上 下
174 / 520
第七章

ジャパネットネムリだから出来る事

しおりを挟む
ユーリたちと別れ再び南通りへと歩みを進める。

通り過ぎる人の大半が好意的な目を向けてくれるが、やはり商店から感じる目は不安そうだ。

クレーマーじゃないけれど要注意人物だ。

対応に困る気持ちは分からなくも無い。

なのでそういったお店には入らず、いつもと変わらない目を向けてくれるお店に行く事にする。

このサンサトローズでそのような対応をしてくれるお店。

思いつくのは1つしかない。

「失礼します。」

「イラッシャイマセ、これはイナバ様シルビア様エミリア様。皆様よくおいでくださいました。」

俺を見た途端に子供のように小さな目が商売人の目に変わった。

見た目に騙されてはいけない。

こう見えて子持ちの妻帯者だ。

しかも俺と出会ってからどんどんと事業を拡大させ、今や王都の職人と直接やり取りするような凄腕の商人でもある。

人呼んでジャパネットネムリ。

彼にかかればどれだけ買う気の無いお客でも、気付いた時には素敵な商品を喜んで買っているらしい。

恐るべき男だ。

俺もエミリア達もその餌食になった過去がある。

買わされたはずなのに嫌な気がしない。

これこそがネムリのすごい所だといえる。

「ネムリさん御無沙汰しております。」

「エミリア様も相変わらずお綺麗で、いえ前よりもお美しくなられたのではないですか?先日の指輪も気に入っていただけて何よりでございます。」

「相変わらずのようだな。」

「シルビア様、先日は大変お世話になりました。こうして商いが出来るのも騎士団の皆様が身を挺してこの街を守ってくださったおかげでございます。」

ネムリ節が今日も炸裂する。

シルビアは定期的に来ているそうだが、エミリアがここに来るのはちょうど一月ぶりぐらいか。

「先日の指輪ありがとうございました。あれのおかげで命を救われました。」

「役に立った用で何よりです。向こうの職人もイナバ様の気前のよさに大変喜んでおられましたよ。」

「指輪、ですか?」

ですよねー。

そこに食いつきますよねー。

「前回の事件の際にネムリから頂いたんです。本当は二人にと思っていたのですが精霊のお二人にお渡しする約束を思い出しましてお渡ししました。この前命を助けていただいたご恩もありましたから。」

「言の葉の鎖だったか?」

「その通りです。」

「あのお二人のおかげで今のシュウイチさんがありますから。」

そうなんです。

決して他の女性にあげたとかじゃないんです。

信じてください。

「使用料の件ですが、今までの分と今月分を頂いておりますどうぞお納め下さい。」

「今までの分を頂いてもいいんですか?」

「先方が是非にと申しておりました。もし王都に来る事があれば立ち寄ってほしいとの事です。」

「いつになるか分かりませんがその時は立ち寄らせていただきましょう。」

「王都での噂はこのサンサトローズにも届いている。なんでも人気がすごすぎて予約が半年待ちだとか。」

「半年ですか!」

そんなに待つのか。

そんなすごい店の指輪をただでもらって大丈夫だったんだろうか。

それこそあれが今までの使用料で良いんじゃないの?

まぁ、もらえるなら貰うけど。

「ちょうど昨日新作が入荷いたしましたが御覧になられますか?」

「「是非!」」

二人の声が綺麗にハモる。

あー、これは満足するまで帰れないパターンか。

違うな、買わないと帰れないやつだ。

だって目の輝きが違うもん。

声のトーンもいつもより高かったし。

ですよねー、ネムリの店に来て何も買わないで帰ることなんてできないよねー。

「では二人に見てもらっている間にネムリには別のことを聞きたいんですが、時間は大丈夫ですか?」

「あぁ、例の件についてですね。」

「話が早くて助かります。」

「では机の上に置いておきますのでどうぞ手にとってお試し下さい。店は一時閉店としておきます。」

「商売時ですがいいんですか?」

休息日といえば一期で一番のかきいれ時だ。

そんな時に店を閉めて大丈夫だろうか。

「イナバ様だけでなくお二人がこの店を利用してくださるだけで元は取れますから。」

「客寄せパンダというヤツですか。」

「パンダというのは良く存じ上げませんが、つまりはそういうことです。」

街の大半の人間は俺の事を好意的に受け止めてくれている。

シルビアも騎士団長としての人気は絶大だ。

エミリアに関しては良く分からないが、シルビアと共に俺と結婚した事で高感度がうなぎのぼりに上昇しているらしい。

そんな三人が同時に店を利用して買い物をしたとなれば、何を買ったのか気になる人が出てくるだろう。

なんでもシルビアが買ったものは他の人も買っていくんだとか。

芸能人が使っている化粧品やカバンが場か売れするのと同じ原理だな。

むしろ二人が何を買ったのか他人に見せないようにする作戦なのかもしれない。

独占禁止法が無いのでそれを買い占めておけば利益はすさまじいものになる。

俺もそうやって儲けを出そうかなぁ。

俺愛用のポーション!とか、シルビア愛用の石鹸!とか、エミリア愛用の櫛!とか。

本人がやると俗っぽくてダメか。

「では単刀直入に聞きます。おそらく商業ギルドから私への不売を呼びかけるような指示が出ていると思いますが間違いありませんか?」

ネムリなら応えてくれるという確信がある。

それにここなら仮に商業ギルドの圧力がかかっても、他と取引して生計を立てれるので安心だ。

これもジャパネットネムリの実力あってこその作戦だな。

「間違いありません。先日の夕刻にサンサトローズ商業ギルドに属する全ての商店に対してこのような書面が送られてきました。」

そう言ってカウンターの下から一枚の紙を取りだした。

A4ぐらいの大きさに20行ぐらいの文章が書かれている。

何箇所かはわざわざ色と大きさを変えて強調してあるようだ。

ネムリから受け取り目を通す。

なになに・・・?

なるほど読めん。

「そういえばイナバ様は字を読めないんでしたね。」

「まだまだ勉強中でして、すみません。」

勉強する時間が取れないぐらいに忙しいんだよな。

困ったものだ。

「本日以降、商業ギルドに属する全ての商店に以下に定める項目を義務付けるものである。

1、イナバシュウイチという商人に対する商品の販売を禁ずる。
2、上記の者に近しい人物へも同様に販売を禁ずる。
3、上記の者達への飲食物の提供ならびに奉仕を禁ずる。

これら全ての項目に対して一つでも違反する者があれば、当ギルドはその商店へのギルド加入を解除し商品の卸しを停止する。

当ギルドに属する皆様の賢明な判断を期待する。

以上です。」

これはまたすごい圧力をかけてきたな。

商品飲食物サービス、言えば全ての商業活動を俺達に対して行なうなということだ。

そしてさらにそれを破れば、ギルドへの加入を解除され仕入れも出来なくなる。

こりゃあ商売できなくなるよね。

あの店主が怯えるのも無理ないか。

商店側としてはお客である以上来て貰った人には商売をしたい。

俺のように認知度がある人間が買い物をすれば、ネムリのように相乗効果を期待する事だってできる。

それを真っ向から否定して来るんだから加入商店としてはたまったもんじゃないな。

ネムリに関してはギルドから拒絶されようがもう自分ひとりで何とかなる域まで来ているので怖いものは無いだろう。

いや、そんな事は無いか。

ギルドに加入している方が何かとやりやすい。

それを切ってでも俺の為に手を貸してくれているのだろう。

体は小さいけれど心はでかいなぁ。

「これは中々すごい内容ですね。」

「私もこれを読んだときは目を疑いましたよ。」

「いやぁまさかこんなに恨まれているとは思わなかったなぁ。」

「何かされたんですか?」

「商業ギルドの身分の高いお二人を怒らせてしまいましてね。敵に回すとどうなるのかなと思っていたんですが、いやはや想像以上でした。」

「もしかしてデンマッカ兄妹ですか?」

「その通り、よく分かりましたね。」

「イナバ様に対してこんな手段をとるのはあの兄妹ぐらいなものです。あの二人を敵に回すと話が非常にややこしくなるので他の商店も大変迷惑しているでしょうね。」

非常に話がややこしくなる。

恐らくネムリもなにか面倒な事になった事があるのだろう。

非常にめんどくさそうな顔をしている。

「まぁ、こんな風に非常にややこしい状況なんです。」

「うちの事は気にせずにどうぞこれからも御贔屓にしてください。」

「もちろんです、これからも宜しくお願いします。」

頼りにしていますジャパネットネムリ。

「話は終わったのか?」

それからしばらくネムリと談笑していると商品を見終わった二人がこちらに歩いてきた。

「状況はつかめました。そちらも満足されましたか?」

「非常に良いものを見せてもらった。また資金をためていただきに来るとしよう。」

「何かお気に召すものが御座いましたか?」

「私もいくつか気になったものがありました。」

二人とも至極満足そうだ。

ウィンドウショッピングをして満足感を得るのと同じ状況だろうな。

「ではよろしければそのいくつかをどうぞお持ち帰り下さい。」

「いいのか!?」「いいんですか?」

二人の声が綺麗に合わさる。

えっと、どういうことでしょうかネムリさん?

「こちらの商品は先方様からお二人に是非着けていただきたいとの事で御提供いただいたものです。サンサトローズで皆に愛される騎士団分団長シルビア様、商店連合で知らない人が居ないエミリア様。このお二人が着けてくださればそれを聞きつけた皆様がまた商品を買いに来てくださいます。お二人の事は王都でも有名なんですよ。」

「そこまで言われると恥ずかしいな。」

「そうです、私より綺麗な人なんてたくさんいます。」

「何を謙遜されています。今や飛ぶ鳥を落とす勢いで名声を上げるイナバ様の奥様ですからこれぐらいの商品を身に着けて当然です。それに、代金はしっかりと頂いておりますから御安心下さい。」

代金受領済み・・・。

なるほどそういうからくりですか。

「それが今までの使用料という事ですか。」

「さすがイナバ様察しがよろしいですね。現金での支払いは難しいそうですが、試作品という形で御提供してもらえるようにかけ合わせていただきました。今期分からは現金でのお支払いになりますのでどうぞこちらを納め下さい。」

そう言ってネムリが差し出したのは金色に光る金貨が1枚。

マジか、一期でこんなにもらえるの?

「冗談ですよね?」

「冗談では有りません。本当はもう少し色をつけてくださるようにお話したのですが、先方もなかなか優秀な方でして。その代わりにこれからも試作品をいくつか御提供いただけることになりました。確か奥様方のほかにお二人身近な方がおられましたよね?」

「そうですね、正確には3人ほど。」

「ではその方々の分も今回の中からお選び下さい。全て差し上げるわけには参りませんが、それぐらいは持って行っていただいて大丈夫です。」

太っ腹ー!

ネムリ愛してるー!

きゃー!

というような歓声が聞こえてきたような来なかったような。

明日にでも残りの三人を連れてくるとしよう。

この後商業ギルドがどういう手段をとってきたかを聞くことも出来る。

「では三人にはまた明日来てもらうという事で。」

「そうだな、三人が気に入るものがあるかもしれないし私達も明日いただくとしよう。」

「よろしいのですか?」

「せっかくいただくんだ、仲良く分け合うべきだろう。」

「そうですね。私達が独占するものでもありません。」

そうなると明日また1からという事になるわけで。

まぁ良いんだけどね。

「では今日はこの辺で。おそらく私がここに来たという噂は広がっていると思いますのでその後の対応は面倒ですがお願いします。」

「お任せ下さい。」

「明日また詳しく聞かせてもらえるとありがたいです。」

「明日は昼に商談が入っていますので朝か夕刻でお願いします。」

「休息日も休み無しですね。」

「妻と子供達に怒られていますが、今頑張れば子供が大きくなる頃にはあの子達に苦労をかけることはなくなりますから。」

さすが父親。

子供の将来の為に今は頑張るというヤツですな。

「頑張りすぎずたまには子供達と遊んでやるがいい。」

「そうですね、夏が終われば少しは落ち着きますのでその時に遠出でもしようと思います。」

「御旅行ですか?」

「王都の途中に良い湯治場があるんです。食べ物も美味しいと評判ですしたまには妻も休ませてあげたいですから。」

旅行といえば基本は上げ膳据え膳だ。

子連れでの旅行は気を使う所もあるが、奥さんとしては美味しい食事にゆっくりとした時間があるだけでも嬉しいと思ってくれるだろう。

俺も少し手が空いたらみんなで旅行とかしたいなぁ。

休息日はムリだけど陰日ならまとまった休みが取れそうだ。

温泉かぁ・・・。

家族なら混浴してもおかしくないよね?

「では今日はこの辺で。」

「またのお越しをお待ちしております。」

ネムリに見送られ白鷺亭へと向かう。

明日は皆で美味しい料理を頂く予定だし朝一で伺うとしよう。

その後は何か適当なことをして時間をつぶせばいい。

いや、つぶさなくてもなんだかんだ忙しいような空気はプンプンしているけど・・・。

まぁそれは御愛嬌という事で。

「奥様を労って旅行だなんて素敵ですね。」

「王都までの道は比較的整備されているし魔物も少ないから安全だ。良い旅になるだろう。」

「噂では美容にいい温泉らしいですよ。」

「私も聞いたことがあるな。他にも子宝の湯や癒しの湯なんていうのもあるらしいぞ。」

そこなんてスーパー温泉?

いや、異世界だしそういう効果があってもおかしくないか。

元の世界でも子宝の湯とかあるもんな。

こっちはガチでそういう成分はいってそうだけど。

間違って入浴すると女になってしまう池なら知ってる。

あ、パンダもあるんだっけ?

あと黒豚に鶴それと猫か。

今考えると何でもありだな。

「いつか皆でいけると良いですね。」

「シュウイチ、そこは行けると良いではなく行こうというべきだ。」

「これは失礼しました。しっかりと店を繁盛させてみんなで温泉に行きましょう。」

「がんばりましょうね、シュウイチさん!」

美人を連れての温泉とかこれなんてハーレム?

最高じゃないですか。

もっとも、一緒に入るとは一言も言っていませんけどね!

「その為にも今度の催しは成功させなければなりません。そうなるとあの面倒そうな相手を何とかしなければいけないわけですが・・・。」

「それも明日になれば何か分かるだろう。今日ぐらいはゆっくり休もうではないか。」

「それもそうですね。」

「もう用事は無いんですか?」

「お祝いを頂いた方々にお礼を言いに行こうかと思っていたぐらいです。」

サンサトローズに来たのはこの為と言ってもいい。

「それも明日で大丈夫そうだな。」

「ネムリの店で見てもらっている間に私だけで回ることも出来ますから。」

「それはダメです。妻として同行する義務があります。」

え、義務なの?

それぐらい構わないんじゃないかなぁ・・・。

だって選んでるの待つの暇なんだもん。

「せめてウェリスを護衛につけるべきだ。」

「そんな危ない場所行きませんよ?」

「相手がどんな手段をとるかわからない以上、念には念を入れるべきだな。」

さすがに暴力には訴えてこないと思うけど。

でもまぁ、念には念をというしね。

「ではその辺りも帰ってから決めましょう。」

「「はい。」」

まだ日は高い。

支配人にお礼と挨拶をして夕食のお勧めを聞こう。

今日は休息日だ。

たまにはお酒を飲んでもいいかもしれない。

美人二人に挟まれて、俺は幸せな気分で宿へと向かうのだった。

その後ろをすごい顔で睨んでいる人物が居るとも知らずに・・・。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは

竹井ゴールド
ライト文芸
 日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。  その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。  青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。  その後がよろしくない。  青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。  妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。  長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。  次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。  三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。  四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。  この5人とも青夜は家族となり、  ・・・何これ? 少し想定外なんだけど。  【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】 【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】 【2023/6/5、お気に入り数2130突破】 【アルファポリスのみの投稿です】 【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】 【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】 【未完】

最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様

コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」  ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。  幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。  早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると―― 「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」  やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。  一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、 「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」  悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。  なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?  でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。  というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!

不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。

桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。 戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。 『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。 ※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。 時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。 一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。 番外編の方が本編よりも長いです。 気がついたら10万文字を超えていました。 随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!

転売屋(テンバイヤー)は相場スキルで財を成す

エルリア
ファンタジー
【祝!第17回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞!】 転売屋(テンバイヤー)が異世界に飛ばされたらチートスキルを手にしていた! 元の世界では疎まれていても、こっちの世界なら問題なし。 相場スキルを駆使して目指せ夢のマイショップ! ふとしたことで異世界に飛ばされた中年が、青年となってお金儲けに走ります。 お金は全てを解決する、それはどの世界においても同じ事。 金金金の主人公が、授かった相場スキルで私利私欲の為に稼ぎまくります。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

全能で楽しく公爵家!!

山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。 未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう! 転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。 スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。 ※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。 ※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

処理中です...