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第十章

一人では出来ない事と、みんななら出来る事。

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落ち着いた母親と子供はにこやかに食事を始めた。

それを確認して俺とシルビアは部屋を出る。

思考が重い。

気分も重い。

やるせない気持ちで一杯になってしまう。

自分が恵まれているからなんて事は決して思わない。

だが何か出来るんじゃないかなんて甘いことは思ってしまう。

「はぁ・・・。」

「シュウイチの言いたい事は分かる。だが、それをすれば取り返しが付かない事になるぞ。」

「分かっています。分かっているんですけど・・・。」

「いいや分かっていない。彼らの存在をどうにかする事は例えシュウイチであろうとも不可能だ。」

「もちろん根本を何とかしようとは思っていません。ですが、昨日聞いたあの数字がどうしても忘れられないんです。」

一階は先程と変わらず多くの冒険者で賑わっていた。

彼らは皆、明日を信じて生きている。

次は何処までいけるか。

何処まで強くなれるのか。

初心者が多いからこそそうみえるのかもしれない。

ある程度行けば壁にぶつかりそこで挫折する者も出てくるだろう。

怪我をして仕方なく冒険者を辞めるものも居るはずだ。

それでも彼らは前を向いている。

だが先程の母親は違う。

先のない未来に心をすり減らしている。

可愛いわが子の未来をどうにか切り開こうと必死にもがいている。

その視線の先に、自分の未来は無い。

それが彼らと先程の親子との根本的な違いだ。

カウンターをくぐり休憩室のソファーに深く腰掛ける。

シルビアが正面の椅子に座りこちらをじっと見てきた。

「昨日の数字とは何だ?」

「入植者数の内訳、聞きましたよね。」

「あぁ、263人もの人が来たいと言ってくれている。」

「村や街の人、冒険者、そしてその他の人達。」

「そうだな。」

「今の暮らしがありその人が更なる未来に期待するのは決して悪い事では無いと分かっています。ですが、今の暮らしすら危ういその他の人達。彼らの今と他の人達との今には明らかな違いがあります。その差を一緒のものとして考えて本当にいいのでしょうか。」

貧困者にこそ輝かしい未来を見せてあげるべきなんじゃないだろうか。

貧困者だけじゃない、理由があって住まいを失い放浪している人もそうだ。

好んでその生活をしているのならば別だが、行く当てがないような人達にこそ定住する場所が必要なんじゃないか。

「やはりシュウイチは分かっていない。私達は神様でもなければ聖人でもない、ただの商人とその妻だ。そんなちっぽけな人間が大多数の迷える人を救おうというのがそもそもの間違いなのだ。もちろん考えるのがダメだとは言っていない、素晴らしい事だと思う。だが、私達に出来る事には限界がある。一人に手を差し伸べれば他の者にも手を差し伸べなければならん。一人二人なら良いだろう、だがそれ以上となれば救えない者が出てくる。そうなった時、救えた者と救えない者の差は何なのだとシュウイチは答えることが出来るのか?」

「分かっているんです、答えることなんて出来ないって。」

「だが、お前は何とかしたい。」

「全員じゃなくても良いんです、私の目に留まる人だけでも。それがダメなんですよね。」

ダンジョンで死ぬ冒険者を助けてはならない。

それがダンジョン商店の掟だ。

もちろんナーフさんのような例外もあるが、あの人は冒険者ではなくただの一般人という考えの下で救いの手を差し伸べた。

シャルちゃん達もそうだ。

冒険者でないのならば助ける。

それは先程の掟に抵触しないからだ。

だが、同じように先程の親子に手を差し伸べたらどうなるだろう。

他の貧困に喘ぐ者達とあの親子に明確な差があるだろうか。

いや、ない。

にもかかわらず親子を助けたとなれば助けられなかった人に説明できない。

「ご主人様は優しすぎるのです。」

「ユーリ、聞いていましたか。」

「聞いていたといいますか流れてきたといいますか。ともかくご主人様は自分で何もかも背負いすぎなのです。あの親子が貧しいのはご主人様のせいではありません。ならばご主人様が助ける義理はありません。」

「ユーリの言うとおりだ、シュウイチが何もかも背負う必要はない。彼らを何とかしなければならないのは国や領主様の仕事だ。」

分かっている。

俺が助ける必要なんてどこにもない。

どれだけ偉そうな事を言ったって俺はただの商人だ。

自分でそう言っておきながらどうにかしたいなんておこがましいにも程がある。

「ですがご主人様のその優しさは素敵だと思います。」

「そうでしょうか。」

「そうだな、見知らぬ誰かの為にここまで必死になれるのはシュウイチぐらいのものだ。」

「それは褒めているんですか?」

「もちろんだ。」

そうかなぁ、そんな風に聞こえなかったんだけど。

俺の気のせいだろう。

「ともかく、この件はこれ以上手を出さないにこしたことは無い。あの親子には申し訳ないがせめて定期便にでも乗って帰ってもらうのが良いだろう。」

「そうですね・・・。」

「数日分の食事は準備してあります、帰りにそれをお渡ししてあげてください。

「さすがユーリ、準備万端ですね。」

「これぐらいでしたら問題になる事もないでしょう。それでご主人様の気が晴れるのであればですが。」

「十分です。」

なんだかんだ言いながら俺の気持ちを汲んでくれているんだなぁ。

ありがたい話しだ。

しばらくすると二階から先程の親子が降りてきた。

母親の顔が少し明るくなっている。

落ち着いたようだな。

「ご馳走様でした。」

「坊主、美味しかったか?」

「うん!」

「それはよかった、セレン殿も喜ぶだろう。」

「今日は失礼な事をお願いしましてすみませんでした。」

「こちらこそお力になれず申し訳ありません。」

深々と頭を下げる母親にそれ以上掛ける言葉が見つからない。

改めて無力な自分を痛感する。

悔しい。

悔しいが、それで終わるわけには行かない。

何も出来ないのなら出来る事を探せば良い。

それが俺、イナバシュウイチが今までやってきたことだ。

「帰りは定期便に乗ってください。それとこちらを、二人のお子さんにも食べてもらわないと喧嘩になりますから。」

「そんな、そこまでしていただくわけには!」

「いいえそれぐらいさせてください。今はこれしか出来ず申し訳ありません。」

渡した袋をつき返されたのでもう一度母親に渡しなおす。

今はこれが精一杯だ。

「村までは私が送ろう。それとサンサトローズに着いたら騎士団に行くと良い、私の名前を出せば当面の住居ぐらいは準備してくれるはずだ。」

「何から何までありがとうございます。」

「その年で子供三人は大変だろう。何かあれば騎士団を頼れ、わかったな。」

「・・・はい!」

なんだかんだ言いながらこの親子を助けようとしてくれるシルビアの優しさがありがたい。

「では店のほうは頼んだぞ。私の代わりにしっかり見張っていてくれ。」

「宜しくお願いします。」

「行くぞ坊主。」

「はい!」

シルビアの問いかけに元気に返事をする。

子供が出来たらあんな感じなのかな?

男の子だったらさぞ鍛えられる事だろう。

女の子だとしてもシルビアのように騎士団長になる事だってできる。

どう育てるか楽しみだ。

え、妊娠してるのかって?

まさかそんな。

誰だ、今チキンって言った奴。

余計なお世話だ。

シルビアと共に店を出て行くとき、最後の最後まで母親は俺に向って頭を下げていた。

「今何をお考えですか?」

「ユーリには分かるんじゃないですか?」

「心の声で聞くよりもやはり直接口に出されたほうがしっくり来ます。」

「何とかしてやる。でしょうか。」

「それでこそ私のご主人様です。何が出来るかはわかりませんが出来る事は何なりと申し付けてください。」

「ダンジョン妖精の仕事では無いですよ?」

「ダンジョン妖精でもたまには仕事以外の事をします。それに、今までもそんな事ばかりしてきたじゃありませんか。」

「そういえばそうでしたね。」

ダンジョンの整備はもちろんだが、困った時には色々と頼りにしてしまう。

かゆい所に手が届く、それがユーリだ。

「それは褒められているのでしょうか。」

「もちろんですよ。」

今日のところは俺の負けだ。

それを甘んじて受け入れ、次に活かせば良い。

色々と気になることも出てきたし、その辺りからまずは埋めていくのが一番だな。

その後シルビアから親子は無事に定期便に乗ったと教えてもらった。

最後まで俺にお礼を言っていたそうだ。

閉店後店に残って後片付けをする。

エミリアとニケさんは夕食を作りに先に戻ってもらった。

「シルビア今日はありがとうございました。」

「別に私は何もしていないぞ。」

「いいえ、あの親子の為に騎士団を紹介してくださったではありませんか。」

「あぁそんな事か。ずっと住まわせるわけには行かないが、団員の家族が来た時用の宿舎に空きがあったはずだ。そこで春までは過ごせるだろう。だがその先は自分で何とかしてもらわねばならん。」

「ですが冬を越せるだけでもあの家族からしたら助けになると思います。」

恐らく家はないはずだ。

この世界の冬がどのぐらい寒いのかは知らないが、寒空の下で過ごす事を考えれば天国みたいなものだろう。

「仮に私が同じ立場だったら何を心配するか、それを思っただけだ。」

「同じ女性として、ですね。」

「今後私も母親になる。子供の事を考えるのは当たり前の事だろ?」

「そうですね。」

「シュウイチだけではない、私だって歯痒い思いをしている。他に困っている者がいると分かっていながら何も出来ない自分が腹立たしい。何が元騎士団長だ結局何も出来ないではないかとな。」

皆同じ気持ちでいる。

だから俺一人で思いつめるなとシルビアは言っているのだ。

「これからどうするか、ですよね。」

「その通りだ。先程はやるなと言ったがそれでも何かするつもりなのだろう?」

「えぇ、やっぱり何もしないままというのは私らしくないと思うんです。」

「シュウイチらしい・・・か。」

「道がなければ作れば良い、ご主人様はそういう人です。」

「いや、常にそういう考えじゃないですよ?既存の道だって使いたくなります。」

楽をするのは大好きだからね!

「具体的にどうするつもりだ?」

「今はまだなんとも、入植計画の詳しい報告書を貰わない事には話が進みません。ですが報告書に載っていない人達の為に出来る事はあると思います。」

「聞かせてもらおうか。」

いつもは冒険者が座っている椅子にシルビア様がどかっと腰掛けた。

しっかり聞くモードに変わったようだ。

「サンサトローズでは貧しい人達に何か特別な支援をしていますか?」

「そうだな、定期的に配給を行なっている。」

「それは家のない人に、ですね?」

「あぁ、城壁の外に天幕を立てて暮らしている彼等の為だ。」

「てっきり行商の人達の天幕だと思っていましたがやはり貧困者も混ざっていましたか。」

「城壁内は騎士団員が巡回しているから必然的に外に追いやられてしまうのだ。うちとしても防犯の都合上そうせざるを得ない所がある。」

「それは仕方ないと思います。不穏分子を排除するのは騎士団の重要な仕事です。」

それに対しては何も文句は無い。

むしろ街の中に浮浪者がたむろすればその地域の治安が悪くなる。

彼らに害はなくても悪意のある人間が害を持ち込むには最適の場所だからだ。

「配給というのは具体的にどのようなものなのでしょうか。」

「そうだな、簡単な炊き出しと冒険者の携帯食料のような物を配っている。」

「日用品はどうですか?」

「主に食料だけだ。たまに教会が寄付の一部を配る時があるがそれに多少含まれている程度だろう。」

「教会も配給を?」

「子供にはな。街の掃除や簡単な小間使いの報酬として食事を与えている。寄付の配布は休息日にやるぐらいだ。」

ふむふむ。

それで先程の親子は兄弟を教会に預けて来たのだろう。

子供だけなら食べさせてもらえる。

だがそれでは根本の解決にはならないな。

「就業支援などはどうでしょうか。」

「男には労働の仕事があるが先程の母親を対象としたようなものは無いな。市場の下働きが出来るだけ恵まれているほうだろう。」

「では未亡人には具体的に何の支援も行なっていないんですね。」

「今思えばほとんどないようだ。」

「じゃあそういう人が奴隷に落ちた場合はどうでしょう。奴隷には普通の生活をさせる義務が所有者にあったはずです。食べるのに困るのであれば逆に奴隷になったほうが安心じゃないですか?」

「食べるだけならそうだがそれでは何の解決にもならん。それに自分を売るなど聞いた事がないぞ。」

「表立って知られていないだけで裏では十分ありえるかもしれません。食べるのに困り子供を売る人だっているわけですから。」

ニケさんを思い出す。

確か家が商売に失敗して売られたはずだから。

その辺はニケさんに聞いたほうが良いかもしれないな。

「自分を売るというのは不思議ですね、自分を物のように扱うという考えは私には分かりません。」

「当たり前だと思っていたが確かにそうかもしれん。」

そこを考え出すときりがなくなる。

奴隷制度の是非を考えるのはオレたちの仕事じゃない。

そういえばシルビアも戻ってきたしさっきのことについて聞いておくか。

「そういえば、教会に子供を預けていると聞いたときに考え込んでいましたが何かあるんですか?」

「別に何かあるわけでは無いのだが前に子供がいなくなる事件が頻発してな。それを思い出したのだ。」

「それは教会が?」

「証拠は無い。だが全員が教会の清掃作業や小間使いに従事していた事から疑わしいというだけなのだ。それ以降子供がいなくなった事もなく、偶然だろうという事で片付いている。」

そりゃあ考え込んじゃうよね。

そんな事聞いたら関係の無い俺だって不安になるもん。

一応問題ないようだけど気には留めておこう。

「今の話を聞いてですが、個別の支援はいくつかあっても根本を何とかするような支援は何も無いようです。」

「シュウイチに言われて改めてそうなのだろと気付かされた。もっとあると思ったのだが、難しいのだな。」

「何をするにもお金が掛かりますから仕方ないと思います。」

「だがこのままでは何の解決も見せず、いずれ同じような人は増え続けるだろう。」

「そうですね・・・。」

貧困は貧困を生む。

よっぽどの事がない限り底から這い上がるのは難しい。

冒険者になりたいと背伸びをして命を失う人が多いのもうなづけるだろう。

「ですが御主人様にはどうにかできるのですよね?」

「残念ながら私の力ではどうにもなりません。」

「個人の力では?」

「えぇ。ですから一人で出来ないのならばみんなに力を貸してもらえば良いんです。そうする事で出来る事ならあると思います。」

「それは私にも出来る事ですか?」

「もちろんです。」

俺にもシルビア様にもユーリにも、なんなら先ほどの親子にだって出来る事だ。

一人の力は小さいものだ。

だがそれが多数集まれば大きな力になる。

オラに力を分けてくれ!

ってやつだな。

「何をするつもりなんだ?」

「別に難しいことはしません。ユーリ、持っている物の中にもう使わないいらないものってありますか?」

「そうですね、森で拾った木の実が溜まってきました。」

「シルビアはどうですか?」

「いきなり言われても難しいが騎士団に置いてきた物のほとんどはいらない物だな。」

「そういった物を皆さんから集めて必要な人に販売するんです。そこから得られた収益を貧しい人達に還元します。」

言えばチャリティーだ。

困っている人の為に何かをする。

誰もがどこかに思っている小さな善意を大きな善意にしてしまおうということだ。

募金にするよりも不要な物を回すフリーマーケットのような感じのほうが理解を得られそうだしね。

「不要な物を欲しがる人などいるだろうか。」

「個人だけでなくお店などからも募集します。つい先日提供してもらったばかりなので数は出ないかもしれませんが、案外自分に不要でも他人には必要なものってあるんですよ。」

「私の木の実もですか?」

「森に行かない子供からすれば手に入らないものですからね、お金がないのなら物々交換すれば良いんです。」

「なるほど、そうすれば子供達でも参加できますね。」

出来るだけ多くの人に参加してもらいたい。

欲を言えば街の人全員に。

そうする事で、全員が手を差し伸べているという意識付けにもなる。

「売上を全て差し上げるというのには問題がありますが、そこからお金を捻出して物で提供すれば不公平感もなくなると思うんです。ですがそれでも良しとしない人もいるんですよね。」

「利益を得るためでないのなら余剰分はそういった人にも還元すればよいではありませんか。」

「そうだな、この前のように一つの祭りとして参加者に還元すれば貧しい者達だけという不公平感もなくなるだろう。」

「なるほど、そこまで思いつきませんでした。」

「確かに一人では物足りないが大勢のが力を合わせれば満足の行く結果になるだろう。まったく、お前の頭の中は一体どうなっているんだ?」

「よく言われます。」

つい先日も言われた所だ。

後は冬を越せる場所があれば良いんだけど・・・。

それもみんなで集まれば何か思いつくかもしれないな。

「さっそくリア奥様達にも聞いてみましょう!」

「そうですね、そろそろ戻らないと心配して迎えに来てしまいますよ。」

「あの~、イナバ様終わりましたか?」

ほらね。

裏口から心配そうな顔をしたニケさんがこちらを覗いている。

「もう終わりました、すぐに行きます。」

「ニケ様、いらないもの何かお持ちですか?」

「いらないものですか?」

「ユーリ、いきなりそんな事を聞いてもニケ殿が驚くだけだぞ。」

俺は一人じゃない。

だからみんなの力を借りれば良い。

今回もそうだ。

俺一人ではどうにもならないような大きな問題でもきっとなんとかなる。

楽しそうに話すシルビア達を見ながら俺はあの親子について思っていた。

願わくば家族全員で楽しい食卓を囲んでいられますように、と。

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