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21話 「ナンス家の朝」

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 俺の名はアルティメット・ハンサム・テンシ・メンテ・ナンス。

 この世界では天使という種族のイケメンだ。究極のイケてる天使がこの俺様だ!


 今日も俺は優雅に飛ぶぜ!!!!!


 HA HA HA、俺の翼に見とれて言葉も出ないようだな。

 俺様を照れるさせるとはお前やるな。

 で、どこに行くのかって? 俺様が行きたいところに決まってるだよ。

 この世界の空は俺のものさ。この世の全ての生き物が知ってることなんだぜ!

 さあ、行こう。

 この世界を俺のメンテ色に染めてやるぜー!!





「えぐぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!!!!!!!!!!」




「ママ……、メンテ……むにゃむにゃ」
「メンテちゃん……」

 ここはダンディとレディーの寝室。この部屋には、二人の子どもであるメンテとアーネも一緒に寝ているのだ。

 メンテが泣いてもアーネは起きる気配はなかった。一度眠るとなかなか起きないのである。なおもう一人の子どもであるアニーキ―は、自分の部屋で寝ている。三人兄弟の一番上は、一人で寝れる年齢だ。

「今何時……? なんでメンテちゃんこんなに早く起きたのかしら」
「うぎゃあああん!!」
「はいはい、今いくからねー」
「うわぁあああん!!」

 レディーは起き上がり、メンテが寝ているベビーベットに移動。そして、メンテを抱っこした。

「よちよち、どうしたの~?」
「えぐぅうううう!!!」
「オムツ変えようね~」
「うぐぅ!!」
「あら、オムツぱんぱん。少し漏れちゃってるわ」

 オムツを交換したが、メンテの機嫌は良くないままであった。

「抱っこかなあ?」
「えっぐうう」
「ん~、お腹すいたのかしら。ほらおいで」
「んぐううう!!」


 赤ちゃんは目が覚めると泣くことがある。空腹だったりオムツのように不快なことがあれば泣いて知らせると言われ、赤ちゃんにもストレスがあるのだ。

 そして、寝起きのぐずりで親は寝不足になってしまうのものだ。

 メンテが生まれた頃は、レディーの目の下に隈ができていた。ナンス家にはたくさん使用人がいるので、普通の家庭よりは楽ができている。おかげで今はほとんど消えてしまったが、朝だけは大変なのだ。

 キッサやカフェがメンテをあやすこともあったが、寝起きでぐずるメンテには全く効果がなかった。唯一、レディーだけがメンテをあやせた。やはり母親が一番ということだろう。

 メンテが毎朝泣くのがわかっているので、ダンディもアーネも起きる気がない原因はこれだったりする。父のダンディは何も出来ないのでママにまかせっきりなのだ。アーネに関しては、泣いているのに気づいてないだけかもしれないが。


「やっぱりお腹がすいていたのね」
「えぐぅ!」

 ちゅぱちゅぱ~

「……んぐぅ~すぴ~」
「寝ちゃったわ。私も少し寝ようかしら」


 まさかこの赤ちゃんが変な夢を見て起きたとは思うまい。

 メンテのことは何でもお見通しなレディーであったが、今回はお腹がすいて早く起きたという判断をしたのであった。


 実は、毎朝おっぱーーーーい! とメンテが叫んでいるのは秘密だ。





 ナンス家の朝は、こんな感じでスタートします。

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