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第九章

愛しいあの人からの招待状

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その後たっぷりと商談したナーフさんは定期便に乗る為に商店を後にした。

ティオ君も約束どおり日暮れまでには戻って来てたのでウェリスとセレンさんと共に家路に着く。

宿泊する冒険者には食事を提供したし、今日の業務は全て終了だ。

エミリア達は先に家に帰って食事の準備をしているはず。

裏口を施錠してっと。

はい、1日お疲れ様でした。

え、冒険者が宿に残っているのにお店の商品は大丈夫なのかって?

一応商店につながるドアは全て施錠しているし、キッチン周りに盗られるような物もない。

それにまだまだ客が少ないので、もし何か無くなっていてもすぐわかるしね。

ちなみに早朝にダンジョンに潜る冒険者もいるので、前金制にしてチェックアウトは不要にしてある。

本当は番頭のように人を置くべきなんだろうけど、寝ずの番と言うのは大変だ。

もっと宿の利用者が増えて食事の提供量が増えたら考えないといけないけど、今の所は人手も無いのでこうするしかない。

ま、強行突破されたら警報が鳴るのですぐに駆けつけられるし問題ないだろう。

「ただいま戻りました。」

「「「おかえりなさい。」」」

ドアを開けると家中が美味しそうな匂いで満ちていた。

深呼吸するだけでお腹一杯になれそうだ。

今日の御飯はなにかな。

「ご主人様、食事になさいますか?お風呂にされますか?それとも・・・。」

玄関に上がるなり待ち構えていたユーリが問いかけてくる。

いきなり何事だ?

というかなんで元の世界おなじみのあれを知っているんだ?

「食事にします。」

「それは残念です。」

「もう、ユーリったらシュウイチさんが困っているじゃありませんか。」

「申し訳ありませんリア奥様。」

「イナバ様、すぐに食べれますので台所で手を洗ってきてください。」

エミリアに窘められるユーリ。

最後の一つを選んでいたら一体何がどうなっていたんだろう。

気になるような怖いような。

ニケさんは華麗にスルーしてるし。

もしかしてこの人の入れ知恵だろうか。

荷物らしい荷物も無いのでちゃちゃっと手を洗い食卓につく。

「お待たせしました、ではいただきましょう。」

「「「いただきます。」」」

目の前の大皿にはトトマベースのソースにゴロゴロとしたお肉。

少々お肉の挽きは荒いが見た目は完全に某国民的怪盗が天才スナイパーと食べたあれだ。

スパータ。

ここではそう呼ばれている。

うん、パスタです。

ありがとうございます。

ちなみにパスタとはイタリアに於いて小麦で作られた麺料理の総称なのでスパゲティーもそれに含まれる。

もちろんマカロニもパスタの一種だ。

スパゲッティという言い方も好きだが、単純にパスタで言う方が楽だな。

でも、明太スパっていうほうが明太パスタって言うよりも美味しそうに聞こえるのはなぜだろう。

聞きなれているからだろうか。

「うん、美味しい。今日の当番は誰ですか?」

「今日は私が作りました、冒険者の方から街で人気の料理を聞いたので真似してみたんですけどいかがでしたか?」

「食べ応えもありますし味付けも好みです、これが人気なのもうなずけます。」

今日の当番はニケさんだったのか。

街で人気の料理、さすが冒険者と話す機会が多いだけある。

情報収集に余念がありませんな。

「また皆でサンサトローズにいきたいですね。」

「そうですね、ここ最近は全員で行く事はありませんでしたから。」

「ちょうど次の聖日にシア奥様が戻られるそうですから皆でお迎えに上がってはいかがでしょう。」

「連絡があったんですか?」

「お伝えが遅くなり申し訳ありません、夕刻ティオ君と散歩している時に配達員より手紙を預かりました。」

そう言ってユーリがポケットから一通の手紙を取り出す。

白い封筒に騎士団のマーク。

裏にはシルビアのサインが書かれていた。

「それと、ティオ君にせがまれてしまい無断で開封してしまいました。申し訳ございません。」

「私宛ではありますが皆への連絡でもありますので気にしないで下さい。しかし、ユーリもティオ君には甘いようですね。」

「私には家族がいないのでわかりませんが、弟と言うのはあんな感じなのでしょうか。せがまれてしまうと無意識に甘くなってしまうのです。」

「ティオ君可愛いですから。」

「私もつい甘やかしたくなっちゃうんです。」

エミリアもニケさんも同じようだ。

ほとんどの女性にはショタ属性があるというけれど、本当なのかもしれないな。

オネショタ、嫌いじゃないですよ。

「まぁ甘やかしすぎなければ大丈夫でしょう。」

盛り上がっている女性陣をよそに手紙を開封し中身を確認する。

なになに、やっと退団できるので次の聖日に引越しをするって?

いよいよシルビア様が我が家に帰ってくる。

これで家族勢ぞろいだ。

空き部屋ばっかりだったこの家もシルビア様が来ると後一部屋。

当分は空き部屋のままで十分です。

この前みたいにメルクリア女史が泊まりに来ることも無くはないし、客間という事にしておこう。

え、これだけの美人に囲まれて手を出さないのはおかしいって?

そんなのはわかっているんです。

しかしですね、気心の知れた家族が近くにいる中でそういうことできます?

いくら了承済みだからとはいえ、気にするじゃないですか。

え、ハーレムなら複数プレイは当たり前?

そんな絶倫になった覚えはありませんよ。

「ご主人様、そういった事は夕食後の方がよろしいかと。」

「わかっていますからそこは聞かなかった事にしてください。」

「ユーリ様、今度は何を聞かれたんですか?」

「ニケさんも聞かないでくださいよ。」

「えへへ、つい・・・。」

可愛く言ってもダメです!

って、エミリアもそんな顔でこっち見ないの。

可愛すぎて手を出したくなるじゃないか。

とりあえず今は手紙に集中だ。

えーっと、続きだ。

ついては退団式があるので是非皆にも来て欲しいっと。

騎士団長だしそういう式典も必要なのかもなぁ。

聖日の前日に行なうという事はお店を休まないとダメだな。

臨時休業になってしまい冒険者には申し訳ないけど、妻の為だ。

会社の為にプライベートを潰すなんてこの世界に来てまでやりたくない。

お、まだあるぞ。

引越しは聖日にするので馬車の手配をお願いします・・・か。

今日が週初めの定期便の日だから、休みにするのは聖日前日。

荷馬車の手配とかするならその前日にはサンサトローズには入っておきたいな。

もし退団式が朝からだとすると、朝一の定期便でいかないと間に合わない。

女性陣には準備もあるだろうし前日入りの方が都合いいだろう。

となると、次の定期便最終便に乗れればベストだな。

「なんて書いてあったんですか?」

「聖日に荷物をまとめてこちらに来るそうです。それと、その前日に退団式をするのでみんなに来てほしいそうですよ。」

「退団式、ですか。」

「シルビア様程になると、ただ辞めるというわけにはいかないのだと思います。」

「シア奥様も大変ですね。」

有名人は大変なんです。

自分がそんなすごい人の旦那なんて今でも信じられないな。

「御主人様も今では十分有名かと。」

「別に有名になりたいわけではないんですけどね。」

「でも、有名になられたおかげでこうして冒険者の皆さんが来てくださっているわけですから。」

「シュウイチさんが有名になってくださったおかげですよ。」

確かにその通りだ。

自分の思いとは別に物事は良い方に転ぶこともある。

もちろん逆もあるけれど、恐れていたら何もできないもんな。

それこそ有名税としてあきらめるしかない。

「引っ越しは聖日、退団式はその前日に行うそうですからその前にサンサトローズについておかなければなりません。」

「という事はお店は閉めるんですね。」

「そうなります。冒険者の皆さんにはご迷惑をおかけしますが、シルビア様の晴れ舞台ですのでご理解いただきましょう。」

「ダンジョンはいかがされますか?」

「閉めたい所ではありますが、魔力の兼ね合いもありますので開けておきましょう。出発前までできる限りの整備をお願いします。」

「畏まりました。」

ダンジョンに入るのは自己責任だ。

何かあったとしても俺の関知するところではない。

だが、ダンジョンの管理者として出来る限りのことはするつもりだ。

となると、出発準備は前日までに終わらせておく方がいいだろうな。

出来れば荷物は先に村に運んでもいいかもしれない。

そうすれば手ぶらで村に向かえる。

馬で村まで走るという手もあるな。

先にユーリとニケさんを村に向かわせて、閉店作業後エミリアと二人で追いかける。

その為に馬を買ったんだ。

偶には乗ってあげないと拗ねてしまう。

馬という生き物はそれぐらい繊細な生き物なのだ。

この前なんて二日顔を出さなかったらそっぽ向かれてしまった。

それから2刻ぐらいブラッシングしてやっと機嫌が直ったんだ。

困った娘だよあの子は。

「今から楽しみですね。」

「えぇ、出発当日はバタバタすると思いますのでできるだけ早めに荷造りしておいてください。」

「わかりました。」

「必要な物は向こうでも買えますので、そのつもりで。」

「もぉ、意地悪言うんですから。」

エミリアが怒ったように頬を膨らます。

だって忘れられるはずないじゃないか。

エミリアの持って来た大量の荷物。

心配性のエミリアだから仕方ないんだけど、今でも思い出してはつい笑ってしまう。

なので今回はそうならない様にクギを刺したというわけだ。

「お祝いはどうされますか?」

と、思いもしなかった問いかけがニケさんから出て来る。

お祝いか。

いるよなぁ、やっぱり。

だって心血を注いできた騎士団を退団するんだもん。

でもそれってお祝いなのか?

辞めたくなかったのにとか、思っていないだろうか。

「うーん、ここはやり本人が好きな物っていうのが定番でしょうか。」

「それもありますが、ここはやっぱりお花だと思います。」

「お花ですか。」

「そうですね、やっぱりそれが一番だと思います。」

「さすがリア奥様、良くお分かりです。」

花か。

女性は花が好きだもんなぁ。

形に残らないからという意見もあれば、綺麗だからという意見もある。

だが、貰って嫌な気持ちになる人はいない。

可愛い物、綺麗な物が好きなシルビア様なら絶対に喜ぶだろう。

問題はどこで手に入れるかだ。

持っていく事もできるが鮮度が下がる。

やはり当日に準備しないとな。

「サンサトローズに花屋はありましたっけ。」

「確かあったと思いますが、詳しくはわかりません。」

「それでしたらいいお店を知っています。猫目亭に出入りしているお店なんですが、とっても綺麗なお花を持ってきてくれたんです。」

さすがニケさん情報通ですな。

「仮にそこへお願いするとして、当日にお願いして大丈夫でしょうか。定期便を使っても到着は夜遅くになりますからほとんどのお店は閉まってますよ。」

「あのお花屋さんは夜にしか開いていないんです。私達の仕事は夜が本番ですから。」

なるほど。

夜の街専門という奴ですね。

それなら前日にお願いして当日受け取りとかもできそうだ。

「ではそっちはニケさんにお任せするとして・・・。」

「あとは宿の確保と服ですね。」

「やっぱりいつもの格好じゃだめですよね。」

一応店主なので一般の人たちよりもこぎれいな格好をしているつもりだが、貴族とかそういう人たちに比べればやはり貧相だ。

平服でと言われて普段着で行き、この世の終わりを見るわけにはいかない。

「騎士団長の退団式となると、おそらくプロンプト様をはじめ街の上役の方々が出て来られると思いますので、それなりの格好をする必要があると思います。」

「でも、ププト様にはこの格好で会ったけど・・・。」

「それは非常時だからです。ガスターシャ様と出席した食事会のような格好をする必要があると思います。」

「となると・・・。」

前回はガスターシャ氏がすべて準備してくれたので問題なかったが、今回はそういうわけにもいかない。

「貸衣装屋なんてありませんよね。」

「すみません、それも私には。」

「さすがに私も知りません。衣装は全て猫目館から買っていたので。」

ですよねー。

いくら情報通のニケさんとはいえ知らないこともあるだろう。

冒険者に聞いたところで彼らはそんな服着るはずないしな。

「宿を手配するついでにハスラー様にお聞きになられてはどうですか?あの方でしたら良い案をお持ちかと思います。」

「確かにそうですね、聞いてみる価値はあると思います。」

困った時の白鷺亭支配人。

あの人にかかればどんな事でも簡単に思えてしまう。

ユーリさんナイスです。

「では宿と一緒に衣装もお願いしてみましょう。」

「さすがに前日にお願いして手配するのは難しいでしょうから、ノアちゃんに連絡して手配してもらいます。」

「先日も色々と頑張っていただきましたし、今度お礼をしなければなりませんね。」

「そういう事でしたら、ノアちゃんはしょっぱい物が大好きなんですよ。」

しょっぱい物って。

ここは甘い物っていう所じゃないの?

漬物とかこの世界にあるんだろうか。

しょっぱい物、すぐには思いつかないなぁ。

「それに関してはニッカさんに聞いてみます。」

「私もセレン様にもお聞きしておきます。」

この二人に聞けばどっちかは知っているだろう。

「では後で連絡しておきますね。」

「お願いします。」

夏が終わり秋が来た。

その途端にこの忙しさだ。

今日一日だけでもたくさんの事が起きている。

冒険者にはじまりシャルちゃんの依頼にナーフさん、そしてシルビア様の退団式。

秋本番になったらどうなる事やら。

まぁ、それに関してはあまり考えないでおこう。

「さぁ、忙しくなりますからしっかりとご飯を食べて栄養付けないとですね。」

「その通りです。」

「イナバ様おかわりはいかがですか?」

「いただきます。」

腹が減っては何とやら。

充実した仕事の後は美味しいご飯にゆっくりお風呂、そしてたっぷりの睡眠。

これさえ怠らなければどんなに忙しくても大丈夫だ。

シルビア様の為にもしっかり頑張らないとな。

目の前には本日二皿目のスパータ、もといパスタ。

俺は楽しそうに準備を話し合う三人を見つめながら、口いっぱいに頬張るのだった。

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