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12話 「町にお出かけ その3」
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「ママー、次はどこ行くの?」
「ここから近いのは本屋ね。帰りにうちのお店に寄りましょうか」
「やった~」
次は本屋に行くことが決まりました。うちのお店ってことはナンス家のかな? それともレディーの働いているお店かな? たまに母がいないときがあるのでなんか納得しました。
ベビーカーに乗って歩いていますが、周りの人々から視線を感じます。タクシーさん以外は美形一族ですから目立つのでしょう。ですが家族はみんな慣れているようです。僕も気にせずにいましょう。
「あれあの人……」
「もしかして……」
「「「「「「「キャー!!」」」」」」」
ナンス家って町に行っても人気なのですね。なぜかな? すごくうるさいですが目的地に着いたようです。
◆
カララーン
ドアに付いている小さな鈴が鳴りました。異世界で初めてのお店は本屋です。店の中に入ったら静かになりましたね。まるで騒ぎから避難してきた感じですよ。
「だあ~」
「フフッ、メンテちゃん喜んでいるわ」
思ったより大きな本屋ですね。なんだあれとバタバタ体が動いてしまいます。僕赤ちゃんですから。
「絵本見てくるー」
「俺はあっちで参考書でも見ています」
アーネが走ってどこかに行ってしまいました。それをタクシーさんがすかさず追いかけました。僕も歩けたら走っていることでしょう。赤ちゃんですし怒られませんよね?
アニーキ―は指を差した方向に歩いていきました。魔法コーナーってところに向かっていますね。
「メンテちゃん、パパとママと付き合ってね」
「はっはっは、パパは」
「パパ静かにね」
「……はい」
パパはママに笑い声がうるさいから黙れと怒られました。ちょっと歩いたところにある赤ちゃんコーナーにやってきました。母は赤ちゃんのファッションみたいな本を手にしました。
「パパ~、この服メンテちゃんに似合う思わない?」
「なんだその服は。羽が邪魔そうじゃないか」
「な~に言ってるのかしら。天使の服なんだから羽があるに決まってるじゃないの」
どうやら母は僕が天使になるのを諦めていないようでした。僕はメンテ、メンテ・天使なんす。
「ぐう~、あだ」
「お、これが見たいのかな? パパが取ってあげよう」
天使になりたくないので、テキトーなところを指を差します。本を見た父は少し表情がおかしくなりました。
「息子にはまだ早いと思うんだがなあ」
「まあ、メンテちゃんって大人なのね~」
それは大人の下着が書かれた本でした。モデルが下着を着用した絵がいっぱい書いてあります。父が本を目の前に持ってきたので手で本を叩きましたよ。ばしばし!
「本当はパパが見たかっただけじゃないの?」
「パパはね、ママのほうが好きだなあ」
「……もう」
また始まってしまいました。ここは本屋ですよ?
「えぐううううー」
「ん、あっち?」
「んぐぅ!」
「これかな」
パパが動物の本を目の前に持ってきました。この本はペットが着る服の本らしいです。これもテキトーに指差したところですが、大人の下着本よりはましですね。表紙には猫が服を着ています。なんだか不思議な感覚がします。
「あぐ~」
「メンテ喜んでいるなあ。ママ、これ買おうか」
「フフッ、動物が好きなんだねえ~。赤ちゃんが下着を見たいわけないわよね~」
「はっはっは、パパが間違っただけだよ」
いや~、実は僕興味ありました。だって種族ごとに下着あるんだもん。脳内カメラで保存しました!
パパとママがいろいろ見ていますが、僕は別のことを考えていました。なんで文字が読めるのだろうかと。この世界に来る前と思われるあの白い空間。そこにいた男女。何をしゃべっていたのか分りませんが途中で急に理解ができるようになったこと。結論としてはあのときでしょうね。あのとき特別な力をもらったのでしょう、たぶん。
「これほしー」
考え事をしていたらいつの間にか絵本コーナーにいたようです。アーネは何冊か絵本を持っています。
「これとこれはお家にないわね。そっちはお家にあるわよ」
「ほんと?! これお家にあるの」
「ママが言うならそうなんだろうな」
「本当ですよ旦那様。この本屋の絵本の約半分は屋敷にあります」
さすがタクシーさん。絵本もしっかり把握している完璧な執事です。持っていない本は買うことになり、アニーキ―を探しに行いました。アニーキ―はずっと魔法の本を見ていたようです。
「アニーキ―は何か読みたいが本あったのかしら?」
「はい、母さん。絶対に強くなるシリーズの炎魔法と雷魔法が気になります」
「アニーキ―は強くなりたいのか、はっはっは」
「魔物と戦えるようにいろいろな魔法を勉強したいです」
「よし、父さんも一緒に付き合うぞ」
魔物? この世界にいるんですね。そのうち調べましょうか。
本を買ったらベビーカーに収納しました。収納というより消えてないですか? きっと収納できる魔法でもあるのでしょうね。
本屋の後は魔道具のお店です。うちの店らしいので楽しみですねえ。
「ここから近いのは本屋ね。帰りにうちのお店に寄りましょうか」
「やった~」
次は本屋に行くことが決まりました。うちのお店ってことはナンス家のかな? それともレディーの働いているお店かな? たまに母がいないときがあるのでなんか納得しました。
ベビーカーに乗って歩いていますが、周りの人々から視線を感じます。タクシーさん以外は美形一族ですから目立つのでしょう。ですが家族はみんな慣れているようです。僕も気にせずにいましょう。
「あれあの人……」
「もしかして……」
「「「「「「「キャー!!」」」」」」」
ナンス家って町に行っても人気なのですね。なぜかな? すごくうるさいですが目的地に着いたようです。
◆
カララーン
ドアに付いている小さな鈴が鳴りました。異世界で初めてのお店は本屋です。店の中に入ったら静かになりましたね。まるで騒ぎから避難してきた感じですよ。
「だあ~」
「フフッ、メンテちゃん喜んでいるわ」
思ったより大きな本屋ですね。なんだあれとバタバタ体が動いてしまいます。僕赤ちゃんですから。
「絵本見てくるー」
「俺はあっちで参考書でも見ています」
アーネが走ってどこかに行ってしまいました。それをタクシーさんがすかさず追いかけました。僕も歩けたら走っていることでしょう。赤ちゃんですし怒られませんよね?
アニーキ―は指を差した方向に歩いていきました。魔法コーナーってところに向かっていますね。
「メンテちゃん、パパとママと付き合ってね」
「はっはっは、パパは」
「パパ静かにね」
「……はい」
パパはママに笑い声がうるさいから黙れと怒られました。ちょっと歩いたところにある赤ちゃんコーナーにやってきました。母は赤ちゃんのファッションみたいな本を手にしました。
「パパ~、この服メンテちゃんに似合う思わない?」
「なんだその服は。羽が邪魔そうじゃないか」
「な~に言ってるのかしら。天使の服なんだから羽があるに決まってるじゃないの」
どうやら母は僕が天使になるのを諦めていないようでした。僕はメンテ、メンテ・天使なんす。
「ぐう~、あだ」
「お、これが見たいのかな? パパが取ってあげよう」
天使になりたくないので、テキトーなところを指を差します。本を見た父は少し表情がおかしくなりました。
「息子にはまだ早いと思うんだがなあ」
「まあ、メンテちゃんって大人なのね~」
それは大人の下着が書かれた本でした。モデルが下着を着用した絵がいっぱい書いてあります。父が本を目の前に持ってきたので手で本を叩きましたよ。ばしばし!
「本当はパパが見たかっただけじゃないの?」
「パパはね、ママのほうが好きだなあ」
「……もう」
また始まってしまいました。ここは本屋ですよ?
「えぐううううー」
「ん、あっち?」
「んぐぅ!」
「これかな」
パパが動物の本を目の前に持ってきました。この本はペットが着る服の本らしいです。これもテキトーに指差したところですが、大人の下着本よりはましですね。表紙には猫が服を着ています。なんだか不思議な感覚がします。
「あぐ~」
「メンテ喜んでいるなあ。ママ、これ買おうか」
「フフッ、動物が好きなんだねえ~。赤ちゃんが下着を見たいわけないわよね~」
「はっはっは、パパが間違っただけだよ」
いや~、実は僕興味ありました。だって種族ごとに下着あるんだもん。脳内カメラで保存しました!
パパとママがいろいろ見ていますが、僕は別のことを考えていました。なんで文字が読めるのだろうかと。この世界に来る前と思われるあの白い空間。そこにいた男女。何をしゃべっていたのか分りませんが途中で急に理解ができるようになったこと。結論としてはあのときでしょうね。あのとき特別な力をもらったのでしょう、たぶん。
「これほしー」
考え事をしていたらいつの間にか絵本コーナーにいたようです。アーネは何冊か絵本を持っています。
「これとこれはお家にないわね。そっちはお家にあるわよ」
「ほんと?! これお家にあるの」
「ママが言うならそうなんだろうな」
「本当ですよ旦那様。この本屋の絵本の約半分は屋敷にあります」
さすがタクシーさん。絵本もしっかり把握している完璧な執事です。持っていない本は買うことになり、アニーキ―を探しに行いました。アニーキ―はずっと魔法の本を見ていたようです。
「アニーキ―は何か読みたいが本あったのかしら?」
「はい、母さん。絶対に強くなるシリーズの炎魔法と雷魔法が気になります」
「アニーキ―は強くなりたいのか、はっはっは」
「魔物と戦えるようにいろいろな魔法を勉強したいです」
「よし、父さんも一緒に付き合うぞ」
魔物? この世界にいるんですね。そのうち調べましょうか。
本を買ったらベビーカーに収納しました。収納というより消えてないですか? きっと収納できる魔法でもあるのでしょうね。
本屋の後は魔道具のお店です。うちの店らしいので楽しみですねえ。
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