18 / 18
第18話
しおりを挟む
「突然だがアイリーンさん、この国の未来の王妃になる覚悟はあるか」
「父上、いきなり何を……」
「クロード、お前もわかっているはずだ。本当ならば親としてアイリーンさんとの結婚を認めたいが、お前と結婚するということはいずれこの国の王妃になるということだ。国を治める者の妻になる覚悟がなければ、この先つらい思いをするのはアイリーンさんだからな」
父上の言う通りだ。覚悟がなければ、私と結婚して後悔するのは目に見えている。
苦しめることになるなら、やっぱり君を諦めたほうがいいのかな……
「仰ることはわかります。ですが私はそれでもクロードさんと結婚したいと思っています。むしろこんな私でいいんでしょうか?私よりもずっとクロードさんの隣が似合う素敵な人はいるはずっ……それなのに、、クロードさんは私を選んでくださいました。私はその想いに応えたいです」
ぽろぽろと涙を流しながらも父上の目を見ながら答える君。
「アイリーン……私なんかなんて言わないでくれ。私はあなただから結婚をしたいんだ」
ああ、なんて素敵な人を好きになったんだろう……
こんなにも私のことを想ってくれる君を私は諦めようとしていたなんて最低だ。
「アイリーンさん、どうか息子をよろしくお願いします。こんなにも息子のことを想ってくれる人なんていないですから」
父上は立ち上がり頭を下げた。それをみた母上も父上と同じように頭を下げた。
「頭を上げてください!!こちらこそこんな私を受け入れて下さりありがとうございます」
「父上、母上、本当にありがとう」
私はアイリーンを認めてくれた両親に心からの感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
「頭を上げなさい。クロード、あなたはとても素敵な人を見つけたわね」
「はい。私にはもったいほど素敵な人です」
母上は瞳に涙を浮かべながらも微笑んでくれた。
私たちはこれからのことを話しながら夕食をした。
夕食後、2人だけで庭を散歩していた。
「今日は月が一段と綺麗だね」
「ええ、ほんとに……」
「アイリーン、本当にありがとう。こんな私を愛してくれて」
「私こそ愛してくれてありがとう……」
「アイリーン、この指輪を受け取ってくれないか」
私はポケットに忍ばせていた指輪を取り出した。
「は…い…」
アイリーンは瞳に涙を浮かべながらも幸せそうに微笑んでくれた。
「私は月のようにいつまで君を照らし、愛することをこの指輪に誓うよ」
薬指に指輪をはめ、愛しい人に口付けを落とした。
「父上、いきなり何を……」
「クロード、お前もわかっているはずだ。本当ならば親としてアイリーンさんとの結婚を認めたいが、お前と結婚するということはいずれこの国の王妃になるということだ。国を治める者の妻になる覚悟がなければ、この先つらい思いをするのはアイリーンさんだからな」
父上の言う通りだ。覚悟がなければ、私と結婚して後悔するのは目に見えている。
苦しめることになるなら、やっぱり君を諦めたほうがいいのかな……
「仰ることはわかります。ですが私はそれでもクロードさんと結婚したいと思っています。むしろこんな私でいいんでしょうか?私よりもずっとクロードさんの隣が似合う素敵な人はいるはずっ……それなのに、、クロードさんは私を選んでくださいました。私はその想いに応えたいです」
ぽろぽろと涙を流しながらも父上の目を見ながら答える君。
「アイリーン……私なんかなんて言わないでくれ。私はあなただから結婚をしたいんだ」
ああ、なんて素敵な人を好きになったんだろう……
こんなにも私のことを想ってくれる君を私は諦めようとしていたなんて最低だ。
「アイリーンさん、どうか息子をよろしくお願いします。こんなにも息子のことを想ってくれる人なんていないですから」
父上は立ち上がり頭を下げた。それをみた母上も父上と同じように頭を下げた。
「頭を上げてください!!こちらこそこんな私を受け入れて下さりありがとうございます」
「父上、母上、本当にありがとう」
私はアイリーンを認めてくれた両親に心からの感謝の気持ちを込めて頭を下げた。
「頭を上げなさい。クロード、あなたはとても素敵な人を見つけたわね」
「はい。私にはもったいほど素敵な人です」
母上は瞳に涙を浮かべながらも微笑んでくれた。
私たちはこれからのことを話しながら夕食をした。
夕食後、2人だけで庭を散歩していた。
「今日は月が一段と綺麗だね」
「ええ、ほんとに……」
「アイリーン、本当にありがとう。こんな私を愛してくれて」
「私こそ愛してくれてありがとう……」
「アイリーン、この指輪を受け取ってくれないか」
私はポケットに忍ばせていた指輪を取り出した。
「は…い…」
アイリーンは瞳に涙を浮かべながらも幸せそうに微笑んでくれた。
「私は月のようにいつまで君を照らし、愛することをこの指輪に誓うよ」
薬指に指輪をはめ、愛しい人に口付けを落とした。
11
お気に入りに追加
1,509
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(13件)
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
結婚しましたが、愛されていません
うみか
恋愛
愛する人との結婚は最悪な結末を迎えた。
彼は私を毎日のように侮辱し、挙句の果てには不倫をして離婚を叫ぶ。
為す術なく離婚に応じた私だが、その後国王に呼び出され……
加護を疑われ婚約破棄された後、帝国皇子の契約妃になって隣国を豊かに立て直しました
黎
ファンタジー
幼い頃、神獣ヴァレンの加護を期待され、ロザリアは王家に買い取られて王子の婚約者となった。しかし、侍女を取り上げられ、将来の王妃だからと都合よく仕事を押し付けられ、一方で、公爵令嬢があたかも王子の婚約者であるかのように振る舞う。そんな風に冷遇されながらも、ロザリアはヴァレンと共にたくましく生き続けてきた。
そんな中、王子がロザリアに「君との婚約では神獣の加護を感じたことがない。公爵令嬢が加護を持つと判明したし、彼女と結婚する」と婚約破棄をつきつける。
家も職も金も失ったロザリアは、偶然出会った帝国皇子ラウレンツに雇われることになる。元皇妃の暴政で荒廃した帝国を立て直そうとする彼の契約妃となったロザリアは、ヴァレンの力と自身の知恵と経験を駆使し、帝国を豊かに復興させていき、帝国とラウレンツの心に希望を灯す存在となっていく。
*短編に続きをとのお声をたくさんいただき、始めることになりました。引き続きよろしくお願いします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
純白の契約:捨てられた令嬢、真実の愛を掴む
ゆる
恋愛
幼馴染で婚約者だった王子レオポルドに突然婚約を破棄され、社交界からも追放されてしまった公爵令嬢グレイス。すべてを失い、傷心の彼女は家族の反対を押し切り、荒れ果てた片田舎の領地で新たな生活を始めることを決意する。
そんな彼女の前に現れたのは、旅商人を名乗る謎めいた男性セバスチャン。彼の助けを借りながら領地の復興に努めるうちに、グレイスは自らの力と住民たちの絆を再発見していく。やがてセバスチャンの正体が明らかになるとき、二人の関係は新たな展開を迎える。
一方、グレイスを捨てたレオポルド王子は、選んだ道の代償として孤独と後悔の中で没落していく――。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魔力無しの聖女に何の御用ですか?〜義妹達に国を追い出されて婚約者にも見捨てられる戻ってこい?自由気ままな生活が気に入ったので断固拒否します〜
ターナー
恋愛
毎日毎日、国のトラブル解決に追われるミレイ・ノーザン、水の魔法を失敗して道を浸水させてしまったのを何とかして欲しいとか、火の魔道具が暴走して火事を消火してほしいとか、このガルシア国はほぼ全ての事柄に魔法や魔道具を使っている、そっちの方が効率的だからだ、しかしだからこそそういった魔力の揉め事が後を絶たない………彼女は八光聖女の一人、退魔の剣の振るい手、この剣はあらゆる魔力を吸収し、霧散させる、………なので義妹達にあらゆる国の魔力トラブル処理を任せられていた、ある日、彼女は八光聖女をクビにされ、さらに婚約者も取られ、トドメに国外追放………あてもなく彷徨う、ひょんなことからハルバートという男に助けられ、何でも屋『ブレーメンズ』に所属、舞い込む依頼、忙しくもやり甲斐のある日々………一方、義妹達はガルシア国の魔力トラブルを処理が上手く出来ず、今更私を連れ戻そうとするが、はいそうですかと聞くわけがない。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄の次は爵位剥奪ですか? 構いませんよ、金の力で取り戻しますから
ひじり
恋愛
「エナ、僕は真実の愛を見つけたんだ。その相手はもちろん、きみじゃない。だから僕が何を言いたいのか分かるよね?」
男爵令嬢のエナ・ローリアは、幼い頃にリック・ティーレンスからのプロポーズを受けた。
将来を誓い合った二人は両家公認の仲になったが、ティーレンス家が子爵に陞爵した日を境に、すれ違う日が増えていった。
そして結婚式を前日に控えたある日、エナはリックから婚約を一方的に破棄されてしまう。
リックの新しい相手――カルデ・リスタは伯爵令嬢だ。しかし注目すべきはそこじゃない。カルデは異世界転生者であった。地位や名誉はもちろんのこと、財産や魔力の差においても、男爵令嬢のエナとは格が違う。
エナはリックの気持ちを尊重するつもりだったが、追い打ちをかける出来事がローリア家を襲う。
カルデからリックを横取りしようとした背信行為で、ローリア家は爵位を剥奪されることになったのだ。
事実無根だと訴えるが、王国は聞く耳を持たず。異世界転生者と男爵家の人間では、言葉の重みが違う。貴族の地位を失った父――ロド・ローリアは投獄され、エナ自身は国外追放処分となった。
「悪いわね~、エナ? あんたが持ってたもの、ぜーんぶあたしが貰っちゃった♪」
荷物をまとめて王都を発つ日、リックとカルデが見送りにくる。リックに婚約破棄されたことも、爵位剥奪されたことも、全てはこいつのしわざか、と確信する。
だからエナは宣言することにした。
「婚約破棄の次は爵位剥奪ですか? 構いませんよ、金の力で取り戻しますから」
※異世界転生者有り、魔法有りの世界観になります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
こういうの「ざまぁ」って言うんですよね? ~婚約破棄されたら美人になりました~
茅野ガク
恋愛
家のために宝石商の息子と婚約をした伯爵令嬢シスカ。彼女は婚約者の長年の暴言で自分に自信が持てなくなっていた。
更には婚約者の裏切りにより、大勢の前で婚約破棄を告げられてしまう。
シスカが屈辱に耐えていると、宮廷医師ウィルドがその場からシスカを救ってくれた。
初対面のはずの彼はシスカにある提案をして――
人に素顔を見せることが怖くなっていたシスカが、ウィルドと共に自信と笑顔を取り戻していくお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】政略結婚をしたらいきなり子持ちになりました。義娘が私たち夫婦をニヤニヤしながら観察してきます。
水都 ミナト
恋愛
私たち夫婦は祖父同士が決めた政略結婚だ。
実際に会えたのは王都でのデビュタントだけで、それ以外は手紙で長らく交流を重ねてきた。
そんなほぼ初対面にも等しき私たちが結婚して0日目。私たちに娘ができた。
事故で両親を亡くした遠い親戚の子を引き取ることになったのだ。
夫婦としてだけでなく、家族としてもお互いのことを知っていかねば……と思っていたら、何やら義娘の様子がおかしくて――?
「推しカプ最高」って、なんのこと?
★情緒おかしめの転生幼女が推しカプ(両親)のバッドエンド回避のため奔走するハイテンション推し活コメディです
★短編版からパワーアップしてお届け。第一話から加筆しているので、短編版をすでにご覧の方も第一話よりお楽しみいただけます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
それはこれからのお話の中で描かれます
妹は、反省しているけど。馬鹿両親は、反省しているのだろうか?
両親はクロードsideが終わりましたら、出てきます
ミシェルはノエルの曾祖母にあたる人です。