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第17話
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「実は結婚したい人がいるのです」
「ついにクロードも結婚したいと思える人に出会ったのだな」
「はい。ですが私が結婚したい人はある精霊の村の村長の娘なのです」
「とりあえずその娘を連れて来なさい。話はそれからだ。そうだな、今夜の夕食を一緒にどうだ」
「ありがとうございます。それでは彼女に伝えてきます」
私は急いでアイリーンのもとに向かった。
外にいたアイリーンを見つけた私は彼女の元に駆け寄った。
「アイリーン、父上に君のことを話したら会いたいと言ってくださった。今夜の夕食を一緒にどうかと言われたんだが大丈夫かな?」
「本当ですか!!ぜひご一緒したいです」
「良かった。私から贈り物があるんだ」
私はアイリーンに綺麗に包装された箱を渡した。
「これは何ですか?」
アイリーンは不思議そうに眺めながら箱を受けとった。
「これは……」
「前から用意していたんだけどなかなか渡せなくてね。君が気にいるものかわからないけど……今日はこれを着てくれないか?」
「はい」
アイリーンは嬉しそうに僕があげた淡い水色のドレスを胸に抱えて微笑んでくれた。私はそんな彼女の様子をみて嬉しくなり抱きしめた。
「アイリーン、ここが私が暮らしている国だよ」
「ミシェルから聞いていた通り綺麗なところね」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
私はアイリーン手を取り、握りしめた。
「さあ、行こうか」
頷いた君の手を引いて、父上達が待つ部屋に向かった。
「アイリーン、ここだよ。開けるよ」
「ちょっと待ってください……ふぅー、大丈夫です」
開けた先には既に母と父が並んで座っていた。私たちが入ってきたことに気づいた2人は立ち上がり近付いてきた。
「この度はわざわざお越しいただき、感謝する」
「さあ、こちらにどうぞいらして」
母に促されるまま私たちは部屋の中に入った。
「父上、母上、改めて紹介するよ。彼女がアイリーン、僕の愛する人だよ」
「初めまして、クロードさんとお付き合いさせていただいておりますアイリーンと申します。この度はお招きいただきありがとうございます」
彼女は華麗に一礼した。僕は思わずその動作に見惚れてしまった。それを見た両親は感心していた。
「こちらこそ、急にお招きすることになりごめんなさいね」
「いえ、そんなことは」
「立ち話もなんだから座りなさい」
「ええ、そうね」
「そうだね。アイリーン、こっちだよ」
「では失礼します」
私たちは席に座り、これから話すことにどこか緊張していた。
「ついにクロードも結婚したいと思える人に出会ったのだな」
「はい。ですが私が結婚したい人はある精霊の村の村長の娘なのです」
「とりあえずその娘を連れて来なさい。話はそれからだ。そうだな、今夜の夕食を一緒にどうだ」
「ありがとうございます。それでは彼女に伝えてきます」
私は急いでアイリーンのもとに向かった。
外にいたアイリーンを見つけた私は彼女の元に駆け寄った。
「アイリーン、父上に君のことを話したら会いたいと言ってくださった。今夜の夕食を一緒にどうかと言われたんだが大丈夫かな?」
「本当ですか!!ぜひご一緒したいです」
「良かった。私から贈り物があるんだ」
私はアイリーンに綺麗に包装された箱を渡した。
「これは何ですか?」
アイリーンは不思議そうに眺めながら箱を受けとった。
「これは……」
「前から用意していたんだけどなかなか渡せなくてね。君が気にいるものかわからないけど……今日はこれを着てくれないか?」
「はい」
アイリーンは嬉しそうに僕があげた淡い水色のドレスを胸に抱えて微笑んでくれた。私はそんな彼女の様子をみて嬉しくなり抱きしめた。
「アイリーン、ここが私が暮らしている国だよ」
「ミシェルから聞いていた通り綺麗なところね」
「そう言ってくれると嬉しいよ」
私はアイリーン手を取り、握りしめた。
「さあ、行こうか」
頷いた君の手を引いて、父上達が待つ部屋に向かった。
「アイリーン、ここだよ。開けるよ」
「ちょっと待ってください……ふぅー、大丈夫です」
開けた先には既に母と父が並んで座っていた。私たちが入ってきたことに気づいた2人は立ち上がり近付いてきた。
「この度はわざわざお越しいただき、感謝する」
「さあ、こちらにどうぞいらして」
母に促されるまま私たちは部屋の中に入った。
「父上、母上、改めて紹介するよ。彼女がアイリーン、僕の愛する人だよ」
「初めまして、クロードさんとお付き合いさせていただいておりますアイリーンと申します。この度はお招きいただきありがとうございます」
彼女は華麗に一礼した。僕は思わずその動作に見惚れてしまった。それを見た両親は感心していた。
「こちらこそ、急にお招きすることになりごめんなさいね」
「いえ、そんなことは」
「立ち話もなんだから座りなさい」
「ええ、そうね」
「そうだね。アイリーン、こっちだよ」
「では失礼します」
私たちは席に座り、これから話すことにどこか緊張していた。
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