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第十章
休日出勤は延長戦へ突入したようです
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ププト様に連れられて向かったのはすぐ横の別室だった。
別室といってもさっきの会議室と同じだけの広さがあるのだが、その部屋には先客がいた。
「待たせたな。」
「いえ、急に参りましたのはこちらですから。」
「ププト様こちらの方は?」
「あぁ、会うのは初めてか。」
部屋にいたのはリガードさんと同じぐらいの年齢だろうか、垂れた目尻に少し皺のある女性だった。
皺があるといっても決して老けているわけではなくむしろ目力は若者よりもしっかりしている。
まるで心の奥を見透かされてしまいそうな目だ。
レミナさんと真逆で床に着きそうなほどに長い深緑色のロングスカートを着ている。
その女性はププト様と目配せしあうと立ち上がり、スカートの端を持って優雅に一礼をした。
「お初にお目にかかります私はラナス、イナバ様の噂は我々にも届いております。」
「シュリアン商店のイナバ=シュウイチです。届いているのが良い噂だと嬉しいのですが・・・。」
「もちろんですとも。」
そういいながらラナスさんがニコリと微笑む。
大人の余裕を感じつつも少し妖艶な感じもする。
THE大人の女性って中年サラリーマンが言うセリフじゃないな。
「彼女は教会の人間でな、この街のいっさいを取り仕切っている。」
「司祭様でしたか。」
「そんな偉そうなものではございません、ただの修道女でございます。」
「ただの修道女が私を呼びだすのか?」
「呼び出すだなんて人聞きの悪い、お願いがあって参っただけです。」
どうやら教会の偉い人のようだ。
しかし教会がいったい何の用だろうか。
「私をこの方と引き合わせたという事は何か理由があるのですよね?」
「別に私にはない、古いなじみにお願いをされただけの話だ。詳しい話はこいつから聞いてくれ。」
そう言うとププト様はヅカヅカと奥まで進み先ほどまでラナスさんが使っていた椅子に座ってしまった。
相変らず自由だなぁこの人は。
「立ち話もなんですしどうぞおかけください、って私が言うのも変ですが。」
「お気遣いありがとうございます。」
こちらとしては早く話を終わらせて戻りたい。
すぐ近くに応接セットがあったのでそこに向かい合うようにして座る。
「それで教会の方が私に何の御用でしょうか。」
「今回イナバ様が貧困者への支援を行うとの話しを伺いました。貧しい方々への支援は私達も行っておりますがまだまだ力が足らず多くの人を救うには至っておりません。イナバ様のようにお力のある方が手を差し伸べてくださることは同じ志を持つ者として非常にありがたい事です、本当にありがとうございます。」
座った状態でラナスさんが深々と頭を下げる。
「頭を上げてください、別に私は教会の方にお礼を言ってほしくてこの企画を考えたのではありません。ただ困っている人を救いたいという私の勝手な願いを皆さんに手伝ってもらっているだけなんです。そしてありがたい事にそう思ってくださっている方がたくさんいます、一人一人は小さい力ですが集まれば大きな力になります。その力がこの先何かを変えるきっかけになればと願っています。」
「これまで何度かそう言ったお話をいただくことがありましたが、イナバ様のように実際に行動される方はおりませんでした。今回の力は同じような考えを持つ人達の背中を後押しする力になる事でしょう。この街だけではありません、この国全体の希望の光になるはずです。」
「そんな大げさな事はしていません、ただ目の前にいる人に何かできないかと思っているだけですから。」
「そうやって先日も手を差し伸べてくださったのですね。」
先日?
俺が何かをしたといえばあの親子を助けた事ぐらいだけど・・・。
どうして教会がそれを知っているんだろうか。
「どうしてそれを?」
「子供たちが嬉しそうに話してくれました。」
「そういえば子供達への支援を行っているとか。」
「身寄りのない子供や彼らのような貧しい子供に何か出来ないかと、私達の手伝いをしてもらっています。」
「それとは別に寄付の一部を貧しい人たちに配っているそうですね。」
「教会への寄付は我らが神への信仰の表れです。神が人々に手を差し伸べられるように教会もまた人々に手を差し伸べます。その一環として頂戴した寄付をお配りしているのです。」
「それも休息日に行っているとか・・・。」
あ、なんとなく話が読めてきた。
今回の企画と自分たちの寄付を一緒にやらないかと言いたいんじゃないかな。
っていうか一枚噛ませろていう感じ?
教会としての立場をこの企画を使って高めようとしているのかもしれない。
そうじゃないと教会が俺みたいな商人にわざわざ接触してくることなんてありえない。
しかもププト様を介してだ。
ただの修道女だって言ってるけど実際は結構偉い人なんじゃないかなぁ。
教会の一切を取り仕切ってるって言ってたし。
「よくご存じですね。」
「家族から聞きました。」
「イナバ様の事ですからここにお呼びした理由ももうお分かりなのでは無いですか?」
「一緒に手を取り合わないかというお誘いでしょうか。」
正解だと言わんばかりにラナスさんが今日一番の微笑みを浮かべる。
ですよねー。
そうなりますよねー。
でもなぁ、この企画は第三勢力に邪魔してほしくないんだよな。
俺は俺の好きなようにこの企画を進めたい。
ププト様は口を出すことはないけれど、教会は間違いなくあれこれ言って来るだろう。
それはちょっと困る。
「その微笑みを肯定と取らせていただきますが、残念ながら教会と一緒に企画を進行する気はございませんご了承下さい。」
「それはどうしてですか?」
俺の返答を聞いても微笑みを絶やさないでいる。
だがその口から出てくる言葉には少し圧が増えた。
「この企画はあくまでも貧しい人たちがこの街にいてみんなでそれを支援しましょうというものです。そこに教会が加わってしまえば普段と何も変わらなくなってしまう。今回の企画はあくまでも一度限りのお祭りみたいなものなのです。」
「お祭りですか。」
「収穫祭を毎日行えばありがたみはなくなっていくでしょう。年に一度、日々の苦労や感謝を表す場だからこそ皆その日を楽しみに迎えるんです。その特別感を無くすことはできません。」
「だから私達と一緒に行うことはできないと。」
「申し訳ありません。」
「なるほど、確かにその通りです。」
ありゃ、あっさり引いてしまったぞ。
何でだ?
正直もっと粘ってくるかと持ってたんだけど・・・。
ふむ、なにかあるな。
「当日教会はどのような事を?」
「いつもと変わりません。子供たちと共に支援を必要とする人達へ配布を行います。」
「その中に日用品は含まれていますか?」
「そういった物を寄付していただいた時は含まれていますが、今回はあまり戴いていませんね。
「わかりました、折角配るのですからあまり被らないほうが良いでしょう。私達もその辺りを工夫して支援してみようともいます。」
「そのように気を使っていただき、彼らも喜ぶことでしょう。」
うーん、分からないなぁ。
一体何を狙っているんだろうか。
ここは後手に回るよりも先手を打ったほうが良いかもしれないな。
ちょうど思いついたネタもあるし少し揺さぶってみよう。
「一つ聞きたいのですがよろしいですか?」
「私で分かる事でした。」
「教会では子供への支援は行なっているとのことですが、それ以外の例えば先日の母親や未亡人などへの支援は行なっていないのでしょうか。」
「教会で行なっているのは子供達への支援のみです。」
「それは何故ですか?」
「彼らはまだ自分一人で生きていく事ができませんから。」
「つまり一人で生きていける大人に手を出す事はしないと?」
「もちろん苦しみ神に助けを求めているのであれば差し伸べる準備はありますが、それにも限界があります。神の慈悲は無限にはないのです。」
ようは支援できるだけのお金が無いという事だろう。
教会で出来る支援には限界がある。
だからそれ以外の部分はそっちでやってくれという感じだろう。
「ププト様、男性には日雇いの仕事などがありますが女性への支援は何か行なっておられますか?」
「何だって?」
「ですから貧困女性への仕事の支援は行なっていますか?」
「どうだったかな。」
今寝てた?
寝てたよね。
「つまり現在サンサトローズにて貧困にあえいでいる人の中で支援を受けられる人には限りがあり、特に女性への支援は全くといって良いほど存在していないというわけですか。」
「全くではない、食糧支援などは行なっている。」
「ですが継続的な支援は行なっていませんよね?今ではなく未来を見越した支援です。」
「そうなるな。」
「イナバ様にはそれを解決する策がおありなのですか?」
「根本的に解決できる策は持ち合わせていません。それに、そういった恒常的な支援は私ではなく教会やププト様などが考える事では無いでしょうか。」
「ふむ、少しばかり居眠りをしていただけなのに随分と手厳しい。」
居眠りしてたって認めたよこの人!
「私達も何かして差し上げたいのです。ですが、それに回す余力がございません。」
「ですのでその余力を作り出せるであろう今回の企画に気付き、こうして私と会えるようププト様に取り計らってもらったんですよね。貧困者への支援に寄付金が集まるのであればうってつけであると。」
「そんなこと思ってもおりませんでした。」
「本当に?」
「神に誓って。」
ラナスさんが両手を組み目を閉じ頭を垂れる。
神に誓ってか、便利な言葉だな。
元の世界なら神様なんていないんだろ!なんて言っていたかもしれないがこの世界は別だ。
本当に神様がいるんだから困ったものである。
もっとも、教会がどの神様を信仰しているかまではわからないけど。
もしかしたら邪神かもしれないじゃない?
居るかどうか知らないけど。
「いきなり俺を呼び出してイナバに会いたいなど言い出すから何かあるとは思っていたが、俺にもその真意は分からん。」
「私はただお礼を申し上げたく参上しただけです。」
「ですが先程は一緒に手を取り合う為に誘いに来たと・・・。」
「私はそのような事一言も申しておりません。」
確かにそうは言っていない。
聖母のような微笑みを浮かべていただけだ。
それを俺が勝手に肯定と捕らえただけ。
なるほど上手いな。
「どうやら私の早とちりだったようです、不快な事を申しましたお許し下さい。」
「悔い改める者を神は拒んだり致しません、そして私も気にしておりません。」
「ありがとうございます。」
「それでだ、先程お前は策が無いわけではないと言ったな。」
「言いましたかね。」
「えぇ、根本的に解決できる策は持ち合わせていないと仰っておられました。それはつまり一時的に効果のある策をお持ちという事ですね?」
そして今度は俺が言質を求められていると。
まったく、記憶力の良いお二人だ。
「確かに子供でも男性でもない未来を見通せない女性達への支援策が無いわけではありません。」
「素晴らしい事です、是非お聞かせいただけますか?」
「ここまできて言わないはずがないよな?」
「あくまでもこれから申し上げるのは一時的な支援であって恒常的な支援にはなりえません。そしてこれを聞いたからには恒常的な支援を行なっていただきます。それをお約束していただけるのであればお話させていただきましょう。」
「強制するのか?」
「一時的なもので終わらせて欲しくないだけです。貧困問題は彼らだけでなく全員の問題でもあるわけですから、その先導に立つのは私ではなくもっと立場のある人が立つべきなんです。教会であれば日常的に支援を行なっていますし相応しいと思いませんか?」
旗印を持つのに相応しい人がいる。
フランス革命の絵だってそうだ。
民衆を導く自由の女神がただのオッサンだったらあんなに惹かれることは無いだろう。
何事にもそれに相応しい人がいるというワケだ。
まぁ、絵画に関しては想像なわけだから相応しい絵が描かれていて当たり前なんだけどね。
「ふむ、確かにそうだな。」
「教会として拒む理由はありません。」
「貧しい人全てを救いたいだなんて大きな事は言いません、ただ目の前に居る人を助けたいそれだけです。」
「それは私達も同じです。」
「ではお約束いただけると?」
「私達に出来る支援であれば出来る限りするとお約束いたします。」
ならば結構。
これで俺は面倒な事は全て教会に押し付けることが出来る。
お前もやれって言われてもしないからな!
「ププト様、先程の会議で使用用途の決まっていないお金がありましたよね。」
「あぁ、寄付金の余剰分についてはまだ決まっていないな。」
「予定していた支援を全て行なったとしても、今の計画ではかなりの余剰分が出ると見込んでいます。もちろん、実際に終わって見なければ総額は分かりませんが、もしそのお金を予定とは別の支援に使うとなると皆さんはどう思うでしょうか。」
「お前が言う一時的支援であれば問題ないのではないか?貧困者支援である事には替わりは無い。」
「ならそのお金を使って、一時収容施設を作るのはいかがでしょうか。」
元の世界でいうシェルターという奴だ。
一時的にそこに身を寄せ、社会に戻れるように支援をもらう。
いずれは出て行かないといけない為、あくまでも一時的な支援と言えるだろ。
「一時収容施設というのは犯罪者を入れるようなものなのですか?」
「とんでもありません、貧困にあえぎ支援を必要とする人をそこで一時的に保護するんです。収容施設という良い方が良くありませんでしたね、保護施設と言い直します。」
「そこで保護したとして、それが一次支援になるのか?」
「保護するだけではいずれまた同じ場所に戻って来てしまいます。ですので、この施設で再び元の生活に戻れるよう手助けを行う予定です。食料や住居の支援だけでなく直接金銭を稼げるような仕事を身に着けてもらう事で、施設を出た後も安定した生活を営めるようにするのです。こうすることで貧困状態から脱し貧困者の数は少しずつですが減っていく事でしょう。」
不思議な物を見るような目をしながら二人が俺の話を聞いている。
そんなに変な事を言っているだろうか。
「男性の様に肉体労働ができるわけではありませんが、本当にお金を稼ぐことができるのでしょうか。」
「肉体労働以外にもできる仕事はあると思うんです。例えば手先の器用な人でしたら服飾や内職の仕事、元気な方でしたら軽い荷物の仕分けや運搬、そう言えばこの街の皆さんは洗濯などはどうされているんでしょう。」
「洗濯でしたら各家庭が共同の井戸を使っています。」
「では洗濯屋を作り保護した女性はそこで働いてもらうというのはどうでしょうか。商売として需要があるかは調べてみないとわかりませんが、そんなに高価でなければ頼む人もいると思うんです。一件一件は安くても数をこなせばそれなりの金額になりますし、支援事業の一環という事で教会や行政が支援をしてあげてもいい。とにかくお金を稼ぐ手段を作ってあげて、明日への希望を持つことができれば女性は必ず復活します。」
「随分知ったような口ぶりだな。」
「ププト様はうちの家族をご存じだからわかるのではありませんか?男性よりも女性の方が間違いなく底力がある、あの日私の元を訪れた母親を見て私はそう確信しました。子供の為に出来る事があるのであれば何でもする、でも先が見通せない状況ではいつ頑張っていいのかわからない。そう言った女性を支援してこその企画だと思っています。」
掃除洗濯は家事の中でも重労働だ。
それを肩代わりしてくれるなら喜んでお金を出すっていう人がいるに違いない。
商売にするなら儲かるほうがいいよね。
「イナバ様、とても素晴らしい支援だと思います。」
「あくまでもこれは一次的な支援です。私は今回の企画でこの枠組みをつくり、その先は皆さんにお任せします。」
「それで十分です。あぁ、今日はなんて素晴らしい日なんでしょう!神に感謝いたします。」
「これはあくまでも策の一つであり決定事項ではありません、寄付金額によっては実現できない可能性もありますのでそこは忘れないでください。」
「大丈夫だ、お前が心配しなくても寄付金は集まる。それは俺が保証しよう。」
その自信はいったいどこから来るんでしょうか。
あぁ、いざとなったらププト様がお金を出してくれるという事か。
なるほどなるほど。
「ではそろそろ戻ってもよろしいですか?家族が首を長くして待っていると思いますので・・・。」
「お引き留めして申し訳ありませんでした。そしてとても素晴らしいお話をありがとうございます。」
「詳しい事はププト様と話し合ってください、では失礼します!」
これ以上ここに居たら別の仕事まで任されそうだ。
折角昼には終わったというのに、随分と遅くなってしまった。
今度休日手当を請求してやる。
「イナバ様お帰りですか?」
「はい、お世話になりました。」
「馬車を待たせております、下まではそちらをお使いください。」
「ありがとうございます!」
流石テナンさんだ助かるなぁ。
こうして俺の休日出勤は延長戦を経て無事終了したのだった。
別室といってもさっきの会議室と同じだけの広さがあるのだが、その部屋には先客がいた。
「待たせたな。」
「いえ、急に参りましたのはこちらですから。」
「ププト様こちらの方は?」
「あぁ、会うのは初めてか。」
部屋にいたのはリガードさんと同じぐらいの年齢だろうか、垂れた目尻に少し皺のある女性だった。
皺があるといっても決して老けているわけではなくむしろ目力は若者よりもしっかりしている。
まるで心の奥を見透かされてしまいそうな目だ。
レミナさんと真逆で床に着きそうなほどに長い深緑色のロングスカートを着ている。
その女性はププト様と目配せしあうと立ち上がり、スカートの端を持って優雅に一礼をした。
「お初にお目にかかります私はラナス、イナバ様の噂は我々にも届いております。」
「シュリアン商店のイナバ=シュウイチです。届いているのが良い噂だと嬉しいのですが・・・。」
「もちろんですとも。」
そういいながらラナスさんがニコリと微笑む。
大人の余裕を感じつつも少し妖艶な感じもする。
THE大人の女性って中年サラリーマンが言うセリフじゃないな。
「彼女は教会の人間でな、この街のいっさいを取り仕切っている。」
「司祭様でしたか。」
「そんな偉そうなものではございません、ただの修道女でございます。」
「ただの修道女が私を呼びだすのか?」
「呼び出すだなんて人聞きの悪い、お願いがあって参っただけです。」
どうやら教会の偉い人のようだ。
しかし教会がいったい何の用だろうか。
「私をこの方と引き合わせたという事は何か理由があるのですよね?」
「別に私にはない、古いなじみにお願いをされただけの話だ。詳しい話はこいつから聞いてくれ。」
そう言うとププト様はヅカヅカと奥まで進み先ほどまでラナスさんが使っていた椅子に座ってしまった。
相変らず自由だなぁこの人は。
「立ち話もなんですしどうぞおかけください、って私が言うのも変ですが。」
「お気遣いありがとうございます。」
こちらとしては早く話を終わらせて戻りたい。
すぐ近くに応接セットがあったのでそこに向かい合うようにして座る。
「それで教会の方が私に何の御用でしょうか。」
「今回イナバ様が貧困者への支援を行うとの話しを伺いました。貧しい方々への支援は私達も行っておりますがまだまだ力が足らず多くの人を救うには至っておりません。イナバ様のようにお力のある方が手を差し伸べてくださることは同じ志を持つ者として非常にありがたい事です、本当にありがとうございます。」
座った状態でラナスさんが深々と頭を下げる。
「頭を上げてください、別に私は教会の方にお礼を言ってほしくてこの企画を考えたのではありません。ただ困っている人を救いたいという私の勝手な願いを皆さんに手伝ってもらっているだけなんです。そしてありがたい事にそう思ってくださっている方がたくさんいます、一人一人は小さい力ですが集まれば大きな力になります。その力がこの先何かを変えるきっかけになればと願っています。」
「これまで何度かそう言ったお話をいただくことがありましたが、イナバ様のように実際に行動される方はおりませんでした。今回の力は同じような考えを持つ人達の背中を後押しする力になる事でしょう。この街だけではありません、この国全体の希望の光になるはずです。」
「そんな大げさな事はしていません、ただ目の前にいる人に何かできないかと思っているだけですから。」
「そうやって先日も手を差し伸べてくださったのですね。」
先日?
俺が何かをしたといえばあの親子を助けた事ぐらいだけど・・・。
どうして教会がそれを知っているんだろうか。
「どうしてそれを?」
「子供たちが嬉しそうに話してくれました。」
「そういえば子供達への支援を行っているとか。」
「身寄りのない子供や彼らのような貧しい子供に何か出来ないかと、私達の手伝いをしてもらっています。」
「それとは別に寄付の一部を貧しい人たちに配っているそうですね。」
「教会への寄付は我らが神への信仰の表れです。神が人々に手を差し伸べられるように教会もまた人々に手を差し伸べます。その一環として頂戴した寄付をお配りしているのです。」
「それも休息日に行っているとか・・・。」
あ、なんとなく話が読めてきた。
今回の企画と自分たちの寄付を一緒にやらないかと言いたいんじゃないかな。
っていうか一枚噛ませろていう感じ?
教会としての立場をこの企画を使って高めようとしているのかもしれない。
そうじゃないと教会が俺みたいな商人にわざわざ接触してくることなんてありえない。
しかもププト様を介してだ。
ただの修道女だって言ってるけど実際は結構偉い人なんじゃないかなぁ。
教会の一切を取り仕切ってるって言ってたし。
「よくご存じですね。」
「家族から聞きました。」
「イナバ様の事ですからここにお呼びした理由ももうお分かりなのでは無いですか?」
「一緒に手を取り合わないかというお誘いでしょうか。」
正解だと言わんばかりにラナスさんが今日一番の微笑みを浮かべる。
ですよねー。
そうなりますよねー。
でもなぁ、この企画は第三勢力に邪魔してほしくないんだよな。
俺は俺の好きなようにこの企画を進めたい。
ププト様は口を出すことはないけれど、教会は間違いなくあれこれ言って来るだろう。
それはちょっと困る。
「その微笑みを肯定と取らせていただきますが、残念ながら教会と一緒に企画を進行する気はございませんご了承下さい。」
「それはどうしてですか?」
俺の返答を聞いても微笑みを絶やさないでいる。
だがその口から出てくる言葉には少し圧が増えた。
「この企画はあくまでも貧しい人たちがこの街にいてみんなでそれを支援しましょうというものです。そこに教会が加わってしまえば普段と何も変わらなくなってしまう。今回の企画はあくまでも一度限りのお祭りみたいなものなのです。」
「お祭りですか。」
「収穫祭を毎日行えばありがたみはなくなっていくでしょう。年に一度、日々の苦労や感謝を表す場だからこそ皆その日を楽しみに迎えるんです。その特別感を無くすことはできません。」
「だから私達と一緒に行うことはできないと。」
「申し訳ありません。」
「なるほど、確かにその通りです。」
ありゃ、あっさり引いてしまったぞ。
何でだ?
正直もっと粘ってくるかと持ってたんだけど・・・。
ふむ、なにかあるな。
「当日教会はどのような事を?」
「いつもと変わりません。子供たちと共に支援を必要とする人達へ配布を行います。」
「その中に日用品は含まれていますか?」
「そういった物を寄付していただいた時は含まれていますが、今回はあまり戴いていませんね。
「わかりました、折角配るのですからあまり被らないほうが良いでしょう。私達もその辺りを工夫して支援してみようともいます。」
「そのように気を使っていただき、彼らも喜ぶことでしょう。」
うーん、分からないなぁ。
一体何を狙っているんだろうか。
ここは後手に回るよりも先手を打ったほうが良いかもしれないな。
ちょうど思いついたネタもあるし少し揺さぶってみよう。
「一つ聞きたいのですがよろしいですか?」
「私で分かる事でした。」
「教会では子供への支援は行なっているとのことですが、それ以外の例えば先日の母親や未亡人などへの支援は行なっていないのでしょうか。」
「教会で行なっているのは子供達への支援のみです。」
「それは何故ですか?」
「彼らはまだ自分一人で生きていく事ができませんから。」
「つまり一人で生きていける大人に手を出す事はしないと?」
「もちろん苦しみ神に助けを求めているのであれば差し伸べる準備はありますが、それにも限界があります。神の慈悲は無限にはないのです。」
ようは支援できるだけのお金が無いという事だろう。
教会で出来る支援には限界がある。
だからそれ以外の部分はそっちでやってくれという感じだろう。
「ププト様、男性には日雇いの仕事などがありますが女性への支援は何か行なっておられますか?」
「何だって?」
「ですから貧困女性への仕事の支援は行なっていますか?」
「どうだったかな。」
今寝てた?
寝てたよね。
「つまり現在サンサトローズにて貧困にあえいでいる人の中で支援を受けられる人には限りがあり、特に女性への支援は全くといって良いほど存在していないというわけですか。」
「全くではない、食糧支援などは行なっている。」
「ですが継続的な支援は行なっていませんよね?今ではなく未来を見越した支援です。」
「そうなるな。」
「イナバ様にはそれを解決する策がおありなのですか?」
「根本的に解決できる策は持ち合わせていません。それに、そういった恒常的な支援は私ではなく教会やププト様などが考える事では無いでしょうか。」
「ふむ、少しばかり居眠りをしていただけなのに随分と手厳しい。」
居眠りしてたって認めたよこの人!
「私達も何かして差し上げたいのです。ですが、それに回す余力がございません。」
「ですのでその余力を作り出せるであろう今回の企画に気付き、こうして私と会えるようププト様に取り計らってもらったんですよね。貧困者への支援に寄付金が集まるのであればうってつけであると。」
「そんなこと思ってもおりませんでした。」
「本当に?」
「神に誓って。」
ラナスさんが両手を組み目を閉じ頭を垂れる。
神に誓ってか、便利な言葉だな。
元の世界なら神様なんていないんだろ!なんて言っていたかもしれないがこの世界は別だ。
本当に神様がいるんだから困ったものである。
もっとも、教会がどの神様を信仰しているかまではわからないけど。
もしかしたら邪神かもしれないじゃない?
居るかどうか知らないけど。
「いきなり俺を呼び出してイナバに会いたいなど言い出すから何かあるとは思っていたが、俺にもその真意は分からん。」
「私はただお礼を申し上げたく参上しただけです。」
「ですが先程は一緒に手を取り合う為に誘いに来たと・・・。」
「私はそのような事一言も申しておりません。」
確かにそうは言っていない。
聖母のような微笑みを浮かべていただけだ。
それを俺が勝手に肯定と捕らえただけ。
なるほど上手いな。
「どうやら私の早とちりだったようです、不快な事を申しましたお許し下さい。」
「悔い改める者を神は拒んだり致しません、そして私も気にしておりません。」
「ありがとうございます。」
「それでだ、先程お前は策が無いわけではないと言ったな。」
「言いましたかね。」
「えぇ、根本的に解決できる策は持ち合わせていないと仰っておられました。それはつまり一時的に効果のある策をお持ちという事ですね?」
そして今度は俺が言質を求められていると。
まったく、記憶力の良いお二人だ。
「確かに子供でも男性でもない未来を見通せない女性達への支援策が無いわけではありません。」
「素晴らしい事です、是非お聞かせいただけますか?」
「ここまできて言わないはずがないよな?」
「あくまでもこれから申し上げるのは一時的な支援であって恒常的な支援にはなりえません。そしてこれを聞いたからには恒常的な支援を行なっていただきます。それをお約束していただけるのであればお話させていただきましょう。」
「強制するのか?」
「一時的なもので終わらせて欲しくないだけです。貧困問題は彼らだけでなく全員の問題でもあるわけですから、その先導に立つのは私ではなくもっと立場のある人が立つべきなんです。教会であれば日常的に支援を行なっていますし相応しいと思いませんか?」
旗印を持つのに相応しい人がいる。
フランス革命の絵だってそうだ。
民衆を導く自由の女神がただのオッサンだったらあんなに惹かれることは無いだろう。
何事にもそれに相応しい人がいるというワケだ。
まぁ、絵画に関しては想像なわけだから相応しい絵が描かれていて当たり前なんだけどね。
「ふむ、確かにそうだな。」
「教会として拒む理由はありません。」
「貧しい人全てを救いたいだなんて大きな事は言いません、ただ目の前に居る人を助けたいそれだけです。」
「それは私達も同じです。」
「ではお約束いただけると?」
「私達に出来る支援であれば出来る限りするとお約束いたします。」
ならば結構。
これで俺は面倒な事は全て教会に押し付けることが出来る。
お前もやれって言われてもしないからな!
「ププト様、先程の会議で使用用途の決まっていないお金がありましたよね。」
「あぁ、寄付金の余剰分についてはまだ決まっていないな。」
「予定していた支援を全て行なったとしても、今の計画ではかなりの余剰分が出ると見込んでいます。もちろん、実際に終わって見なければ総額は分かりませんが、もしそのお金を予定とは別の支援に使うとなると皆さんはどう思うでしょうか。」
「お前が言う一時的支援であれば問題ないのではないか?貧困者支援である事には替わりは無い。」
「ならそのお金を使って、一時収容施設を作るのはいかがでしょうか。」
元の世界でいうシェルターという奴だ。
一時的にそこに身を寄せ、社会に戻れるように支援をもらう。
いずれは出て行かないといけない為、あくまでも一時的な支援と言えるだろ。
「一時収容施設というのは犯罪者を入れるようなものなのですか?」
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「そこで保護したとして、それが一次支援になるのか?」
「保護するだけではいずれまた同じ場所に戻って来てしまいます。ですので、この施設で再び元の生活に戻れるよう手助けを行う予定です。食料や住居の支援だけでなく直接金銭を稼げるような仕事を身に着けてもらう事で、施設を出た後も安定した生活を営めるようにするのです。こうすることで貧困状態から脱し貧困者の数は少しずつですが減っていく事でしょう。」
不思議な物を見るような目をしながら二人が俺の話を聞いている。
そんなに変な事を言っているだろうか。
「男性の様に肉体労働ができるわけではありませんが、本当にお金を稼ぐことができるのでしょうか。」
「肉体労働以外にもできる仕事はあると思うんです。例えば手先の器用な人でしたら服飾や内職の仕事、元気な方でしたら軽い荷物の仕分けや運搬、そう言えばこの街の皆さんは洗濯などはどうされているんでしょう。」
「洗濯でしたら各家庭が共同の井戸を使っています。」
「では洗濯屋を作り保護した女性はそこで働いてもらうというのはどうでしょうか。商売として需要があるかは調べてみないとわかりませんが、そんなに高価でなければ頼む人もいると思うんです。一件一件は安くても数をこなせばそれなりの金額になりますし、支援事業の一環という事で教会や行政が支援をしてあげてもいい。とにかくお金を稼ぐ手段を作ってあげて、明日への希望を持つことができれば女性は必ず復活します。」
「随分知ったような口ぶりだな。」
「ププト様はうちの家族をご存じだからわかるのではありませんか?男性よりも女性の方が間違いなく底力がある、あの日私の元を訪れた母親を見て私はそう確信しました。子供の為に出来る事があるのであれば何でもする、でも先が見通せない状況ではいつ頑張っていいのかわからない。そう言った女性を支援してこその企画だと思っています。」
掃除洗濯は家事の中でも重労働だ。
それを肩代わりしてくれるなら喜んでお金を出すっていう人がいるに違いない。
商売にするなら儲かるほうがいいよね。
「イナバ様、とても素晴らしい支援だと思います。」
「あくまでもこれは一次的な支援です。私は今回の企画でこの枠組みをつくり、その先は皆さんにお任せします。」
「それで十分です。あぁ、今日はなんて素晴らしい日なんでしょう!神に感謝いたします。」
「これはあくまでも策の一つであり決定事項ではありません、寄付金額によっては実現できない可能性もありますのでそこは忘れないでください。」
「大丈夫だ、お前が心配しなくても寄付金は集まる。それは俺が保証しよう。」
その自信はいったいどこから来るんでしょうか。
あぁ、いざとなったらププト様がお金を出してくれるという事か。
なるほどなるほど。
「ではそろそろ戻ってもよろしいですか?家族が首を長くして待っていると思いますので・・・。」
「お引き留めして申し訳ありませんでした。そしてとても素晴らしいお話をありがとうございます。」
「詳しい事はププト様と話し合ってください、では失礼します!」
これ以上ここに居たら別の仕事まで任されそうだ。
折角昼には終わったというのに、随分と遅くなってしまった。
今度休日手当を請求してやる。
「イナバ様お帰りですか?」
「はい、お世話になりました。」
「馬車を待たせております、下まではそちらをお使いください。」
「ありがとうございます!」
流石テナンさんだ助かるなぁ。
こうして俺の休日出勤は延長戦を経て無事終了したのだった。
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そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
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第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
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