8 / 259
08話 「お風呂デビュー」
しおりを挟む
魔力ボールで遊んだ後、お風呂に入ることになった。この異世界にもお風呂があるって知らなかったよ。
日本人としては嬉しすぎるよ、ナンス家最高!!
この屋敷にはメイドさんがいっぱいいるのです。フフフ、みなさんお待ちかねの時間ですよ。
「んだっ!!」
僕ことメンテは元気よく叫んだ。
◆
「赤ちゃんのお風呂は久しぶりだから、心配でドキドキしちゃうわ」
「キッサさん、よろしくお願いします」
「久しぶりねメンテくん、今日はよろしくね。今から洗い方を教えるから二人とも近づいて頂戴」
20人以上余裕で入れるほど大きい風呂場にはいるのは父、母とおばあさんの3人だった。
このおばあさんは、タクシーの妻のキッサである。小さい子の相手に慣れたキッサがいるだけで安心感がある。先ほどまで一緒だったアーネは一緒に入りたいと駄々をこねたが、危ないかもということで他のメイド達に任せている。
僕はね、もっと若いメイドの人が手伝いに来ると思ってました……。これはもう残念です。まだお待ちかねの時間ではないようです。力及ばず申し訳ない。
「まずはプールを用意しましょう。お風呂の水は赤ちゃんにとっては熱いの。やけどしてしまうから注意しなさい」
キッサさんがお風呂に手をかざすと、お湯が小さな玉となって浮かび上がった。そしてキッサさん右手の手ひらのまで飛んできた。お湯の玉は手に触れておらずに浮いている。
「あ、あぐぅ!?」
何も言わずに魔法が発動して驚くしかない。いったい何者なんだいキッサさん?
「少し冷やしますよ」
キッサさんが左手をかざすと冷気が発生し、お湯の温度が適温まで下がっていた。
「うぐぅ!?」
魔法便利すぎてやばい。さっきまで残念な気持ちだったけど今はテンションがめっちゃ上がっている。
「では一緒に洗うからね」
そういうとキッサと母は僕の体を洗い出した。父はタオルを持って覗き込んでいる。お湯も僕の体も一緒に浮いていて面白いです。このお湯を自由自在な形にできるので溺れたりすることはないそうです。高さも自由だから腰の負担もなさそうだ。
「レディーがいないときもあるだろうから覚えておきなさい」
「わかりました」
両親ともにもキッサさんを信頼しているようだ。父が頑張るよりメイドさんのほうが嬉しいなんて言えなくなっちゃうなあ。そして、僕の体を洗い終わった。父が僕を受け取ってタオルで拭いていく。お湯の玉は僕が出た後に下に向かって流れていきました。お風呂場だから捨てる場所はどこでもいいのね。
う~ん、とても気持ちい。そのときです。
「はっ……、ハックシューーーーーーン!!!!」
キッサさんが僕に向かってくしゃみをしたのです。綺麗になった体にめっちゃ唾が飛んできた。
「「……」」
僕の両親がキッサさんを無言で見つめる。
「てへっ」
おばあちゃんのてへぺろなんて見たくなかったよ……。
そういえばこの一族はポンコツなところがあるんだっけな。まさかキッサさんも同じなんて知らなかったよ。
「まだ服を着せていないから今度はパパが洗うよ」
「う、ごめんなさい」
「いえいえ、いいのよ。パパの練習になりますし」
お風呂デビューの日に2回も入るとは思いませんでした。さすがポンコツ一族ですな。
「明日はメイド達に体の洗い方を教えようと思います。メンテくん、明日もよろしくね」
え、まじで?うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
「あだぁーーー」
「はっはっは、メンテはお風呂が大好きだなあ」
「フフッ。毎日入ろうね~」
メイドとのお風呂が楽しみじゃあああああああ!
後日、キッサとメイド達がお風呂に来た。しかし、全員腕まくりだけで誰も脱ぐようなことはなかったというオチ。
メンテは羞恥プレーを満喫したとかしなかったとかいう。
日本人としては嬉しすぎるよ、ナンス家最高!!
この屋敷にはメイドさんがいっぱいいるのです。フフフ、みなさんお待ちかねの時間ですよ。
「んだっ!!」
僕ことメンテは元気よく叫んだ。
◆
「赤ちゃんのお風呂は久しぶりだから、心配でドキドキしちゃうわ」
「キッサさん、よろしくお願いします」
「久しぶりねメンテくん、今日はよろしくね。今から洗い方を教えるから二人とも近づいて頂戴」
20人以上余裕で入れるほど大きい風呂場にはいるのは父、母とおばあさんの3人だった。
このおばあさんは、タクシーの妻のキッサである。小さい子の相手に慣れたキッサがいるだけで安心感がある。先ほどまで一緒だったアーネは一緒に入りたいと駄々をこねたが、危ないかもということで他のメイド達に任せている。
僕はね、もっと若いメイドの人が手伝いに来ると思ってました……。これはもう残念です。まだお待ちかねの時間ではないようです。力及ばず申し訳ない。
「まずはプールを用意しましょう。お風呂の水は赤ちゃんにとっては熱いの。やけどしてしまうから注意しなさい」
キッサさんがお風呂に手をかざすと、お湯が小さな玉となって浮かび上がった。そしてキッサさん右手の手ひらのまで飛んできた。お湯の玉は手に触れておらずに浮いている。
「あ、あぐぅ!?」
何も言わずに魔法が発動して驚くしかない。いったい何者なんだいキッサさん?
「少し冷やしますよ」
キッサさんが左手をかざすと冷気が発生し、お湯の温度が適温まで下がっていた。
「うぐぅ!?」
魔法便利すぎてやばい。さっきまで残念な気持ちだったけど今はテンションがめっちゃ上がっている。
「では一緒に洗うからね」
そういうとキッサと母は僕の体を洗い出した。父はタオルを持って覗き込んでいる。お湯も僕の体も一緒に浮いていて面白いです。このお湯を自由自在な形にできるので溺れたりすることはないそうです。高さも自由だから腰の負担もなさそうだ。
「レディーがいないときもあるだろうから覚えておきなさい」
「わかりました」
両親ともにもキッサさんを信頼しているようだ。父が頑張るよりメイドさんのほうが嬉しいなんて言えなくなっちゃうなあ。そして、僕の体を洗い終わった。父が僕を受け取ってタオルで拭いていく。お湯の玉は僕が出た後に下に向かって流れていきました。お風呂場だから捨てる場所はどこでもいいのね。
う~ん、とても気持ちい。そのときです。
「はっ……、ハックシューーーーーーン!!!!」
キッサさんが僕に向かってくしゃみをしたのです。綺麗になった体にめっちゃ唾が飛んできた。
「「……」」
僕の両親がキッサさんを無言で見つめる。
「てへっ」
おばあちゃんのてへぺろなんて見たくなかったよ……。
そういえばこの一族はポンコツなところがあるんだっけな。まさかキッサさんも同じなんて知らなかったよ。
「まだ服を着せていないから今度はパパが洗うよ」
「う、ごめんなさい」
「いえいえ、いいのよ。パパの練習になりますし」
お風呂デビューの日に2回も入るとは思いませんでした。さすがポンコツ一族ですな。
「明日はメイド達に体の洗い方を教えようと思います。メンテくん、明日もよろしくね」
え、まじで?うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
「あだぁーーー」
「はっはっは、メンテはお風呂が大好きだなあ」
「フフッ。毎日入ろうね~」
メイドとのお風呂が楽しみじゃあああああああ!
後日、キッサとメイド達がお風呂に来た。しかし、全員腕まくりだけで誰も脱ぐようなことはなかったというオチ。
メンテは羞恥プレーを満喫したとかしなかったとかいう。
0
お気に入りに追加
235
あなたにおすすめの小説

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。
無言で睨む夫だが、心の中は──。
【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】
4万文字ぐらいの中編になります。
※小説なろう、エブリスタに記載してます

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

前世を思い出しました。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。
棚から現ナマ
恋愛
前世を思い出したフィオナは、今までの自分の所業に、恥ずかしすぎて身もだえてしまう。自分は痛い女だったのだ。いままでの黒歴史から目を背けたい。黒歴史を思い出したくない。黒歴史関係の人々と接触したくない。
これからは、まっとうに地味に生きていきたいの。
それなのに、王子様や公爵令嬢、王子の側近と今まで迷惑をかけてきた人たちが向こうからやって来る。何でぇ?ほっといて下さい。お願いします。恥ずかしすぎて、死んでしまいそうです。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる