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第九章
番外編~それぞれの二週間、その1~
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あの日から彼が目覚めるまでの二週間。
それぞれが色々な気持ちで過ごした二週間。
彼の知らない彼女達の戦いの記録。
~ニケの場合~
ドンという鈍い音が退団式の会場に響きわたった。
まるで壊れた人形のようにイナバ様の身体が飛んでいく。
何が起きたのかわからない。
先程までの歓声がやみ、辺りが静寂に包まれる。
だけど、次の瞬間に私達の周りは悲鳴と怒号に包まれた。
「狙撃か!団員はプロンプト様の盾になれ!」
「「ハッ!」」
混乱する退団式会場。
右往左往する人達の中で真っ先に動いたのは騎士団の皆さんだった。
「シュウイチさん!」
エミリア様が慌てて駆け出していく。
「リア奥様お待ち下さい!」
ユーリ様も慌ててその後ろを追いかける
でも私は動く事ができなかった。
怖くて、足が動かない。
何が起きているの?
「どけ!」
逃げ惑う誰かに突き飛ばされてしまう。
地面に倒れこみ、慌てて起きようと顔を上げた時だった。
逃げ惑う人達の隙間から倒れているイナバ様が見えた。
表情は分からない。
そしてピクリとも動かない。
まさかそんな、イナバ様が?
だってだって、さっきまで一緒にいたのに。
シルビア様に鞘を渡しに行った、ただそれだけなのに。
なんで?
どうしてイナバ様が。
疑問で頭が一杯になる。
「シュウイチ、おいシュウイチ!しっかりしろ!」
シルビア様がイナバ様を抱き抱えている。
そうだ、私もお傍に!
慌てて立ち上がり無我夢中で走り出した。
「行くな、狙撃されるぞ!」
「止めないで下さい!」
騎士団の人に前を塞がれたけれど、それを避けて皆さんの所へ向かう。
到着するまでの間にイナバ様の周りを騎士団の人が盾を持って取り囲んでいた。
「シュウイチさん返事をしてください!」
「いけませんリア奥様!」
「触るな!傷が広がる!」
お医者さんらしき人がイナバ様の服を乱暴に脱がしていく。
エミリア様の身体をユーリ様が抱きしめ、近付けないようにしていた。
あれ、シルビア様は?
鎧が剥ぎ取られていくイナバ様の横でシルビア様が呆然とへたり込んでいた。
エミリア様をユーリ様にお任せしてシルビア様の横に駆け寄る。
「シルビア様お怪我は!?」
「私を、私を庇ってシュウイチが、シュウイチが。」
「今お医者様が見てくださっています、しっかりしてください!」
うわ言のように同じ事を言い続けるシルビア様。
その横に寄り添いながら、私は倒れているイナバ様に目を向けた。
あぁ、そんな。
あんなに大きな穴が・・・。
「くそ、こんな分厚い鎧に大穴開けやがって、はずれねぇ。」
「おい、ナイフ貸せ!」
「出血箇所何処だ、ポーションありったけもってこい!」
「死なすな、この人を絶対に死なすな!」
「周囲を警戒しつつ防御陣形を維持!カムリ様は何処だ!」
「プロンプト様の警護に当っておられます!」
「くそ、何処から撃ってきやがった!」
怒号が頭の上で飛び交っている。
私にはそれがお芝居か何かのように聞こえて、目の前で起きている出来事が現実のように見えなくなってきた。
これは夢だ。
そうに違いない。
だって、あんなに大きな穴が開いて生きていられるはずが無い。
「シュウイチが、シュウイチが死んだ・・・。」
「シルビア様しっかりしてください!まだ生きておられます!」
死んだなんてそんな事、そんな事あるはず無い。
私はまだこの人に何も恩返しできていないのに。
「ここは危険だ、シルビア様と共に君達もこっちへ!」
誰かが私達の肩を掴み強引に引っ張られる。
「でもイナバ様が!」
「あの方は警護しながら連れてくる、そこにいると邪魔だ!」
「おい、シルビア様も連れて行け!」
「詰所の扉開けろ!警戒怠るな!」
「いやぁ、シュウイチさん!目を開けて!」
エミリア様が泣き叫んでいる。
ユーリ様がそれを必死に止めている。
シルビア様が・・・。
私達はそのまま詰所の中まで引っ張られ、しばらくしてイナバ様も同様に運ばれてきた。
そしてそのまま担架に乗せられ奥へと連れて行かれてしまう。
「私も一緒に!」
「リア奥様お待ち下さい!ニケ様、シア奥様を願い致します!」
担架を追いかけて行くエミリア様をニケ様が慌てて追いかけて行く。
怒号と罵声が飛び交う詰所で、私はシルビア様を抱きしめたまま動く事ができなかった。
ただ、私の腕の中で子供のように泣きじゃくるシルビア様を守らなくては。
それだけを考えて悪夢が過ぎ去るのをずっと祈っていた。
~ティナの場合~
あれから三日経った。
街は一応の平穏を取り戻したものの、外を歩けば騎士団員と冒険者が辺りを警戒している。
人々はいつもと変わらない生活を営みながらも、あの恐ろしい出来事を噂していた。
何でこんな事になってしまったんだろう。
ついこの間まで元気だったのに。
「ティナギルド長、プロンプト様がお見えになりました。」
「すぐに行きます。」
感傷に浸っている場合ではない。
こんな状況であの人ならこういうだろう、『今出来る事をしよう』と。
私はやり場の無い怒りをぐっとこらえ、冒険者でごった返す広間を抜けて会議室へと向かう。
いつもとは違う私の戦場。
冒険者の誰もが殺気立っているのがわかる。
しかたない、あんな物を見せられて黙っていられる冒険者はこの街にはいない。
「お待たせいたしましたプロンプト様、こんな所までおいでくださってありがとうございます。」
「ここは戦の最前線と同じだ、私が出向かずしてどうする。それで、進展はどうだ?」
「昨日、狙撃場所と思われる地点を捜索に当っていた冒険者が発見。現在魔術師ギルドと騎士団が現場検証を行なっております。怪我の状況から狙撃は魔術による可能性が高く、残留物から捜査に当っています。」
「現場発見者にはそれなりの報酬を出し他の冒険者を鼓舞、また魔術師ギルドには何としてでも犯人につながる証拠を見つけるように指示を出しておけ。」
「かしこまりました。」
プロンプト様の殺気がすごい。
昔ドラゴンに睨まれた時と同じ恐怖を感じる。
この人は怒っているんだ。
自分の街でこんな事件が起こったからじゃない、大切な友人の命が狙われたから。
それは私も同じだ。
あの人を傷つけた犯人は決して許しはしない。
「私の目の前であのような事をやらかした奴を決して逃がすな。冒険者の集まりはどうだ?」
「懸賞金目当ての冒険者がかなりの数来ています。その、正直に申しまして素行のよろしくない冒険者も多く、住民から不安の声が上がっています。」
「騎士団に巡回を増やすように伝えろ。金に釣られた冒険者でも仕事が出来るのならば文句は言わん。ただし、悪事を働く奴は容赦するな。私の街でこれ以上の狼藉を働けばどうなるか何人か見せしめにすれば理解できるだろう。」
「それとは別に初心者冒険者にサンサトローズ近辺の巡回と捜索を依頼したいのですがよろしいでしょうか?」
今日の本題は先程の報告とこれだ。
「初心者にか?」
「はい、皆あの方の為に何かしたいと申しておりまして・・・。」
「ふむ、余所者よりかはよっぽど頼りになりそうだな。わかった、依頼料はこちらでもとう。」
「ありがとうございます。」
「草の根分けてでも何かを見つけて来る様、良く言い聞かせておけ。」
「はい!」
あの事件の翌日。
ギルドに入りきらない程の冒険者が集まった。
皆あの人の為に何かしたいと集まってきたのだ。
その中には先日の集団失踪で助けられた初心者冒険者や、催しに参加した上級冒険者の姿もあった。
冒険者の為に何かしたい。
その思いがこうやって広がっている事が私は嬉しかった。
出来るなら私も捜索に加わりたい。
だが、現実はそれを許さない。
ならば私の指示で冒険者を動かし、あの人の為に頑張ってもらうだけだ。
「あれから三日か・・・。」
「その、イナバ様の容態はどうなのでしょうか。」
「まだ意識はもどっておらん。外科的な傷ではない為、峠を越えたかどうかすら分からん状態だそうだ。」
「そうですか・・・。」
意識不明。
冒険者で言えば死んだのと同じ状況だ。
仮に意識が戻ったとしてもあの腕はもう二度と動く事は無いだろう。
「だが絶対に死なせはせん。私の目の届く場所でこれ以上大切な人間を死なせるものか。」
「きっと、いえ絶対にイナバ様は戻ってこられます。」
「うむ。ならば我々が出来る事はただ一つ、犯人を見つけ制裁を下す事だ。」
「必ずや犯人の手がかりを見つけます。」
「頼りにしているぞ。騎士団と冒険者、これまで反発しあっていた二つの組織が今こうやって歩みをそろえているのだ、どんな困難でも乗り越えられるだろう。もっとも、歩み寄れたのも彼のおかげだがな。」
騎士団と冒険者は同じ目的の為に手をとりあっている。
昔であれば喧嘩して終わりだった。
それが今お互いを認め合って協力し合っている。
これはものすごいことだ。
元気になられてこの事を聞いたら喜んでくださるに違いない。
「プロンプト様、元老院より遣いの方が来られました。お戻りいただけますでしょうか。」
「わかったすぐに戻る。ティナギルド長、後は任せた。」
「おまかせください。」
プロンプト様が慌しく会議室を出ていく。
私は大きく息を吐き、緊張を解いた。
まだ意識は戻っていないんだ。
このまま意識が戻らず死んでしまったら。
考えちゃいけないと分かっているのにそんな事を考えてしまう。
冒険者は何時死ぬか分からない。
明日魔物に襲われるかもしれないし、罠にはまる可能性もある。
日々死と隣りあわせだ。
だから仲間や知り合いが死ぬ事が当たり前だった。
悲しくないわけじゃない、でもある種の諦めが心のどこかにあった。
でもあの人は違う。
あの人は冒険者じゃない、ただの商人だ。
だからいなくなるのが怖い。
もし、私達の前からいなくなったら・・・。
いや、そんな事はありえない。
だってあのイナバ様だ。
今回だって絶対に戻ってくる。
あの人はそういう人だ。
なら私がやる事は一つ。
あの人が戻ってこれる環境を作り上げる事。
すなわち、犯人を捕まえる事だ。
私はもう一度大きく息を吸い、強く吐き出す。
「よし、やろう。」
そう自分に言い聞かせて、会議室を出る。
「グラン、すぐに来て。」
まずはプロンプト様の指示を伝達しなければ。
私はグランを呼びながら自分の戦場へと戻っていった。
~ユーリの場合~
あれから一週間。
私は今ダンジョンの中にいる。
ダンジョン妖精の仕事はただ一つ。
自分のダンジョンの維持、管理をすること。
現在、魔物の数は維持されており、むしろ多いぐらいだ。
稼動した罠は元に戻しておく。
この一週間で侵入した冒険者は36人。
いつもの半分以下だ。
踏破した冒険者はなし、息絶えた冒険者は4人。
回収した装備はいつもなら倉庫に放りこむが、今日はそのまま宝箱の中に仕舞っておく。
それとは別に倉庫から出してきたポーションや薬草類を多めに入れておこう。
商店が機能していない以上、冒険者は追加で道具を補充する事はできない。
ここはあくまでも初心者向けのダンジョンだ。
生き延びて再び戻ってきてもらうこと。
それがご主人様が望む今のダンジョンのあり方だ。
正直に言って甘い。
ダンジョンは冒険者を取り込むことで成長する。
つまりはドンドンと冒険者を倒し、それを回収するのが本来のあり方なのだ。
それを否定するのはダンジョン妖精として矛盾しているのだが、私は普通のダンジョン妖精とは違う。
私はあの人に作られた人造生命体。
そして、あの人の魂が宿るイナバ様が私のご主人様だ。
だから私はご主人様のやり方に従うだけ。
ご主人様を支え、ご主人様の為に生きる。
例え意識が戻らないとしても、ご主人様が生きているのであれば私はそれに従うだけだ。
「これでよし。」
ダンジョンの命でもあるオーブに手を添えてダンジョンの状態を保存する。
ここはダンジョンの隠し部屋。
かつて、あの人と共に過ごした思い出の場所。
この部屋の後ろ、そこで私は産まれた。
人は死ぬ。
その理に逆らう為にあの人は心血を注ぎ、その過程で私を作り上げた。
もちろん最後は理に逆らえずあの安楽椅子の上で最後を見送ったわけだが・・・。
「まさかこんなに早く同じ顔を見ることになるとは思いませんでしたね。」
独り言がポロリと口から漏れた。
安楽椅子の上で眠るように息を引き取ったあの人。
そしてあの人と同じような顔で眠り続けるご主人様。
魂が重なっているからか、違う顔のはずなのにあの人のように見えてしまい心がざわつく。
それから逃げるようにダンジョンの整備をすると勝手に決めてここまで来たんだ。
サンサトローズでは今もご主人様が眠っている。
傍には何時起きてもいいようにとリア奥様がほとんど眠らずに寄り添い続けている。
正直に言って痛々しすぎて見ていられない。
食事もまともに摂らないので少し痩せたようだ。
それでも、あの日の取り乱しようからすると随分とマシになったのかもしれない。
ご主人様が狙撃されたあの日。
その場に倒れこむご主人様の手を離そうとしなかったリア奥様。
泣きじゃくり、何度も何度もご主人様の名前を呼び続けた。
体力の限界まで呼びかけ続け、最後はその場に倒れこんでしまった。
それでも翌日には再び寄り添い名前を呼び続ける。
これまで約半年一緒に過ごしてきたが、まさかこれほど取り乱すとは。
それだけリア奥様の想いが強いということなのだろう。
「それよりも心配なのはシア奥様ですね。」
そう、リア奥様なんてまだ可愛い方だ。
問題なのはもう一人の奥様、シルビア様だ。
シア奥様を身を挺して守ったご主人様。
そのおかげで怪我一つ無く無事なわけだが、逆にそれが負い目となりシア奥様を苦しめている。
自分のせいでご主人様が傷ついてしまった。
自分のせいでご主人様の意識が戻らない。
自分があの時しっかりしていれば・・・。
あの時自分が狙撃を受けていれば・・・。
過去は変えられない。
今更過去を悔やんだってしょうがない。
重要なのは過去ではなく今この時間のはずなのに、シア奥様の時間はあの時で止まったままだ。
ご主人様の顔を見るたびに悲しそうな顔をして泣きながら部屋を飛び出す。
だが、もしかしたら目が覚めているかもしれないという期待からまた顔を見に行き、そして絶望する。
その繰り返しだ。
そして最後には暗い部屋に引きこもり自分を責め続ける。
今一番助けが必要なのはリア奥様でもご主人様でもない、シア奥様かもしれない。
でも、シア奥様を助けられるのはタダ一人。
ご主人様だけだ。
「早く目を覚ましてくださいご主人様。」
こういうとき誰にお願いすればいいんだろう
神様?
それとも精霊様だろうか。
妖精が神頼みというのもまた、面白い話しだ。
だがそれでご主人様が目を覚ますのであれば喜んで祈りを捧げよう。
私の生きる意味、それはご主人様と生きることだ。
そのためにはどんな事だってしよう。
「さて、ニッカ様には事情を説明しましたし後はセレン様に事情を説明しに行くだけですね。」
そうだ、セレン様に美味しい御飯を作っていただくのはどうだろうか。
食べなれたセレン様の美味しい食事を摂れば奥様方も元気を出すかもしれない。
それどころか美味しい匂いにご主人様が目を覚ます可能性もある。
「そうとなれば急いだ方が良さそうですね。」
オーブを元の場所に戻し、あの人の安楽椅子があった場所をじっと見つめる。
ご主人様を連れて行くのはもう少し我慢してください。
そういるはずの無いあの人に向かって願った。
あの人は目を覚さなかった。
だがご主人様は違う。
必ず目を覚まし、また私達に向かって笑ってくれるはずだ。
そしていつものように奥様方への煮え切らない思いをブツブツと呟くに違いない。
その心の声に返事をするのも私の役目。
奥様方にも譲れない、特別なこと。
「待っていてくださいご主人様。」
後ろは振り返らない。
私にしか出来ない事が絶対にある。
それを成す為に、私はダンジョンを後にした。
~〇〇の場合~
狙撃失敗当日の夜。
サンサトローズ某所にて。
「暗殺は失敗に終わったか。」
「はい、市民の妨害にあい狙撃は成功するも殺害に失敗、対象は現在住居にて厳重に保護されております。」
「あの方法で狙撃すればどんなものでも貫通するのではなかったのか?そうだからこそ、あのような危険な方法を選んだのだぞ。」
「失敗の原因は現在確認中です。想像もしない不思議な力が働いた、そういうことしか今は分かっておりません。」
「都合のいい話しだ。」
「ですが仕事を依頼されたからには最後までやり通すのがうちの流儀です、必ずや成功させて見せましょう。」
「あの厳重な警備を超えてどうするのか見物だな。まぁ、もし失敗した場合にはどうなるかわからない君ではあるまい。」
「もちろんです。」
「では宜しく頼む、何としてでも殺してくれ。」
返事は無かった。
気配が消えたと同時に屋根の上を何かが走る音が聞こえただけだ。
「あの人間には生きておられると色々と困るのだよ。」
その声もまた闇夜にまぎれて消えていく。
不穏な気配は今も尚サンサトローズを取り巻いている。
それぞれが色々な気持ちで過ごした二週間。
彼の知らない彼女達の戦いの記録。
~ニケの場合~
ドンという鈍い音が退団式の会場に響きわたった。
まるで壊れた人形のようにイナバ様の身体が飛んでいく。
何が起きたのかわからない。
先程までの歓声がやみ、辺りが静寂に包まれる。
だけど、次の瞬間に私達の周りは悲鳴と怒号に包まれた。
「狙撃か!団員はプロンプト様の盾になれ!」
「「ハッ!」」
混乱する退団式会場。
右往左往する人達の中で真っ先に動いたのは騎士団の皆さんだった。
「シュウイチさん!」
エミリア様が慌てて駆け出していく。
「リア奥様お待ち下さい!」
ユーリ様も慌ててその後ろを追いかける
でも私は動く事ができなかった。
怖くて、足が動かない。
何が起きているの?
「どけ!」
逃げ惑う誰かに突き飛ばされてしまう。
地面に倒れこみ、慌てて起きようと顔を上げた時だった。
逃げ惑う人達の隙間から倒れているイナバ様が見えた。
表情は分からない。
そしてピクリとも動かない。
まさかそんな、イナバ様が?
だってだって、さっきまで一緒にいたのに。
シルビア様に鞘を渡しに行った、ただそれだけなのに。
なんで?
どうしてイナバ様が。
疑問で頭が一杯になる。
「シュウイチ、おいシュウイチ!しっかりしろ!」
シルビア様がイナバ様を抱き抱えている。
そうだ、私もお傍に!
慌てて立ち上がり無我夢中で走り出した。
「行くな、狙撃されるぞ!」
「止めないで下さい!」
騎士団の人に前を塞がれたけれど、それを避けて皆さんの所へ向かう。
到着するまでの間にイナバ様の周りを騎士団の人が盾を持って取り囲んでいた。
「シュウイチさん返事をしてください!」
「いけませんリア奥様!」
「触るな!傷が広がる!」
お医者さんらしき人がイナバ様の服を乱暴に脱がしていく。
エミリア様の身体をユーリ様が抱きしめ、近付けないようにしていた。
あれ、シルビア様は?
鎧が剥ぎ取られていくイナバ様の横でシルビア様が呆然とへたり込んでいた。
エミリア様をユーリ様にお任せしてシルビア様の横に駆け寄る。
「シルビア様お怪我は!?」
「私を、私を庇ってシュウイチが、シュウイチが。」
「今お医者様が見てくださっています、しっかりしてください!」
うわ言のように同じ事を言い続けるシルビア様。
その横に寄り添いながら、私は倒れているイナバ様に目を向けた。
あぁ、そんな。
あんなに大きな穴が・・・。
「くそ、こんな分厚い鎧に大穴開けやがって、はずれねぇ。」
「おい、ナイフ貸せ!」
「出血箇所何処だ、ポーションありったけもってこい!」
「死なすな、この人を絶対に死なすな!」
「周囲を警戒しつつ防御陣形を維持!カムリ様は何処だ!」
「プロンプト様の警護に当っておられます!」
「くそ、何処から撃ってきやがった!」
怒号が頭の上で飛び交っている。
私にはそれがお芝居か何かのように聞こえて、目の前で起きている出来事が現実のように見えなくなってきた。
これは夢だ。
そうに違いない。
だって、あんなに大きな穴が開いて生きていられるはずが無い。
「シュウイチが、シュウイチが死んだ・・・。」
「シルビア様しっかりしてください!まだ生きておられます!」
死んだなんてそんな事、そんな事あるはず無い。
私はまだこの人に何も恩返しできていないのに。
「ここは危険だ、シルビア様と共に君達もこっちへ!」
誰かが私達の肩を掴み強引に引っ張られる。
「でもイナバ様が!」
「あの方は警護しながら連れてくる、そこにいると邪魔だ!」
「おい、シルビア様も連れて行け!」
「詰所の扉開けろ!警戒怠るな!」
「いやぁ、シュウイチさん!目を開けて!」
エミリア様が泣き叫んでいる。
ユーリ様がそれを必死に止めている。
シルビア様が・・・。
私達はそのまま詰所の中まで引っ張られ、しばらくしてイナバ様も同様に運ばれてきた。
そしてそのまま担架に乗せられ奥へと連れて行かれてしまう。
「私も一緒に!」
「リア奥様お待ち下さい!ニケ様、シア奥様を願い致します!」
担架を追いかけて行くエミリア様をニケ様が慌てて追いかけて行く。
怒号と罵声が飛び交う詰所で、私はシルビア様を抱きしめたまま動く事ができなかった。
ただ、私の腕の中で子供のように泣きじゃくるシルビア様を守らなくては。
それだけを考えて悪夢が過ぎ去るのをずっと祈っていた。
~ティナの場合~
あれから三日経った。
街は一応の平穏を取り戻したものの、外を歩けば騎士団員と冒険者が辺りを警戒している。
人々はいつもと変わらない生活を営みながらも、あの恐ろしい出来事を噂していた。
何でこんな事になってしまったんだろう。
ついこの間まで元気だったのに。
「ティナギルド長、プロンプト様がお見えになりました。」
「すぐに行きます。」
感傷に浸っている場合ではない。
こんな状況であの人ならこういうだろう、『今出来る事をしよう』と。
私はやり場の無い怒りをぐっとこらえ、冒険者でごった返す広間を抜けて会議室へと向かう。
いつもとは違う私の戦場。
冒険者の誰もが殺気立っているのがわかる。
しかたない、あんな物を見せられて黙っていられる冒険者はこの街にはいない。
「お待たせいたしましたプロンプト様、こんな所までおいでくださってありがとうございます。」
「ここは戦の最前線と同じだ、私が出向かずしてどうする。それで、進展はどうだ?」
「昨日、狙撃場所と思われる地点を捜索に当っていた冒険者が発見。現在魔術師ギルドと騎士団が現場検証を行なっております。怪我の状況から狙撃は魔術による可能性が高く、残留物から捜査に当っています。」
「現場発見者にはそれなりの報酬を出し他の冒険者を鼓舞、また魔術師ギルドには何としてでも犯人につながる証拠を見つけるように指示を出しておけ。」
「かしこまりました。」
プロンプト様の殺気がすごい。
昔ドラゴンに睨まれた時と同じ恐怖を感じる。
この人は怒っているんだ。
自分の街でこんな事件が起こったからじゃない、大切な友人の命が狙われたから。
それは私も同じだ。
あの人を傷つけた犯人は決して許しはしない。
「私の目の前であのような事をやらかした奴を決して逃がすな。冒険者の集まりはどうだ?」
「懸賞金目当ての冒険者がかなりの数来ています。その、正直に申しまして素行のよろしくない冒険者も多く、住民から不安の声が上がっています。」
「騎士団に巡回を増やすように伝えろ。金に釣られた冒険者でも仕事が出来るのならば文句は言わん。ただし、悪事を働く奴は容赦するな。私の街でこれ以上の狼藉を働けばどうなるか何人か見せしめにすれば理解できるだろう。」
「それとは別に初心者冒険者にサンサトローズ近辺の巡回と捜索を依頼したいのですがよろしいでしょうか?」
今日の本題は先程の報告とこれだ。
「初心者にか?」
「はい、皆あの方の為に何かしたいと申しておりまして・・・。」
「ふむ、余所者よりかはよっぽど頼りになりそうだな。わかった、依頼料はこちらでもとう。」
「ありがとうございます。」
「草の根分けてでも何かを見つけて来る様、良く言い聞かせておけ。」
「はい!」
あの事件の翌日。
ギルドに入りきらない程の冒険者が集まった。
皆あの人の為に何かしたいと集まってきたのだ。
その中には先日の集団失踪で助けられた初心者冒険者や、催しに参加した上級冒険者の姿もあった。
冒険者の為に何かしたい。
その思いがこうやって広がっている事が私は嬉しかった。
出来るなら私も捜索に加わりたい。
だが、現実はそれを許さない。
ならば私の指示で冒険者を動かし、あの人の為に頑張ってもらうだけだ。
「あれから三日か・・・。」
「その、イナバ様の容態はどうなのでしょうか。」
「まだ意識はもどっておらん。外科的な傷ではない為、峠を越えたかどうかすら分からん状態だそうだ。」
「そうですか・・・。」
意識不明。
冒険者で言えば死んだのと同じ状況だ。
仮に意識が戻ったとしてもあの腕はもう二度と動く事は無いだろう。
「だが絶対に死なせはせん。私の目の届く場所でこれ以上大切な人間を死なせるものか。」
「きっと、いえ絶対にイナバ様は戻ってこられます。」
「うむ。ならば我々が出来る事はただ一つ、犯人を見つけ制裁を下す事だ。」
「必ずや犯人の手がかりを見つけます。」
「頼りにしているぞ。騎士団と冒険者、これまで反発しあっていた二つの組織が今こうやって歩みをそろえているのだ、どんな困難でも乗り越えられるだろう。もっとも、歩み寄れたのも彼のおかげだがな。」
騎士団と冒険者は同じ目的の為に手をとりあっている。
昔であれば喧嘩して終わりだった。
それが今お互いを認め合って協力し合っている。
これはものすごいことだ。
元気になられてこの事を聞いたら喜んでくださるに違いない。
「プロンプト様、元老院より遣いの方が来られました。お戻りいただけますでしょうか。」
「わかったすぐに戻る。ティナギルド長、後は任せた。」
「おまかせください。」
プロンプト様が慌しく会議室を出ていく。
私は大きく息を吐き、緊張を解いた。
まだ意識は戻っていないんだ。
このまま意識が戻らず死んでしまったら。
考えちゃいけないと分かっているのにそんな事を考えてしまう。
冒険者は何時死ぬか分からない。
明日魔物に襲われるかもしれないし、罠にはまる可能性もある。
日々死と隣りあわせだ。
だから仲間や知り合いが死ぬ事が当たり前だった。
悲しくないわけじゃない、でもある種の諦めが心のどこかにあった。
でもあの人は違う。
あの人は冒険者じゃない、ただの商人だ。
だからいなくなるのが怖い。
もし、私達の前からいなくなったら・・・。
いや、そんな事はありえない。
だってあのイナバ様だ。
今回だって絶対に戻ってくる。
あの人はそういう人だ。
なら私がやる事は一つ。
あの人が戻ってこれる環境を作り上げる事。
すなわち、犯人を捕まえる事だ。
私はもう一度大きく息を吸い、強く吐き出す。
「よし、やろう。」
そう自分に言い聞かせて、会議室を出る。
「グラン、すぐに来て。」
まずはプロンプト様の指示を伝達しなければ。
私はグランを呼びながら自分の戦場へと戻っていった。
~ユーリの場合~
あれから一週間。
私は今ダンジョンの中にいる。
ダンジョン妖精の仕事はただ一つ。
自分のダンジョンの維持、管理をすること。
現在、魔物の数は維持されており、むしろ多いぐらいだ。
稼動した罠は元に戻しておく。
この一週間で侵入した冒険者は36人。
いつもの半分以下だ。
踏破した冒険者はなし、息絶えた冒険者は4人。
回収した装備はいつもなら倉庫に放りこむが、今日はそのまま宝箱の中に仕舞っておく。
それとは別に倉庫から出してきたポーションや薬草類を多めに入れておこう。
商店が機能していない以上、冒険者は追加で道具を補充する事はできない。
ここはあくまでも初心者向けのダンジョンだ。
生き延びて再び戻ってきてもらうこと。
それがご主人様が望む今のダンジョンのあり方だ。
正直に言って甘い。
ダンジョンは冒険者を取り込むことで成長する。
つまりはドンドンと冒険者を倒し、それを回収するのが本来のあり方なのだ。
それを否定するのはダンジョン妖精として矛盾しているのだが、私は普通のダンジョン妖精とは違う。
私はあの人に作られた人造生命体。
そして、あの人の魂が宿るイナバ様が私のご主人様だ。
だから私はご主人様のやり方に従うだけ。
ご主人様を支え、ご主人様の為に生きる。
例え意識が戻らないとしても、ご主人様が生きているのであれば私はそれに従うだけだ。
「これでよし。」
ダンジョンの命でもあるオーブに手を添えてダンジョンの状態を保存する。
ここはダンジョンの隠し部屋。
かつて、あの人と共に過ごした思い出の場所。
この部屋の後ろ、そこで私は産まれた。
人は死ぬ。
その理に逆らう為にあの人は心血を注ぎ、その過程で私を作り上げた。
もちろん最後は理に逆らえずあの安楽椅子の上で最後を見送ったわけだが・・・。
「まさかこんなに早く同じ顔を見ることになるとは思いませんでしたね。」
独り言がポロリと口から漏れた。
安楽椅子の上で眠るように息を引き取ったあの人。
そしてあの人と同じような顔で眠り続けるご主人様。
魂が重なっているからか、違う顔のはずなのにあの人のように見えてしまい心がざわつく。
それから逃げるようにダンジョンの整備をすると勝手に決めてここまで来たんだ。
サンサトローズでは今もご主人様が眠っている。
傍には何時起きてもいいようにとリア奥様がほとんど眠らずに寄り添い続けている。
正直に言って痛々しすぎて見ていられない。
食事もまともに摂らないので少し痩せたようだ。
それでも、あの日の取り乱しようからすると随分とマシになったのかもしれない。
ご主人様が狙撃されたあの日。
その場に倒れこむご主人様の手を離そうとしなかったリア奥様。
泣きじゃくり、何度も何度もご主人様の名前を呼び続けた。
体力の限界まで呼びかけ続け、最後はその場に倒れこんでしまった。
それでも翌日には再び寄り添い名前を呼び続ける。
これまで約半年一緒に過ごしてきたが、まさかこれほど取り乱すとは。
それだけリア奥様の想いが強いということなのだろう。
「それよりも心配なのはシア奥様ですね。」
そう、リア奥様なんてまだ可愛い方だ。
問題なのはもう一人の奥様、シルビア様だ。
シア奥様を身を挺して守ったご主人様。
そのおかげで怪我一つ無く無事なわけだが、逆にそれが負い目となりシア奥様を苦しめている。
自分のせいでご主人様が傷ついてしまった。
自分のせいでご主人様の意識が戻らない。
自分があの時しっかりしていれば・・・。
あの時自分が狙撃を受けていれば・・・。
過去は変えられない。
今更過去を悔やんだってしょうがない。
重要なのは過去ではなく今この時間のはずなのに、シア奥様の時間はあの時で止まったままだ。
ご主人様の顔を見るたびに悲しそうな顔をして泣きながら部屋を飛び出す。
だが、もしかしたら目が覚めているかもしれないという期待からまた顔を見に行き、そして絶望する。
その繰り返しだ。
そして最後には暗い部屋に引きこもり自分を責め続ける。
今一番助けが必要なのはリア奥様でもご主人様でもない、シア奥様かもしれない。
でも、シア奥様を助けられるのはタダ一人。
ご主人様だけだ。
「早く目を覚ましてくださいご主人様。」
こういうとき誰にお願いすればいいんだろう
神様?
それとも精霊様だろうか。
妖精が神頼みというのもまた、面白い話しだ。
だがそれでご主人様が目を覚ますのであれば喜んで祈りを捧げよう。
私の生きる意味、それはご主人様と生きることだ。
そのためにはどんな事だってしよう。
「さて、ニッカ様には事情を説明しましたし後はセレン様に事情を説明しに行くだけですね。」
そうだ、セレン様に美味しい御飯を作っていただくのはどうだろうか。
食べなれたセレン様の美味しい食事を摂れば奥様方も元気を出すかもしれない。
それどころか美味しい匂いにご主人様が目を覚ます可能性もある。
「そうとなれば急いだ方が良さそうですね。」
オーブを元の場所に戻し、あの人の安楽椅子があった場所をじっと見つめる。
ご主人様を連れて行くのはもう少し我慢してください。
そういるはずの無いあの人に向かって願った。
あの人は目を覚さなかった。
だがご主人様は違う。
必ず目を覚まし、また私達に向かって笑ってくれるはずだ。
そしていつものように奥様方への煮え切らない思いをブツブツと呟くに違いない。
その心の声に返事をするのも私の役目。
奥様方にも譲れない、特別なこと。
「待っていてくださいご主人様。」
後ろは振り返らない。
私にしか出来ない事が絶対にある。
それを成す為に、私はダンジョンを後にした。
~〇〇の場合~
狙撃失敗当日の夜。
サンサトローズ某所にて。
「暗殺は失敗に終わったか。」
「はい、市民の妨害にあい狙撃は成功するも殺害に失敗、対象は現在住居にて厳重に保護されております。」
「あの方法で狙撃すればどんなものでも貫通するのではなかったのか?そうだからこそ、あのような危険な方法を選んだのだぞ。」
「失敗の原因は現在確認中です。想像もしない不思議な力が働いた、そういうことしか今は分かっておりません。」
「都合のいい話しだ。」
「ですが仕事を依頼されたからには最後までやり通すのがうちの流儀です、必ずや成功させて見せましょう。」
「あの厳重な警備を超えてどうするのか見物だな。まぁ、もし失敗した場合にはどうなるかわからない君ではあるまい。」
「もちろんです。」
「では宜しく頼む、何としてでも殺してくれ。」
返事は無かった。
気配が消えたと同時に屋根の上を何かが走る音が聞こえただけだ。
「あの人間には生きておられると色々と困るのだよ。」
その声もまた闇夜にまぎれて消えていく。
不穏な気配は今も尚サンサトローズを取り巻いている。
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