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第七・五章

お望みの品はございますか?

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開会宣言は終了したが障害物競走が始まったわけではない。

競技を始めるためにはまず何が必要か。

そもそも競技とは技を競い合うものである。

そう、競い合うという事は決着をつけるためにルールが必要なのだ。

障害物競走に参加する彼らにはまだルールすら伝えられていない。

それは参加する以前の問題という事だ。

「引き続き今回の催しについて説明します。」

伝えなくてはならないことはいくつかある。

1.競技の内容
2.競技のルール
3.競技の報酬

それだけではない。

4.競技外でのルール
5.食事や睡眠などオフの時の過ごし方
等々。

ルール以外の部分はティナさんに説明してもらえばいいだろう。

今ここで話す内容でもないしな。

「今回の催しは我が商店のダンジョンを使用して行われます。ですが皆さんも見て分かるようにかなりの人数が参加します。ですので最初の二日間を予選として使用して順位を確定し、上位20班が最終日の決勝に残る方式を取ろうと思います。」

三日間ダラダラと競技を行うのは時間の無駄だ。

なので最初の二日間を予選、三日目を本戦とするF1の様な方式を取ろうと思う。

こうすればメリハリのある予選ができるし、本戦に残った面々はより頑張るだろう。

「各競技ごとに規範を説明しますが、今日と明日の二日間は最終日の本戦に残るための戦いだと思ってください。お互いが敵であり時に味方にもなります。誰が敵味方になるかはその時々で変わりますので、下手に刺激したり悪さをすると自分に返ってくることもありますのでご注意を。」

今回は個人戦ではない。

三人一組のチーム戦でもあるし、他のチームと助け合う事もある。

男だから女だから、上級冒険者だから初級冒険者だからといった、くだらない理由での差別や攻撃は認めない。

正々堂々戦うのが基本だ。

「次に先ほどお渡しした番号札と紐について御説明します。エミリア準備をお願いできますか?」

「はい。」

お立ち台から降りて代わりにエミリアが立つ。

エミリアの手には先ほどの番号札と同じものが握られていた。

「この度は当商会主催の催しにご参加いただきありがとうございます。先ほどお渡しした番号札についてご説明させていただきますエミリアです、よろしくお願いします。」

優雅に一礼するエミリアに冒険者からため息が漏れる。

そうだろそうだろう、うちの奥さん可愛いだろう。

でもダメだ、俺のだからな。

「今回の催しでは魔法の使用は禁止させていただいております。非常時に村への被害を出さないための措置です。また、ダンジョン内も同様に魔法の使用を禁止させていただいております。今回は戦闘行為が必要ないように企画されており、魔法を使用すると公平性が欠けることになってしまうからです。もし仮に魔法を使うとどうなるのか・・・。」

そういいながらエミリアが右手で番号札を掲げながら、左手に魔力を溜め始める。

すると見る見るうちに番号札の色が白から黒に変化し始めた。

「と、このようにこの番号札は魔力に反応して色が変わるようになっております。番号札は各予選終了後に提示していただくのですが色に変化が見られた場合は初回は注意、二回目以降は失格扱いとさせていただきますのでご注意ください。尚、この使用を悪用し他人の番号札を変質させた場合は即刻失格となります。各班所属の魔術師の皆さまは特にご注意ください。」

正々堂々戦ってもらうためにも不正行為には厳罰で臨むつもりだ。

「ただし少量の魔力使用、不慮の暴走や反動などで魔力が漏れた場合は例外とします。その際は直ちに申告していただきますようお願いします。もし申告が漏れた場合には通常と同じ罰則が与えられますので悪意がない場合は速やかに申告するようお願いします。」

もちろん不慮の事故はつきものだ。

魔術を日常的に使う者は反射的に魔法で対処してしまうことがある。

それに対しても罰してしまうと魔術師が圧倒的に不利だ。

なのでそこもちゃんと考えているので安心してもらう。

「何か質問がある場合にはこの集まり解散後個別に対応いたしますのでお知らせください。以上です。」

ぺこりとお辞儀をしてエミリアがお立ち台から降りる。

「お疲れ様でした。」

「緊張しましたが無事に終える事が出来ました。」

「エミリアはこのままププト様とニッカさんのそばで待機をお願いします。」

「畏まりました。」

さて、難しい話の後はお楽しみの時間だ。

「では、今回の催しに参加するにあたり皆さんが楽しみにしている賞品についてお知らせします。」

先ほどまで静かに聞いていた冒険者たちが俄かに色めき出した。

それもそうだろう。

遊びに来たわけではないんだ。

戦いに勝利し、賞品を獲得するために彼らはここに居る。

「ユーリお願いします。」

「畏まりました。」

俺の合図でユーリがお立ち台へと上がる。

説明するのは俺だが、ユーリには別の役目がある。

「まず、今回参加してくださる皆さんには順位に関係なく参加賞が送られます。参加登録時にお話をしてありますように賞金は出ませんがそれに見合うだけの品も御準備しておりますので御安心ください。今回の賞品は全て、サンサトローズに店を構えるお店の方々から協賛を得て提供させていただいておりますので、今後とも我が商店だけでなくサンサトローズの各店を宜しくお願いします。」

「まずは上位20位から10位までの賞品です。」

下から賞品を手渡し、ラウンドガール宜しくお立ち台のユーリが上にかがげる。

それに合わせて俺が説明を入れる流れだ。

「この順位の方には我がシュリアン商店で使える銀貨1枚相当の金券、ネムリ商店様より王都で話題の化粧品詰め合わせ、魔術師ギルド様より魔力ポーション詰め合わせ、猫目館様より1日特別利用権、白鷺亭様より宿泊券。以上の中からお好きにお選びいただけます。尚、賞品は各班ずつではなく個人でお選びいただけますので御安心下さい。」

「「「「おぉぉぉぉ!」」」」

賞品を聞いた冒険者から驚きの声が上がる。

それもそうだろう。

賞品総額は参加賞の3倍。

しかも中々手に入らない逸品ぞろいだ。

これだけの協賛品を提供してくれた各お店には本当に頭が上がらないよ。

「各個人で選べるってすごいな!」

「私化粧品にする、絶対化粧品にするから!」

「猫目館・・・一度でいいから行ってみたかったんだよ。」

「白鷺亭に泊まったら嫁さん喜ぶかなぁ。」

うんうん、中々好評のようだ。

俺って意外に司会者のセンスあるんじゃないの?

上位に入らないともらえないけれど50チーム中20位以上だから狙えないものでもない。

さっきも言ったように個人競技では無いのでそれぞれのチームに獲得できる権利があると思っていい。

やっぱり賞品がかかるとみんなの目の色が違うね。

さっきまでは早く終われてきな感じだったけど、今は飢えた獣のようだ。

「続きまして10位から5位の賞品です。」

「先程よりもよりよい物を御準備しました。まずは魔石研究所様よりミド博士お手製最上級魔装具です。各能力はお選びいただけますので望みのものからお一つどうぞ、これは早い者勝ちです。冒険者なら一つは持っておきたい補助装備、これがあるのと無いのとでは冒険の成果が間違いなく変わってきますよ!」

「マジか、何処に行っても手に入らない魔装具がもらえるとかどれだけ太っ腹なんだ!」

「続いてネムリ商店様より王都で今流行の宝飾品をどうぞ!今や予約で半年待ち、サンサトローズでも即完売の大人気商品です。夏はまだ終わりません、より綺麗に磨きを掛けて気になるあの人を射止めてみませんか?」

「ウソ!予約も出来ないって奴でしょ!絶対ほしい~!」

この辺の反応は元の世界もこっちの世界も何も変わらないな。

女性は綺麗を求めている。

エステとかスキンケア商品とか始めたらそっちの方が儲かるんじゃないかな。

世の中を動かしているのは男じゃなくて実は女だったなんていうし。

消費の世界も男性よりも女性のほうが消費率高かったりするしね。

「更にこんなものもどうでしょう、冒険者なら一つは持っておきたい魔法の靴。疲れ知らずのその靴を履けば遠い遠征も大丈夫、ゼーアン工房の硬革の靴です。」

「おぉ、あの怪我が半分になるって噂の奴か!」

「そして更に更に、サンサトローズ一の武器屋があなたの為の一本をお選びします。銀貨5枚相当の武器をどうぞ!」

「銀貨5枚分の好きな武器だって?あの親父さん俺達が行っても相手してくれないのに、念願のあの武器が手に入るのか。」

「最後はこちら、商業ギルド様から商業ギルドに所属する好きなお店で使えるお食事券銀貨5枚分です。冒険の後の一杯をたまには豪華にしてみませんか?三人でお選びいただくと何と銀貨15枚分です!」

「銀貨15枚あれば二ヶ月は食い放題じゃねぇか!」

「お前等、何としてでも10位以内には入るぞ、わかったな!」

「「おう!」」

主に巨漢の男達が歓声を上げる。

いや、貴方達が食べたら一ヶ月も持たないんじゃないかな。

まぁ喜んでくれるならいいか。

某ジャパネット的なあおりを入れながら紹介しているが中々に面白い。

こういう直接反応が見えるのっていいな。

「では最後、5位から順番にいきます。」

「第五位、これで遠征になっても大丈夫!ダンジョン商店連合様より携帯天幕ならびに調理道具の組み合わせ銀貨7枚相当の賞品です。これさえあればどんな悪天候でも素早く設営、冒険者の基本は疲れを知らぬ体から、防音魔法もかかっており快眠もお約束します。しかも、魔物の気配を感知すると中に教えてくれる優れものですよ!」

「これってあの上級冒険者が使ってるって噂の奴だよな?」

「ガンドさん達はこれを手に入れてから中級から上級に上がったって話しだぜ。」

「ならこれを手に入れない手はねぇな!」

へぇ、そんなにすごい道具なんだ。

ちなみに今回設営した天幕も防音魔法がかかっているそうでいびきで寝れない心配もありません。

「第四位、魔術師なら一度は夢見る最高の杖。魔術師ギルド様提供のこの杖は、これまでの杖という概念を覆します。持ってよし、握ってよし、どんな形にも思いのまま。さらに魔法触媒は取り外し可能で杖じゃない方がいいという方の型も崩しません。触媒は先日発掘された史上最大級の紫結晶を使用。これであなたも上級魔術師!」

「紫結晶って確かホーマ地方の鉱山から出たって奴よね。」

「そうそう、あそこの魔石は魔法との相性抜群だから上位の魔法にも十分耐えれるんだって。」

「あれがあれば夢の上級魔術師・・・。」

ホーマ地方?

確か魔石横流しの時にも名前が上がってた場所だよな。

その筋の人には有名な場所という事か。

「第三位、これを使えば百発百中!冒険者ギルド様よりカボーン工房製ロングボウです。今や幻といわれるカボーン工房製の弓は弓師であれば一度は手に入れたい憧れの弓。その射程もさることながら持つだけでわかるこの軽さ。軽いと壊れ易いなんて言葉は過去のもの、使えばその価値を語る必要はありません!」

「カボーン工房製だって!」

「ウソだろ、この前のオークションで金貨1枚で落札されたカボーン工房製だぞ。」

「あれは最高級品だろ?それでもあの形、あのしなり、かっこいいよなぁ。」

「俺、この戦いに勝ってあいつを嫁に貰うんだ。」

誰だよ死亡フラグ立てるの。

死なないでよ。

そんなに危険な事する予定無いんだけど縁起でもないから辞めてくれます?

「第二位、ドワルド垂涎の的!これを飲まずして死ぬ事は許されません。旧ホンニ領シュホンニ酒造が生んだ至高の逸品、イギダンジョウ!今やその酒蔵は無く流通しているのは現存している物のみ。今回はそのうちの一本を御用意いたしました。御提供いただいたのは・・・騎士団?」

「先日不敬にも我がサンサトローズを襲おうとした一団が所有していたものだが、盗品でないのは確認済みだ。騎士団では手に余るのでな、提供させてもらった。」

「と、言う事だそうですので安心してください。」

「イギダンジョウ!」

「目標は第二位だ。死んでも二位だ。一位なんざ何処かの馬の骨にくれてやれ!」

「あれを飲めば天国にいけるって爺さんがいってたもんな!」

飲まないと死ねないとか、わからなくはないけどさぁ。

俺もこのゲームが出るまでは死なないとか思っていたのもあるし。

未だに出ないF○7のリメイクとか。

ブラッド○ーンの2とか。

そういった感じと同じだろう。

「そしていよいよ第1位の発表です。」

ユーリには布がかかったままの状態で剣を渡す。

さぁこれが最後だ。

「第一位、冒険者ならこれを使わずに何とする。あのシルビア様の剣に傷をつけた最高の逸品。見る者を魅了するその色、その形。これ以上語るのは野暮というものでしょう。さぁ、この催しの賞品に相応しい賞品はこちらです!」

俺の合図でユーリがかかっていた布を剥ぎ取る。

太陽の光を浴びて漆黒のような輝きを増すダマスカスの剣。

誰もがその神々しさに息を呑んだ。

「サンサトローズ一の名工ダストン氏の最高傑作、ダマスカスの剣だぁぁぁぁぁ!」

「「「「「うぉぉぉぉ!!!」」」」」

雄たけびが大地を震わす。

冒険者であれば一度は見たことがあるだろう。

あの店の奥に飾られていた最高傑作。

それが今自分達の前に掲げられている。

魔術師や弓師、それを使わないものでさえも魅了するその剣はまさに一位の商品としてふさわしいだろう。

「なお10位から1位の方々には、先程の品の他に20位から10位の方と同じ賞品をお選びいただけるようになっています。」

「あれだけじゃなくて他の商品ももらえるのか!」

「すごいぞシュリアン商会!」

「イナバ様万歳!」

「俺、これからずっとイナバ様のダンジョンを使い続けるぜ!」

うんうん、喜んでもらえて何よりだ。

「この催しを盛り上げるに相応しい賞品の数々。それを手に入れることが出来るのはここにいる皆さんです。」

全員の目が光り輝いている。

やる気に満ち溢れ、アグレッシブな冒険者に相応しい目だ。

さぁ、これ以上ここに彼等をとどめるのも野暮ってもんだな。

「最終日に残るのはだれだーー!」

「「「「「俺(私)だーー!」」」」

「優勝するのはだれだーーー!」

「「「「「俺(私)だーーー!」」」」

「賞品を受け取るのはだれだーーーー!!」

「「「「「俺(私)だーーーー!!!」」」」

某ウルトラ横断クイズ風に冒険者をあおってみる。

皆さんノリが大変よろしい。

「皆さんの健闘を祈っています!」

さぁ盛り上がって参りました。

やっぱりイベントはこうでなくっちゃ。

ユーリがお立ち台から降り、代わりにシルビア様がそこに昇る。

冒険者はまだ興奮冷めやらぬといった感じだ。

「あー諸君、サンサトローズ騎士団シルビアだ。」

話し始めるも盛り上がりすぎて誰もシルビア様に気付いていない。

しばしシルビア様が待つ。

だが、まだ気付かない。

あれかな、『君達が静かになるまで5分かかりました』的なやつか?

「諸君!!」

痺れを切らしたシルビア様の一喝が場の空気を一気に引き締めた。

すごいな、あの声一体何処から出てるんだろう。

腹の底からってレベルじゃないぞ?

「あー、盛り上がっている所水を差して悪いが大事な話だから聞いてくれ。イナバ殿から話が合ったように、この催しは冒険者である君達の為に行なわれているものだ。だがその催しを運営するに当たり、まず忘れてはならないのはこの場を貸してくれている村人の存在だ。彼等はイナバ殿の願いに快く承諾され、こうして準備をしてくれた。参加しない冒険者もそうだ。彼等は自分の為にならない仕事も率先して行なってくれている。それは何故だ?全てはイナバ殿の顔を立て、村に迷惑を掛けないためだ。」

そう、この催しを行うに当り絶対に忘れてはならないのは村の人たちの存在だ。

彼等が許してくれなかったらそもそも開催できない。

それを冒険者にも理解してもらわなければならない。

「この催しは君達のものだが、その風紀を乱す者は我々の敵だ。楽しむのは結構だが、それを理由に村に迷惑を掛け冒険者同士の風紀を乱す者は、順位に関係なく即刻退場してもらう。もちろん賞品など受け取ることはできない。我等騎士団はイナバ殿と村の人々のために全力で責務を全うするだろう。その事を理解してしっかりと楽しんでくれ、以上だ。」

冒険者の反応を確認する事も無く、シルビア様がお立ち台から降りる。

先ほどの盛り上がりが一気になくなってしまった。

そうだろうそうだろう、俺の奥さんかっこいいだろう。

でもダメだ、俺のだからな。

え、いらない?

失礼な。

まぁこうなってしまったのも仕方が無い。

緩めるところは緩める、絞める所は締める。

何事もメリハリが重要です。

あの浮ついた気分のまま予選が始まると統率が出来なくなる可能性もあった。

有り難い話だ。

さて、最後の仕上げにいくとしよう。

シルビア様に代わりもう一度お立ち台に昇る。

さっきと違って緊張した顔をしているのが面白い。

「このあと太陽が真上に昇る頃ここを使って予選を開始します。開始前に合図をしますのでそれまでは各自自由に食事や準備を行なってください。待機所での規範や食事などについてはティナギルド長よりお話があると思いますので、一度場所を移し話しを聞いてください。念のため詳しく書いた紙もその時お渡しします。規範違反は即刻退去していただきますので節度ある行動をお願いすると共に、冒険者として最高の実力を見せてください。では以上を持ちまして解散とします。」

これで開会式は終了だ。

ティナさんたちの誘導で冒険者達が橋を越えて南へ移動し始める。

さて、この場所が空いたら予選の準備にはいるとしますかね。

まずはお立ち台を中心にして線を引いて広場を二つに分ける。

それでもって次に正解者に渡す得点を大量に用意して・・・。

「ユーリ、得点棒は準備できていますか?」

「現在もウェリス様達が大急ぎで加工しております。」

「いやー、すっかり忘れていました。思い出していなかったらどうなっていたのやら。」

バッチリ準備は出来たと思っていたが、当日になって必要な道具が無い事が判明した。

現在開会式そっちのけでウェリス達が木材を加工してこの後使う得点棒を加工している。

「誰にも失敗はあります、ご主人様は準備に集中してくだされば結構です。あとは私達がお助けしますので。」

「頼りにしています。」

さて、やるとしますか。

冒険者達の背中を見送りながら俺達は俺達の準備を続ける。

ここからは冒険者の戦いと同時に俺と冒険者との戦いでもある。

どちらが盛り上げる事が出来るか、さぁ決戦だ。
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