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第十章

クレーマーには屈しない

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 会議室に集まったものの、中身はここにくるまでにあらかた聞き終わってしまったのでこれといって話すことは無い。

 いや、しなきゃならない事は沢山あるんだけど事前に情報を集めている分緊張感が少ないのか。

「アヴィーさん荷物の方は何時頃到着できそうですか?」

「壊れた馬車の整備に時間がかかってますが何とか明日の朝一番には間に合いそうっス。」

「よくまぁ見つかったもんだな。」

「これも騎士団の皆さんが頑張ってくれたおかげっス。」

 紛失した荷物は通過予定の街道から少し外れた森の中で発見された。

 途中魔物に襲われ、振り切ろうとして誤って森の中に入ってしまったそうだ。

 現地を捜索していたギルド員が魔物の足跡を発見し騎士団に通報、即座に部隊を編成し派遣し現地で魔物に囲まれた馬車を発見、魔物を討伐というのが顛末となる。

 まさか本当に魔物に襲われているとは思わなかったけど、結果助からないはずの命は助かり荷物は戻ってきたんだから結果オーライだ。

「現場では以前にも荷物が失踪した事があったようなので、もしかしたら今回の魔物が原因だったのかもしれません。」

「そうだとしたら被害が減りますね。」

「もしイナバ様が騎士団を派遣してくださらなければ分からなかったでしょう。救助された乗員は私の古くからの友人で、彼にくれぐれも宜しくと伝言を頼まれています。」

「私が助けたわけではありません、御礼は騎士団の皆さんにお願いします。」

 とりあえず荷は無事に到着するようだ。

 これで問題は一つ解決だな。

「荷物が増えますが倉庫はまだ大丈夫ですか?」

「おかげ様で石材を運び出した分まだまだ余裕があります。カムリ様にも快く快諾していただき今後の使用も許可してくださいました。本当にありがとうございました。」

「それはよかった。それにしても今後の継続利用も許可するなんて騎士団もやりますね。」

「人の出入りがあると隊員の皆さんの気が引き締まるそうでむしろ喜んでおられました。」

「なるほど。」

 敵に襲われるわけでもないのでついつい気が緩んでしまうんだろう。

 その点一般人が出入りすれば他人の目がある分、緩みっぱなしというワケにも行かない。

 ギルドの為といいながらカムリもいい所に目をつけたな。

「それとは別に騎士団から輸送警護訓練の手伝いもお願いされました。」

「うげ、あれ苦手なんですよね。」

「大変な訓練なんですか?」

「所定の場所に荷物を運ぶだけの訓練なんですけど、僕の時は荷物を運搬中に盗賊に扮した先輩が襲ってきてボコボコにされました。荷物は奪われるし追加で訓練は入れられるしで散々でしたよ。」

「それは強そうな盗賊ですね。」

「編隊を組んで襲ってくる盗賊とか聞いた事ないですよ。」

 モア君は聞いた事がないかもしれない。

 でもつい半年ほど前にそういう事をした盗賊が居たんですよ。

 ウェリスっていう奴隷なんですけどね。

「そちらのほうも無事解決してよかった。後は核が無事に揃えば良いんですけど、これは夕方になってみないと分からないんですよね。」

「何とかなりそうなのか?」

「干物になりかけましたが手筈は整えました。あとは上手く行く事を祈るばかりです。」

 今頃冒険者がダンジョンで大暴れをしている頃だろう。

 もしくはエミリアとシルビアが乱獲しているかもしれない。

 今日の夕刻、エミリア達がこっちに来るまで答えはわからない。

 でも大丈夫だ。

 エミリア達が何とかしてくれるだろう。

「残るは私の問題ですね。」

「責任者を出せとか言ってごねてる奴か。」

「そっちはお昼過ぎぐらいに行く予定です。」

「今からじゃなくて良いのか?」

「大きな問題は解決してもこまごまとした仕事はまだ残っていますから。会場設営の時間とか、仮のお金の配布方法とか、決まりきってない事を上げたらキリがないですよ。」

「そうだ、当日の会場警護についてどうなっているかって問い合わせがあったんでした。」

 モア君そういうことは先に言おうよ。

「ルシルク様から追加で提供する荷があるって言われてたっス!あと個別にイナバ様に渡すものもあるそうですがどうしたらいいッスか?」

「倉庫の方は解決しましたが、実は貴族の方々から一度イナバ様にお目通りしたいといわれていまして、どうすればよろしいでしょう。」

「お目通りねぇ、随分と偉くなったもんだな。」

「お会いしていったいどうするつもりなんでしょうか。」

 俺に会ったところで何の権力もないぞ。

 ゴマすったって無駄になるだけだ。

「それは分かりません。」

「あれじゃないですか、お金渡して取り入ろうとか。」

「そういうのは遠慮して欲しいんですけどねぇ。」

「お前の功績を知ってるなら俺も同じ事を考えるさ。もっとも、それが逆効果になるのも知ってるから何もしないけどな。」

「イアンが私に何かしてくれるんですか?」

「俺がお前に?むしろ俺に何かして欲しいぐらいだ。」

 確かにイアンには無理ばかり言ってるけど、それはほらププト様の下で働いている宿命というか何と言うか。

 つまり俺は何もしないって事だ。

「企画当日の一通りの流れもおさらいするべきですし、当日新たに発覚した問題をどう処理するかの決まりごとも必要です。個人的にはここに居る全員が責任者になって決裁してもらってかまわないんですけど。」

「それだと何か問題が起きた時ややこしくないですか?」

「もしそれで何か不備が起きて問題になった時は私が行きます。」

「最後はイナバ様が責任を負うのですか?」

「企画者として当然のことです。」

 責任の押し付け合いをする位なら俺が責任をとるほうが簡単だ。

 それで何か大問題が起きたのなら俺に力がなかったというだけの話し。

 そんなこと、早々起きないとは思うけど噂システムもあるのでこれ以上は明言しないでおこう。

 後が怖い。

「あの方と同じだな。」

「ププト様ですか?」

「あぁ、あの方も責任は自分がとるからやってみろとよく言っている。下につく人間としてこれほど心強いものは無い。」

 俺もププト様のようなしっかりとした上司の元で仕事をしたかった。

 何か問題が起きた時は部下の責任。

 何か良い事があったら自分の功績だもんな。

 今考えると最低な上司だったと思うよ。

「別に私はそこまで偉い人になったつもりはありませんよ。」

「俺だってあの方が増えるのはごめんだ。」

 イアンと同じ事を考えていたようで目を合わせると笑ってしまった。

 凄いけどめんどくさい認定のププト様。

 俺もそうならないように気を付けないと。

「とりあえずこの時間はこまごまとした所を決めていきましょうか。」

 お昼までは時間がある。

 それまでに決められるものは決めておくとしよう。

 その後昼の鐘が鳴る時間まで議題が尽きる事はなかった。


 そして昼食後。

 いよいよ問題のクレーマーと対戦である。

「リガードさんはともかく何故全員で?」

「そりゃあイナバ様の勇姿を見届ける為ですよ。」

「イナバ様がどんな風に解決するのか興味あるッス!」

「後学の為に是非拝見させてください。」

「俺はまぁ、保護者みたいなもんだ。」

 保護者て、子供じゃないんだから。

 まぁ先方が良いなら構わないけどこれって圧力って言われない?

 偉い人が寄ってたかってクレーマーを苛めるみたいな。

 まぁ、クレーマーに人権は無いし笑顔で叩き潰させてもらおう。

 誤解がないように言っておくがあくまでもクレーマーというのは無理難題をふっかけてくるような輩のことであって、理屈が通った文句などを言う方はクレーマーとは言いませんのであしからず。

 中央通りを南に下り、それから路地へと入っていく。

 一本中に入るだけで随分と雰囲気が変わるなぁ。

 別に汚いとかじゃないんだけど、賑やかな感じが一気に静かになる。

 住宅街なのに人の気配が無い。

「この辺りの人は皆働きに出ているのでこの時間は静かなんですよ。」

「あ、そうなんですね。」

 どうやらまた心の声が漏れていたようだ。

「それにしても子供の声も聞こえないのはどうしてだ?」

「親が働きに出ている時は教会が子供を預かっています。」

「保育所ですね。」

「ホイクショ?」

「親が安心して働けるように預かる施設の事です。なるほど、教会は貧しい子供達だけでなく一般の子供も受け入れていたんですか。」

「昔は留守番をしている子供が多かったのですが、とある事件の後教会が預かるようになりました。」

 おや?

 俺の知っている話と違うな。

 確か教会に居た子供が居なくなったって話だったけど、リガードさんの話ではいなくなってから預けられた事になる。

 どこかで話が食い違っているのか?

「それは何時頃の話しなんですか?」

「今から6年ほど前でしょうか。」

「その後は?」

「居なくなったという話は聞きませんね。結局子供は見つからず、一人で街の外に出て行ったか攫われたという形で終わったと記憶しています。」

 教会がきな臭いのか、それとも教会をきな臭くしたいのか。

 今日聞いた事も含めて今度シルビアに詳しく聞いてみよう。

 ジルさんも何か知っているかもしれない。

「そんな事があったなんてしらなかったッス。」

「昔はあまり治安が良くなかったですからね。あ、ここです。」

 路地を更に奥に進んだ古ぼけた家の集まる一角でリガードさんは立ち止まった。

 心なしか空気が淀んでいる。

 というか少し臭い。

「ここですか。」

「そうです。」

 古ぼけただけなら別に何とも思わない、よくある光景だ。

 だがそこだけは違った。

 家の前にうずたかく積まれたゴミ。

 いや、もしかしたらゴミじゃないのかもしれないけれどそうとしか見えない汚さだ。

「ゴミ屋敷ですね。」

「御本人の前でそれを言うと後が面倒なのでお気をつけ下さい。」

「わかりました。」

 典型的な迷惑住人ですか。

 商売のクレーマーなら何度も対応してきたけどこういったタイプの人は未経験だなぁ。

 まぁ、何とかなるか。

「トラッシュさんリガードです。イナバ様をお連れしました。」

 リガードさんがドアをノックして呼びかけるも返事は無い。

 トラッシュって、名は体をあらわすのか。

「不在でしょうか。」

「いえ、居ますね。」

「わかるんですか?」

「家の奥に明かりが見えます。」

「俺には見えないぞ。」

「こちらの方は節約家でして、小さな明かりしか使わないんです。」

 つまりケチなのね。

「リガードさん、責任者の方をお連れしました。」

「やっと来おったか!」

「ホントに居たッス。」

 家の奥からしゃがれた声が聞こえてきた。

 さぁ、お待ちかねの御対面だ。

 ドタドタという足音がドンドンと近づいてくる。

 と思ったら、中から何かが崩れる音と共にガシャン!と陶器が割れるような音も聞こえてきた。

 外がこれなら中も相当酷い状況だろう。

 恐らく何かにぶつかって積んでいたものが崩れたんだろうな。

 足音はドアの前で止まり、勢いよくドアが開けられる。

「一体何時まで待たせるつもりだ!こっちだって暇じゃないんだぞ!」

 家の中から出てきたのはボロボロの服を纏った年配の男性だった。

 こころなしかすっぱい臭いもする。

 あれだ、風呂に入らなかったらするやつだ。

 臭いを感じて後ろに控えていた三人が少し後ずさったのが分かった。

「企画を明後日に控えこちらも時間がないんです、手早く済ませましょう。」

「それで責任者はどれだ!」

 ジロリと順番に俺たちを睨んでいく。

「お前か!」

 そして指差したのは俺の右肩の方。

 確かそこにはイアンが居たはずだ。

 まぁそうなりますよね。

「責任者をしておりますイナバシュウイチです、リガードさんから色々と聞かせていただきました。」

「何だお前か、随分と頼り無さそうな責任者だな。」

 余計なお世話だ。

「見た目で仕事は出来ませんから。」

「まぁいい中に入れ、一から説明してやる。」

「いえここで結構です。先程も言いましたように私達も時間がありません、手早く済ませましょう。」

 相手のテリトリーに入る事はよろしくない。

 今回は自分から出てきてくれたのでそれを上手く利用させてもらうとしよう。

 っていうか、中に入りたくないのが本音だ。

「外では周りの迷惑になるだろうが。」

「周りの方は働きに出ておられ特に問題ないと認識しております。リガードさん、そうですよね。」

「仰るとおりです。」

「フン!」

 自分の巣の中に誘い込めず悔しそうな爺さん。

 やらせはしない!

「お話を伺っておりますが、こちらとしましては公平な抽選の元皆さんに場所を振り分けておりますので御希望の場所変更はお受けできかねます。どうぞ御了承下さい。」

「だから何度も言っとるだろうが!あんな場所では売れる物も売れん、場所の変更が出来ないのであれば抽選をやり直せといっとるんだ!」

「抽選をやり直して同じ場所になった場合はどうされます?」

「そんなものやり直すに決まっておるだろうが!」

 ふむ、典型的な自己都合タイプのクレーマーですね。

 これは対処のし易いタイプだ。

「なぜそんなに拘るのですか?」

「そんなも決まっておるだろう。」

「私共としては今回の企画は売上を目的としておりませんので、分かりかねます。」

「金がほしくないやつなど居るものか。どうせ皆金を稼ぐことしか考えておらんのだ。」

「つまり他の人よりもお金が稼げないから場所を変えろといっているんですね。」

「そうだと言っておる!」

 ふむふむなるほど。

 他人よりも売上が低いから。

 そりゃあ、お金が欲しくない人なんて居ないよ。

 俺だって欲しいさ。

 でもなぁ、そもそもの始まりが違うんだよね。

「つまり場所さえ変われば御納得されるんですね?」

「その通りだ。責任者だけあって話が早いじゃないか。」

「恐れ入ります。」

「それで、何処に変えてくれるんだ?」

「はい?」

「だから私の場所を何処に帰るんだと聞いているんだ。先程自分で変えると言ったではないか。」

「失礼ながら私はそのような事一言も申し上げておりません。」

 うん、言ってない。

 納得するのか聞いただけだ。

「何を!貴様騙したのか?」

「騙したも何も私は確認をしたまでの話です。玩具を欲しがりダダを捏ねる子供にどうするのか泣き止むのかを聞いたのと同じですね。」

「こ、子供だと。」

 爺さまの顔がドンドンと赤くなっていく。

 こらこら、あまり怒ると血圧が上がっちゃいますよ。

「そちらがどういう理屈を並べられましてもこちらとしては場所を変更いたしません。それが責任者としての結論です。」

「不公平なままで良いというのか!どうせお前も稼いだ金を懐に入れるだけの腐った商人だろうが!」

「瓦版でお知らせした通り今回寄付していただいたお金は貧しい方の為に使うと決まっております。私の懐に入るお金は銅貨1枚もありませんよ。」

「口ではそう言っておきながらどうせ裏では小銭をかき集めてほくそ笑んでおるのだろう、この守銭奴め!」

 好き放題いってくれるなぁ。

 あんまり口の悪いこと言うと後ろで控えているモア君が何をするか分からないぞ。

 後ろに居るから表情こそ分からないけど今頃凄い顔してるんじゃないかな。

 さすがに俺も言われっぱなしは癪だし、これ以上は時間の無駄だろうからさっさと終わらせるか。

「はぁ、わかりました。」

「ここまで言わんと分からんのかこの若造は!」

「少しは今回の企画に賛同してくださっているのかと期待をしていたのですが、そうでは無いということが今分かりました。これ以上の話し合いは時間の無駄ですので今回の企画には参加していただかなくても結構です。さぁ、皆帰りましょうか。」

「場所を変えないどころか参加するなだと!」

「申し上げましたとおりです。そもそも今回の企画は貧しい方への寄付を募集するものであって、個人の売上を競い合うようなものではございません。その趣旨を理解せず自分の都合ばかり並べ、ましてや賛同してくださった皆さんを侮辱するような方に参加していただく必要はありません。これ以上失礼な言動を続けるのであれば、しかるべき手段をとらせていただきます。」

 こういった人間はそもそも参加しなければいい。

 それが俺の結論だ。

 場所を変えろとかなら可愛いものだが、結局は自分の金ほしさに参加したいだけなのだろう。

 それはこの企画に賛同したというワケではない。

「貴様では話しにならん!責任者を出せ!」

「ですから私が責任者です。」

「嘘をつけ!お前のような若造が責任者なはずがない!」

「はずがないと言われましても事実ですから。これ以上文句があるのであればどうぞしかるべき手段で申し上げてください、失礼します。」

 まだ文句を言っている爺さんを無視して後ろを振り返る。

 後ろでは満足そうな顔をした4人が俺を見てた。

「では行きましょうか。」

「「「「はい。」」」」

 言うべき事は言った。

 今回の件で何か問題が起きるのであればその責任は俺にある。

 だが何か起きるような事など絶対にさせない。

 文句を背中に浴びながら俺達は表通りに向って歩き出す。

「あれだけ言っても当日は参加してくると思いますので、出店予定地に騎士団の待機所を作って参加を阻止、騒いで妨害してくるようであればしかるべき手段で対応願います。」

「任せてください。」

 モア君が力強く返事をする。

「あれだけ文句を言われても引かないなんてかっこいいッス!」

「引く理由がありませんでしたし、文句はまぁトポテがしゃべっていると思えば気になりません。」

「それはいい、トポテがしゃべってるか!」

 何故かイアンのツボに嵌ってしまったようで後ろで大声を上げて笑い出してしまった。

「場所を変えないどころか参加させないとは。なるほど、最初から不安の芽を摘んでおくのですね。」

「あの手の人は現場でも周りに迷惑を掛けますからね、事前に悪い物は切っておくのが得策だと考えました。」

「逆恨みされませんか?」

「されても構いません。暴力に出てくるのであればそれなりの手段で対応するだけです。」

「あの方は自治組織の間でも問題を起こす方でして。次回以降参考にさせていただきます。」

「自分が間違っていると思っていないので対応は慎重に。こちらに非がないのであれば堂々としてください。」

 クレーマー対応で一番大切なのは、こちらに非がないのであれば決して謝らないという事だ。

 謝罪を強制されても断り、度が過ぎるようであれば警察に連絡。

 威力業務妨害も視野に対応しましょう。

 お客様は神様ではありません。

 ただの人です。

 たとえこの国で一番偉い人でもお金を払って買い物をしているんです。

 それなのにタダで物を渡すなんて事はありえません。

 もっとも、こちらに非があるのであれば誠心誠意対応するのが基本ですのでお忘れなく。

 と、昔読んだクレーム対応の本に書いてあった。

「さぁ、戻って会議の続きです。守銭奴といわれない為にも金銭の出入りをしっかりと管理しなければいけません。もう一度確認しておきましょう。」

 ありもしない事で文句を言われるのは癪だ。

 文句を言う隙間もないぐらいに企画を練り上げてやる。

 そんな熱意を胸に俺達は会議室へと戻った。
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