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33話 「ミルク事件」
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このお話でのメンテは、基本的に”おっぱい”とだけ発言しています。ではお楽しみ下さい。
「メンテちゃん。ミルク飲みましょ~」
「んぐ!」
バシバシと哺乳瓶を叩きます。あっちいけー。
「どうしたの? ほら一度だけでいいから飲んでみましょう~」
「えぐう!」
「も~、なんでかしら」
「うんぐぅ!」
僕は母にミルクを飲まされようとしていました。しかし、僕にとってそれはダメなのです!
なぜならおっぱいを吸うことが出来なくなるからです。おっぱいタイムを卒業したら、今後おっぱいで甘えることが出来ないのです。至福の時間が消え去るのは看過できません。断固拒否します!
「うんぎゃー!」バシバシ
「きゃ! そんなに嫌なの?」
「んぐうううう」
母は、僕が初めて見る哺乳瓶を嫌がっているように感じていますね。僕が嫌がっているのはそうではないのです。むしろこのミルクは何のミルクなのか知りたいし、味もどんなものかと気になります。だって異世界初のミルクだもん。
「一口でいいのよ。一口でね」
「んだぁ!」バシバシ
僕の口元に哺乳瓶を近づけますが拒否します。これは僕の未来をかけた戦いですからね!
「んぐううう!」
「もう、これはおもちゃじゃないのよ」
それは知っています。でも関係ありません。それよりおっぱいです。
「んぐぅ」
「メンテちゃんどうしたの?」
「うぐぅううう!」
「急に暴れてどうしちゃったのかしら」
「うんぐぅうううううう!!!!!」
「どうやらメンテ様にはお気に召さないようです」
この声はカフェさんです。そうだそうだ、もっと母に言ってやりなさい!
「メンテちゃんもそろそろね、ミルクぐらい飲めると思うのよ」
「んぐぅ」
「私もそう思いますが、難しいですね」
「えっぐ!」
難しいに決まっているでしょう。僕からおっぱいを取り上げないで!
「困ったわねえ」
「えぐう」
「一度だけ口に入れてみてはどうでしょうか」
「えぐうう」
「でも嫌がるのよ?」
「えぐううう」
「口が開いている状態ならチャンスだと思われます」
「えぐうううう」
「それこそ難しいわ」
「えぐううううう」
ジタバタ、ジタバタッ!
「……なぜだかすごく荒ぶっていますね」
「今日のメンテちゃんはよく分からないわね」
「えぐううううううう!」
僕は必死にアピールをしています。でも全く伝わってないので悲しくなりますね。
「今日は諦めましょうか。おっぱいにしようね」
「えっぐ!」
母が準備を始めるとカフェさんが僕を抱っこしました。いや~。笑いが止まりませんね。
「メンテ様お待ちください」
「んごおおおお!」
「もういいわよカフェちゃん。ありがとうね」
カフェさんが母に近づけると僕はにっこにこと笑っちゃいます。そして、胸に飛びつきおっぱいを噛もうとしました。
「奥様、今です!」
「んぐぅ?!」
なんということでしょう。母がとんでもない早さで、哺乳瓶の口を僕の空いた口の中に突っ込みました。僕が油断をするこの一瞬を狙ったのです。
この二人は目線で会話をしていたのか全く気づきませんでした。恐ろしい連携プレーです。
こんなか弱い僕に無理やり?! なんてハードなことをするのでしょう。それにもうおっぱいを吸えないと思うと悲しくなってきました。これは完全な虐待ですよ。
僕が絶望していると哺乳瓶の口がのどの奥に当たってしまいました。
「おええええ!!! ごほごほっ。おげえええええ」
反射的に全てを吐き出してしまいました。つまりゲロです。その吐き気による辛さとおっぱいが吸えない心の辛さが重なります。悲しみのあまり本気で泣いてしまいました。僕の心はソフトなのです。赤ちゃんですから。
「うえええーーーーーええん。ぐええええええん」
「あら?! メンテちゃんごめんね、よしよし」
「タオルと着替えの服を取ってきます」
カフェさんは大慌てで走っていきました。
「わあああああああん!!」
僕はずっとおっぱい! おっぱい! と叫び続けました。感情のままにずっとです。
落ち着いてくると僕は母のおっぱいを吸っていましたよ。叫びまくりでしたから疲れてしまいました。この小さな体では、泣くだけで眠くなりますね。
やはりおっぱいが最高におっぱいです。おっぱいが僕の癒しであり、つまりおっぱいです。ぱいぱいです。ぱいぱぱいぱいぱーい。……あれ? 僕は何を言っているのでしょう。
その後なのですが、母とカフェさんは僕の都合がいいような勘違いをしました。僕が哺乳瓶を見るだけで泣く演技をするとミルクを諦めてくれるのです。僕にミルクは最悪の味だと覚えさせてしまったと勘違いするのです。
僕に新しい切り札が出来ました! これはもう外交カードと言えますね。ただ、カフェさんには迷惑を掛けちゃいましたね。
よし、これからはメイドさんにも甘えまくりましょう! 誰だろうと僕を止められませんよ!!
この事件? がきっかけとなり、おっぱいタイムの回数と時間が増えたという。そして、メンテが癇癪を起こしたときはママのおっぱいを吸わせるのが一番だと屋敷中に広がるのであった。
「メンテちゃん。ミルク飲みましょ~」
「んぐ!」
バシバシと哺乳瓶を叩きます。あっちいけー。
「どうしたの? ほら一度だけでいいから飲んでみましょう~」
「えぐう!」
「も~、なんでかしら」
「うんぐぅ!」
僕は母にミルクを飲まされようとしていました。しかし、僕にとってそれはダメなのです!
なぜならおっぱいを吸うことが出来なくなるからです。おっぱいタイムを卒業したら、今後おっぱいで甘えることが出来ないのです。至福の時間が消え去るのは看過できません。断固拒否します!
「うんぎゃー!」バシバシ
「きゃ! そんなに嫌なの?」
「んぐうううう」
母は、僕が初めて見る哺乳瓶を嫌がっているように感じていますね。僕が嫌がっているのはそうではないのです。むしろこのミルクは何のミルクなのか知りたいし、味もどんなものかと気になります。だって異世界初のミルクだもん。
「一口でいいのよ。一口でね」
「んだぁ!」バシバシ
僕の口元に哺乳瓶を近づけますが拒否します。これは僕の未来をかけた戦いですからね!
「んぐううう!」
「もう、これはおもちゃじゃないのよ」
それは知っています。でも関係ありません。それよりおっぱいです。
「んぐぅ」
「メンテちゃんどうしたの?」
「うぐぅううう!」
「急に暴れてどうしちゃったのかしら」
「うんぐぅうううううう!!!!!」
「どうやらメンテ様にはお気に召さないようです」
この声はカフェさんです。そうだそうだ、もっと母に言ってやりなさい!
「メンテちゃんもそろそろね、ミルクぐらい飲めると思うのよ」
「んぐぅ」
「私もそう思いますが、難しいですね」
「えっぐ!」
難しいに決まっているでしょう。僕からおっぱいを取り上げないで!
「困ったわねえ」
「えぐう」
「一度だけ口に入れてみてはどうでしょうか」
「えぐうう」
「でも嫌がるのよ?」
「えぐううう」
「口が開いている状態ならチャンスだと思われます」
「えぐうううう」
「それこそ難しいわ」
「えぐううううう」
ジタバタ、ジタバタッ!
「……なぜだかすごく荒ぶっていますね」
「今日のメンテちゃんはよく分からないわね」
「えぐううううううう!」
僕は必死にアピールをしています。でも全く伝わってないので悲しくなりますね。
「今日は諦めましょうか。おっぱいにしようね」
「えっぐ!」
母が準備を始めるとカフェさんが僕を抱っこしました。いや~。笑いが止まりませんね。
「メンテ様お待ちください」
「んごおおおお!」
「もういいわよカフェちゃん。ありがとうね」
カフェさんが母に近づけると僕はにっこにこと笑っちゃいます。そして、胸に飛びつきおっぱいを噛もうとしました。
「奥様、今です!」
「んぐぅ?!」
なんということでしょう。母がとんでもない早さで、哺乳瓶の口を僕の空いた口の中に突っ込みました。僕が油断をするこの一瞬を狙ったのです。
この二人は目線で会話をしていたのか全く気づきませんでした。恐ろしい連携プレーです。
こんなか弱い僕に無理やり?! なんてハードなことをするのでしょう。それにもうおっぱいを吸えないと思うと悲しくなってきました。これは完全な虐待ですよ。
僕が絶望していると哺乳瓶の口がのどの奥に当たってしまいました。
「おええええ!!! ごほごほっ。おげえええええ」
反射的に全てを吐き出してしまいました。つまりゲロです。その吐き気による辛さとおっぱいが吸えない心の辛さが重なります。悲しみのあまり本気で泣いてしまいました。僕の心はソフトなのです。赤ちゃんですから。
「うえええーーーーーええん。ぐええええええん」
「あら?! メンテちゃんごめんね、よしよし」
「タオルと着替えの服を取ってきます」
カフェさんは大慌てで走っていきました。
「わあああああああん!!」
僕はずっとおっぱい! おっぱい! と叫び続けました。感情のままにずっとです。
落ち着いてくると僕は母のおっぱいを吸っていましたよ。叫びまくりでしたから疲れてしまいました。この小さな体では、泣くだけで眠くなりますね。
やはりおっぱいが最高におっぱいです。おっぱいが僕の癒しであり、つまりおっぱいです。ぱいぱいです。ぱいぱぱいぱいぱーい。……あれ? 僕は何を言っているのでしょう。
その後なのですが、母とカフェさんは僕の都合がいいような勘違いをしました。僕が哺乳瓶を見るだけで泣く演技をするとミルクを諦めてくれるのです。僕にミルクは最悪の味だと覚えさせてしまったと勘違いするのです。
僕に新しい切り札が出来ました! これはもう外交カードと言えますね。ただ、カフェさんには迷惑を掛けちゃいましたね。
よし、これからはメイドさんにも甘えまくりましょう! 誰だろうと僕を止められませんよ!!
この事件? がきっかけとなり、おっぱいタイムの回数と時間が増えたという。そして、メンテが癇癪を起こしたときはママのおっぱいを吸わせるのが一番だと屋敷中に広がるのであった。
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