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蜜柑色の彼と色褪せた世界
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教室についたが、芦家の存在は無かった。彼は何か用事があるようだったのでそれだろうと考え、僕は連日の通り机に座り支度を整えて教科書を読む。特に勉強は得意な方でもないが、音楽院が音楽を学ぶ場であったのと同じく此処は学業を学ぶ場である事から、特にやりたい事や周りのクラスメイト達と話すような中でもない為、暇つぶしがてら歴史の教科書を、読むがあまり興味深いものでは無い。
目を伏せて、何となしに読んでいると、右斜め前に座っていたクイーンビー、いや、白石と言う名の女子生徒が此方を見て、友達らしきクラスメイトと笑ってガリ勉、と小さく呟いたのを聞いてその意味を考える。
聞いたことがある、昔、音楽院のクラスメイトに見せられたアニメに出てきた勉強をして頭がいい真面目な生徒に、そう言ったシーンを見たのを思い出す。
そこで気がつく。なるほど、自分は周りからそう思われているのだと。
僕は然程頭が良い方ではない。音楽院では音楽だけで無く他の分野でも優秀な人間も多かったが、僕は他の分野は然程得意な事も無かった。他の事を学ぶならば、音楽だけをしていたかったしピアノを弾いていたかった。食事よりも眠るよりもピアノを弾くことのほうが好きだったから、僕は然程他の分野で優秀だと言われた事はない。
一応、ある程度の教養や知識は必要だからとつけられた家庭教師のおかげで、全くできないわけでは無いが。それでも、ガリ勉、などと思われている中で教科書を開くのは少しやりづらく思ったものの、他にもやる事もないから教科書をあまり頭に入れる事もなく、ただ手持ち無沙汰に教科書を捲り、眺めていると後ろを誰かが通る気配と共に、左隣から椅子を引き摺る音が聞こえたので、僕は横目でそちらを見やるが、横に座った彼の周りにはすぐ人が集まってきて、視線は遮られた為僕はまた教科書に目線を戻した。
「どこ行ってきたの?」やら「芦家くん、身長何センチ?」やら「超かっこいいよね」やら、そんな纏りのない言葉が投げかけられるのに対し芦家は「内緒っ」やら「190cm位だな」やら「さんきゅ!」やらと、一言ながらもみんなに上手く答えた上で、彼を亮介と呼び捨てに呼ぶ男子生徒の1人とは、楽しげにノリよく話をして、その話に皆んなが笑っている様子で彼を中心に盛り上がりを見せていて、少しうるさく感じたけれど、何だか本当に彼はアニメに出てくるキャラクターみたいだと、僕は少し思った。
聖人である上に身長や体格、顔の作りにも恵まれていて、尚且つ人助けを率先して行い、とても優しい上に、誰に対しても屈託なく接している。
何だか人間味がない気がしたけれど、そんな人間もいるのだ思って、またおざなりに読んでいた教科書を1ページ捲った時、ホームルームを知らせるチャイムが鳴った。
するとゾロゾロと彼を取り囲んでいたクラスメイト達が解散して席へと着くのだが、そのうちの1人に机を蹴られて大きくズレ、衝撃が走る。
ガタン、と大きな音をたてた机、蹴ったのか偶然かは分からないが、何か言うのも面倒なのでそのまま机を元の位置に戻したと同時に、芦家が大きな声で「おーいっ!当たったぜ!」と声をかけて、僕は目を見張ったし僕の机を蹴った、彼も芦家にそう言われて振り返り、少し慌てた様子を見せていた。
「あっ、いや…、多分当たっちまっただけだと思う…」
「なんか一言言った方がいいぜ!俺まで驚いた!」
一番窓際の席から、教壇側の前の方の席に真っ直ぐ投げかけられたその声は、ホームルーム前の教室内に響き渡り、クラスメイトの注目を集める。前にいた彼はそんな中しどろもどろに小さく、「あー…わりぃ」と僕を見ずに呟き、座ると同時に教室内に入ってきた担任の言葉で漸くその場は、いつも通りのこの学校内の雰囲気を取り戻したが、僕は何だか、まさか彼がそんな事を大声で言うとは思わず、そのまま横を見ると、彼は僕の方を見て、小さく大丈夫かと声をかけてきたのに対して僕は何も言わずに顔を背け、教師の方に顔を向ける。
庇ってくれたことは理解したが、元々は君のせいでこうなったんだと苛立ちながらも、やはり良い人なのだろうと思って、何だか少し複雑な気持ちにさせられながら、僕は教師の話に耳を傾けた。
正直に言えば、本当もう放っておいてくれという気持ちが強かった。いくら良い事をしてくれているのだというのは理屈ではわかっても、やはり僕はなんだか彼が苦手だしこの学校生活もとりあえず卒業できればそれで良いので、気にかけてもらうより彼が僕に関わらなければ、その内こんな抜け殻な僕を気にする人間はいなくなって、静かに暮らせる。
そうなったら良いのにと、纏まりのない気持ちの中でそんな風に此処最近に一番鮮明に、心の底からそう思って、僕は頬杖をついた。
◇
昼休みを知らせるチャイムの音が教室内に響いて、クラスメイト達の緊張の糸が解けるように身体を伸ばして、騒めく中、僕は唾をごくりと飲み込み、左隣の席を見ると芦家の周りには人が集まりかけていたが、彼は勢いよく立ち上がると、わりぃ!今日は用事があると言って僕の側へとやってきた。
「黒瀬は弁当あんだよな?俺も買ってきてるから、行こうぜ」
「…いや……分かった」
食事はしなくていい、と言いかけたが、周りの芦家を取り囲むクラスメイト達が僕に怪訝な目線が突き刺さるのが居心地悪く、僕はまたここで揉め事を起こしたくなくてカバンの中から持たされた弁当を取り出して、立ち上がる。
瞬間、この芦家の周りにいたクラスメイト達が男女問わず挙って不満を口にする。
「えぇーっ、芦家どこ行くのっ?!」
「一緒にご飯食べたいーっ」
「芦家、今日見たがってた漫画持ってきたぜ」
「亮介、後でな」
「わりぃっ!今日は黒瀬と約束してんだ!漫画も持ってきてくれて、さんきゅなッ!後で貸してくれ!」
「…ッ、え、ちょっとま…ッ!」
そう言って彼は僕の手を掴み、走り出す。手を引かれて、教室の外に連れ出されて真っ直ぐ伸びた廊下を駆ける速さは僕を引いているというのに誰よりも早くて、もたついて転びそうになるのにそれさえも彼が引っ張り起こして、颯爽と駆けるものだから転ぶ暇さえなく僕は彼に連れられて、昇降口の前まで連れて来られて、彼はそこで漸く走る速度を下げて、立ち止まった。
今まで室内はおろか外もこんな早く走ったことはなかった為、息が上がりゼェゼェと喉が鳴って、僕は今まで酷使したことなど無かった脚が震えるのを落ち着かせようと息を整えて余りのスピードに目を回していたのを、首を左右に振って正常に戻そうと、していると隣で芦家が「大丈夫か?」と声をかけてきたのを、僕は呆然と目を向ける。
大丈夫な訳がない。何故こんな事をしたのかと、落ち着かない呼吸で言葉で問いただせない代わりに、目だけで彼を非難すれば、彼は走ってきた事など感じさせない様子で、顔の前に片手を出して、謝罪のジェスチャーと共に一言「わりぃ」と言ったが、僕はまだそれに対して何も返す事はできず、ただただ荒い呼吸を繰り返した。
「アイツらから離れたい時は、ちょっと強引に離れるしかねぇんだ、ごめんな」
「はぁ…ッ、ハァ…、そ、れにしても、こんな…ッ、そもそも廊下をこんな速さで走るのは危険だろ…ッ」
「それはそうだな…、本当わりぃ…、でも、こうでもしねぇと芦家と話す事、出来ねぇと思ってさ」
「…ッ、な、に?」
「芦家とやっと話せると思ったら嬉しくて、仲良くなるチャンスだと思ったら此処はぜってぇ逃せねぇと思ったんだ」
「…ッ」
僕はその言葉に息を詰まらせる。何なんだこの直球の好意は…?内緒だと言っていた、理由によるものなのだろうが、こんなにも真っ直ぐに、そして爽やかに仲良くなりたいなどと言われた事は、アメリカでも無かった。
何故彼が僕とそんなに仲良くなりたがっているのか、それはあの事故に遭いそうになった時に言っていた内緒だと教えてはもらえなかった、事によるものなのだろうか。そう考えて、すぐに僕はその事を考えるのをやめる。
どんな理由だろうと、そんなの僕には関係ない。思っていた事を伝えてもう関わってくるのをやめてもらおうと、僕は漸く治ってきた息を、深く吸い込んで浅く吐いた。
「芦家、それで話なんだけど」
目を伏せて、何となしに読んでいると、右斜め前に座っていたクイーンビー、いや、白石と言う名の女子生徒が此方を見て、友達らしきクラスメイトと笑ってガリ勉、と小さく呟いたのを聞いてその意味を考える。
聞いたことがある、昔、音楽院のクラスメイトに見せられたアニメに出てきた勉強をして頭がいい真面目な生徒に、そう言ったシーンを見たのを思い出す。
そこで気がつく。なるほど、自分は周りからそう思われているのだと。
僕は然程頭が良い方ではない。音楽院では音楽だけで無く他の分野でも優秀な人間も多かったが、僕は他の分野は然程得意な事も無かった。他の事を学ぶならば、音楽だけをしていたかったしピアノを弾いていたかった。食事よりも眠るよりもピアノを弾くことのほうが好きだったから、僕は然程他の分野で優秀だと言われた事はない。
一応、ある程度の教養や知識は必要だからとつけられた家庭教師のおかげで、全くできないわけでは無いが。それでも、ガリ勉、などと思われている中で教科書を開くのは少しやりづらく思ったものの、他にもやる事もないから教科書をあまり頭に入れる事もなく、ただ手持ち無沙汰に教科書を捲り、眺めていると後ろを誰かが通る気配と共に、左隣から椅子を引き摺る音が聞こえたので、僕は横目でそちらを見やるが、横に座った彼の周りにはすぐ人が集まってきて、視線は遮られた為僕はまた教科書に目線を戻した。
「どこ行ってきたの?」やら「芦家くん、身長何センチ?」やら「超かっこいいよね」やら、そんな纏りのない言葉が投げかけられるのに対し芦家は「内緒っ」やら「190cm位だな」やら「さんきゅ!」やらと、一言ながらもみんなに上手く答えた上で、彼を亮介と呼び捨てに呼ぶ男子生徒の1人とは、楽しげにノリよく話をして、その話に皆んなが笑っている様子で彼を中心に盛り上がりを見せていて、少しうるさく感じたけれど、何だか本当に彼はアニメに出てくるキャラクターみたいだと、僕は少し思った。
聖人である上に身長や体格、顔の作りにも恵まれていて、尚且つ人助けを率先して行い、とても優しい上に、誰に対しても屈託なく接している。
何だか人間味がない気がしたけれど、そんな人間もいるのだ思って、またおざなりに読んでいた教科書を1ページ捲った時、ホームルームを知らせるチャイムが鳴った。
するとゾロゾロと彼を取り囲んでいたクラスメイト達が解散して席へと着くのだが、そのうちの1人に机を蹴られて大きくズレ、衝撃が走る。
ガタン、と大きな音をたてた机、蹴ったのか偶然かは分からないが、何か言うのも面倒なのでそのまま机を元の位置に戻したと同時に、芦家が大きな声で「おーいっ!当たったぜ!」と声をかけて、僕は目を見張ったし僕の机を蹴った、彼も芦家にそう言われて振り返り、少し慌てた様子を見せていた。
「あっ、いや…、多分当たっちまっただけだと思う…」
「なんか一言言った方がいいぜ!俺まで驚いた!」
一番窓際の席から、教壇側の前の方の席に真っ直ぐ投げかけられたその声は、ホームルーム前の教室内に響き渡り、クラスメイトの注目を集める。前にいた彼はそんな中しどろもどろに小さく、「あー…わりぃ」と僕を見ずに呟き、座ると同時に教室内に入ってきた担任の言葉で漸くその場は、いつも通りのこの学校内の雰囲気を取り戻したが、僕は何だか、まさか彼がそんな事を大声で言うとは思わず、そのまま横を見ると、彼は僕の方を見て、小さく大丈夫かと声をかけてきたのに対して僕は何も言わずに顔を背け、教師の方に顔を向ける。
庇ってくれたことは理解したが、元々は君のせいでこうなったんだと苛立ちながらも、やはり良い人なのだろうと思って、何だか少し複雑な気持ちにさせられながら、僕は教師の話に耳を傾けた。
正直に言えば、本当もう放っておいてくれという気持ちが強かった。いくら良い事をしてくれているのだというのは理屈ではわかっても、やはり僕はなんだか彼が苦手だしこの学校生活もとりあえず卒業できればそれで良いので、気にかけてもらうより彼が僕に関わらなければ、その内こんな抜け殻な僕を気にする人間はいなくなって、静かに暮らせる。
そうなったら良いのにと、纏まりのない気持ちの中でそんな風に此処最近に一番鮮明に、心の底からそう思って、僕は頬杖をついた。
◇
昼休みを知らせるチャイムの音が教室内に響いて、クラスメイト達の緊張の糸が解けるように身体を伸ばして、騒めく中、僕は唾をごくりと飲み込み、左隣の席を見ると芦家の周りには人が集まりかけていたが、彼は勢いよく立ち上がると、わりぃ!今日は用事があると言って僕の側へとやってきた。
「黒瀬は弁当あんだよな?俺も買ってきてるから、行こうぜ」
「…いや……分かった」
食事はしなくていい、と言いかけたが、周りの芦家を取り囲むクラスメイト達が僕に怪訝な目線が突き刺さるのが居心地悪く、僕はまたここで揉め事を起こしたくなくてカバンの中から持たされた弁当を取り出して、立ち上がる。
瞬間、この芦家の周りにいたクラスメイト達が男女問わず挙って不満を口にする。
「えぇーっ、芦家どこ行くのっ?!」
「一緒にご飯食べたいーっ」
「芦家、今日見たがってた漫画持ってきたぜ」
「亮介、後でな」
「わりぃっ!今日は黒瀬と約束してんだ!漫画も持ってきてくれて、さんきゅなッ!後で貸してくれ!」
「…ッ、え、ちょっとま…ッ!」
そう言って彼は僕の手を掴み、走り出す。手を引かれて、教室の外に連れ出されて真っ直ぐ伸びた廊下を駆ける速さは僕を引いているというのに誰よりも早くて、もたついて転びそうになるのにそれさえも彼が引っ張り起こして、颯爽と駆けるものだから転ぶ暇さえなく僕は彼に連れられて、昇降口の前まで連れて来られて、彼はそこで漸く走る速度を下げて、立ち止まった。
今まで室内はおろか外もこんな早く走ったことはなかった為、息が上がりゼェゼェと喉が鳴って、僕は今まで酷使したことなど無かった脚が震えるのを落ち着かせようと息を整えて余りのスピードに目を回していたのを、首を左右に振って正常に戻そうと、していると隣で芦家が「大丈夫か?」と声をかけてきたのを、僕は呆然と目を向ける。
大丈夫な訳がない。何故こんな事をしたのかと、落ち着かない呼吸で言葉で問いただせない代わりに、目だけで彼を非難すれば、彼は走ってきた事など感じさせない様子で、顔の前に片手を出して、謝罪のジェスチャーと共に一言「わりぃ」と言ったが、僕はまだそれに対して何も返す事はできず、ただただ荒い呼吸を繰り返した。
「アイツらから離れたい時は、ちょっと強引に離れるしかねぇんだ、ごめんな」
「はぁ…ッ、ハァ…、そ、れにしても、こんな…ッ、そもそも廊下をこんな速さで走るのは危険だろ…ッ」
「それはそうだな…、本当わりぃ…、でも、こうでもしねぇと芦家と話す事、出来ねぇと思ってさ」
「…ッ、な、に?」
「芦家とやっと話せると思ったら嬉しくて、仲良くなるチャンスだと思ったら此処はぜってぇ逃せねぇと思ったんだ」
「…ッ」
僕はその言葉に息を詰まらせる。何なんだこの直球の好意は…?内緒だと言っていた、理由によるものなのだろうが、こんなにも真っ直ぐに、そして爽やかに仲良くなりたいなどと言われた事は、アメリカでも無かった。
何故彼が僕とそんなに仲良くなりたがっているのか、それはあの事故に遭いそうになった時に言っていた内緒だと教えてはもらえなかった、事によるものなのだろうか。そう考えて、すぐに僕はその事を考えるのをやめる。
どんな理由だろうと、そんなの僕には関係ない。思っていた事を伝えてもう関わってくるのをやめてもらおうと、僕は漸く治ってきた息を、深く吸い込んで浅く吐いた。
「芦家、それで話なんだけど」
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