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第十五章
祈りの炎は天に届く
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村に着いてまず目に入ったのは櫓だった。
櫓と言っても村に元々あった見張り様の櫓ではない。
お祭りなんかで使う様な簡素なものだ。
簡素な物とはいう物の、高さは2mは越えているだろうか。
それが西側の門の手前、完成した宿の前にドンと鎮座している。
これはまたすごいな。
簡素とはいえそこそこ大きい。
骨組みだけなので何かを乗せるとか上に乗るとかは想定してないみたいだけど、何に使うんだろうか。
ちなみに宿の横に作られたシャルちゃんのお店もほぼ完成したようだ。
「これはまた立派ですね。」
「私は出た時は一段目が組みあがろうかと言った感じだったんだが・・・。皆随分張り切ったみたいだな。」
「シルビアが村を出てからそんなに時間たってませんよね?」
「準備も入れて往復二刻弱といった所か。」
「それでこの大きさ、いったい何に使うんですか?」
「そうかシュウイチは知らないのか。」
えぇ存じ上げません。
夏祭りの櫓に見えなくはないけど、あれは上が板張りになってて乗れるようになっている。
でもこれは骨組みだけだ。
だがよく見ると所々に花が飾られている。
冬なので数はないが、森に自生しているやつや畑に植えられていたやつもあるみたいだ。
「おぉ、これはイナバ様よく来てくださいました。シルビアも良く戻ったな。」
「ただいま戻りました。」
「お招きいただきありがとうございます。あ、これ頼まれていましたお酒と食料です。」
「これは沢山、これだけあれば土地神様も精霊様もお喜びになる事でしょう。」
「喜んでいただけて何よりです。」
「父上、せっかくだから儀式についてシュウイチに教えてもらえないか?私は別件で少し席を外したいのだ。」
あれ、別件?
それは聞いてないけど・・・、まぁいいか。
シルビアは自警団の指導役もしているからそっちの話かもしれないな。
「そうか。向こうに行ったらドリスにこちらへ来るよう伝えておくれ。」
「ドリスだな、わかった伝えておく。それじゃあシュウイチまた後でな。」
「行ってらっしゃい。」
同じ村の中なので行ってらっしゃいと言うのも変だけど、まぁいいだろう。
シルビアを見送り、村長と一緒に櫓を見上げる。
おや、上の方ではまだ誰かが作業しているみたいだ。
「イナバ様がお酒とお供えをお持ちくださったぞ、これも一緒に頼む。」
「わかりました!」
上に声をかけると櫓の上から村の男衆が顔を出した。
ひょいひょいと櫓から降りて来たかと思うと、荷物を受け取りまた上に戻っていく。
「お供え、ですか。」
「これは竣工の儀と言いまして、宿の完成と繁栄を土地神様に祈る儀式なのです。この櫓はまぁ祭壇のようなものと考えてください。」
「祭壇。なるほど神様に食べていただくんですね。」
「今回は横の商店と共に繁栄と息災を願いますので少し大きくなってしまいました。竣工の儀など久々で少し気合が入り過ぎたのもありますが・・・いやいやお恥ずかしい。」
「もうすぐ春を迎えますし、お祝いの意味も込めて少し豪華でもいいんじゃないですか。」
土地の神様に捧げるのであればなおの事豪華な方が良い。
春になれば森に緑が戻り、水路を使った作付も始まる。
土地に元気が出るのは非常に良い事だ。
それに春には新しい命も生まれて来る、祝福の意味も込めて縁起事は大きくないとね。
「魔物に滅ぼされかけたこの村がこの一年でこれほど大きくなれたのですから、土地神様も喜んでおられることでしょう。」
「喜んでますかね。」
「もちろんです。人が増え、土地が栄え、皆が笑顔で過ごす事こそが我々にできる恩返しなのですから。」
「そう言っていただけると安心します。」
「これからも娘共々よろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「あ、イナバ様だ!」
深々と頭を下げ合ういつものパターンをぶった切って来る声が一つ。
「こら、大事なお話の邪魔しちゃダメでしょ!」
そしてそれを諫める元気な声がもう一つ。
顔を上げると櫓の裏からティオ君が顔を出して笑っていた。
「こんにちは二人共、お手伝いかな?」
「うん!友達と櫓に花を飾ってるんだ!」
「ありがとう、土地神様も喜んでくれると思うよ。もしかしてこの花はティオ君達が採って来てくれたのかな?」
「そうだよ!泉の側に咲いているのを摘んできたんだ!」
今日も元気いっぱいだなぁ。
確か午前中はシルビア様に稽古をつけてもらっていたはずなのに、その後泉まで行って花を摘んでくるとか・・・そんな体力俺にはありません。
「ごめんなさい大事なお話の途中なのに・・・。」
「いいのだよ。お店の準備は進んでいるかな?」
「はい!中の仕上げが終わってないので準備だけですけど・・・。あの、本当にこんな立派なお店貸してくださるんですか?」
「もちろんだとも。村唯一の商店だからね、皆も期待しているよ。」
「ありがとうございます!精いっぱい頑張ります!」
元気いっぱいに頭を下げるシャルちゃんにつられてティオ君も頭を下げる。
可愛いうさ耳が二つ、ぴょこぴょこと揺れているのが愛らしい。
「これからはお互いに頑張りましょう。」
「イナバ様のお店とだなんてそんな・・・。」
「最初は薬だけ販売するのかな?」
「そのつもりです。どれだけ売れるかわからないけど、余裕が出来たら色々してみたいなって考えています。」
「シャルちゃんのポーションは王都でも有名ですから絶対に繁盛しますよ。」
この店は繁盛する。
間違いない。
それだけの効果のあるポーションであることは現場で使っている冒険者達が証明してくれているんだ、多少高めに設定しても売れることだろう。
その分うちのポーションは売れなくなるんだろうなぁ・・・。
ま、それも想定の範囲内だ。
まずはお店が成功する事。
それが村の繁栄につながるんだから。
「イナバ様がこう仰ってくれているんだ、大船に乗ったつもりで頑張りなさい。」
「はい!」
「お店をしていくうえでわからないことがあればエミリアやニケさんが力を貸してくれますし、私も微力ながらお手伝いさせてもらいます。」
「僕も頑張るよ!」
「そうだな。それにティオにはシルビアの後を継いで立派な騎士になってもらわねばならん。頑張るんだよ。」
あれ、冒険者になるんじゃなかったっけ・・・。
まぁ子供のころの夢なんてコロコロ変わるもんだしな。
戦隊物や某人造人間のシーズンが変わるたびに、これになるって言うんだから。
俺も昔は色々考えてたなぁ・・・。
「あの日ダンジョンの中で死んじゃうんじゃないかって思っていたのに、まさか夢だったお店まで持てるなんて・・・いまだに信じられません。」
「それはシャルちゃんが今まで頑張って来たのを神様が見ていてくれたからですよ。」
「そうでしょうか・・・。」
「間違いありません。未来の騎士様に錬金術師、この村の未来は明るいですね。」
「ハッハッハ、そうですな。これで孫も出来れば安心して向こうに行けます。」
この流れでなに爆弾ぶち込んでくるんですかこの人は。
まぁいずれはできるだろうけど、そんなすぐに出来るものでもなくてですね。
それにだ、孫が出来て満足だなんて言わせないぞ。
子育てはしたことないけど色々と大変みたいだし、頑張ってもらわないと困ります。
「子供が出来たら村長様死んじゃうの?」
「いいえ、むしろ元気になるかもしれません。そうですよね?」
「そうですなこの子達や孫の成長を見るまではゆっくり出来そうもありません。」
「絶対立派な騎士になるからね!」
「私もお店を大きくして村に恩返しします!」
未来ある子供の声程嬉しいものはない。
土地神様もこれを聞いてさぞ喜んでいる事だろう。
え、お前も頑張れって?
それはまぁ、程々に頑張らせていただいておりますので、成果につきましてはいずれ・・・。
「お、ちっさいのも集まって何してるんだ?」
「あ、ドリスのおじちゃん!」
「なんだドリスか。」
「呼ばれて来たのになんだとはどういうことだよ。」
あ、そういえば呼んでいたような気がする。
「そろそろ始めんと遅くなるぞ、準備はできているか?」
「もうそんな時間か。そうだな、そろそろ始めるか。」
「神様に祈りをささげるとは聞いていますが具体的には何をするするんでしょう。」
「簡単だ、燃やすんだよ。」
「燃やす?」
「そうだ。長ったらしい祈りを捧げたら最後は燃やして神さんに捧げるんだ。もったいないっていうなよ?俺もそう思ってる。」
なるほど。
元の世界でいうお焚き上げみたいなものか。
でもあれってお寺の行事で神様じゃなかったと思うけど・・・。
異世界だし別に問題はないだろう。
「お前にはもう少し神様に感謝するという気持ちはないのか?」
「別に感謝してないわけじゃないさ、もったいないって思ってるだけだよ。」
「わかる気はします。食べることで感謝の意を示すことも出来ますしね。」
「そうなんだよ。なんだ、今日はずいぶんとこっちよりじゃないか。」
「いつもは違うんですか?」
「いつもとんでもないことを言うのがお前だからな、雨でも降るんじゃないか?」
「やめてくださいよせっかく晴れてるのに。」
人を雨男みたいに言わないでほしい。
こんな天気で雨なんて降ったらせっかくの神事が台無しだ。
何事もなく終わるに限る。
「これ、燃やしちゃうの?」
「そうだ。燃やして空にいる神様に出来たことを報告するんだとよ。」
「お家に移らない?」
「そうならないために俺たちがいるんだ。まぁ、ちょいとビショビショにはなるが家は風邪をひかないから別に構わないだろ。」
「むしろ燃えてもらっては困ります。盛大にかけてあげてください。」
「当たり前だ。ここまでやって燃えたんじゃウェリスに何を言われるかわかったもんじゃねぇ。」
宿もお店も水路も作成の総指揮を執ったのはウェリスだ。
それを壊したとなったら・・・やめよう、考えるのが怖くなってきた。
「そんじゃ俺は村の連中に声をかけてくる。」
「春を前にした祈りも込められておる、出来るだけ全員参加するように伝えてくれ。」
「むしろ来ない奴なんていねぇよ。」
「色々な願いが込められているんですね。」
「もう半期もすれば春ですからな。この一年の感謝を伝えるとともに次もまた穏やかで豊かな一年になるようお祈りをするにはいい時期です。」
なるほどなぁ。
冬には冬の、春には春の祈りがあるだろうけど。
冬の終わりには冬の終わりの祈り方があるのか。
次の一年も穏やかで豊かな一年になりますように・・・。
この一年激動過ぎたから俺も穏やかな一年になるよう祈っておこう。
ドリスが離れてすぐ、ゾロゾロと村の人たちが櫓の周りに集まってきた。
男衆が水をたっぷり入れた甕を宿の前にいくつも並べていく。
それとは別に櫓の前に小さな台が置かれ、いくつかの果物とお酒が別に用意された。
簡易の祭壇みたいなものだろう。
それから半刻もしないうちに本当に村中の人が櫓を取り囲むように集まった。
「皆そろったな、これより竣工の議を執り行う。」
村長の宣言で空気がピリッと引き締まるのが分かった。
祭壇の前に歩み寄り、準備してあった盃を手に取ると恭しく頭上に掲げ口を付ける。
続いて果物も同様に頭上に掲げ、口づけをするように口に当てた。
「この恵みは全てこの地で作られ、我々を満たしてきました。其のお陰もあり、今日こうしてこの地に新たな住処が誕生した次第です。これもひとえに土地神様と精霊様の祝福があってこそ、ここに感謝の気持ちを込め祈りの火と供物を捧げます。」
神事ではあるが神官はいない。
教会の神様に祈るわけでもないので司祭もいない。
この土地に生まれ、この土地で育ち、この土地で命を終えてきた一族の代表がこうして祈りをささげることに意味があるんだろう。
この土地にゆかりがあるからこそ、この土地の神様に感謝をささげる意味がある。
どこからか呼んできたような人に任せられることではないな。
「ドリス、天に火を灯せ。」
村長の指示で櫓の一番上にいたオッサンが手に持っていた松明で祭壇に火を灯す。
油か何かを撒いていたんだろう、黒煙を上げながら勢いよく火が空を焦がしはじめた。
「もうすぐ冬が終わり、新しい春が訪れます。どうぞこの供物をお納めいただき、恵みの雨と豊かな実りをお与えください。われらはその実りの元、さらなる繁栄をお約束いたします。」
「恵みの雨を!」
「暖かな陽を!」
村の人たちが天を焦がす火に向かって祈りをささげる。
その願いは黒煙と共に天に上り、神様に届けられる。
そういう事なのだろう。
「次、地に火を灯せ!」
するすると櫓を下りてきたオッサンが今度は簡易祭壇に火を灯した。
同じく黒煙がモクモクと地上から天に上っていく。
「地に根付き森に生まれ森と共に生きる我らに、そして生まれ来る新しい命に、変わらぬ加護と祝福をお与えください。その加護と祝福の元、我らはこの地の礎となり、いつまでも生き続けることでしょう。土地神様、精霊様、新しき住処をどうか祝福くださいませ。」
この土地に生まれた以上、この土地のために生きてこの土地のために死ぬ。
もちろん出ていくことはできるけれど、そうなったとしても心はこの地と共にある。
故郷とはそういうものなのだと、この儀式を見てそう思った。
村の人たちが祈りを捧げている。
その祈りは必ず、土地神様や精霊様に届いている事だろう。
俺もこの土地の為に出来ることをやろう。
シュリアン商店と村は一蓮托生。
共にこの土地に根付き、ともに栄えていくんだ。
「さぁ、天と地に祈りの火は灯った!皆声を上げよ!」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」
火が櫓に移り、大きな炎となって天を焦がす。
祈りの炎は神様に届き必ずや宿に、お店に、そして村に、繁栄をもたらしてくれることだろう。
「こんなことしなくても、ちゃんと皆の声は聞こえているのにね。」
「まぁまぁ、そう言わないで。それだけ皆がドリちゃんのことを思ってるってことだから。」
俺の後ろからひょこっと現れたドリちゃんが不思議そうな顔をして炎を見ていた。
皆むこうに夢中でドリちゃんには気づいていないみたいだな。
「ねぇ、土地神様って誰の事なのかな。」
「え?この前会ったでしょ?」
「あ、リェースさんの事だったんだ。」
「フォレストドラゴンはこの森、この土地を守る神様みたいなものだからね。本当は土地神様なんていないんだ。」
なるほど、ドラゴンを神様として崇拝してそれが土地神様って名前にすり替わったのか。
「シュウちゃんは祈らないの?」
「祈ったよ。でもね、それを叶えるのは自分自身だから。」
「シュウちゃんかっこいい!」
「そんなことないよ、結局叶えてくれるのはいつも皆だから。これからもよろしくね。」
「こちらこそだよ。」
「そういえばディーちゃんやルシウス君は?」
「二人はお留守番、というよりもシルエちゃんのお目付け役かな。」
勉強付けはまだまだ続いているらしい。
ご愁傷様です。
天を焦がす炎は櫓が崩れてもなお燃え続けた。
大きな炎ではあったけれど、ウェリスと部下の皆様が宿と店に水をかけまくってくれたおかげで延焼はなし。
無事に竣工の儀は幕を閉じた。
「それじゃあそろそろ帰るね。」
「うん、ワザワザ見に来てくれてありがとう。」
「だって私の為に祈ってくれてるんだもん、来た方がいいじゃない?」
「アハハ、それもそうだね。」
「それとね・・・。」
急に真面目な顔をしてドリちゃんが俺を見てくる。
「どこに行っても声は聞こえるから。」
「え、それってどういう・・・。」
「シュウイチ、こんなところにいたのか。」
シルビアの声に振り返った時にはドリちゃんの姿はもう見えなくなっていた。
帰るのが早いなぁ。
「誰かいたのか?」
「ドリちゃんが儀式を見に来てくれたようです。」
「精霊様に直接声を聴いていただけるなんて、ありがたいことだ。」
嬉しそうに笑うシルビア様に俺もつられて笑みを浮かべる。
だが、心の中ではドリちゃんの言葉がずっと引っかかっていた。
櫓と言っても村に元々あった見張り様の櫓ではない。
お祭りなんかで使う様な簡素なものだ。
簡素な物とはいう物の、高さは2mは越えているだろうか。
それが西側の門の手前、完成した宿の前にドンと鎮座している。
これはまたすごいな。
簡素とはいえそこそこ大きい。
骨組みだけなので何かを乗せるとか上に乗るとかは想定してないみたいだけど、何に使うんだろうか。
ちなみに宿の横に作られたシャルちゃんのお店もほぼ完成したようだ。
「これはまた立派ですね。」
「私は出た時は一段目が組みあがろうかと言った感じだったんだが・・・。皆随分張り切ったみたいだな。」
「シルビアが村を出てからそんなに時間たってませんよね?」
「準備も入れて往復二刻弱といった所か。」
「それでこの大きさ、いったい何に使うんですか?」
「そうかシュウイチは知らないのか。」
えぇ存じ上げません。
夏祭りの櫓に見えなくはないけど、あれは上が板張りになってて乗れるようになっている。
でもこれは骨組みだけだ。
だがよく見ると所々に花が飾られている。
冬なので数はないが、森に自生しているやつや畑に植えられていたやつもあるみたいだ。
「おぉ、これはイナバ様よく来てくださいました。シルビアも良く戻ったな。」
「ただいま戻りました。」
「お招きいただきありがとうございます。あ、これ頼まれていましたお酒と食料です。」
「これは沢山、これだけあれば土地神様も精霊様もお喜びになる事でしょう。」
「喜んでいただけて何よりです。」
「父上、せっかくだから儀式についてシュウイチに教えてもらえないか?私は別件で少し席を外したいのだ。」
あれ、別件?
それは聞いてないけど・・・、まぁいいか。
シルビアは自警団の指導役もしているからそっちの話かもしれないな。
「そうか。向こうに行ったらドリスにこちらへ来るよう伝えておくれ。」
「ドリスだな、わかった伝えておく。それじゃあシュウイチまた後でな。」
「行ってらっしゃい。」
同じ村の中なので行ってらっしゃいと言うのも変だけど、まぁいいだろう。
シルビアを見送り、村長と一緒に櫓を見上げる。
おや、上の方ではまだ誰かが作業しているみたいだ。
「イナバ様がお酒とお供えをお持ちくださったぞ、これも一緒に頼む。」
「わかりました!」
上に声をかけると櫓の上から村の男衆が顔を出した。
ひょいひょいと櫓から降りて来たかと思うと、荷物を受け取りまた上に戻っていく。
「お供え、ですか。」
「これは竣工の儀と言いまして、宿の完成と繁栄を土地神様に祈る儀式なのです。この櫓はまぁ祭壇のようなものと考えてください。」
「祭壇。なるほど神様に食べていただくんですね。」
「今回は横の商店と共に繁栄と息災を願いますので少し大きくなってしまいました。竣工の儀など久々で少し気合が入り過ぎたのもありますが・・・いやいやお恥ずかしい。」
「もうすぐ春を迎えますし、お祝いの意味も込めて少し豪華でもいいんじゃないですか。」
土地の神様に捧げるのであればなおの事豪華な方が良い。
春になれば森に緑が戻り、水路を使った作付も始まる。
土地に元気が出るのは非常に良い事だ。
それに春には新しい命も生まれて来る、祝福の意味も込めて縁起事は大きくないとね。
「魔物に滅ぼされかけたこの村がこの一年でこれほど大きくなれたのですから、土地神様も喜んでおられることでしょう。」
「喜んでますかね。」
「もちろんです。人が増え、土地が栄え、皆が笑顔で過ごす事こそが我々にできる恩返しなのですから。」
「そう言っていただけると安心します。」
「これからも娘共々よろしくお願い致します。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
「あ、イナバ様だ!」
深々と頭を下げ合ういつものパターンをぶった切って来る声が一つ。
「こら、大事なお話の邪魔しちゃダメでしょ!」
そしてそれを諫める元気な声がもう一つ。
顔を上げると櫓の裏からティオ君が顔を出して笑っていた。
「こんにちは二人共、お手伝いかな?」
「うん!友達と櫓に花を飾ってるんだ!」
「ありがとう、土地神様も喜んでくれると思うよ。もしかしてこの花はティオ君達が採って来てくれたのかな?」
「そうだよ!泉の側に咲いているのを摘んできたんだ!」
今日も元気いっぱいだなぁ。
確か午前中はシルビア様に稽古をつけてもらっていたはずなのに、その後泉まで行って花を摘んでくるとか・・・そんな体力俺にはありません。
「ごめんなさい大事なお話の途中なのに・・・。」
「いいのだよ。お店の準備は進んでいるかな?」
「はい!中の仕上げが終わってないので準備だけですけど・・・。あの、本当にこんな立派なお店貸してくださるんですか?」
「もちろんだとも。村唯一の商店だからね、皆も期待しているよ。」
「ありがとうございます!精いっぱい頑張ります!」
元気いっぱいに頭を下げるシャルちゃんにつられてティオ君も頭を下げる。
可愛いうさ耳が二つ、ぴょこぴょこと揺れているのが愛らしい。
「これからはお互いに頑張りましょう。」
「イナバ様のお店とだなんてそんな・・・。」
「最初は薬だけ販売するのかな?」
「そのつもりです。どれだけ売れるかわからないけど、余裕が出来たら色々してみたいなって考えています。」
「シャルちゃんのポーションは王都でも有名ですから絶対に繁盛しますよ。」
この店は繁盛する。
間違いない。
それだけの効果のあるポーションであることは現場で使っている冒険者達が証明してくれているんだ、多少高めに設定しても売れることだろう。
その分うちのポーションは売れなくなるんだろうなぁ・・・。
ま、それも想定の範囲内だ。
まずはお店が成功する事。
それが村の繁栄につながるんだから。
「イナバ様がこう仰ってくれているんだ、大船に乗ったつもりで頑張りなさい。」
「はい!」
「お店をしていくうえでわからないことがあればエミリアやニケさんが力を貸してくれますし、私も微力ながらお手伝いさせてもらいます。」
「僕も頑張るよ!」
「そうだな。それにティオにはシルビアの後を継いで立派な騎士になってもらわねばならん。頑張るんだよ。」
あれ、冒険者になるんじゃなかったっけ・・・。
まぁ子供のころの夢なんてコロコロ変わるもんだしな。
戦隊物や某人造人間のシーズンが変わるたびに、これになるって言うんだから。
俺も昔は色々考えてたなぁ・・・。
「あの日ダンジョンの中で死んじゃうんじゃないかって思っていたのに、まさか夢だったお店まで持てるなんて・・・いまだに信じられません。」
「それはシャルちゃんが今まで頑張って来たのを神様が見ていてくれたからですよ。」
「そうでしょうか・・・。」
「間違いありません。未来の騎士様に錬金術師、この村の未来は明るいですね。」
「ハッハッハ、そうですな。これで孫も出来れば安心して向こうに行けます。」
この流れでなに爆弾ぶち込んでくるんですかこの人は。
まぁいずれはできるだろうけど、そんなすぐに出来るものでもなくてですね。
それにだ、孫が出来て満足だなんて言わせないぞ。
子育てはしたことないけど色々と大変みたいだし、頑張ってもらわないと困ります。
「子供が出来たら村長様死んじゃうの?」
「いいえ、むしろ元気になるかもしれません。そうですよね?」
「そうですなこの子達や孫の成長を見るまではゆっくり出来そうもありません。」
「絶対立派な騎士になるからね!」
「私もお店を大きくして村に恩返しします!」
未来ある子供の声程嬉しいものはない。
土地神様もこれを聞いてさぞ喜んでいる事だろう。
え、お前も頑張れって?
それはまぁ、程々に頑張らせていただいておりますので、成果につきましてはいずれ・・・。
「お、ちっさいのも集まって何してるんだ?」
「あ、ドリスのおじちゃん!」
「なんだドリスか。」
「呼ばれて来たのになんだとはどういうことだよ。」
あ、そういえば呼んでいたような気がする。
「そろそろ始めんと遅くなるぞ、準備はできているか?」
「もうそんな時間か。そうだな、そろそろ始めるか。」
「神様に祈りをささげるとは聞いていますが具体的には何をするするんでしょう。」
「簡単だ、燃やすんだよ。」
「燃やす?」
「そうだ。長ったらしい祈りを捧げたら最後は燃やして神さんに捧げるんだ。もったいないっていうなよ?俺もそう思ってる。」
なるほど。
元の世界でいうお焚き上げみたいなものか。
でもあれってお寺の行事で神様じゃなかったと思うけど・・・。
異世界だし別に問題はないだろう。
「お前にはもう少し神様に感謝するという気持ちはないのか?」
「別に感謝してないわけじゃないさ、もったいないって思ってるだけだよ。」
「わかる気はします。食べることで感謝の意を示すことも出来ますしね。」
「そうなんだよ。なんだ、今日はずいぶんとこっちよりじゃないか。」
「いつもは違うんですか?」
「いつもとんでもないことを言うのがお前だからな、雨でも降るんじゃないか?」
「やめてくださいよせっかく晴れてるのに。」
人を雨男みたいに言わないでほしい。
こんな天気で雨なんて降ったらせっかくの神事が台無しだ。
何事もなく終わるに限る。
「これ、燃やしちゃうの?」
「そうだ。燃やして空にいる神様に出来たことを報告するんだとよ。」
「お家に移らない?」
「そうならないために俺たちがいるんだ。まぁ、ちょいとビショビショにはなるが家は風邪をひかないから別に構わないだろ。」
「むしろ燃えてもらっては困ります。盛大にかけてあげてください。」
「当たり前だ。ここまでやって燃えたんじゃウェリスに何を言われるかわかったもんじゃねぇ。」
宿もお店も水路も作成の総指揮を執ったのはウェリスだ。
それを壊したとなったら・・・やめよう、考えるのが怖くなってきた。
「そんじゃ俺は村の連中に声をかけてくる。」
「春を前にした祈りも込められておる、出来るだけ全員参加するように伝えてくれ。」
「むしろ来ない奴なんていねぇよ。」
「色々な願いが込められているんですね。」
「もう半期もすれば春ですからな。この一年の感謝を伝えるとともに次もまた穏やかで豊かな一年になるようお祈りをするにはいい時期です。」
なるほどなぁ。
冬には冬の、春には春の祈りがあるだろうけど。
冬の終わりには冬の終わりの祈り方があるのか。
次の一年も穏やかで豊かな一年になりますように・・・。
この一年激動過ぎたから俺も穏やかな一年になるよう祈っておこう。
ドリスが離れてすぐ、ゾロゾロと村の人たちが櫓の周りに集まってきた。
男衆が水をたっぷり入れた甕を宿の前にいくつも並べていく。
それとは別に櫓の前に小さな台が置かれ、いくつかの果物とお酒が別に用意された。
簡易の祭壇みたいなものだろう。
それから半刻もしないうちに本当に村中の人が櫓を取り囲むように集まった。
「皆そろったな、これより竣工の議を執り行う。」
村長の宣言で空気がピリッと引き締まるのが分かった。
祭壇の前に歩み寄り、準備してあった盃を手に取ると恭しく頭上に掲げ口を付ける。
続いて果物も同様に頭上に掲げ、口づけをするように口に当てた。
「この恵みは全てこの地で作られ、我々を満たしてきました。其のお陰もあり、今日こうしてこの地に新たな住処が誕生した次第です。これもひとえに土地神様と精霊様の祝福があってこそ、ここに感謝の気持ちを込め祈りの火と供物を捧げます。」
神事ではあるが神官はいない。
教会の神様に祈るわけでもないので司祭もいない。
この土地に生まれ、この土地で育ち、この土地で命を終えてきた一族の代表がこうして祈りをささげることに意味があるんだろう。
この土地にゆかりがあるからこそ、この土地の神様に感謝をささげる意味がある。
どこからか呼んできたような人に任せられることではないな。
「ドリス、天に火を灯せ。」
村長の指示で櫓の一番上にいたオッサンが手に持っていた松明で祭壇に火を灯す。
油か何かを撒いていたんだろう、黒煙を上げながら勢いよく火が空を焦がしはじめた。
「もうすぐ冬が終わり、新しい春が訪れます。どうぞこの供物をお納めいただき、恵みの雨と豊かな実りをお与えください。われらはその実りの元、さらなる繁栄をお約束いたします。」
「恵みの雨を!」
「暖かな陽を!」
村の人たちが天を焦がす火に向かって祈りをささげる。
その願いは黒煙と共に天に上り、神様に届けられる。
そういう事なのだろう。
「次、地に火を灯せ!」
するすると櫓を下りてきたオッサンが今度は簡易祭壇に火を灯した。
同じく黒煙がモクモクと地上から天に上っていく。
「地に根付き森に生まれ森と共に生きる我らに、そして生まれ来る新しい命に、変わらぬ加護と祝福をお与えください。その加護と祝福の元、我らはこの地の礎となり、いつまでも生き続けることでしょう。土地神様、精霊様、新しき住処をどうか祝福くださいませ。」
この土地に生まれた以上、この土地のために生きてこの土地のために死ぬ。
もちろん出ていくことはできるけれど、そうなったとしても心はこの地と共にある。
故郷とはそういうものなのだと、この儀式を見てそう思った。
村の人たちが祈りを捧げている。
その祈りは必ず、土地神様や精霊様に届いている事だろう。
俺もこの土地の為に出来ることをやろう。
シュリアン商店と村は一蓮托生。
共にこの土地に根付き、ともに栄えていくんだ。
「さぁ、天と地に祈りの火は灯った!皆声を上げよ!」
「「「「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」
火が櫓に移り、大きな炎となって天を焦がす。
祈りの炎は神様に届き必ずや宿に、お店に、そして村に、繁栄をもたらしてくれることだろう。
「こんなことしなくても、ちゃんと皆の声は聞こえているのにね。」
「まぁまぁ、そう言わないで。それだけ皆がドリちゃんのことを思ってるってことだから。」
俺の後ろからひょこっと現れたドリちゃんが不思議そうな顔をして炎を見ていた。
皆むこうに夢中でドリちゃんには気づいていないみたいだな。
「ねぇ、土地神様って誰の事なのかな。」
「え?この前会ったでしょ?」
「あ、リェースさんの事だったんだ。」
「フォレストドラゴンはこの森、この土地を守る神様みたいなものだからね。本当は土地神様なんていないんだ。」
なるほど、ドラゴンを神様として崇拝してそれが土地神様って名前にすり替わったのか。
「シュウちゃんは祈らないの?」
「祈ったよ。でもね、それを叶えるのは自分自身だから。」
「シュウちゃんかっこいい!」
「そんなことないよ、結局叶えてくれるのはいつも皆だから。これからもよろしくね。」
「こちらこそだよ。」
「そういえばディーちゃんやルシウス君は?」
「二人はお留守番、というよりもシルエちゃんのお目付け役かな。」
勉強付けはまだまだ続いているらしい。
ご愁傷様です。
天を焦がす炎は櫓が崩れてもなお燃え続けた。
大きな炎ではあったけれど、ウェリスと部下の皆様が宿と店に水をかけまくってくれたおかげで延焼はなし。
無事に竣工の儀は幕を閉じた。
「それじゃあそろそろ帰るね。」
「うん、ワザワザ見に来てくれてありがとう。」
「だって私の為に祈ってくれてるんだもん、来た方がいいじゃない?」
「アハハ、それもそうだね。」
「それとね・・・。」
急に真面目な顔をしてドリちゃんが俺を見てくる。
「どこに行っても声は聞こえるから。」
「え、それってどういう・・・。」
「シュウイチ、こんなところにいたのか。」
シルビアの声に振り返った時にはドリちゃんの姿はもう見えなくなっていた。
帰るのが早いなぁ。
「誰かいたのか?」
「ドリちゃんが儀式を見に来てくれたようです。」
「精霊様に直接声を聴いていただけるなんて、ありがたいことだ。」
嬉しそうに笑うシルビア様に俺もつられて笑みを浮かべる。
だが、心の中ではドリちゃんの言葉がずっと引っかかっていた。
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元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
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☆感謝☆
HOTランキング1位になりました。偏にご覧下さる皆様のお陰です。この場を借りて、感謝の気持ちを⋯
そしてなんと、人気ランキングの方にもちゃっかり載っておりました。
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