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第3話
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ユリア嬢は最初は躊躇していたが泥水に近づき、手をかざした。すると、泥水から黒い瘴気が発生した。
周りにいた者たちは驚いていたが、私はこうなることがわかっていたので特に驚きはなかった。
しかし、以前みた時よりもより濃い黒い瘴気になっているな。
「父上……これはどういうことなのですか」
ライは真っ青な顔で私に尋ねてきた。今起きたことを信じたくないのだろう……
「どういうことかと言われても今見ていた通りだ。ユリア嬢の手をかざしたら黒い瘴気がでてきたそれだけだ」
私が起こったことを答えるとライは
「なぜ、こんなことに……」
と絶望していた。
「言っておくが、お前には伝えていて知っていたはずだぞ……ユリア嬢が今泥水を浄化することができないことを」
「そんなこと……、そんなこと知らない!!知っていたらノエルと婚約破棄などしなかった」
「今さら後悔したところで起きたことは変わらない。せいぜい一生後悔するんだな」
私は項垂れているユリア嬢の元に行った。私が傍に来たことに気づいたのだろう。頭を上げ、私にしがみついてきた。それをみた騎士がユリア嬢を離れさせようとしたが、私はそれをやめるように促した。
「どうして……どうして!!私は浄化しようと手をかざしただけなのに……」
「今のそなたでは浄化することなどできない。なぜならノエル嬢が施していた結界が解かれているのだから」
「結界?お姉様が?なぜ私にそんなことを……」
「そなたは生まれつき黒い瘴気を纏って生まれた。それをみたそなたの両親は私に助けてくれと何度も頼み込んできた。そのときにノエル嬢に神聖魔法と精霊魔法に適性があることがわかった。私はノエル嬢に神聖魔法と精霊魔法に適性があることを他の誰にも教えないことを条件にユリア嬢に結界を施すことを許した」
真実を知ってしまったユリア嬢は信じられないという表情をしていた。
「黒い瘴気を纏って生まれてきた?そんなことありえない!!しかもお姉様が神聖魔法と精霊魔法を使える?そんなはずない……だってお姉様は魔法が使えない無能なんだから」
ユリア嬢はそう言うと気を失った。私は気を失ったユリア嬢を医務室へ運ぶように言った。
「無能か……一体どちらが無能なんだろうな」
私はそう呟くと今なお、真っ青な顔のライの元へ近づいた。
「さっき言っていたことは本当だろうな?ユリア嬢ができなかったらなんでもしてくれるんだろう」
私が笑顔で告げると、ライは震えていた。
「これからお前はこの国の王子としてではなく、ただ奴隷のように一生この国のためだけに生きてもらう」
私はライの傍から離れ、周りを見渡した。
「この場にいるものたちに告げる。第2王子であるライ・アルフレッドはこのときより第2王子ではなく、ただの小間使いとしてこの国のために働いてもらうこととする」
すると、ライが私に駆け寄ってきた。
「母上はこのことをご存知なのですか」
「知っているも何もこのことは王妃から提案され、既に了承済みだ」
私がそう告げるとライは気を失った。まあ、無理もない。
しかし、今はこいつに構っている暇はない。
これからするべきことが沢山ある。
ユリア嬢への処罰はユリア嬢が目覚めてからにするとしよう。
周りにいた者たちは驚いていたが、私はこうなることがわかっていたので特に驚きはなかった。
しかし、以前みた時よりもより濃い黒い瘴気になっているな。
「父上……これはどういうことなのですか」
ライは真っ青な顔で私に尋ねてきた。今起きたことを信じたくないのだろう……
「どういうことかと言われても今見ていた通りだ。ユリア嬢の手をかざしたら黒い瘴気がでてきたそれだけだ」
私が起こったことを答えるとライは
「なぜ、こんなことに……」
と絶望していた。
「言っておくが、お前には伝えていて知っていたはずだぞ……ユリア嬢が今泥水を浄化することができないことを」
「そんなこと……、そんなこと知らない!!知っていたらノエルと婚約破棄などしなかった」
「今さら後悔したところで起きたことは変わらない。せいぜい一生後悔するんだな」
私は項垂れているユリア嬢の元に行った。私が傍に来たことに気づいたのだろう。頭を上げ、私にしがみついてきた。それをみた騎士がユリア嬢を離れさせようとしたが、私はそれをやめるように促した。
「どうして……どうして!!私は浄化しようと手をかざしただけなのに……」
「今のそなたでは浄化することなどできない。なぜならノエル嬢が施していた結界が解かれているのだから」
「結界?お姉様が?なぜ私にそんなことを……」
「そなたは生まれつき黒い瘴気を纏って生まれた。それをみたそなたの両親は私に助けてくれと何度も頼み込んできた。そのときにノエル嬢に神聖魔法と精霊魔法に適性があることがわかった。私はノエル嬢に神聖魔法と精霊魔法に適性があることを他の誰にも教えないことを条件にユリア嬢に結界を施すことを許した」
真実を知ってしまったユリア嬢は信じられないという表情をしていた。
「黒い瘴気を纏って生まれてきた?そんなことありえない!!しかもお姉様が神聖魔法と精霊魔法を使える?そんなはずない……だってお姉様は魔法が使えない無能なんだから」
ユリア嬢はそう言うと気を失った。私は気を失ったユリア嬢を医務室へ運ぶように言った。
「無能か……一体どちらが無能なんだろうな」
私はそう呟くと今なお、真っ青な顔のライの元へ近づいた。
「さっき言っていたことは本当だろうな?ユリア嬢ができなかったらなんでもしてくれるんだろう」
私が笑顔で告げると、ライは震えていた。
「これからお前はこの国の王子としてではなく、ただ奴隷のように一生この国のためだけに生きてもらう」
私はライの傍から離れ、周りを見渡した。
「この場にいるものたちに告げる。第2王子であるライ・アルフレッドはこのときより第2王子ではなく、ただの小間使いとしてこの国のために働いてもらうこととする」
すると、ライが私に駆け寄ってきた。
「母上はこのことをご存知なのですか」
「知っているも何もこのことは王妃から提案され、既に了承済みだ」
私がそう告げるとライは気を失った。まあ、無理もない。
しかし、今はこいつに構っている暇はない。
これからするべきことが沢山ある。
ユリア嬢への処罰はユリア嬢が目覚めてからにするとしよう。
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