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第七・五章

完璧な計画にはズレがある

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日の出と共にサンサトローズへ向かい、昼前に現地に到着。

その後関係各所を回り、予定を消化。

最後は馬を手に入れて輸送ギルドへ引き渡し。

よし、完璧な計画だ。

あとは予定通り行けば問題ない。

問題ないが、大抵こういう計画は計画どおりに行かない。

予定は未定という奴だ。

そうならないように努力はするが、難しいだろうなぁ・・・。

「シュウイチさん、また難しい顔をしていますよ。」

「どうも嫌な予感がするんですよね、サンサトローズで迎える聖日にはあまりいい思い出がなくて。」

「正確に言えば、場所を問わずご主人様が過ごされる聖日が平穏であった記憶がありません。」

「失礼な、特に何も無く平和に過ごした日も有りましたよ?」

先週は特に何も無かったよ?

忙しかったけど・・・。

「失礼しました、平穏であった記憶が『あまり』ありません。」

「ユーリ様、それでは『あまり』変わらないと思いますが・・・。」

「まぁまぁ、シュウイチさんと過ごす聖日がお休みであった事は『あまり』ありませんからしかたありません。」

エミリアまでそういう言い方しますか。

なんだか傷つくなぁ。

「なんて冗談ですよシュウイチさん、元気だしてください。」

「まぁ今日も忙しいのは間違いありませんからね、いつもすみません。」

「ご主人様を補佐するのが我々の役目ですからどうぞお気遣い無く。」

「そうですよ。それに今日を頑張れば本番まであと少しですから。」

そう、本番まで今日を含めて後二日。

今日中やるべき事はやら無ければならない。

「では予定通り村への出店をお願いするのはユーリとニケさんに、エミリアは私と一緒に関係各所へお付き合い下さい。」

「シア奥様はどうされますか?」

「シルビアの所へは着いてすぐ顔を出しますので大丈夫です。騎士団関係は丸投げしていますのでそちらにかかりっきりになるでしょう。」

「快く出店してくださるでしょうか。」

「無理にお願いする必要はありません。事情を説明して出したいと思ってくださるところだけで大丈夫です。最悪一軒も無かったとしても特に問題はありませんので。」

食事は無料で提供できる分がある。

あくまで娯楽の意味を含めての出店依頼だ。

そこも含めてユーリたちには気楽にやってもらえばいいだろう。

「出来るだけ善処いたします。」

「予定通り行けば昼前に白鷺亭へ寄る予定です、そこで一度合流しましょう。一応今日の予定表をニケさんにお渡ししておきますので居ない場合は申し訳ありませんが探してください。」

「わかりました。」

携帯電話が無いと、こういうところが不便だ。

念話も誰もが通信できるわけではない。

何かそういう道具が開発されればいいんだけどなぁ。

異世界作品でそんな道具出てなかったっけ。

「そろそろ見えてきますよ。」

馬車はサンサトローズ手前の坂を登る所だ。

ここを下れば眼下に堅牢な城塞に囲まれた街が見えてくる。

城塞都市サンサトローズ。

毎度おなじみのこの街で、今日は何が起こるのか。

いや、起きないでもらえると嬉しいです。

はい。

どうか宜しくお願いします。

誰に祈るわけでもなく、俺は手を合わせた。


サンサトローズ到着後真っ先に騎士団へ向かいシルビア様と面談をする。

警護の件は予定通り手配できているそうだ。

往復の足も騎士団で確保できているようなので問題なし。

馬が必要といわれても現状手配できないから困るんだよな。

「ではそういうことで後はお願いします。」

「催し当日に動く予定だったが、冒険者が前日に村へ入るのであれば我々もそれに合わせるべきだろう。その辺りも踏まえて準備しよう。」

「おそらく30人程だと思いますが、村の安心のためにも宜しくお願いします。」

「冒険者全員が何か悪い事をしたわけではないが、そういう目で見られていることも事実。今回の催しでそういう目が少しでも減ればよいのだが。」

「そうなれば一番嬉しいですね。」

「この後はどうするんだ?」

「魔術師ギルドに魔石を借りに、あと精霊結晶の代金についても聞いてきます。」

「そういえばそういうものもあったな。」

ほら、シルビア様も忘れてる。

俺が忘れても仕方が無いんですよ。

「諸事情で馬が必要になりましたのでついでに買ってきます。」

「馬?」

「陰日で催し当日に必要な馬が確保できないんですよ。なので、これを機に移動用の馬を手配する事にしました。」

「確かにこれだけ頻繁に行き来するのであれば馬が居た方が望ましいが、少々勿体無くないか?」

「使わない時は村へ農耕もしくは開拓用に貸し出すつもりです。」

「それはいい案だ、父も馬がどうのとぼやいていたから丁度いいだろう。」

そうなの?

よかった~、馬なんて要りませんとか言われなくて。

いや、まだ正式に話を持っていったわけじゃないけど事前にその言葉を聞けると安心だ。

馬が無駄にならなくて済む。

「それを聞いて安心しました。ではシルビアまた明日。」

「今日は夕刻から雨が降りそうだ、帰りは気をつけてな。エミリア、シュウイチを頼むぞ。」

「お任せ下さい。」

ありゃ雨ですか。

大雨になってもイヤだし早めに行動しますか。

騎士団を出て次に向かうは魔術師ギルド、っとその前に・・・。

「ちょっとよりたい所があるんですがいいですか?」

「ギルドに行かないんですか?」

「通り道なので先に挨拶だけ。」

騎士団から中央の噴水を東から西に抜ける予定だったが急遽南へ舵をとる。

商店の立ち並ぶ南商店街はユーリたちに任せているのでその手前、なじみとまでは行かないがお世話になっているお店へと足を伸ばす。

「あぁ、こちらでしたか。」

元の世界で見たら銃刀法違反になるものばかりが並んだ店頭。

そう、強面の親父が居る武器屋だ。

「失礼します。」

「イラッシャイ、おっと、誰かと思ったらやり手の商人様じゃねぇか。」

「その言い方は辞めてくださいよ。」

「商業ギルド相手に喧嘩売るとは見かけによらずやるじゃねぇか。」

「売られた喧嘩を買っただけで、別に自分からふっかけたわけじゃないんですよ?」

「それでも喧嘩するだけの度胸はあったわけだ。俺はてっきり逃げ出すんじゃねぇかと思ったが俺の見込みが間違っていた、許してくれ。」

いつもは気難しい顔をしている親父が今日は随分とにこやかだ。

正直これはこれで気持ち悪い。

「許すも何も気にしていませんから。」

「そう言ってもらえると助かる、それで今日は何の用だ?」

「お願いしていた物を見せてもらいに。」

「おぅ、キッチリ仕上げてあるぜ。弟子手製の銅の剣100本だ。」

奥から大きな木箱がお弟子さんと思われる二人に運ばれてくる。

木箱の上から柄の部分が飛び出しカチャカチャと金属のぶつかる音がする。

「これで100本、それとダマスカスの剣だったな。」

「ひー、ふー、みーっと確かに100本確認できました。面倒な注文ですがこちらに任せて正解でしたよ。」

「ただ作るだけじゃなくわざと強度を落とす為には何が必要か、弟子にもいい勉強になっただろう。」

「あ、あの本当に俺達が作った武器でよかったんですか?」

「皆さんの武器だからお願いしたんです。これからもどうぞ我が商店を宜しくお願いします。」

「馬鹿やろう、自分が作った武器に自信持ちやがれ!」

「は、はい!ありがとうございました!」

お弟子さんが親父さんに頭をはたかれながら頭を下げる。

「では物は明日輸送ギルドが取りに来ますのでお渡し下さい。」

「ダマスカスも一緒でいいのか?」

「いえ、それは今日責任を持って持って帰ります。」

高級品は別枠だ。

荷物になるがこんな時だけ冒険者っぽく見せても罰は当たらないだろう。

「こいつを宜しく頼む。」

「責任を持ってお預かりします。」

ズシリとした重さが腕にかかる。

これを片手で振り回すとか冒険者の腕力ってどうなってるんだよ。

ムリだわ。

両手でもムリだわ。

「シルビア様にもよろしく伝えといてくれ。」

「かしこまりました。」

親父とお弟子さんに見送られ、目的の場所へと向かう。

「いい人でしたね。」

「真面目な仕事をする人とはいい商売ができます。これからもお互いに良い商売相手として関わっていければいいですね。」

「武器の仕入れはあの方からに変えますか?」

「それはもう少しダンジョンが大きくなったらでしょう、現在の客層でしたら折角の武器を生かすことは出来ません。もう少し商店とダンジョンが成長してからお願いすることにします。」

良い冒険者は良い武器を使う。

これは命を預けるものとして当然の考えだ。

安かろう悪かろうでは意味が無い。

適正な武器を適正な時に使う。

過剰な武器が駄目な事は無いが、高価な武器だから強くなったと過信してはいけない。

強い武器を使うのであれば自らも成長しなければならない。

そういう意味ではウチのダンジョンはまだまだという事だ。

「わかりました。」

「遅くなりましたね、急ぎ魔術師ギルドに向かいましょう。」

今日は余り時間が無い、寄り道した分急いで行かないと。

早足で来た道を戻り、目的の魔術師ギルドへ向かう。

本当に夕方から雨が降るのか空に雲が増えてきた。

涼しくていいんだけど、大丈夫かなぁ。

なんて心配しながら到着したのはいつもの重厚な門。

今日もいつもの言葉で開門しなければ。

「魔術師ギルド所属、エミリアただいま帰還しました。」

『所属員エミリアの魔力を感知、本人と判断します。』

これこれ。

エミリアの声に反応して門が開き始める。

いやー、何度見てもかっこいいなぁ。

そして俺でもいけるのか試したいよな試したくないような。

まぁ、エミリアが居るからいいか。

久々の魔術師ギルドの中は相変らず口が開いてしまうぐらいに綺麗だった。

何度来てもここはすごいなぁ。

「今日は何処に行きますか?」

「ひとまず魔石研究所へ、その後フェリス様に精霊結晶の金額を聞きに行きます。この前の御礼もしてませんしね。」

「そういえばそうでしたね。」

「道案内お願いします。」

「お任せ下さい。」

エミリアに連れられてまず向かうは回廊を抜けた先にある石造りの塔。

相変らず入口には門番が立っている。

「失礼します、ミド博士かイラーナ助手にお繋ぎいただけますでしょうか。」

「お名前をお伺いしてもよろしいですか?」

「ギルド所属エミリアもしくはイナバシュウイチとお伝えすればわかると思います。」

「わかりました、そのままお待ち下さい。」

名前を聞いた兵士があらぬ方向を向いてブツブツと何か呟く。

恐らく念話で中と連絡しているんだな。

これが電話線か何かだったらもうラ○ュタの世界だ。

もしもしもしもし、おいム○カ!

ほら、あれも石造りの塔だったじゃない?

まぁ、あれは塔の上で今回は塔の下に用があるわけだけど。

「お待たせしました博士がお会いになるそうです、中へどうぞ。」

石造りの壁がスムーズに横にずれる。

これも魔石を使った技術だったっけか。

塔の中の下り階段を進み、目的の研究所までしばし進む。

体感でマンション3階分ぐらい降りた所で階段が途切れた。

「やぁ、久しぶりだね。」

「ミド博士、御無沙汰しております。」

「これはいつぞやのボインちゃんじゃないか。」

「お久しぶりですミド博士。」

「なんだ、君も一緒だったのか。」

何だとは何だ。

ガキが生意気言って!

とか思っちゃいけない。

見た目は子供だけど中身は50過ぎたおじさんなんだから。

見た目は子供、中身はオッサン、その名はミドリオルフ男爵だ。

こう見えて爵位持ちだから世の中わからない。

「先日は素敵な贈り物をありがとうございました。」

「君には精霊結晶を譲ってもらった御礼があるからね、あれは本当に素晴らしいものだよ。あれ以上のものがこの世に存在するのなら僕は爵位を捨ててでも手に入れなければならない。まぁ、そんなことありえないだろうけどね。」

よし、ならば爵位を捨ててもらおうじゃないか。

なんて、そんな事はしないけど。

この人にお守りを見せようものなら暴走して手がつけられなくなってしまう。

それは奥さんに申し訳ない。

「そうだ、博士御婚約おめでとうございます。」

「これは私達からのお祝いです、どうぞお納め下さい。」

エミリアが用意していた手土産を博士に手渡す。

ポリポリと頭をかきながら何ともいえない顔で博士はそれを受け取った。

「なんて顔をしてるんですか博士。」

「これはイラーナ様、御婚約おめでとうございますます。」

「イナバ様エミリア様御丁寧にありがとうございます。それと、私はただの助手ですから様付けなんて結構ですよ。」

「いえいえ、男爵の奥様になられたという事はイラーナ様も貴族の一員ですから。」

「彼等がお祝いを持って来てくれたんだ。」

「わざわざすみません、まだ内緒なんですけど皆さんには早めにお伝えしようと思いまして。」

そう、魔石横流し事件でお世話になったこの二人、あの後見事にゴールインを果たしたようだ。

年の差を気にしていた博士を見事イラーナ助手が口説き落とした。

いや、口説き落とさせた?

まぁ何はともあれめでたい事に変わりは無い。

「よかったですねイラーナ様。」

「おかげ様でやっと重たい腰を上げてくれました。」

「こんな年寄りと結婚したいだなんて君もどうかしているよ。」

「博士の面倒を私が見ないで誰が見るんですか。他の人にはまともに話が出来ないくせに。」

「ぐ、助手が上司に向かって随分な口の利き方じゃないか。」

「いいですよ別に、解任されますか?」

「誰もそこまでは言っていないだろ!」

あーあ、いい年した大人が年下の娘に翻弄されちゃって。

完全に尻に敷かれますな。

ウチも人の事言えないけど。

「それで、お二人はどうされたんですか?」

「お祝いを言いに来たというのもあるんですけど、もう一つお願いがありまして。」

「また面倒な事をお願いするんじゃないだろうね。」

「今回はお二人に出ていただくようなことは致しません。ただ、魔石をお一つ融通していただけないかなと思いまして。」

「魔石、ですか。」

「陰日にウチのダンジョンで催しを企画しておりまして、その時に利用する魔石冷蔵庫用の魔石が必要なんです。ここなら何とかなるのでは無いかと思いまして参りました。」

むしろここで準備できないとなると何処に行けばいいかわからない。

「何だそんなことか。」

「お借りしようと思ったんですが魔石は消耗品ですので、お譲りしていただきたいのです。」

「どのぐらいの大きさですか?」

「大型の魔石冷蔵庫を1台4日ほど動かすのに使います。」

「それはまた随分大掛かりな物を動かすんだな。」

「今回の催しに協賛してくださる皆さんからたくさん食品をいただきまして、この時期ですからどうしても大きくなってしまうんです。」

「それを動かすんでしたら魔石も大型かつ上質な物の方がいいでしょうね。」

大きくて純度が高い魔石。

お高いんでしょう?

「ありそうですか?」

「ここを何処だと思っているんだ?この国が誇る魔術師ギルドの魔石研究所だぞ。」

「失礼しました。」

「良いものがあります、あれを持ってきますね。」

「そうだな、彼にはあれが相応しい。」

相応しい?

俺専用の物とかあるの?

まさか高級品を押し付けるつもりじゃないだろうな。

困っているから金に物を言わせて・・・とか。

「何とかなりそうですねシュウイチさん。」

「ホッとしました。」

「いつもの事だが随分といろんな事に手を出しているようだね。」

「別に自分から手を出しているわけでは無いんですが、成り行きと言いますか何と言いますか。・・・」

別に好き好んで手を出しているわけじゃないんです。

事件が俺を呼び寄せるんです。

決して死神と呼ばれる名探偵と同じじゃないんです。

「まぁ君に任せれば何とかなるだろう、これからも頑張ってくれ。」

「出来る限りは頑張らせていただきます。」

「ミド博士、お待たせしました。」

イラーナ助手がなにやら大層な木箱を持ってきた。

大きさは一辺が20cm程。

正方形の木箱だ。

えっと、縦横高さ全部20cmとすると、縦×横×高さで8000立方センチメートルか。

計算してみたけど良くわからんな。

「これがお望みの魔石だ。」

木箱を受け取り指輪を取り出すようにパカっと開けた。

中に入っていたのは大粒のダイヤモンド。

ではなく、多角形をしたコブシ大の魔石。

半透明で敷かれたクッションが透けて見える。

俺が見たことある奴よりも透明度は高そうだ。

えっと、どう見ても高そうなんですけど。

「大きいですね。」

「大型の冷蔵庫を四日だろ?だがこいつの純度なら一期は持たせる事ができるぞ。」

いや、四日でいいんです。

そんなに長期に動かす予定は無いんですけど。

「使い終わったら持て余しそうです。」

「使い終わったら返してくれたらいい、最初に君が言ったように貸し出しという形で提供しよう。」

「魔力を消費しますが構わないんですか?」

「もちろんかまわない、むしろ使用した感想を聞かせてくれれば十分だ。」

「使用した感想、ですか。」

なにそれ、使用感に違いとかあるの?

っていうかそんなのを調べたい物を貸し出そうとするの?

実験じゃないですか。

「この魔石は先日見つかった珍しい魔石でね、融合結晶まではいかないが、かなりの魔力を秘めているのは間違いない。」

「そしてそれを実際に使用した結果を報告してくれ、という事ですね。」

「話が早くて助かるよ、御代はもちろん結構だ。」

タダで使わせてもらえるというのは非常に助かる。

何かと物入りで右から左にお金が出て行きっぱなしだ。

キャッシュは出来るだけ残しておきたい。

でもなぁ、大丈夫かなぁ。

「安全なんですよね?」

「もちろんです、博士と私が保証します。」

「でも実戦で使用するのは初めてなんですよね。」

「ここで何度か実験をしているから実用でも問題ないだろう。」

何その理論。

むしろ大型になると危ないとかじゃないの?

「お二人が仰るのでしたら大丈夫でしょう。」

「うーん、エミリアがそういうのなら・・・。」

「この魔石から出てる波長は非常に穏やかなものです、暴走する事は無いと思います。」

なるほど、エミリアは魔力の流れを見ることが出来たな。

それなら大丈夫か。

「ではありがたく使わせていただきます。」

「良い結果を期待しているよ。」

期待しないで確信して!

でもまぁこれで目的の一つは片付いた。

「この後はどちらに?」

「フェリス様の所へ行く予定です。」

「なら気をつけたほうがいい、今は機嫌が悪いんだ。」

「どうかしたんですか?」

「詳しくは教えてもらえなかったがとりあえず機嫌が悪い。」

うーん、それを聞くと行きたくないなぁ。

でもここに来てるのに挨拶しないで帰るのもあれだし・・・。

そういえば入口にいつものあの人が居なかったのも何か関係あるのかな。

「なんでしょうか。」

「わかりませんがとりあえず行くしかないでしょう。」

「そうですね。」

本番まで後二日。

まだまだ予定は未消化だ。

次はちょっと行きたくないけど、行かないと次の予定がクリアできない。

はぁ、やっぱり予定通りうまくは行かないか。

でも、行くしかないよね。

頑張ろう。
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