上 下
274 / 520
第九章

迎撃準備

しおりを挟む
ニケさんは部屋で待機、俺達は少年執事と別れ玄関へと向かった。

館の中は静まり返っている。

まさに嵐の前の静けさだな。

「ストリさんに何を言われても返事をしないようにお願いします。」

「なんだかあの方を避けているようですが、何かあったのですか?」

「今はまだ何も話せる状況にありません、どうかお許しください。」

「いえ、イナバ様には何か考えがあってでしょうから私はそれに従います。」

「全て終わりましたらご説明させていただきます。」

「シュウイチさん、そろそろ玄関です。」

おっと、いつの間にか玄関まで来ていたようだ。

えぇっと帽子帽子っと。

あった、これだな。

「これを深くかぶってください。」

「はい。」

「エミリア、リュカさんに連絡とってもらえますか?」

「リュカさんにですか?」

「えぇ、私の祝福の力を探ればここまで来れると思います。今回の作戦にはリュカさんとシルフィーの力がどうしても必要なんです。」

「わかりました。」

今から呼んでおけばちょうどいいタイミングで到着するはずだ。

ピタゴラ装置を作るには少年執事が必要だけど、それを稼働させるタイミングを計るにはリュカさんとシルフィーの力が必要だ。

「では行きますよ。」

俺はゆっくりと扉を開けてあたりの様子を伺う。

特に問題はなさそうだ。

馬車からルーファ団員がこっちの様子を伺っている。

あれ、ストリさんがいないぞ。

どこ行った。

「イナバ様お待ちしておりました、ささどうぞ馬車の中へ。」

いやいやいきなり横から出てくるのは勘弁してください。

思わず身構えそうになるが何とかこらえる。

「辺りに問題はなさそうですか?」

「今のところ怪しい人影は見えませんな。」

「見回りありがとうございました。」

ストリさんに誘導されるような形で馬車へと向かう。

極力ストリさんの視界に直接レティシャ王女が入らないよう死角になるような形をとる。

まさかストリさんも後ろをついてくるのがレティシャ王女とは思わないだろう。

ストリさんが馬車のドアを開き、最初にレティシャ王女を押し込むような形で馬車へと乗り込んだ。

扉を閉めようとしたところでストリさんの手が止まる。

「おや、この香りはレティシャ王女の香水ですな。何故ここで・・・。」

しまった。

急ぎ過ぎてそこまで気が回らなかった。

王女様なんだから香水ぐらいつけててあたりまえだよな。

しかもこの世界では香水ってまだ珍しいみたいだし、どうする。

どう誤魔化す。

中に入られたら一発アウトだ。

「シュウイチさん、これじゃないですか?」

俺が大慌てをしている時だった、エミリアが横からすっと手を伸ばす。

そこには先日俺が返却したはずの布が握られていた。

あれ、何でここに。

ともかく今は話を合わせないと。

「あぁ、先ほどレティシャ王女から預かったやつですね。一緒に行くことはできないがせめて私の代わりだと思って受け取ってほしいと渡されたんです。なんでも大切な物だとか・・・。」

「そのような事が・・・。時間かかっておりましたゆえ心配しておりましたが、無事に説得されたのですな。」

「どうしても外出したいと言われましたが、最後はご納得いただけました。」

「いくら強固な結界を張っているとはいえ何が起きるかわかりませんからな、さすがイナバは様人心掌握のすべも長けておられる。」

「シュウイチさん、そろそろ出発しないと。」

「おっとそうでしたな、すぐに出発いたしましょう。」

ストリさんがドアを閉めるのを確認して一息つく。

やれやれ何とか切り抜けたか。

「申し訳ありません先ほど見回っていると少し気になるものを見つけましてな、先に出てくださいますか?」

「構いませんがイナバ様がなんて言うか・・・。」

って今度はそう来ますか。

一難去ってまた一難。

ですよねー、王女がいるのに(いないけど)わざわざついてくるはずないですよねー。

でもそのほうが好都合だ。

「かまいません、出してください。」

俺は見張り窓からルーファ団員に向かって指示を出す。

「わかりました出発します。」

ストリさんが馬車を降りると、馬車は鈍い音を立ててゆっくりと動き出した。

「ルーファさん、引き続きゆっくりとした速度でお願いします。あと、道中何があっても中を覗かないように。怪しいそぶりを見せれば敵に感づかれる可能性がありますので。」

「わかりました。」

これでよしっと。

馬車が少し左に傾くのを感じる。

おそらく角を曲がって館と平行に走っているのだろう。

もう一度左に曲がればちょうど裏側だ。

「王女様、次に馬車が曲がったら私たちは飛び降ります。すぐにドアを閉めてあとは先ほどお話ししたとおりに。」

「わかりました。」

「エミリア、少し危険ですがついてきてくれますか?」

「もちろんです。」

ルーファ団員に聞こえないように小声で打ち合わせを済ませる。

馬車の時速は10kmも出ていないだろう。

自転車から飛び降りると思えばいい。

それぐらいならこけてもすりむくぐらいだ。

そして馬車が再び左へと傾く。

元に戻ったタイミングを見計らい、俺は馬車の扉を少しだけ開いた。

よし、ちょうど裏側だ。

この速度なら降りれなくもない。

「どうかお二人ともご無事で。」

「すべて終わりましたらまたお会いしましょう。」

「王女様もお気をつけて。」

エミリアと目を合わせ速度が上がる前に飛び降りる。

着地と同時に少し足がもつれたが、何とか踏みとどまることに成功した。

そのまま走ってベクトルを殺す。

昔の俺ならこんなことできなかったけど、この世界にきて鍛えた成果が少しは出たのかな?

遅れて飛び出したエミリアも綺麗に着地をするのが見えた。

第一関門はとりあえずクリアだ。

「エミリア大丈夫ですか?」

「大丈夫です。」

「説明はとりあえず中に入ってからで、リュカさんと連絡はとれましたか?」

「もう直ぐこちらにつくそうです。」

「裏口から中に入りますので同じように裏口に来るように伝えてください。正面は彼がカギをかけてくれているはずですからストリさんが入ってくることもありません。」

裏口以外を封鎖した理由は侵入経路を遮断するためだ。

好き勝手にストリさんに館の中を歩かれては困る。

おそらく異変を感じて最終的にはどこかから侵入してくるだろうけど、今はその時間を稼げれば十分だ。

「・・・はい、伝えました。」

「では中に入ってニケさんと合流しましょう。」

ここからは時間との勝負だ。

俺たちは静かに移動し、裏口のドアを開ける。

予定通り鍵はかかっていなかった。

抜き足差し足忍び足っと。

「イナバ様、ご指示の通りここ以外の扉にはカギと閂をかけてあります。」

館に入ると同時に少年執事から報告を受ける。

何時からそこにいたんでしょうか。

ちょっとびっくりしたんですけど。

「ありがとうございました。」

「次はどうすればいいですか?」

「ひとまず先ほどの部屋に戻りたいのですが後一人向ってまして・・・、ちょうど来たようですね。」

すぐ後ろから誰かが来る気配がする。

このタイミングで来るとしたら一人しかいないよね。

俺は扉を開けて目的の人物を迎え入れた。

「急にお呼び出しして申し訳ありません。」

「緊急の連絡だっていうから飛んできたんだけど、何かあったの?馬車はもう出発したんでしょ?」

リュカさんが入ってきたのと同時に裏口に鍵をかけ、閂をすることも忘れない。

それに加えて大きな荷物をドアを遮るように配置した。

「いったい何をするつもり?」

「詳しい話はあとで、とりあえず移動しましょう。」

話は全員集合してからだ。

ここにいるのは俺を含めて四人だけ。

この人数でやれるだけのことをやらなきゃならない。

俺たちはひとまずニケさんの待つ部屋へと向かった。

部屋に入ると綺麗なドレスを身に着けたニケさんが指示通り窓際で待機していた。

「お待たせしました。」

「よかった、いつ戻られるかちょっとドキドキしてたんです。」

「脱出に手間取りましてね、でも無事に王女様を乗せることが出来ました。」

「ちょっと待ってよ、あの馬車には本人が乗ってるの?この子が囮になるんじゃなかったの?一体どうなってるのよ、わかるように説明しなさい!」

急に呼び出されたこともありリュカさんが随分とご立腹だ。

エミリアが怒るとそれもまた可愛く見えるのに、この人だと感じないのは相手の問題だろうか。

「まず最初にこれから大勢の敵がこの屋敷を襲ってきます。目的はレティシャ王女を殺害する為ですが、もちろんここにはいません。私達の目的は敵の目をここに釘付けにして王女様の安全を確保することです。できる限りの罠を仕掛けて時間を稼ぎ、援軍が来るのを待ちます。奴隷商人の所に到着し、王女様が事情を説明してから援軍が動き出しますので少し時間はかかるでしょう。」

「ちょっと!ここが襲われるってどういう事?狙っているのは王女様じゃないの?」

「まぁまぁ落ち着いて。ここが襲われる理由は敵がここにレティシャ王女がいると思っているからで、敵を騙すはずの作戦までもが敵に漏れていました。漏らした犯人は恐らくストリさん、私達の認識ではブレイズ家の執事と言う事になっていますが、実際はこちらの彼がブレイズ家の執事です。こちらでは私の代理と名乗っていたようですね。」

「え、イナバ様の代理じゃなかったんですか?」「ちょっと、ブレイズ家の執事じゃなかったの?」

二人の声が綺麗にかぶさる。

ビックリしますよね。

俺もビックリしたもん。

「ストリさんの目を欺く為に急遽王女様にはそのまま馬車に乗ってもらいました。気付いていないようですから間違いなく王女の命を狙ってここを襲ってくるでしょう。私達はそれを迎撃しなければなりません。御理解いただけましたか?」

「理解しましたかって、何でアンタはそんなに冷静なのよ。」

「ストリさんが怪しい事はフェリス様から事前に報告を受けていましたので。」

「ちょっと、何でそれをすぐ言わないのよ!」

「言えば何処からか情報が漏れる可能性があるからです。内通者の所在も分かっていないのに大事な情報を流す事はできません。騙すような事になり申し訳ありませんが、これも全て作戦を成功させる為なんです。」

「エミリアはそれで良いの!?」

「びっくりはしましたが、シュウイチさんの作戦に間違いはありませんから。」

「アンタは!?」

「イナバ様なら必ず成功させると信じています。」

聞いた相手が悪かったようですね。

エミリアもニケさんも全幅の信頼を俺に寄せている。

その信頼を裏切らない為にも、俺は失敗できないわけなんです。

「なんでみんなこんな奴の肩を持つのよ。」

「リュカさんは信じていないんですか?」

「信じてない事はないけどさぁ、何か癪じゃない?」

「私の事はどう思われても構いませんので、エミリアの言葉は信じてあげてください。」

「ほら、こういう所とかさぁ。」

もう好きにしてくれ。

「それでイナバ様、どうすればいいですか?守るっていってもここに武器なんてありませんよ。」

「別に戦う必要はありません。前線を維持しつつゆっくり後退して時間を稼ぎます。この家の全てを把握している君と敵の動きを把握できるリュカさんとシルフィーの力があれば大丈夫です。」

「え、私!?」

「頼りにしていますよ。」

「お願いしますリュカさん。」

「もぅ、そんな事言われたら断れないじゃない。」

なんていいつつも顔が嬉しそうなんですけど。

あれだな、リュカさんは褒めて伸ばすタイプだな。

「とりあえず家の周りの状況と敵の数を調べてもらって良いですか?」

「そういう事なら任せてちょうだい、シルフィー出てきて!」

リュカさんが腕を上に伸ばし掌をパッと開く。

何だろうそのまま誰かの尻尾を切れそうなエネルギー弾が出てきそうなモーションだな。

だがそこから出てきたのはエネルギー弾ではない。

目の前に現われたのは宙に浮かぶ少女。

ワンピースを着て背中からは蝶の様な羽が生えている。

シルフィーと会うのはこれで二度目になるだろうか。

ドリちゃんもディーちゃんもそうだけど、精霊っていうのは女の子の姿ばかりなんだろうか。

でもエフリーはそういう感じでも無さそうだし。

たまたまかな?

「もー、折角気持ちよくお昼寝してたのに、一体何なの?」

「仕事よ仕事!私達の力が必要だって指名が入ったのよ!」

「うわ、珍しい。いつも身勝手なお願いばかりだから今回もって思ったけど違うんだ。」

いつも身勝手なお願いなんだ。

まぁお互いにそれで関係が成り立っているのなら他人がどうこう言う必要は無いけどさ。

「今からこの屋敷に悪い奴等が攻めてくるの、何処にいるか教えてくれる?」

「攻めて来るだなんて、面白そうだね!」

「でしょ!?久々に暴れられるかもよ。」

「あんまり派手にする予定は無いんですが・・・。」

「いいからいいから、とりあえずお願いね。」

「まっかせといて!」

いや、派手に迎撃したら逃げちゃうから暴れられても困るんだけど。

リュカさんの指示でシルフィーが天井を突き抜けて飛んで行く。

もちろん物理的に突き抜けたわけではなくすり抜けるといった感じだ。

「ちょっと飛びすぎ!もっと低く低くって今度は低すぎ!も~、真ん中ぐらいで・・・そうそうそこそこ!」

本人はいたって真面目にやっているつもりだろうが、天井に向って話しかける人を客観的に見るのって面白いな。

「あ、見つけた。ここから少し離れた所に1,2,3,4・・・7人かな。」

「そこにストリさんはいますか?」

「ん~、見えないなぁ。」

「家のすぐ近くはどうです?」

「近く?えっとねぇ、居た!今裏口の辺りよ。扉を開けようとして、あ、開かなくて首をひねってる。」

間一髪間に合ったって感じだな。

少しでも遅れていたらリュカさんと遭遇していただろう。

そうなれば急遽変更した作戦に感づかれていたかもしれない。

「襲撃犯に動きがあったら屋敷の何処から来るのか教えてください。特にストリさんの動きは逐一エミリアに報告していただくと助かります。」

「分かったわ。」

これで敵の動きはバッチリだ。

この世界で上空から敵の動きを把握できるって一種のチートだよな。

って、何かの作品で読んだことあるけど本当にそう思う。

画面右上の簡易地図に表示されているエネミー表示と一緒でしょ?

便利すぎる。

「では次に我々です。私達の目的は先程も言いましたように時間稼ぎです。一直線にここまで来られたら太刀打ちできませんから、迎撃しつつゆっくり後退していきます。その為に必要な物が二つ、障害物と罠です。」

「つまりダンジョンのように家中に罠をしかけるんですね。」

「王女様には家を破壊しても構わないと了承を得ていますから、遠慮なくやってしまいましょう。えぇっとアル君でしたっけ?」

「アルと呼び捨てにしてください。」

「ではアル、家中の食器と油を集めてください、それと分厚い布も。」

「わかりました。」

「私達は通路という通路に家具を配置して道を塞ぎます。怪しいと思われても中に突入した以上彼らに逃げるという選択肢はありません、それを上手く利用するんです。」

普通何か怪しい部分があれば進入をやめて撤退を選ぶだろう。

だけど彼らは王女暗殺に一回失敗している。

つまり二度目の失敗はありえない状況だ。

そうなると多少怪しくても突入せざるを得ないだろう。

そんな彼らを障害物と罠で無力化する。

戦力差があってもこっちには地の利がある。

それにむこうにはタイムリミットもあるしね。

俺達は援軍が到着するまで凌げば良いんだから、有利なはずだ。

ゲームの中では。

「あ、イナバ様!」

さぁやるぞ!と言おうとした時、彼が戻ってきた。

「どうしました?」

「かなり高価な食器もあるんですけど、それもですか?」

「・・・そういうのは除外してください。」

「わかりました!」

そういえばこの家にある物は高価なものが多いんだった。

いくら王女様が好きにして良いといっても、後で弁償しろっていわれても困る。

「私達も高そうな物は遠慮しましょうか。」

どれが高価なものかは分からないがそのへんはフィーリングでいくしかない。

なんだか締まらないがとりあえず迎撃準備開始だ。

イメージはホー〇アローンでよろしく!
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】 転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた! 元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。 相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ! ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。 お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。 金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...