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第10話

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「ごめんね。こんな重い空気にさせちゃって」

「いえ、そんなこと」

「おじい様」

 クロード様は申し訳なさそうに言った。

「君の一族が精霊の血を引いていると言っても、今ではだいぶ血は薄くなっている」

「やっと納得がいきました。なぜ私の魔力量が桁違いに多いのか……」

「君の場合、精霊の血が濃いみたいだね。稀に君みたいに先祖返りする子がいるんだ」

「言われてみれば、祖父も魔力量が桁違いでした」

「君の祖父もそうだけど、君の妹……なんていったかな?そうそうユリア、あの子もある意味先祖返りとも言えるよ」

「ユリアがですか?」

「そうだよ。あの子の場合は特殊だね。何百年かのうちにいるんだよ。精霊に呪われた子が生まれることが」

精霊に呪われている?

でもユリアは普通に精霊とも触れ合うことができていたはず……

「君が疑問に思っているのはもしかしてユリアが精霊とも触れ合うことができていたことについてかな?」

「えっ、はい」

なんでわかったの?

もしかして声に出てたのかな。恥ずかしい……

「ユリアが精霊に触れることが出来ていたのは君の神聖魔法の結界のおかげだよ」

「私のですか?」

「君はユリアと違って魔力量が多い。精霊は君の桁違いな魔力に反応してやってきただけに過ぎない。」

じゃあ今頃ユリアはどうなっているのだろう?

いやもう関係ない人だ。考えるのはやめよう。

「そうだったんですね。ユリアは呪われていると言っていましたが具体的にどんな風に呪われているのですか?」

「そうだね……君にも関係していることだから。今から話すことはこの国でも知っているものは限られている。それだけこのことは外部に漏洩してしまったら大変なんだ」

 この言葉を聞いて私は本当なのかと問いかけるようにエルをみた。

 エルは私の考えていることがわかったのだろう。真剣な眼差しで私をみながら頷いた。



「今から聞くことは誰にも口外しないことを誓います」

私は誓約を誓った。

「それでは今から話を進めたいところだが、続きは別の部屋で話をしよう」

そう言うとクロード様は立ち上がった。

 私がなぜ部屋を移動するのか不思議に思っていたら、エルが答えてくれた。

「ノエル、この国では極秘の内容を話すときは、今から行く部屋で話すことを決められているんだ」

 その部屋は絶対に外部に漏洩しないように強力な結界が施されているのだろう。

「わかったわ。じゃあ行きましょう」

私の言葉を聞いて、クロード様を先頭に部屋に行くのだった。
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