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73話 「おもちゃを使おう その2」
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おもちゃを持って渡せば遊んでくれるのが分かりました。僕はおもちゃを持ちながらのハイハイで、近くにいたメイドさんに近づきます。
「えぐぐぅー(これどうぞ)」パシッ
「どうしたのかなメンテくん。これくれるの?」
「うーあぐぅ!(使って!)」ペチペチ
「そうなのね。ありがとう」
普通に持ってしまいましたね。それプレゼントじゃないのよ。仕方ないので僕はこのメイドさんにつかまり立ちをします。そして、今渡したおしゃぶりを掴んでメイドさんの顔に当てます。口のそばでぐりぐりし、これを使うようにうながします。
「うぐうぐー(お口に使って)」
「え? わたしがおしゃぶりを使うの?」
「あぐぅ(そうだよ)」
「えっと……、ほ、本当に使っていいのかな~?」
「あぐぐー(うん)」
僕は目をキラキラさせてメイドさんを見つめます。こんな小さな赤ちゃんのお願いを断ることなんて出来ないよね。ましてや可愛い可愛いお願いなのですよ。ここで断れば心が痛むのを僕は知っています。ここに付け入るのです。
「どうすれば……」チラッ
「……」←目キラキラさせながらじぃーと眺めるメンテ
「やっぱり口に入れなきゃダメなのかな? でもそれは……」
「うううう……」←嘘泣き
メイドさんは戸惑っているので嘘泣きをします。これで心が耐えられなくなります。
「――っ、ちょっとだけね!」
「えっぐー!(やったー!)」
作戦成功です。少しだけですがおしゃぶりを噛んでくれましたよ。ではさっそく。
「ぐふー(えい)」バシ
「え? 待ってメンテくん。それまだ拭いてないから汚いよ」
「パクっ。ちゅぱちゅぱ~」
「えー……」
ゲヘヘ~。何て素晴らしい遊びなんでしょう!!! 明日もこうやって楽しく遊びましょう。グヘヘへヘヘへ。
それからメンテはおしゃぶりを渡しまくったという。もちろん若い女性限定であった。
◆
僕はおしゃぶりだけを渡していただけではありませんよ? 音が鳴るおもちゃを胸に挟ませてもらったりといろいろ遊びましたがね。
それはそれで、僕の本命はこちらです!
「えぐぐぅー(これどうぞ)」パシッ
「魔法を使ってほしいの?」
「うーあぐぅ!(使って!)」ペチペチ
「じゃあ見ててね」
そのおもちゃに魔力を込めると光りだしました。そうです。僕が渡したのは魔力ボールですよ! これでいろいろ試しています。魔法について知るためです。
「どうかなメンテくん?」
「んぐぅ!(いいね!)」
魔力ボールは白く光っていますね。しっかり魔力が込められています。
いろいろな人に試して貰いましたが、このように白い光が多かったですね。
この光り方が強い程、魔法が強いのだとわかります。この状態が長ければ長い程、込められた魔法の量もうかがえます。でもこの色に関しては分らないのです。
兄貴はカラフルに何色も扱うことが出来ます。普通に魔力を込めて水色になったり赤色になる人もいます。この違いの理由は分かりません。でも白色が多いのです。
なぜ白色が多いの?
父に聞いたら話が通じずにお手玉を見せてくれました。魔力ボールを使ってね。でもカラフルだったのでついつい興奮してしまいましたね。肝心の色については未だに謎です。
「ぐふー(えい)」バシ
「メンテくんはこの光るのが気になるのかな?」
「えぐえぐー(そうだよ!)」
「おもちゃを持って来て遊ぼうってするの本当なんだね~」
みんな僕が遊んでほしいときにおもちゃを持ってくることを理解しているようです。これからも遊んでもらえますね。よし、これからアピールしよう。
ねえねえ。光らせてよ。あ、光ったよありがとう。……ほほう、今メイドさんから奪ったボールは光が強いですね。魔力がいっぱい込められています。
よし、スカートの中に入りましょう!
「えぐぐ」サササッ
「え?」
光るボールを持ちながらスカートの中に侵入しました。あなたのパンツは何色だ~い?
「――うぐぅ?!」
パンツを確認しようとしたら体を引っ張られました。邪魔をするのは誰だと思い振り返るとそこに居たのは母でした。微笑みを浮かべています。
あ、ヤバい。これは怒られますね。
「メンテちゃん変な事したらダメよ」
「うぐうぐ~(し、してないよ)」
「すみません奥様。私の不注意で」
「ミスネちゃんのせいじゃないわ。メンテちゃんは暗いところで光を見たかったのよ」
「えっぐ!(そうそう!)」
僕は魔力ボールをぶんぶん振り回してそうだよアピールをします。もう必死に頑張ります。光が消えたら嘘泣きをします。スカートに潜り込んだのは母の言うとおりだよ、もっと光が見たいんだと全力で演技します。
「ほらね。メンテちゃんは光が見たいのよね」
「えっぐー!(そうそう!)」
「そうなのですね。もっと光らせましょうか?」
「うぐぅううう!」ポイッ
僕はミスネさんにボールを投げます。このミスネ・ケアレスさんは簡単に騙せますね。いつもチョロいので助かってます。ミスネさんはボールを光らせて僕に渡してくれますし優しいんだ。だから元気にぶんぶん振り回して遊びました。可愛いでしょ? あ、ミスネさんの鼻にボールが直撃して痛そう。ごめんね。
「そろそろおじいちゃんとおばあちゃんのお家に行くからね。メンテちゃんは持っていくおもちゃを選ぼうね」
「あぐぅ!(うん!)」
僕はそろそろ王都に行きます。いろいろ楽しみですねえ。
「えぐぐぅー(これどうぞ)」パシッ
「どうしたのかなメンテくん。これくれるの?」
「うーあぐぅ!(使って!)」ペチペチ
「そうなのね。ありがとう」
普通に持ってしまいましたね。それプレゼントじゃないのよ。仕方ないので僕はこのメイドさんにつかまり立ちをします。そして、今渡したおしゃぶりを掴んでメイドさんの顔に当てます。口のそばでぐりぐりし、これを使うようにうながします。
「うぐうぐー(お口に使って)」
「え? わたしがおしゃぶりを使うの?」
「あぐぅ(そうだよ)」
「えっと……、ほ、本当に使っていいのかな~?」
「あぐぐー(うん)」
僕は目をキラキラさせてメイドさんを見つめます。こんな小さな赤ちゃんのお願いを断ることなんて出来ないよね。ましてや可愛い可愛いお願いなのですよ。ここで断れば心が痛むのを僕は知っています。ここに付け入るのです。
「どうすれば……」チラッ
「……」←目キラキラさせながらじぃーと眺めるメンテ
「やっぱり口に入れなきゃダメなのかな? でもそれは……」
「うううう……」←嘘泣き
メイドさんは戸惑っているので嘘泣きをします。これで心が耐えられなくなります。
「――っ、ちょっとだけね!」
「えっぐー!(やったー!)」
作戦成功です。少しだけですがおしゃぶりを噛んでくれましたよ。ではさっそく。
「ぐふー(えい)」バシ
「え? 待ってメンテくん。それまだ拭いてないから汚いよ」
「パクっ。ちゅぱちゅぱ~」
「えー……」
ゲヘヘ~。何て素晴らしい遊びなんでしょう!!! 明日もこうやって楽しく遊びましょう。グヘヘへヘヘへ。
それからメンテはおしゃぶりを渡しまくったという。もちろん若い女性限定であった。
◆
僕はおしゃぶりだけを渡していただけではありませんよ? 音が鳴るおもちゃを胸に挟ませてもらったりといろいろ遊びましたがね。
それはそれで、僕の本命はこちらです!
「えぐぐぅー(これどうぞ)」パシッ
「魔法を使ってほしいの?」
「うーあぐぅ!(使って!)」ペチペチ
「じゃあ見ててね」
そのおもちゃに魔力を込めると光りだしました。そうです。僕が渡したのは魔力ボールですよ! これでいろいろ試しています。魔法について知るためです。
「どうかなメンテくん?」
「んぐぅ!(いいね!)」
魔力ボールは白く光っていますね。しっかり魔力が込められています。
いろいろな人に試して貰いましたが、このように白い光が多かったですね。
この光り方が強い程、魔法が強いのだとわかります。この状態が長ければ長い程、込められた魔法の量もうかがえます。でもこの色に関しては分らないのです。
兄貴はカラフルに何色も扱うことが出来ます。普通に魔力を込めて水色になったり赤色になる人もいます。この違いの理由は分かりません。でも白色が多いのです。
なぜ白色が多いの?
父に聞いたら話が通じずにお手玉を見せてくれました。魔力ボールを使ってね。でもカラフルだったのでついつい興奮してしまいましたね。肝心の色については未だに謎です。
「ぐふー(えい)」バシ
「メンテくんはこの光るのが気になるのかな?」
「えぐえぐー(そうだよ!)」
「おもちゃを持って来て遊ぼうってするの本当なんだね~」
みんな僕が遊んでほしいときにおもちゃを持ってくることを理解しているようです。これからも遊んでもらえますね。よし、これからアピールしよう。
ねえねえ。光らせてよ。あ、光ったよありがとう。……ほほう、今メイドさんから奪ったボールは光が強いですね。魔力がいっぱい込められています。
よし、スカートの中に入りましょう!
「えぐぐ」サササッ
「え?」
光るボールを持ちながらスカートの中に侵入しました。あなたのパンツは何色だ~い?
「――うぐぅ?!」
パンツを確認しようとしたら体を引っ張られました。邪魔をするのは誰だと思い振り返るとそこに居たのは母でした。微笑みを浮かべています。
あ、ヤバい。これは怒られますね。
「メンテちゃん変な事したらダメよ」
「うぐうぐ~(し、してないよ)」
「すみません奥様。私の不注意で」
「ミスネちゃんのせいじゃないわ。メンテちゃんは暗いところで光を見たかったのよ」
「えっぐ!(そうそう!)」
僕は魔力ボールをぶんぶん振り回してそうだよアピールをします。もう必死に頑張ります。光が消えたら嘘泣きをします。スカートに潜り込んだのは母の言うとおりだよ、もっと光が見たいんだと全力で演技します。
「ほらね。メンテちゃんは光が見たいのよね」
「えっぐー!(そうそう!)」
「そうなのですね。もっと光らせましょうか?」
「うぐぅううう!」ポイッ
僕はミスネさんにボールを投げます。このミスネ・ケアレスさんは簡単に騙せますね。いつもチョロいので助かってます。ミスネさんはボールを光らせて僕に渡してくれますし優しいんだ。だから元気にぶんぶん振り回して遊びました。可愛いでしょ? あ、ミスネさんの鼻にボールが直撃して痛そう。ごめんね。
「そろそろおじいちゃんとおばあちゃんのお家に行くからね。メンテちゃんは持っていくおもちゃを選ぼうね」
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僕はそろそろ王都に行きます。いろいろ楽しみですねえ。
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