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第十四章

若き鳥達の帰還

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翌朝。

いつも通り下に降りるとユーリがいつもの指定席に座って優雅に香茶を飲んでいた。

どうやら無事に終了したようだ。

「ユーリお疲れ様でした。」

「二人でやるとさすがに早いですね夜更けには終了いたしました。ダンジョン内に残っていた冒険者にも特に影響はありません。」

「ありがとうございます。これで無事にノルマは達成、後は売上金と村の開発です。」

「そちらに関してはお任せいたします。」

「今日はゆっくり休みますか?」

「いえ、特に疲れてはおりませんので。バーチさんにも多目に魔力をお渡ししていますので特に問題ないと思います。」

ダンジョン妖精はダンジョン内に溢れる魔力を使って生活している。

別にダンジョンの魔力じゃないとダメというわけではないが、屋外よりもダンジョン内の方が魔力で満ちているので快適なのだそうだ。

常に食事が提供される快適空間。

そりゃ仕事もはかどるよな。

「おはよう二人ともやはり早いな。」

「おはようございますシルビア、今日は早いですね。」

「ティオに稽古をねだられていてな。」

「今日もですか、やる気満々のようですね。」

「強くなる実感があるからだろう。あの歳の子は何をやらせても吸収が早い、いずれ抜かれてしまうかもしれんぞ。」

「師匠の腕がいいからですよ。」

戦乙女と名高い元騎士団長に稽古をつけてもらっているんだ、資質もあるだろうけど伸びないはずがない。

「そう言われると自信がつくな。」

「教えるのは得意じゃなかったんですか?」

「私の教え方だとどうしてもきつくなってしまう、ティオにもつい声が大きくなってしまうのだ。」

「ティオ君からしてみれば子供だからと手を抜かれるよりもよっぽどやりがいがあるんだと思います。」

「そういう物だろうか。」

「と、私は思いますよ。」

知らんけど。

今度本人に直接聞いてみるか。

「おはようございます!すみません寝過ごしました。」

しばらくするとニケさんが慌てた様子で階段を駆け下りて来る。

珍しいな寝坊だなんて。

「ニケさんおはようございます。」

「食事の準備はできております、ニケ様はゆっくりなさってください。」

「ユーリ様ありがとうございました。」

「ニケ殿が寝坊など珍しいな、先日の件もあるし疲れが溜まっているようであればゆっくり休んでも構わんぞ。」

「い、いえそう言うのではなくて・・・。大丈夫ですので。」

「そうか?ならいいんだが。」

何だろう気になるなぁ。

心もち顔が赤い感じがするし熱でもあるんだろうか。

めっきり寒くなった所に先日の件で疲れがたまっているだろうし、シルビアが言うようにゆっくりしてもらってもいいかもしれない。

とりあえず本人の気持ちを尊重して様子を見よう。

「そういえばリア奥様も遅いですね。」

と、そこでユーリが気付いてはいけない所に気付いてしまった。

あ、いや別に気づかれちゃいけないわけではないんだけどなんて言うか暗黙の了解的な物がありまして。

「エミリアは疲れているようだからゆっくりさせてやってくれ。必要であれば私が起こしに行こう。」

「左様ですか。」

「その時はシルビアお願いします。」

「私と違って体力がないからな、致し方ない。」

何があったかは何も言うまい。

つまりそういう事だ。

「もう少し落ち着くまで様子を見させていただきましょう。」

「その後は我々の出番というわけですね。」

「とりあえずは夏頃まで様子を見てからですよユーリ様。」

「わかっています。」

少しぶっきらぼうな物言いをするユーリ。

それを見て少し笑ってしまった。

「なら先にいただくとしよう、今日は時間が惜しい。」

「店が落ち着き次第私も村に顔を出します。開発の進捗を確認しておきたいので。」

「わかったドリス達に伝えておこう。」

残りのノルマをどうするのかちゃんと計画建てておかないとね。

それからユーリ手製の朝食(がっつり系)をいただいてからそれぞれの持ち場に着く。

ニケさんと俺が店の準備、ユーリにはダンジョン整備の続き、シルビア様は嬉しそうに剣をもって村へと向かった。

結局エミリアが出勤したのはオープンほんの少し前。

珍しく寝癖がついているのがまた可愛らしい。

「おはようエミリア、よく眠れた?」

「そんな事シュウイチさんが一番よく知ってるじゃないですか。」

そんな返事にまた可愛いなぁと思ってしまうあたり俺もなかなか重傷だ。

なんせ32のオッサンですよ?

でも可愛い物は可愛いんだからしょうがないよね。

「お二人とももうすぐお客様が来ますのでそれぐらいにしてください。セレン様も奥で笑っておられますよ。」

「失礼しました。」

「ご、ごめんなさい。」

ユーリの冷静なツッコミに動揺するエミリアも可愛・・・(以下略

ともかく今日も元気にお仕事だ。

今日はダンジョン拡張初日、昨日は斧エリアまで行く冒険者が来なかったけど今日はどうかな。

「ではシュリアン商店開店しましょうか。」

「「「「はい!」」」」

時計はないので開店時間は大体。

外ではまだ暗い時間から歩いてきた冒険者が今か今かと開店を待ちわびている。

そろそろ暖かい室内に入れてあげるべきだ。

開店の合図をしてユーリが扉を開けると彼らが雪崩のように押し寄せて来た。

「あったかーーい!」

「だから言っただろもうちょっと遅くてもいいって!」

「だって早く来たかったんだもん。」

「こらこら二人ともイナバ様が笑っていますよ。」

「あ、ごめんなさい。」

「いいんですよ、ようこそお越しくださいました。そしてお久しぶりですね。」

「イナバ様もおかえりなさい!」

店に飛び込んできたのは良く知った三人組。

ついこの間のはずなのに随分も前に一緒に戦ったような気がするよ。

「だから言っただろイナバ様は帰って来るって。」

「何言ってんのよアンタが一番心配してたじゃない。」

「う、うるせぇ!」

「ほらほらとりあえず中に入ってよ、せっかくここまで来たんだからさ。」

「そうね、まずは道具の補充とそれから素材の買取をお願いして・・・。」

「セレンさんご飯!お腹空いた!」

「ちょっと!それは後でしょ!」

「お昼の仕込み分はまだですけど出来るのもありますよ、でもまずは用事を終わらせてきてくださいね。」

「ちぇ、なら仕方ないか。」

相変らず賑やかな三人組だ。

あれ、彼らが戻って来たってことは・・・。

「そういえば中級冒険者にはなれましたか?」

「へへ、イナバ様これ見てくださいよ!」

そう言って彼が胸元から引っ張り出したのは銀色のメダル。

ギルドの刻印が入ったそれは中級冒険者に授けられる証に他ならない。

「みなさんおめでとうございます。」

「「「ありがとうございます!」」」

「買い物と買取でおまけはできませんがセレンさん、とっておきを作ってあげてください。私のおごりです。」

「いいんですか?」

「うちで育って巣立っていった冒険者がこうやって戻ってきたんです、お祝いしないわけにはいきませんよ。」

「やった!」

「ありがとうございます!」

まぁ俺にできるのはこれぐらいだ。

お店としては依怙贔屓できないけど個人なら別に構わないだろう。

「今日もダンジョンに潜られますか?」

「もちろんそのつもりです。」

「せっかく中級になったんだし最初のダンジョンはやっぱりここじゃないとって話してたんですよ。」

「だからってあんなに早く出ることないだろ。」

「う、うるさいわね。」

「ちょうど昨日15階層から先が出来上がった所なんです、もし到達できたら是非感想を聞かせてください。」

助言をしようとおもったけど彼らならきっと大丈夫だ。

なんせ罠の見破り方はダンジョン妖精直伝だからな。

魔物に関してもあの戦いを生き抜いた彼らなら気を抜かずに対処するだろう。

その後準備を済ませた彼らがダンジョンに消えるのを見送り、俺も村へと向かった。

「お、来たな人気者。」

「人気者って、いったい何の話です?」

「何のって貴族に誘拐される商人なんてお前しかいないだろうが。」

「別に人気があって誘拐されたわけじゃないんですけど。」

「じゃあ何なんだ?」

「色々あったんです。」

村に着いてそうそうウェリスに遭遇しいきなり絡まれてしまった。

これもウェリスなりの気遣いなんだという事にしておこう。

ほんと、色々あったんですよ。

別に人気だから攫われたってわけじゃないのでそこは誤解しないでいただきたい。

「まぁ戻って来て仕事するならそれでいいさ。」

「一昨日は挨拶しかできなかったんですけど、どこまで進んでます?」

「そうだな見ての通り宿の建築はほぼ終わりだ。内部は別の人間が来てやるらしいがその辺はお前んとこの管轄らしいから後は任せた。シャル達の店も来期までには順次完成するだろう。」

「水路はどうです?」

「それに関して何だが、ちょっと遅れているな。」

「作業員が足りないとか?」

「いや、資材がな。」

あー・・・、そっちかぁ。

人手が足りないだけなら何とかなると思ったんだけど、そっちに関してはあまり役に立てそうもない。

「どれぐらい足りないんです?」

「石材が予定の七割、木材は何とかなるが目地に使う防水式の素材も微妙に足りないな。」

「あらかじめ多目に仕入れておいてもダメでしたか。」

「あれっぽっちじゃダメだな。」

「結構頑張ったんですけどねぇ。追加補充の目途は?」

「今のままだと春先まで無理だとよ。」

春先までってそれじゃあ作付に間に合わないじゃないか。

成長中こそあまり水のいらない食物ではあるものの、せっかく広げた畑に水が行きわたらないんじゃ育つものも育たない。何とか作付までには間に合わせたいだけどなぁ。

困ったぞ。

「これも公共事業の影響ですか。」

「あぁ、人出もかなりそっちにもっていかれている。建築ぐらいなら村の人間で何とかなるが水路となると部下だけじゃどうしても人数が足りないな。特にこれからは一番気を使う泉付近だ、事前に止水して作業しないと一気に崩れる可能性もある。この辺は俺みたいな素人だけじゃなく専門家を呼んでやった方がいいかもしれないぞ。」

「専門家ですか・・・、わかりました商店会連合に投げかけてみます。」

「よろしく頼む。」

「それで、問題の石材なんですけどこれもちょっと待ってもらえますか?」

「別に構わないが待てて来期までだぞ。」

「わかってます。」

近隣から確保できないのであれば遠方から集めるしかないだろう。

搬送のコストとかを考えればかなり高額になるだろうけど致し方ない。

それか、公共事業を行っている大本に掛け合うって手もなくはない。

俺のおねだりで始まった公共事業だけどまさか自分で自分の首を絞めることになるとは思わなかった。

こんな事なら来年までって言っておけばよかったな。

そうすればこんなことにらなかったのに。

ちなみに公共事業とは、村とサンサトローズをつなぐ街道の改良工事の事だ。

サンサトローズから途中までは石畳になっているものの、半分ぐらいで未舗装になっている。

そのせいで馬車の速度が上がらず結果として物流や人の流れにも影響が出ていたのでそれを改良するようにと、国王陛下におねだりしたという流れだ。

道が整えば村からサンサトローズまでのアクセスはかなり改善されるし、物流が良くなればそれだけ村が栄える事になる。

もちろん人が増えるという事は冒険者が増える事にもつながるので、結果として商店にもプラスがあるわけだな。

一応未来を見据えてやったこと何で、決して無策じゃないんです。

そこはご理解いただきたい!

「当てはあるのか?」

「無くはないんですけどとりあえずサンサトローズに行ってからですね。」

「今のお前にそんな時間があるのか?」

「ありませんが作るしかないでしょう。一応商店にいるうちに出来る事はしておくつもりです。」

「人気の商人様は大変だな。」

「だから人気じゃないですって。」

「うるせぇ、お前がいなくなってから村がどれだけ大変だったか知らないでよく言うぜ。」

「それに関してはドリスのオッサンも含めて助かりました。」

冒険者からの嘆願書だけでは国王陛下や教会が動くことはなかっただろう。

村が動いた事でその流れがサンサトローズへと波及し、ププト様を動かした。

それが結果として教会や国王陛下を動かすことにつながったんだな。

村が今回の件に一石を投じたことは間違いない。

「その分しっかり働いて返せよ、ここに来たってことは暇なんだろ?」

「いやいや暇じゃないですよ。」

「定期便もなく村を通る冒険者の数も少ない。それで暇じゃないと言えるのか?」

「そ、それは・・・。」

「お前がいなくても店は回ってたんだこの客数なら何の問題もないだろ。」

「返す言葉もありません。」

「おーい、お前ら!使えない人手が増えたぞ、こきつかってやれ!」

「「「あざーっす!」」」

あざーっすってなんだよあざーっすって。

雑すぎるだろ!

これでも一応君たち労働奴隷の監督者って事になってるんですけど!

「大丈夫だって、村を通る冒険者が増えたら解放してやるから。たまには体を動かさないと夜にバテるぞ。」

「ちょっ、何で知ってるんですか!?」

「そんなもんバレないわけがないだろうが。セレンが嬉しそうに話をしてたぞ。」

「他の誰にも言ってないですよね?」

「さぁ、俺は言ってないがこの手の事に女の口はどうかな。」

わずか二日でいったいどこまで広がってしまったんだろうか。

俺のプライベートとは・・・。

「まぁ俺も通った道だ。頑張れ。」

「応援されている気がしません。」

結局冒険者が来ることはなくそれからみっちりと建築作業に従事させられ、解放されたのは夕方近く。

フラフラと商店に戻るとちょうどあの三人組が戻ってきた所だった。

あれ、早くない?

「おかえりなさいイナバ様。」

「あの、なんでそんなにボロボロなんですか?」

「色々あるんですよ、色々。」

「商人って大変なんですね。」

冒険者ほどじゃないけどね。

よく見ると三人もいい感じにくたびれた感じだ。

さっそく新しいダンジョンの洗礼を受けたって感じかな?

「とりあえず詳しい話は中で、無事に戻って来てくれてありがとうございます。」

「ほんと大変だったんですよ!」

「俺、あそこで死ぬと思った・・・。」

「あんな罠を作るなんてイナバ様もなかなか意地が悪い。」

いい感じに不満たっぷりだけどその顔は満足感に満ちている。

あぁ、本当に大きく成長して戻ってきたんだな。

俺は目の前で誇らしげな顔をする若き冒険者達を見て改めてやってきてよかった、そう思った。



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