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第十七章

餌になろう

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さて、問題はどうするかだ。

本当は正直に状況を話すべきなんだろうけど、それをすると即座にこの依頼は中止になるだろう。

それは困る。

なんせこの依頼の達成に俺の命がかかっているからね。

命なんて大げさだなと思ったそこのあなた!

いや、マジなんですよこれ。

まぁすぐに命を取られるわけじゃないけれど、奴隷に落とされた後はご想像の通りだ。

良くて奴隷として売られ、最悪勤労奴隷として鉱山に送られることになるだろう。

もちろん買い戻してもらうこともできるが、値段がいくらかなんて想像もつかない。

そうならないためにもこの依頼は何としてでも成功させないといけないわけですよ。

「とりあえずギルドには報告するべきだよな。」

夕食後部屋に戻りもう一度手紙を取り出す。

元の世界ならばここから諮問をとって犯人の割り出し!なんてできるんだろうけど、残念ながらこの世界では通用しない。

いや、指紋は取れると思うよ?

でもそれを照会する手段がない。

まぁ、十中八九例の団体もしくはあのジジイだろうけど、証拠がない以上追及することはできない。

夕方に見た例の馬車がおそらくそうだったんだろう。

明らか怪しい動きだったもんな。

おそらく『イナバがいるぞ!』みたいになって慌てて速度を落としたんだろう。

その情報がすぐ上に行き、手紙が作成され届けられたと。

ここから察するに例の団体は上下の情報伝達がかなりスムーズな組織だということがわかる。

敵ながらアッパレだ。

っと、敵をほめている場合じゃなかった。

どうするかだ。

どう考えても俺一人で抱えられるような内容じゃないからまずはギルドへの報告が必須だよな。

ちょうど会議もあるし。

今までは初心者が狙われている『かも』知れないという段階だったのだが、この手紙を受けて間違いなく初心者が狙われていると実証された。

なので報告のあと具体的な対応を考えることになるだろう。

まずは告知だ。

『初心者冒険者が狙われる事案が発生しています、皆さん注意してください』的なやつだな。

こうすることで無警戒の被害を減らすことはできる。

次に行動。

例えば巡回を増やしたり、怪しい場所に人を配置したりしてやつらが活動しにくいようにする。

それに関しては今から俺が頑張らないといけないわけだ。

その目星がたてば先ほどの行動をどうやって手配するかの話になってくる。

騎士団を巡回させるのか。

それとも中級冒険者以上を雇うのか。

でも、雇うにしてもお金はどこから出す?

いくら初心者が狙われているからって中級以上の冒険者をタダで動員するわけにはいかない。

彼らには彼らの生活があるわけだから、それ守るためには報酬が必要だ。

ギルドから出してもらうとしても限界があるからなぁ。

いっそ国王陛下に嘆願書を出して支援してもらうか?

でもなぁ、手紙が来ただけで動いてくれるとは思わないんだよなぁ。

『手を出せば娘とお前の命はない』

脅迫状ではあるけれど、具体的にどうするかは書かれていないので対応に困る。

あー考えれば考えるほどめんどくさくなってきた。

自分の命がかかっているのに危機感を感じないのは何故だろう。

いつも通りだから?

確かにいつも命の危険を感じてはいるからなぁ。

ついこの間は蜘蛛の大群に襲われたし。

ほんと、トラブルばかりが寄ってくる。

一回ぐらいスムーズにいかないものかねぇ。

「ま、とりあえず今できることをやるか。敵に居所はばれてるんだし、今頃じたばたしたってどうしようもない。さすがに実力行使してくることもないだろう。」

あれこれ考え過ぎて頭がパンクしそうになったので考えるのをやめる。

こんな時は別のことに集中するのが一番だ。

幸い今回はそれにぴったりの仕事が用意されている。

そう、ダンジョンの見取り図だ。

奴らが本気で俺たちの命を狙ってくるのなら、俺も本気でそれを打倒してやる。

ダンジョンマスターをなめるなよ。

こちとらその腕を見込まれて異世界から呼ばれてきたんだ。

それに加えて一年分のこの世界の知識だってある。

そう簡単にやられてたまるものか。

俺は何としてでもこの依頼を達成してみんなのところに戻るんだ。

改めて決意を胸にするとやる気が満ち溢れてくる。

さぁ、やるぞ!

やる気スイッチをオンにして、俺は見取り図の解読に取り掛かるのだった。


「イナバ様大丈夫ですか?」

そして翌朝。

フラフラの状態で部屋を出てきた俺を見てイケメン執事が心配そうな顔をしている。

「徹夜は久々だったもので・・・、でも大丈夫です。」

「徹夜されたのですか?」

「つい勢いで朝を迎えてしまいました。でもおかげで仕事が一つ片付きましたよ。」

「もしや、昨日のあの資料全部ですか?」

「さすがに全部ではありませんよ。中層以降の見取り図は今回除外したので、片付いたのはあくまでも低層階のみです。」

「それでもかなりの量がありますよね?」

「あー、まぁ、そうですね。」

低層階の定義は10階層。

それ以降は中級冒険者の領域になるのだが、今回は余裕を見て20階層までの解読を終えた。

自分ならどこに潜むか。

どこで襲い掛かるか。

脱出ルートは。

相手になりきって最善の方法を模索し続ける。

やればやるほど自分が犯人になった感じが強くなるが、今回は被害者側だ。

もちろん犯人になるつもりもない。

未来のお客様である初心者冒険者は大切に。

それを狙ったやつらは容赦なく叩き潰さねばならない。

これは冒険者の為だけではなく自分の為でもあるのだから。

「あの手紙が原因ですか?」

「違いますよ。」

「即答ですね。」

「もしそれが原因だとしても、見取り図の解読はもともとギルドから頼まれた仕事でしたから。」

「答えになってませんよ?」

「そうですか?徹夜で頭が回ってないだけだと思います。」

むぅ、華麗にかわしたつもりが冷静に突っ込まれてしまった。

これも徹夜で頭が回っていないせいだ。

そういうことにしておこう。

「イナバ様のことですから何か理由があるのでしょうが、お嬢様に危険の無いようにだけお願いいたします。」

「魔物と戦わせようとしている人間に言うセリフですか、それ。」

「それを望んでいるのはマリアンナ様ですから致し方ありません。ですがそれ以外の危険は望んでおりません、それをご理解いただければ。」

「もちろんそれ以外の危険はなるべく排除します。そういうお約束ですしね。」

「もし私にできることがあるのであれば何なりとおっしゃってください。マリアンナ様の為ならばこの身がどうなろうとも・・・。」

「その時が来たらお願いするかもしれません。とりあえず今お願いしたいことといえば、お湯の準備をしていただけると助かります。」

「おっと、確かにそのお顔では食堂に行けませんね、すぐに準備させましょう。」

「よろしくお願いします。」

徹夜明けは熱いシャワーに限る。

が、この世界にシャワーはないのでお湯をかぶっても同じ効果を得られることを期待する。

顔を洗ってサッパリ!でやっていけるのは20代まで、30過ぎるとマジで体力がなくなるから世の若者よ、気を付けたまえ。

それから浴室で待つことしばし、イケメン執事が大きなバケツになみなみとお湯を持ってきてくれた。

あとはこれを水と合わせながらちょうどいい温度に合わせていく。

ちょっと熱いと感じるぐらい。

これを頭からかぶって・・・。

ふぅ、さっぱりした。

「着替えが終わりましたらどうぞ食堂へ・・・どうした?」

おや?

イケメン執事の口調が変わったぞ。

「わかった、お二人には待たずに食事をはじめるようお伝えしてくれ。」

「どうかされたんですか?」

「イナバ様にお客様が来られたようです。なんでも急ぎの用らしく、どうされますか?」

「どちら様でしょう。」

「ネーヤ様とジュリア様というお名前のようです。」

その二人ってモア君の仲間じゃないか。

いつも仲良し三人組のはずなのに二人だけで俺に急ぎの用事って・・・。

いや、そんなこと考えている時間は無いな。

「すぐに行きます。」

「わかりました、客間にご案内しておきます。」

急いで身体を拭いて服を着替える。

頭が多少濡れているけどすぐに乾くだろう。

浴室を出てメイドさんに先導されながら客間へと急いだ。

「おはようございます。」

「おはようございます。すみませんこんな朝早くから。」

「モア君がいないところを見ると何か起きている、そういう事ですか?」

「お察しの通りです。実は・・・。」

「モアが『この前助けた女の子を襲ったやつを探す』って言ってダンジョンに行っちゃったのよ!」

な、なんだってー!

という定番のノリはさておき、モア君が一人でダンジョンに?

でも今日から陰日のはずなんだけど。

「ダンジョンは封鎖されているはずでは?」

「ベリーリウムのダンジョンは陰日でも入れるんです。もちろん陰日ですからそれを承知でという事になりますけど、入場料を払えば問題ありません。」

「どういう経緯でダンジョンに?」

「昨日ギルドで聞いちゃったのよ、この前助けた女の子が初心者狩りに襲われたって。」

「まさか自分が助けた子がその被害者だと思ってなかったらしく、職員さんを問い詰めて、詳しく事情を聴きだしたんです。彼が不正とか曲がったことが嫌いなのはご存知ですよね。」

「ギルドは証拠が無いからどうしようもない、イナバ様が今対処してるって言ってたんだけどモアはそれじゃ遅いって言ってきかなくて。」

「それで証拠を探しにダンジョンへ。」

「何を持って証拠にするつもりなんでしょうか。」

「聞いた話では、物陰に隠れて一人の冒険者を狙っているらしいんです。特に、人の少ない時期や時間に被害が集中しているとかで・・・。それなら自分が行けば見つけられる、そう言っていました。」

なるほどそれで一人ダンジョンに入ったのか。

そして今は陰日、一番人が少ない時期でもある。

襲うなら今しかない、そう考えたんだろうなぁ。

元騎士団の血が騒いだってやつか。

正義感に溢れているのはいい事なんだけど、一人で突っ走っちゃうところが玉にキズ。

でも、こうやってすぐに行動してくれる仲間がいることがモア君の財産でもある。

どれ、どうにかしなければと思っていたんだし、全部まとめてやっちゃいましょうか。

「わかりました。ダンジョンに潜ったことはギルドに伝えましたか?」

「すぐに伝えました。でも、自己責任とかで取り合ってもらえなくて。」

「では私が一緒に行きましょう。もちろんモア君がダンジョンに潜ったことは自己責任ですが、今回は理由が理由ですからね。ちょうど行く用事がありましたから。」

「「ありがとうございます!」」

そうと決まれば即行動だ。

丁度被害にあいそうな場所は確認してあるし、そこを狙って動けばモア君よりも先にたどり着けるかもしれない。

寝不足だけどまぁ大丈夫だろう。

モア君の事だからいきなりやられるなんてことは無いけれど、相手の素性がわからない以上絶対はない。

相手が格上の可能性だって十分にあり得る。

それこそ元上級冒険者、とかね。

本当はもっと慎重に対応していこうかなと思っていたけれど、今回もそれを許してもらえなさそうだ。

でも逆を言えば今しかない。

陰日が終われば冒険者が増え、彼らの動きは鈍くなってしまうだろう。

もちろん俺達を狙っているとしても、人の多い所では襲わない・・・はずだ。

だから俺が囮になる。

色々と手を出して一人でダンジョンに潜ったと連絡が入れば間違いなく襲ってくるだろう。

それを捕まえれば、マリアンナさんに被害が及ぶことは無い。

イケメン執事との約束も守れるというものだ。

「失礼いたします、お茶をお持ち致しました。」

っと、これまたナイスタイミングでイケメン執事がお茶を持ってやって来た。

「すみません、せっかくお茶を淹れて頂いたんですけどすぐに出ます。」

「食事は・・・不要のようですね。」

「えぇ、お二人にもそのようにお伝えください。マリアンナ様には本番の為にも無理な鍛錬はしないようにと。」

「かしこまりました、うまく説明しておきます。」

「助かります。では、行きましょうか。」

「「失礼します。」」

「イナバ様!」

と、部屋を出ようと横を通った時いつも以上に真剣な声で呼び止められた。

「くれぐれも無茶をなさらないでください。」

「あはは、善処します。」

無茶はするだろうなぁ。

でも、それをわかってイケメン執事もといヒューイさんは俺を心配してくれた。

後は任せた、そんな気持ちが含まれているのかもしれない。

任されようじゃないか。

もう一度頭を下げて先を行く二人を追いかける。

まずは冒険者ギルドだ。

恐らく例の連中がみているだろうけど、見せてやればいい。

俺はここだ。

餌が自分から食われに行くんだぞ。

出てこいよ。

虎穴に入らずんば虎子を得ず。

今回はダンジョンに入らずんばモアを得ず、かな?

こんな軽口を言えるぐらいには切羽詰まっていない。

最大のチャンスが向こうからやって来たんだ、それをものにしてやろうじゃないか。

そうとなれば・・・。

「お二人は先にギルドへお願いします。」

「イナバ様は?」

「準備をしてすぐに追いかけます、大丈夫ですよ。」

「わかりました先に行きます!」

ダンジョンに入るのならそれなりに準備をしないといけない。

服を着替えて武器を取ってそれから・・・。

二人がいると獲物が食いついてくれないからとは、流石に言えないしね。

餌は餌らしく行動することにしよう。

戦いはもう始まっている。

気持ちを引き締めなおし、俺は部屋に戻るのだった。
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