4 / 16
4、コンプレックス
しおりを挟む
「宰相様はココにいて下さい。私は今から大盗賊を倒してきますので少々お待ち下さい。私の実力も見れて良い機会でしょう。」
そう言い俺は立ち上がる動作をした。
「でも、大丈夫か?さっきも言った通り手慣れだ。」
宰相は目を細くしながら俺に言った。これは魔眼を使っているのだろうか。宰相は魔眼を持っているというのはよく聞く話だ。見た者の能力が計れるのだとか。その能力等も有望視され宰相に抜擢され皆からは憧れや恐ろしさの様々な感情を抱かれているようだ。
俺は宰相を見る。そんなくだらない事で色々言われるのは災難だと俺は同情した。
「はい。伊達にスラムの情報屋を名乗っているわけではございませんのでご安心下さい。宰相様失礼致します。少しの間防御の方をかけさせてもらいます。【防御】」
宰相も貴族の出の為少しは武道等を使えるだろうが俺は依頼人にそんな危ない目に合わせない。依頼はもう始まっている。もし、ここで怪我をされて依頼解消になったら面倒だ。俺は宰相に動かないようにと伝え偽衛兵達の元に歩いて向かった。
「なんだ…坊主仕事中だどけ。」
偽衛兵達は俺の背丈から子供だと思ったらしくあまり警戒しない様子でしっしっと軽く手で追い立てる。本当に実力を測れない馬鹿どもだ。だが、はいそうですかと帰るわけにもいかず偽衛兵に近寄った。近くによると曖昧だった顔がはっきりと見えてくる。俺は偽衛兵達の真正面に立ち「お兄さん方」と言う。偽衛兵はそんな俺にがんをきかせて追い払おうとする。子供ならすぐに泣いて逃げかえると思ったのだろう。俺は臆せず「お兄さん方」ともう一度言い、後に宰相に聞こえないくらいの大きさで言葉を続ける。
「俺はな、訳あってこの姿だが…一応もう成人してるんだよ!」
そう言い俺は立ち上がる動作をした。
「でも、大丈夫か?さっきも言った通り手慣れだ。」
宰相は目を細くしながら俺に言った。これは魔眼を使っているのだろうか。宰相は魔眼を持っているというのはよく聞く話だ。見た者の能力が計れるのだとか。その能力等も有望視され宰相に抜擢され皆からは憧れや恐ろしさの様々な感情を抱かれているようだ。
俺は宰相を見る。そんなくだらない事で色々言われるのは災難だと俺は同情した。
「はい。伊達にスラムの情報屋を名乗っているわけではございませんのでご安心下さい。宰相様失礼致します。少しの間防御の方をかけさせてもらいます。【防御】」
宰相も貴族の出の為少しは武道等を使えるだろうが俺は依頼人にそんな危ない目に合わせない。依頼はもう始まっている。もし、ここで怪我をされて依頼解消になったら面倒だ。俺は宰相に動かないようにと伝え偽衛兵達の元に歩いて向かった。
「なんだ…坊主仕事中だどけ。」
偽衛兵達は俺の背丈から子供だと思ったらしくあまり警戒しない様子でしっしっと軽く手で追い立てる。本当に実力を測れない馬鹿どもだ。だが、はいそうですかと帰るわけにもいかず偽衛兵に近寄った。近くによると曖昧だった顔がはっきりと見えてくる。俺は偽衛兵達の真正面に立ち「お兄さん方」と言う。偽衛兵はそんな俺にがんをきかせて追い払おうとする。子供ならすぐに泣いて逃げかえると思ったのだろう。俺は臆せず「お兄さん方」ともう一度言い、後に宰相に聞こえないくらいの大きさで言葉を続ける。
「俺はな、訳あってこの姿だが…一応もう成人してるんだよ!」
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
転生王子はダラけたい
朝比奈 和
ファンタジー
大学生の俺、一ノ瀬陽翔(いちのせ はると)が転生したのは、小さな王国グレスハートの末っ子王子、フィル・グレスハートだった。
束縛だらけだった前世、今世では好きなペットをモフモフしながら、ダラけて自由に生きるんだ!
と思ったのだが……召喚獣に精霊に鉱石に魔獣に、この世界のことを知れば知るほどトラブル発生で悪目立ち!
ぐーたら生活したいのに、全然出来ないんだけどっ!
ダラけたいのにダラけられない、フィルの物語は始まったばかり!
※2016年11月。第1巻
2017年 4月。第2巻
2017年 9月。第3巻
2017年12月。第4巻
2018年 3月。第5巻
2018年 8月。第6巻
2018年12月。第7巻
2019年 5月。第8巻
2019年10月。第9巻
2020年 6月。第10巻
2020年12月。第11巻 出版しました。
PNもエリン改め、朝比奈 和(あさひな なごむ)となります。
投稿継続中です。よろしくお願いします!
公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)
音爽(ネソウ)
ファンタジー
記憶持ち転生者は元定食屋の息子。
魔法ありファンタジー異世界に転生した。彼は将軍を父に持つエリートの公爵家の嫡男に生まれかわる。
だが授かった職業スキルが「パンツもぐもぐ」という謎ゴミスキルだった。そんな彼に聖騎士の弟以外家族は冷たい。
見習い騎士にさえなれそうもない長男レオニードは廃嫡後は冒険者として生き抜く決意をする。
「ゴミスキルでも美味しい物を狩れれば満足だ」そんな彼は前世の料理で敵味方の胃袋を掴んで魅了しまくるグルメギャグ。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる