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85話 「噂の新人冒険者 その3」
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脱ぎ脱ぎタイムが見れなかったので、僕は泣きそうになりましたがなんとかこらえました。おかげでトマト兄弟ともう少し遊べます。もし泣いていたら長い長いおっぱいタイムが始まっていたことでしょう。僕とても繊細なので。
話を戻します。いちいちスキルに反応ありと言うのでは時間が掛かりますね。そこで僕に感情の起伏が起きた場合は、手を上げて知らせることになりました。兄のトマさんの場合は正の感情、妹であるマトさんは負の感情となります。どちらも上げない場合は反応なしです。
「メンテくん、他の遊びをしようか。何が好きなのかお兄さんに教えてくれるかな?」
「トマ兄さん、メンテが喜ぶのは魔法だよ!」
「魔法? じゃあ次は魔法を見せようかな」
「えぐぐううう?!」
トマ兄さんは手を上げます。正の感情ですね。
兄貴はトマさんのことをトマ兄さんと呼んでいました。トマとマトでは分かりづらいので僕も真似しましょう。トマ兄さんとマト姉さんでいいかな? 今度からそう呼びますよ。心の中でね。
「……今、”魔法”って言葉が出た瞬間にすごい反応があったよ。びっくりしたね」
「にゃは、私も見ていて分かったの」
「そうでしょ? メンテは魔法が大好きなんだ!」←アニーキ―
「にゃはは。アニーキ―くんはメンテくんのことよく知ってるんだね」
「まあね!」
俺は弟のことよく知ってるぜ! と兄貴が誇らしげにします。僕の家族からもやはりそうなんだという声がちらほら聞こえますよ。僕ってそんなに表情に出てたかなあ。
「はっはっは、その単語は理解しているだろうな」
「メンテちゃんは”魔法”という言葉にいつも反応してるわ。フフッ、やっぱりねえ」
「魔法だけじゃないよ。最近は”スキル”も興味あるみたいだよ」
「”魔法”と”スキル”という言葉にびくびくっと反応がありましたよ」
「んぐぅ?(本当?)」
トマ兄さんは手を上げます。正の感情ですね。そりゃ僕は魔法もスキルも興味あります。この異世界で、僕が使えるかもしれない力だから知っておきたいよね。
「俺思うんだけど、メンタルチェックしたらいろいろ分かるんじゃないかな?」
「はっはっは、そうかもしれないな」
「あら、アニーキ―は面白いこと考えるのね。私も気になるわ」
「うむ。そうじゃの」
ナンス家のみんなは魔法よりこっちの方が気になる様子です。
「ほほっ、レンタカー」
「はい。私はメモを持っているので反応のあったことを記録します。みなさん、知りたいことはどんどん聞いてください」
「はっはっは。さすがレンタカーは気が利くな」
「いえいえ。これぐらい当然のことですよ」
タクシーさんに名前を呼ばれただけで、レンタカーさんは何をすればいいのか分かったようです。さすがこの親子は優秀ですね!
「俺、メンテに聞いてみたいことあるんだよね! レンタカーさん、後でメモ見せてね―!!」
「僕、赤ちゃんにそういった用途でスキルを使うのは初めてです。不安ですが頑張りますよ」
「にゃは、面白そうだからチェックしちゃうね!」
「フフッ、何だかメンテちゃん楽しそうね」
「きゃきゃ!」
そしてみんなが僕に質問をし始めましたよ。もしかすると簡単な会話が出来るチャンスかもしれません。ふむ、なら魔法は後で見ればいいね。
◆
まずは兄貴からです。
「アニーキ―、アニーキ―、アニーキ―」
「……?」
僕は、兄貴何を言ってるんだ? という顔で見つめます。トマト兄弟はどちらも手を上げません。変化なしです。
「アーネ、アーネ、アーネ」
「……?」
トマト兄弟はどちらも手を上げません。変化なしです。
「じゃあ母さんは?」
「うぐぅ」ぷいっ
「父さん」
「うぐぅ」ぷいっ
「じいじ」
「うぐぅ」ぷいっ
「じゃあメンテのお兄ちゃん」
「うぐぅ」ぷいっ
僕は言われた名前の順番に顔を見ます。
「今の見た?! メンテがみんなの名前に反応したよ!!」
その後も兄貴は今ここにいる人の名前を言います。そのたび僕は振り向きます。
「ほらほら、ね?! そうでしょ!」
「はっはっは、間違いなく名前は覚えているようだ」
「メンテちゃん、いつの間にかに覚えたのね。よしよし偉いわよ」
「きゃきゃきゃ」
「ほほっ。メンテ様も成長しましたなあ」
「いや~、お孫さんは賢いですね」
「うむ」←名前を呼んだら振り向かれて嬉しいイブシ
トマ兄さんはイブシじいじを見ながら手を上げます。正の感情ですね。あははと笑いに包まれました。イブシじいじが表情を隠してもばれちゃいますね。なるほど、メンタルチェックは大人にも普通に効果があるようです。
「レディーさんに頭を撫でられたときも反応がありましたね。メンテくんは、撫でてもらうのが好きなのかもしれませんよ」
「あら、やっぱりそうなのね。いつも気持ちよさそうにするのよ」
「きゃきゃきゃ!」
もっと甘やかしてもいいんだよ~?
「にゃは、私たちの名前も分かってるんだね。何だか嬉しいの。お兄ちゃんもそうでしょ?」
「そうだね。僕も覚えられたと思うと嬉しいよ」
僕は名前を理解し始めたのが伝わったようです。こうやって少しずつ成長したふりをしましょう。やれやれ、赤ちゃんの演技は大変なのですよ。
その後、兄貴は僕に魔法を見せてきました。
ダサ~い魔法名を聞くたびにマト姉さんは手を上げます。負の感情ですね。でも発動した魔法を見るとトマ兄さんは手を上げます。正の感情ですね。
みんな魔法が嬉しいのか嫌がっているのかどっちなんだと謎だったようです。兄貴はどの魔法が好きなのか確認したかったようですが失敗したご様子。
まあ赤ちゃんだから気まぐれなんじゃないの? とまとめられました。赤ちゃんはコロコロ気分が変わっちゃうのですよ。それより誰か兄貴のダサ~い魔法名をどうにかしてよー。残念ながらこの気持ちは伝わることはありませんでした。
こうしてみんながメンテに色々な質問をしていくのであった。
話を戻します。いちいちスキルに反応ありと言うのでは時間が掛かりますね。そこで僕に感情の起伏が起きた場合は、手を上げて知らせることになりました。兄のトマさんの場合は正の感情、妹であるマトさんは負の感情となります。どちらも上げない場合は反応なしです。
「メンテくん、他の遊びをしようか。何が好きなのかお兄さんに教えてくれるかな?」
「トマ兄さん、メンテが喜ぶのは魔法だよ!」
「魔法? じゃあ次は魔法を見せようかな」
「えぐぐううう?!」
トマ兄さんは手を上げます。正の感情ですね。
兄貴はトマさんのことをトマ兄さんと呼んでいました。トマとマトでは分かりづらいので僕も真似しましょう。トマ兄さんとマト姉さんでいいかな? 今度からそう呼びますよ。心の中でね。
「……今、”魔法”って言葉が出た瞬間にすごい反応があったよ。びっくりしたね」
「にゃは、私も見ていて分かったの」
「そうでしょ? メンテは魔法が大好きなんだ!」←アニーキ―
「にゃはは。アニーキ―くんはメンテくんのことよく知ってるんだね」
「まあね!」
俺は弟のことよく知ってるぜ! と兄貴が誇らしげにします。僕の家族からもやはりそうなんだという声がちらほら聞こえますよ。僕ってそんなに表情に出てたかなあ。
「はっはっは、その単語は理解しているだろうな」
「メンテちゃんは”魔法”という言葉にいつも反応してるわ。フフッ、やっぱりねえ」
「魔法だけじゃないよ。最近は”スキル”も興味あるみたいだよ」
「”魔法”と”スキル”という言葉にびくびくっと反応がありましたよ」
「んぐぅ?(本当?)」
トマ兄さんは手を上げます。正の感情ですね。そりゃ僕は魔法もスキルも興味あります。この異世界で、僕が使えるかもしれない力だから知っておきたいよね。
「俺思うんだけど、メンタルチェックしたらいろいろ分かるんじゃないかな?」
「はっはっは、そうかもしれないな」
「あら、アニーキ―は面白いこと考えるのね。私も気になるわ」
「うむ。そうじゃの」
ナンス家のみんなは魔法よりこっちの方が気になる様子です。
「ほほっ、レンタカー」
「はい。私はメモを持っているので反応のあったことを記録します。みなさん、知りたいことはどんどん聞いてください」
「はっはっは。さすがレンタカーは気が利くな」
「いえいえ。これぐらい当然のことですよ」
タクシーさんに名前を呼ばれただけで、レンタカーさんは何をすればいいのか分かったようです。さすがこの親子は優秀ですね!
「俺、メンテに聞いてみたいことあるんだよね! レンタカーさん、後でメモ見せてね―!!」
「僕、赤ちゃんにそういった用途でスキルを使うのは初めてです。不安ですが頑張りますよ」
「にゃは、面白そうだからチェックしちゃうね!」
「フフッ、何だかメンテちゃん楽しそうね」
「きゃきゃ!」
そしてみんなが僕に質問をし始めましたよ。もしかすると簡単な会話が出来るチャンスかもしれません。ふむ、なら魔法は後で見ればいいね。
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まずは兄貴からです。
「アニーキ―、アニーキ―、アニーキ―」
「……?」
僕は、兄貴何を言ってるんだ? という顔で見つめます。トマト兄弟はどちらも手を上げません。変化なしです。
「アーネ、アーネ、アーネ」
「……?」
トマト兄弟はどちらも手を上げません。変化なしです。
「じゃあ母さんは?」
「うぐぅ」ぷいっ
「父さん」
「うぐぅ」ぷいっ
「じいじ」
「うぐぅ」ぷいっ
「じゃあメンテのお兄ちゃん」
「うぐぅ」ぷいっ
僕は言われた名前の順番に顔を見ます。
「今の見た?! メンテがみんなの名前に反応したよ!!」
その後も兄貴は今ここにいる人の名前を言います。そのたび僕は振り向きます。
「ほらほら、ね?! そうでしょ!」
「はっはっは、間違いなく名前は覚えているようだ」
「メンテちゃん、いつの間にかに覚えたのね。よしよし偉いわよ」
「きゃきゃきゃ」
「ほほっ。メンテ様も成長しましたなあ」
「いや~、お孫さんは賢いですね」
「うむ」←名前を呼んだら振り向かれて嬉しいイブシ
トマ兄さんはイブシじいじを見ながら手を上げます。正の感情ですね。あははと笑いに包まれました。イブシじいじが表情を隠してもばれちゃいますね。なるほど、メンタルチェックは大人にも普通に効果があるようです。
「レディーさんに頭を撫でられたときも反応がありましたね。メンテくんは、撫でてもらうのが好きなのかもしれませんよ」
「あら、やっぱりそうなのね。いつも気持ちよさそうにするのよ」
「きゃきゃきゃ!」
もっと甘やかしてもいいんだよ~?
「にゃは、私たちの名前も分かってるんだね。何だか嬉しいの。お兄ちゃんもそうでしょ?」
「そうだね。僕も覚えられたと思うと嬉しいよ」
僕は名前を理解し始めたのが伝わったようです。こうやって少しずつ成長したふりをしましょう。やれやれ、赤ちゃんの演技は大変なのですよ。
その後、兄貴は僕に魔法を見せてきました。
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みんな魔法が嬉しいのか嫌がっているのかどっちなんだと謎だったようです。兄貴はどの魔法が好きなのか確認したかったようですが失敗したご様子。
まあ赤ちゃんだから気まぐれなんじゃないの? とまとめられました。赤ちゃんはコロコロ気分が変わっちゃうのですよ。それより誰か兄貴のダサ~い魔法名をどうにかしてよー。残念ながらこの気持ちは伝わることはありませんでした。
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