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第十二章
大人と子供の境界線
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ダンジョンが正常に戻って二週間。
冬が始まって今日で四週目。
減っていた冒険者の数は順調に回復し、これまでと変わらない日常が戻って来たなと実感する。
忙しい毎日だが充実感がある。
社畜時代には感じることの出来なかった働く喜び。
ただ使い潰されるだけでなく、働く事が自分に戻ってくる幸せ。
そしてなにより周りにいる仲間、そして家族の存在がありがたい。
疲れている時も、忙しい時も、嬉しい時も、楽しい時も一緒に居てくれる。
いてくれるんだけど、ちょっと問題が。
「シュウイチ何処に行くんだ?」
「あ、ちょっとトイレに。」
「シュウイチさんどちらに?」
「えっと、倉庫に荷物を取りに。」
「ご主人様どうされました?」
「ちょっとダンジョンの様子を見に行こうかと。」
「イナバ様?」
「あの、御飯を食べるだけなんですけど・・・。」
ってな感じで席を立とうものなら近くにいるみんなに何処にいるかを聞かれる状態だ。
まるで囚人のような状況だがそれも仕方ない。
全ては出かけるたびに何かに巻き込まれる俺に問題がある。
いや、俺に問題があるというか向こうからやってくると言うか。
変な薬を飲んで体が縮んだりしなければ大丈夫だろう。
「イナバ様おはようございます!」
「おはようございます!」
「シャルちゃんティオ君おはよう。」
定期便でやってきた冒険者をさばき終え一息ついていると、シャルちゃんがポーションの納品にやってきた。
二人とも寒さで頬が真っ赤になっている。
「今週の納品に来ました。」
「寒い中ありがとう、お金を準備するから中で待っててくれるかな。そうだ、たしかセレンさんが美味しいお菓子を作っていたような・・・。」
「「お菓子!」」
この間も同じようなやり取りをした気がする。
子供はお菓子が大好きだ。
俺も前の世界では結構食べていたなぁ。
こっちに来てからはスナック菓子のような物がないので、たまに食べる程度に減ってしまった。
二人が元気よく中に駆け込んでくるのを見ながらポーションのお金を準備する。
混ざり物なし、色良し、完璧なポーションだ。
これをあの年で作れるってすごいなぁ。
おや、これは?
「あ、魔力ポーションですね。」
「ですよね。」
「もしかしてシャルちゃんが?」
「中に入っていましたので恐らく。」
「魔力ポーションを作るのってかなり大変なんですよ。材料もそうですけど加減が難しくて劣化品が出来易いんです。それなのにこの純度、ギルドで育ててあげた方が良いような気がしてきました。」
エミリアの言うとおりだ。
旅の錬金術師に教えてもらったという話しだったが、それでここまでの品を作れるのは才能があってこそだろう。
最近はナーフさんから素材を仕入れながら色々と作っているようだし、ちゃんと勉強すればすごい錬金術師に慣れるんじゃないかなぁ。
「ギルドに入るには資格がいるんでしたっけ。」
「資格は要りません。ですが年齢的にまだ神託は降りていないでしょうし、それからでもいい気がします。でも魔力ポーションを作れるぐらいですから素質は十分だと思いますよ。」
確か錬金術師は魔術師ギルドの管轄だったな。
普通は下級魔術師から基礎を学んで成長していくが、シャルちゃんのようにそこを飛ばして職業的になる人もいるだろう。
そういった人も基礎を学ぶ事でより上の実力を手に入れることができる。
基礎が一番大切だ。
魔力が増えればもっと沢山錬金できるようになるだろうし、悪い話では無いと思う。
「今度それとなく聞いてみましょうか。」
「もしギルドに入るのでしたら私とメルクリア様の推薦があれば大丈夫です。」
うちは魔術師ギルドの関係者が多いからな。
なんだったら直接フェリス様に話しをする事だって出来る。
恵まれた環境といえるだろう。
「これでよしっと、では二人に渡してきます。」
「お願いします。」
ポーション10個と魔力ポーション1個。
しめて銀貨12枚だ。
子供が持つには大金だな。
でも彼女はもう子供じゃない、大人と対等に商売をする錬金術師だ。
カウンターをくぐり満面の笑みでお菓子を頬張る二人と所に向かう。
ウサミミがピョコピョコと動いているのがまた可愛らしい。
ウサミミの錬金術師、好きな人からすればかなりポイント高いんだろうな。
「お待たせしました。」
「イナバ様これ美味しいよ!」
「家でも食べてるんじゃないの?」
「家でも食べてるけどここで食べるともっと美味しいんだ!」
「それは何よりです。」
外で食べると美味しく感じる奴だろう。
わかるなぁ。
「もう、ティオ口についてる。」
「姉ちゃんだって。」
「え、嘘!」
慌てて口元をぬぐう様子はまだまだ子供だ。
これからドンドン大人になって素敵な女性になるんだろう。
うぅ、お父さんは悲しいよ。
「何がお父さんですか、ご主人様仕事してください。」
「いいじゃないですか夢を見たって。」
「そんな事言うのであればさっさと奥様と作ればよいのです。」
「コラ!ここには二人が!」
「なにがいけないのですか?いずれは知らなければならない事です、それが早いか遅いかだけの問題ではありませんか。」
「いや、まぁそうなんですけど・・・。」
意味が分からずキョトンとするティオ君と、意味を理解して真っ赤になるシャルちゃん。
ウサミミが前に倒れているのがまた可愛い。
亜人って感情表現豊かだなぁ。
「わ、私だってもう赤ちゃん作れます。」
「え?」
「なんでもないです!」
かなり小さな声だったので聞こえなかったんだけど何故怒られたんだろうか。
「まぁそれはおいといて、これが今日の買取金額です確認してください。」
「ありがとうございます。」
お馴染みの目の前の箱を横に置くジェスチャーを交えて話しを切り替える。
この話題は続けてはいけない気がする。
そう俺のゴーストが囁いたんだ。
代金の入った革の小袋をシャルちゃんに手渡し中身を確認してもらった。
「あ、あのイナバ様・・・。」
「どうしました?少なかったですか?」
「逆です!」
あれ?そうだったっけ?
ポーションの買取金額が銀貨1枚で魔力ポーションが銀貨2枚。
あってるはずだけど。
「いつもは銀貨2.5枚なのにどうしてこんなにあるんですか!?」
「あぁ、今まではうちの薬草を使ってもらっていたからです。でもこの冬からナーフさんのところで仕入れた自前のポーションを納入してもらっていますからね、この値段であってますよ。ポーションが銀貨1枚、魔力ポーションが銀貨2枚です。そうだ、魔力ポーションも作れるようになったんですね、おめでとうございます。」
「たまたま出来ただけで・・・でもありがとうございます。」
たまたまでこの品質。
他の錬金術師には聞かせられないな。
「姉ちゃんすごいよ!銀貨がいっぱいだ!」
「すごいねぇ。」
「仕入れは前金ですか?それとも後日?」
「先に払うようにしています。後だと忘れちゃいそうだから・・・。」
「それが良いですね。お金関係で聞きたいことがあったらエミリアかニケさんに相談してみてください、力を貸してくれます。」
「はい!ありがとうございます!」
シャルちゃんは本当にしっかりしている。
しっかりしているが、やっぱりまだ子供だ。
悪い大人が近づいてこないよう俺達が見張る必要があるし、もちろん自衛する必要だってある。
お金は人を狂わす。
これから自分で商売をしていくのならその辺りの感覚も養っていく必要があるだろう。
「僕また頑張って薬草探してくるね!」
「お願いね、ティオ。」
「うん!」
そうか、仕入れだけじゃなくティオ君が自分で探してきた分は丸まる利益になるのか。
ちゃんと姉弟で稼いだお金なんだな。
「あ、そうだ。村長様にイナバ様を呼んでくるように言われてたんだった。」
「ニッカさんが?」
「何かあったって言ってたんですけど、ごめんなさい私じゃわからなくて。」
「大丈夫ですよ。」
何だろうか。
この間村に行った時は何も言っていなかったけど・・・。
まぁ行けばわかるか。
「村に行かれるんですか?」
「えぇ、ニッカさんに呼ばれているようですから。」
「では誰と行きましょうか。」
そうだった。
俺一人で行かないって約束だもんな。
「ニケ殿とエミリアには店を回してもらわねばならん、ユーリにはセレン殿の手伝いをしてもらう必要がある事を考えるとここは私が適任だろう。」
「お店でしたらシア奥様でもまわせますが。」
「ユーリは昨日ダンジョンに行ったではないか。」
「あ、あの、お店はニケさんにお任せして私が行っても良いんですよ?」
二人の戦いかと思ったらさりげなくエミリアまで参戦してるし。
一人で行けない以上誰かがついてくるって話しにはなってるんだけど、毎回これがあるんだよな。
困ったものだ。
「あ、それとシルビア様にも来て欲しいって・・・。」
「今回は私が適任のようだ。任せておけ何があっても私がいれば大丈夫だ。」
「むむ、指名があるのであれば仕方ありません。」
「つ、次は私が行きますからね!」
エミリアはお店があるから無理じゃないかなぁと一度言ったらものすごい悲しい顔をしたので、それ以降はつっこんじゃいけないことになっている。
ちなみにニケさんはというと、前回一緒に街へ出たのでという理由で参戦しないようだ。
あの日以降ニコニコする日が増えたように思うんだけど、何かあったんだろうか。
「では行くとするか。」
「僕も行く!友達と森に行く約束してるんだった!」
「もぅ、だから大丈夫かって聞いたのに。」
「大丈夫だって、走ったらすぐだもん。」
「剣術の基礎は足腰の鍛錬からだ、良い心がけだぞティオ。」
「ありがとうございます!」
シルビアの言葉に元気よく返事をするティオ君。
最初こそ子供の真似事だと思っていた剣術も、筋が良いとの事で本格的な練習に切り替わった。
将来は村を守るような立派な冒険者になるそうだ。
やるとなったら手を抜かないのがシルビア様、いまや二人には完全な師弟関係が築かれている。
もしかしたらこの村からすごい冒険者が生まれるかもしれない。
冒険者じゃないかもしれないがそれはまぁ彼次第だ。
全速力で村まで走る二人をよそに俺とシャルちゃんはのんびり歩く事にした。
一緒に走ろうと誘われたがさすがにしんどい。
負けるとわかっている戦いに加わるほど馬鹿じゃないのだ。
「元気だねぇ。」
「元気すぎて困っちゃいます。」
「でもお姉ちゃんの手伝いをして偉いと思いますよ。」
「みんなが褒めてばかりだからすぐ調子に乗るんです。この間も一人で寝れるって言ったのに結局私のベッドに入ってくるし。まだまだ子供なんです。」
子供が子供に子供と言う。
いや、シャルちゃんはもう立派な大人だな。
ちゃんと自分で稼いで弟を養っているんだから。
俺がこのぐらいのとき何してただろう・・・。
あ、ゲームか。
大人になっても何も成長してないなぁ
「シルビアが鍛えていますし来年にはセレンさんの子供も産まれるからもう少し大人になるんじゃないかな?」
「なるかなぁ。」
「大丈夫ですよ。」
「だって来年には家を出て二人で暮らすんですよ?家のこととか、お手伝いとか、今だってお友達と遊んでばかりだし。」
怒った顔で愚痴を言うシャルちゃんだったが、その瞳にはどこか寂しさがあるように見えた。
そうだよな、普通はこの年頃ってお友達と遊んでるはずなんだよな。
「シャルちゃんも遊びたい?」
「・・・私は良いです。だからその分ティオに遊んで貰います。」
「いいの?」
「だってお仕事頑張らないとですし、それにお友達だったらたくさんいますから。」
「たくさん?」
「シルビア様が言ってました、『大人になったら年齢に関係なく友達になれる』って。」
友達か。
子供みたいに友達になりましょうっていう事はないが、関係が深くなると気付けば友達のようになっていたって言うのはあるな。
男性はともかく女性は知り合えば友達みたいな感覚があるし、その事を言っているんだろう。
「エミリアもシルビアもニケさんもユーリもセレンさんも、ですね。」
「セレンさんはやっぱりお母さんかもしれません。」
「お友達でお母さん、そんな関係良いじゃないですか。」
「イナバ様ともお友達になれますか?」
「私ですか?」
おれがシャルちゃんと友達?
うーん・・・。
回答に困っているとシャルちゃんが残念そうな、っていうか開きそうな顔をして俺を見ていた。
そんな顔されると友達じゃないなんていえないじゃないか。
もちろん言うつもりもないけどさ。
「もちろんもうお友達ですよ。」
「よかった!」
「対等な仕事相手であり、友達であり、でもやっぱり子供みたいなところはあるかもしれません。」
「それは私がまだ小さいからですか?」
「そうですね。」
年齢が離れすぎている。
もちろん自分の子供って言う感覚じゃないけれど、どうしてもね。
仮に10年経っても、シャルちゃんとティオ君のことは子供と思ってしまうかもしれない。
「すぐに大きくなるんだもん、エミリア様みたいに・・・。」
「エミリアみたいに?」
「なんでもありません!」
エミリアみたいになりたいんだろうか。
確かに優しいし気立ては良いし何より胸が大きい。
あれ、もしかして大きくなりたいってそっち?
嫌でもそれを聞くと完全にセクハラになるし・・・。
よし、聞かなかった事にしよう。
そうしよう。
「おそーい!」
それから暫く不機嫌になってしまったシャルちゃんをなだめながら歩いていたら村の入り口で待ちくたびれたティオ君が大声で俺達を呼んでいた。
「二人が早すぎるんです。」
「子供ながらに中々な持久力だ。だが芯がぶれて力に無駄がある、これから走り込みをするときは真っ直ぐ前を見て軸をずらさずに走るように。」
「はい!」
「頑張ってねティオ君。」
「ありがとうございます!いってきます!」
そうか、友達と約束しているんだったな。
ティオ君はそのまま村の北部へと走っていってしまった。
「では我々も行くとするか。」
「今日は有難うございました。」
「シャルちゃんも無理しない程度に頑張って下さいね。」
「はい!」
入り口でシャルちゃんとも別れ二人で村長の家へと向かう。
するとそこには村長を含めて5人ほどの村人が不安そうな顔をして集まっていた。
「父上、どうかしたのか?」
「シルビア!それにイナバ様、ご足労かけて申し訳ありません。」
「とんでもありません。それで、何かあったんですか?」
「それがですね・・・。」
ニッカさんの口から聞かされた内容に思わず頭を抱えてしまう。
ダンジョンが正常に戻ってまだ二週間。
今回もまた、問題発生のようです。
冬が始まって今日で四週目。
減っていた冒険者の数は順調に回復し、これまでと変わらない日常が戻って来たなと実感する。
忙しい毎日だが充実感がある。
社畜時代には感じることの出来なかった働く喜び。
ただ使い潰されるだけでなく、働く事が自分に戻ってくる幸せ。
そしてなにより周りにいる仲間、そして家族の存在がありがたい。
疲れている時も、忙しい時も、嬉しい時も、楽しい時も一緒に居てくれる。
いてくれるんだけど、ちょっと問題が。
「シュウイチ何処に行くんだ?」
「あ、ちょっとトイレに。」
「シュウイチさんどちらに?」
「えっと、倉庫に荷物を取りに。」
「ご主人様どうされました?」
「ちょっとダンジョンの様子を見に行こうかと。」
「イナバ様?」
「あの、御飯を食べるだけなんですけど・・・。」
ってな感じで席を立とうものなら近くにいるみんなに何処にいるかを聞かれる状態だ。
まるで囚人のような状況だがそれも仕方ない。
全ては出かけるたびに何かに巻き込まれる俺に問題がある。
いや、俺に問題があるというか向こうからやってくると言うか。
変な薬を飲んで体が縮んだりしなければ大丈夫だろう。
「イナバ様おはようございます!」
「おはようございます!」
「シャルちゃんティオ君おはよう。」
定期便でやってきた冒険者をさばき終え一息ついていると、シャルちゃんがポーションの納品にやってきた。
二人とも寒さで頬が真っ赤になっている。
「今週の納品に来ました。」
「寒い中ありがとう、お金を準備するから中で待っててくれるかな。そうだ、たしかセレンさんが美味しいお菓子を作っていたような・・・。」
「「お菓子!」」
この間も同じようなやり取りをした気がする。
子供はお菓子が大好きだ。
俺も前の世界では結構食べていたなぁ。
こっちに来てからはスナック菓子のような物がないので、たまに食べる程度に減ってしまった。
二人が元気よく中に駆け込んでくるのを見ながらポーションのお金を準備する。
混ざり物なし、色良し、完璧なポーションだ。
これをあの年で作れるってすごいなぁ。
おや、これは?
「あ、魔力ポーションですね。」
「ですよね。」
「もしかしてシャルちゃんが?」
「中に入っていましたので恐らく。」
「魔力ポーションを作るのってかなり大変なんですよ。材料もそうですけど加減が難しくて劣化品が出来易いんです。それなのにこの純度、ギルドで育ててあげた方が良いような気がしてきました。」
エミリアの言うとおりだ。
旅の錬金術師に教えてもらったという話しだったが、それでここまでの品を作れるのは才能があってこそだろう。
最近はナーフさんから素材を仕入れながら色々と作っているようだし、ちゃんと勉強すればすごい錬金術師に慣れるんじゃないかなぁ。
「ギルドに入るには資格がいるんでしたっけ。」
「資格は要りません。ですが年齢的にまだ神託は降りていないでしょうし、それからでもいい気がします。でも魔力ポーションを作れるぐらいですから素質は十分だと思いますよ。」
確か錬金術師は魔術師ギルドの管轄だったな。
普通は下級魔術師から基礎を学んで成長していくが、シャルちゃんのようにそこを飛ばして職業的になる人もいるだろう。
そういった人も基礎を学ぶ事でより上の実力を手に入れることができる。
基礎が一番大切だ。
魔力が増えればもっと沢山錬金できるようになるだろうし、悪い話では無いと思う。
「今度それとなく聞いてみましょうか。」
「もしギルドに入るのでしたら私とメルクリア様の推薦があれば大丈夫です。」
うちは魔術師ギルドの関係者が多いからな。
なんだったら直接フェリス様に話しをする事だって出来る。
恵まれた環境といえるだろう。
「これでよしっと、では二人に渡してきます。」
「お願いします。」
ポーション10個と魔力ポーション1個。
しめて銀貨12枚だ。
子供が持つには大金だな。
でも彼女はもう子供じゃない、大人と対等に商売をする錬金術師だ。
カウンターをくぐり満面の笑みでお菓子を頬張る二人と所に向かう。
ウサミミがピョコピョコと動いているのがまた可愛らしい。
ウサミミの錬金術師、好きな人からすればかなりポイント高いんだろうな。
「お待たせしました。」
「イナバ様これ美味しいよ!」
「家でも食べてるんじゃないの?」
「家でも食べてるけどここで食べるともっと美味しいんだ!」
「それは何よりです。」
外で食べると美味しく感じる奴だろう。
わかるなぁ。
「もう、ティオ口についてる。」
「姉ちゃんだって。」
「え、嘘!」
慌てて口元をぬぐう様子はまだまだ子供だ。
これからドンドン大人になって素敵な女性になるんだろう。
うぅ、お父さんは悲しいよ。
「何がお父さんですか、ご主人様仕事してください。」
「いいじゃないですか夢を見たって。」
「そんな事言うのであればさっさと奥様と作ればよいのです。」
「コラ!ここには二人が!」
「なにがいけないのですか?いずれは知らなければならない事です、それが早いか遅いかだけの問題ではありませんか。」
「いや、まぁそうなんですけど・・・。」
意味が分からずキョトンとするティオ君と、意味を理解して真っ赤になるシャルちゃん。
ウサミミが前に倒れているのがまた可愛い。
亜人って感情表現豊かだなぁ。
「わ、私だってもう赤ちゃん作れます。」
「え?」
「なんでもないです!」
かなり小さな声だったので聞こえなかったんだけど何故怒られたんだろうか。
「まぁそれはおいといて、これが今日の買取金額です確認してください。」
「ありがとうございます。」
お馴染みの目の前の箱を横に置くジェスチャーを交えて話しを切り替える。
この話題は続けてはいけない気がする。
そう俺のゴーストが囁いたんだ。
代金の入った革の小袋をシャルちゃんに手渡し中身を確認してもらった。
「あ、あのイナバ様・・・。」
「どうしました?少なかったですか?」
「逆です!」
あれ?そうだったっけ?
ポーションの買取金額が銀貨1枚で魔力ポーションが銀貨2枚。
あってるはずだけど。
「いつもは銀貨2.5枚なのにどうしてこんなにあるんですか!?」
「あぁ、今まではうちの薬草を使ってもらっていたからです。でもこの冬からナーフさんのところで仕入れた自前のポーションを納入してもらっていますからね、この値段であってますよ。ポーションが銀貨1枚、魔力ポーションが銀貨2枚です。そうだ、魔力ポーションも作れるようになったんですね、おめでとうございます。」
「たまたま出来ただけで・・・でもありがとうございます。」
たまたまでこの品質。
他の錬金術師には聞かせられないな。
「姉ちゃんすごいよ!銀貨がいっぱいだ!」
「すごいねぇ。」
「仕入れは前金ですか?それとも後日?」
「先に払うようにしています。後だと忘れちゃいそうだから・・・。」
「それが良いですね。お金関係で聞きたいことがあったらエミリアかニケさんに相談してみてください、力を貸してくれます。」
「はい!ありがとうございます!」
シャルちゃんは本当にしっかりしている。
しっかりしているが、やっぱりまだ子供だ。
悪い大人が近づいてこないよう俺達が見張る必要があるし、もちろん自衛する必要だってある。
お金は人を狂わす。
これから自分で商売をしていくのならその辺りの感覚も養っていく必要があるだろう。
「僕また頑張って薬草探してくるね!」
「お願いね、ティオ。」
「うん!」
そうか、仕入れだけじゃなくティオ君が自分で探してきた分は丸まる利益になるのか。
ちゃんと姉弟で稼いだお金なんだな。
「あ、そうだ。村長様にイナバ様を呼んでくるように言われてたんだった。」
「ニッカさんが?」
「何かあったって言ってたんですけど、ごめんなさい私じゃわからなくて。」
「大丈夫ですよ。」
何だろうか。
この間村に行った時は何も言っていなかったけど・・・。
まぁ行けばわかるか。
「村に行かれるんですか?」
「えぇ、ニッカさんに呼ばれているようですから。」
「では誰と行きましょうか。」
そうだった。
俺一人で行かないって約束だもんな。
「ニケ殿とエミリアには店を回してもらわねばならん、ユーリにはセレン殿の手伝いをしてもらう必要がある事を考えるとここは私が適任だろう。」
「お店でしたらシア奥様でもまわせますが。」
「ユーリは昨日ダンジョンに行ったではないか。」
「あ、あの、お店はニケさんにお任せして私が行っても良いんですよ?」
二人の戦いかと思ったらさりげなくエミリアまで参戦してるし。
一人で行けない以上誰かがついてくるって話しにはなってるんだけど、毎回これがあるんだよな。
困ったものだ。
「あ、それとシルビア様にも来て欲しいって・・・。」
「今回は私が適任のようだ。任せておけ何があっても私がいれば大丈夫だ。」
「むむ、指名があるのであれば仕方ありません。」
「つ、次は私が行きますからね!」
エミリアはお店があるから無理じゃないかなぁと一度言ったらものすごい悲しい顔をしたので、それ以降はつっこんじゃいけないことになっている。
ちなみにニケさんはというと、前回一緒に街へ出たのでという理由で参戦しないようだ。
あの日以降ニコニコする日が増えたように思うんだけど、何かあったんだろうか。
「では行くとするか。」
「僕も行く!友達と森に行く約束してるんだった!」
「もぅ、だから大丈夫かって聞いたのに。」
「大丈夫だって、走ったらすぐだもん。」
「剣術の基礎は足腰の鍛錬からだ、良い心がけだぞティオ。」
「ありがとうございます!」
シルビアの言葉に元気よく返事をするティオ君。
最初こそ子供の真似事だと思っていた剣術も、筋が良いとの事で本格的な練習に切り替わった。
将来は村を守るような立派な冒険者になるそうだ。
やるとなったら手を抜かないのがシルビア様、いまや二人には完全な師弟関係が築かれている。
もしかしたらこの村からすごい冒険者が生まれるかもしれない。
冒険者じゃないかもしれないがそれはまぁ彼次第だ。
全速力で村まで走る二人をよそに俺とシャルちゃんはのんびり歩く事にした。
一緒に走ろうと誘われたがさすがにしんどい。
負けるとわかっている戦いに加わるほど馬鹿じゃないのだ。
「元気だねぇ。」
「元気すぎて困っちゃいます。」
「でもお姉ちゃんの手伝いをして偉いと思いますよ。」
「みんなが褒めてばかりだからすぐ調子に乗るんです。この間も一人で寝れるって言ったのに結局私のベッドに入ってくるし。まだまだ子供なんです。」
子供が子供に子供と言う。
いや、シャルちゃんはもう立派な大人だな。
ちゃんと自分で稼いで弟を養っているんだから。
俺がこのぐらいのとき何してただろう・・・。
あ、ゲームか。
大人になっても何も成長してないなぁ
「シルビアが鍛えていますし来年にはセレンさんの子供も産まれるからもう少し大人になるんじゃないかな?」
「なるかなぁ。」
「大丈夫ですよ。」
「だって来年には家を出て二人で暮らすんですよ?家のこととか、お手伝いとか、今だってお友達と遊んでばかりだし。」
怒った顔で愚痴を言うシャルちゃんだったが、その瞳にはどこか寂しさがあるように見えた。
そうだよな、普通はこの年頃ってお友達と遊んでるはずなんだよな。
「シャルちゃんも遊びたい?」
「・・・私は良いです。だからその分ティオに遊んで貰います。」
「いいの?」
「だってお仕事頑張らないとですし、それにお友達だったらたくさんいますから。」
「たくさん?」
「シルビア様が言ってました、『大人になったら年齢に関係なく友達になれる』って。」
友達か。
子供みたいに友達になりましょうっていう事はないが、関係が深くなると気付けば友達のようになっていたって言うのはあるな。
男性はともかく女性は知り合えば友達みたいな感覚があるし、その事を言っているんだろう。
「エミリアもシルビアもニケさんもユーリもセレンさんも、ですね。」
「セレンさんはやっぱりお母さんかもしれません。」
「お友達でお母さん、そんな関係良いじゃないですか。」
「イナバ様ともお友達になれますか?」
「私ですか?」
おれがシャルちゃんと友達?
うーん・・・。
回答に困っているとシャルちゃんが残念そうな、っていうか開きそうな顔をして俺を見ていた。
そんな顔されると友達じゃないなんていえないじゃないか。
もちろん言うつもりもないけどさ。
「もちろんもうお友達ですよ。」
「よかった!」
「対等な仕事相手であり、友達であり、でもやっぱり子供みたいなところはあるかもしれません。」
「それは私がまだ小さいからですか?」
「そうですね。」
年齢が離れすぎている。
もちろん自分の子供って言う感覚じゃないけれど、どうしてもね。
仮に10年経っても、シャルちゃんとティオ君のことは子供と思ってしまうかもしれない。
「すぐに大きくなるんだもん、エミリア様みたいに・・・。」
「エミリアみたいに?」
「なんでもありません!」
エミリアみたいになりたいんだろうか。
確かに優しいし気立ては良いし何より胸が大きい。
あれ、もしかして大きくなりたいってそっち?
嫌でもそれを聞くと完全にセクハラになるし・・・。
よし、聞かなかった事にしよう。
そうしよう。
「おそーい!」
それから暫く不機嫌になってしまったシャルちゃんをなだめながら歩いていたら村の入り口で待ちくたびれたティオ君が大声で俺達を呼んでいた。
「二人が早すぎるんです。」
「子供ながらに中々な持久力だ。だが芯がぶれて力に無駄がある、これから走り込みをするときは真っ直ぐ前を見て軸をずらさずに走るように。」
「はい!」
「頑張ってねティオ君。」
「ありがとうございます!いってきます!」
そうか、友達と約束しているんだったな。
ティオ君はそのまま村の北部へと走っていってしまった。
「では我々も行くとするか。」
「今日は有難うございました。」
「シャルちゃんも無理しない程度に頑張って下さいね。」
「はい!」
入り口でシャルちゃんとも別れ二人で村長の家へと向かう。
するとそこには村長を含めて5人ほどの村人が不安そうな顔をして集まっていた。
「父上、どうかしたのか?」
「シルビア!それにイナバ様、ご足労かけて申し訳ありません。」
「とんでもありません。それで、何かあったんですか?」
「それがですね・・・。」
ニッカさんの口から聞かされた内容に思わず頭を抱えてしまう。
ダンジョンが正常に戻ってまだ二週間。
今回もまた、問題発生のようです。
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作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
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