。
「いったい誰ですか? ノックしすぎです」
そこから出たのはカフェさん。そして奥にいたのは……。
「え?! なんでメンテがいるのー?」
そうです、僕の姉ことアーネです。ここは目的地であるアーネのお部屋なのですよ。
◆
かくかくしかじかと母とミスネさんが説明していきます。そういうことですかとカフェさんもアーネもびっくりしていますね。
僕はアーネに近づきます。
「えへへ、どうしたのメンテー?」
「うぐぅ~」
どうやらアーネは勉強していたみたいです。先生はカフェさんでしょう。でも僕が来たので遊び始めてしまいました。
「まだお勉強中なのですが……」
「えへへー」
「きゃきゃ!」
「少しだけ休憩でいいんじゃないかしら」
母の一言でアーネの休憩に決まりました。
そろそろ僕の目的について説明したいと思います。
僕は子供部屋にある絵本を見て回りましたが、スキルや魔法の使い方について書かれたものはありませんでした。この世界の調べものをするには、あの部屋だけでは難しいのです。そこで一番近くにあるアーネの部屋に向かいました。脱走したときの知識を活用したのです。アーネは勉強を頑張っているらしいしね。何か教科書みたいなものがありそうじゃないですか? ここなら僕の知りたいこの世界の常識が分かる何かがあるかもしれません。
ただ遊びに来たわけではないですよ?
「そろそろ休憩はおしまいにしましょう。メンテちゃんはお部屋に戻るわよ」
「ううううぅ……」←嘘泣き
「もう、アーネの邪魔しちゃうからダメよ!」
「うぐぅううううう……」←涙ぽろぽろ
「……仕方がないわね。でも静かに出来なかったら戻るわよ?」
「……えぐ」
「メンテくん、急に泣き止みましたね」←ミスネ
「嘘泣きだったのかしら……」
「うぐうううぅ……」←急に目に涙を溜め始めるメンテ
ミスネさんが突っ込んだせいで嘘泣きを続行するはめになりました。こういうときはなぜかミスしない、それがミスネさんというメイドなのです。
「アーネ様、今日はメンテ様は勉強している様子を見学するそうです。姉らしい姿を見せてくださいね」
「うん。わかったー!」
「ミスネさんも新米先生としてアーネ様に勉強を教えて見ましょう。わかりましたか?」
「え? あ、はい。頑張ります」
あらら、ミスネさんが教育係になっちゃったよ。将来、メイドさんに勉強を教えてもらえるとなると僕も嬉しいです。どんな感じなのか見て見ましょうかね。
というわけでアーネの勉強の見学スタートです!
今日は子供部屋の外に出たいとドアを叩きまくります。
「どうしたのメンテちゃん。廊下に出たいの?」
「うぐ!」
僕は歩けるようになったので行動範囲が広がりました。この部屋から出たいよーと暴れます。
「失礼します」ガチャ。
「あぐー!(チャンス!)」スタタタ。
「ほえ?! 何でここにメンテくんが??」
この声はミスネ・ケアレスさんです。僕の中では、彼女はよくミスをするメイドさんと認識していますよ。ドアが開いたのでサッと廊下に出ます。
「あ、メンテくん?! ちょっと待って下さいよ―」
ゆっくりですが歩き始めます。ミスネさんありがとう!
「行っちゃったわね」
「ひやぁ! 奥様すいません」
「フフッ、気にしなくてもいいのよ。それよりもメンテちゃんがどこに行きたいのか気になるわ。そう思わないかしら?」
母の声が聞こえますが、止めに来ないので先に進んじゃいますよ。
「そうですね……。最近のことなのですが、メンテくんはこの部屋から出たいと暴れることが多かったです」
「あら、そうなの? ならついて行きましょう。面白そうじゃないの」
「え? あ、奥様待ってください」
というわけで僕の後ろで、母とミスネさんがついてきます。実はこれも計算の内です。だって僕だけだとドアが開けられないのでね。
僕はゆっくりと歩きます。正直ハイハイの方が早いのですが、今回は歩きます。倒れそうになったら廊下の壁をタッチしながら歩きます。顔から転ばないので安全なのですよ。実はこの廊下の移動もしっかり歩けるようになるための訓練です。
「メンテちゃん結構歩けるようになったのね。ママ嬉しいわ」
「最近すごい成長してますよね。メイド達にも話題ですよ」
後ろからは声が聞こえますが、僕は振り返りません。これは必死に歩いているので気付いていないふりを演出しているのでね。こうやって僕の成長を見せつけているのです!
そして、すぐに目的の場所に到着です。
「あら、メンテちゃん急に止まったわね」
「どうしたのでしょうか?」
僕はドアに近づいて思いっきり叩き始めます。
「えっぐううううううううう!」バンバンバンバンバンバンッ!
ガチャっとドアが開きます。
「いったい誰ですか? ノックしすぎです」
そこから出たのはカフェさん。そして奥にいたのは……。
「え?! なんでメンテがいるのー?」
そうです、僕の姉ことアーネです。ここは目的地であるアーネのお部屋なのですよ。
◆
かくかくしかじかと母とミスネさんが説明していきます。そういうことですかとカフェさんもアーネもびっくりしていますね。
僕はアーネに近づきます。
「えへへ、どうしたのメンテー?」
「うぐぅ~」
どうやらアーネは勉強していたみたいです。先生はカフェさんでしょう。でも僕が来たので遊び始めてしまいました。
「まだお勉強中なのですが……」
「えへへー」
「きゃきゃ!」
「少しだけ休憩でいいんじゃないかしら」
母の一言でアーネの休憩に決まりました。
そろそろ僕の目的について説明したいと思います。
僕は子供部屋にある絵本を見て回りましたが、スキルや魔法の使い方について書かれたものはありませんでした。この世界の調べものをするには、あの部屋だけでは難しいのです。そこで一番近くにあるアーネの部屋に向かいました。脱走したときの知識を活用したのです。アーネは勉強を頑張っているらしいしね。何か教科書みたいなものがありそうじゃないですか? ここなら僕の知りたいこの世界の常識が分かる何かがあるかもしれません。
ただ遊びに来たわけではないですよ?
「そろそろ休憩はおしまいにしましょう。メンテちゃんはお部屋に戻るわよ」
「ううううぅ……」←嘘泣き
「もう、アーネの邪魔しちゃうからダメよ!」
「うぐぅううううう……」←涙ぽろぽろ
「……仕方がないわね。でも静かに出来なかったら戻るわよ?」
「……えぐ」
「メンテくん、急に泣き止みましたね」←ミスネ
「嘘泣きだったのかしら……」
「うぐうううぅ……」←急に目に涙を溜め始めるメンテ
ミスネさんが突っ込んだせいで嘘泣きを続行するはめになりました。こういうときはなぜかミスしない、それがミスネさんというメイドなのです。
「アーネ様、今日はメンテ様は勉強している様子を見学するそうです。姉らしい姿を見せてくださいね」
「うん。わかったー!」
「ミスネさんも新米先生としてアーネ様に勉強を教えて見ましょう。わかりましたか?」
「え? あ、はい。頑張ります」
あらら、ミスネさんが教育係になっちゃったよ。将来、メイドさんに勉強を教えてもらえるとなると僕も嬉しいです。どんな感じなのか見て見ましょうかね。
というわけでアーネの勉強の見学スタートです!
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