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第六章

新米指揮官は画策する

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不本意ながらというと失礼になるかもしれないが、本当に不本意ながら冒険者失踪事件の総責任者兼総司令官となったイナバです。

どうもこんにちは。

奥様どう思います?

うちの領主ったらただの商人捕まえて最高責任者に決めちゃったんですよ?

それも他の賛同も得ないで。

そりゃあ目をかけてもらえるのはありがたいけど、いきなりってことは無いじゃない?

でしょ~?

も~、困っちゃうわぁ。

なんてくだらないボケが出来るぐらいには心に余裕がある。

つまりはまだ事の重大さを正しく認識していないというワケだ。

まぁ、やれといわれれば何でもやってきたブラック社員からすれば今回のような事例もよくある話で。

大体は失敗しそうな案件を無理やり押し付けられて責任取らされたりするんだけど、今回はそもそも失敗できない案件なんです。

なんせ自分の命だけじゃなく大勢の冒険者の命が懸かっているわけですから。

どうしたもんかと悩んでも致し方ない。

なるようになるか。

とりあえず情報を待つ身なんだけど、ここで暇をもてあますぐらいなら自分で動いた方が早いわけで。

正しくはジッとなんかしていられないんです。

やるからには色々準備や根回ししとかないとね。

よって、朝食をしっかり食べて元気100倍の俺は行動を開始するのだった。

「それじゃあ私達も行動を開始しましょうか。」

「どこへでもお供します!」

「とりあえずは冒険者ギルドと武器屋、あとは道具屋ですね。」

「ギルドはわかりますが他の二つは如何してでしょうか。」

はい、モア君いい質問です。

「我々が契約した冒険者とは別に動いている冒険者がいるかもしれないのでその確認ですね。ダンジョンに潜るとなればどちらも利用するはずです。」

「これだから冒険者は、勝手に動き回るなんて何を考えているんでしょうか。」

「むしろ歓迎するべきでしょう。こちらとしては報酬を払わないのに勝手に捜索してくれるわけですから。」

我々が雇った9組の冒険者には受注するだけでそれなりの報酬を払う事になっている。

それもププト様の依頼だから達成すれば名声も同時に得られるという豪華版だ。

だがそれを受けられなかった冒険者もいるわけで。

そんな奴らがどうするかというと、正規の冒険者を出し抜いて名声を独り占めしようと躍起になるというワケだ。

独自のパーティーを組んで3~4組ぐらいはいるのではないかと考えている。

なんせ報酬がおかしい。

話によると同クラスの依頼料の5倍を超える報酬を出したらしい。

あまり無茶しないでくださいと念押ししたにも拘わらずあの人は一体何を考えているんだろうか。

まぁそのおかげで予定以上の人間が集まってくれるわけだし、もしかしたらそこも考えていたのかもしれない。

たぶん。

「なるほど、そういう考えも出来るわけですね。さすがイナバ様です!」

おかしいな、いつものフレーズが聞こえた気がするんだけど。

気のせいかな?

「人手はいくらあっても困りませんので、競い合ってくれた方が早く情報が集まるというものです。という事でまずは武器屋からいきましょうか。」

「はい!」

とりあえず向かうは勝手知ったるいつもの武器屋だが、今日は陰日の為営業はしていない。

営業はしていないが中から音はするので気にせず中に入る。

「こんにちは。」

「誰かと思ったらお前か、今日は営業してないぞ。」

「今日は別件で来ました。お聞きしたい事があるのですがよろしいですか?」

「面倒ごとなら勘弁してくれよ、昨日も閉店前に大勢買いに来やがって晩飯が遅くなっちまった。」

「それです、それについて聞きたいんです。」

やっぱり来てたか。

「なんだ、お前の知り合いか?次からは営業時間を守るようによく言い聞かせておけよ。」

「私の知り合いというワケでは無いんですが、どのぐらいの人数でした?どんなものを買っていきました?所属構成はわかりますか?」

「おいおいあいつらが一体なんだって言うんだ。」

「冒険者の集団失踪について、聞いた事はありますよね。」

「イナバ様それは!」

モア君が慌てて止めに来るがあえて俺は話を続ける

「・・・聞いた事はある。というか初心者連中の中じゃかなり噂になっているな、なんでも探索に出たまま帰ってこない奴がいるとか魔物に犯されたとか色々だ。」

「昨日告知された探索依頼、アレがそれに噛んでましてね彼らは独自で探索をしてやろうっていう殊勝な連中なんですよ。」

「殊勝ね、抜け駆けしたいだけの馬鹿野郎だろ?」

「そんな馬鹿でも魔物と戦えるだけの技量は持っています、今はどのぐらいの人間がそれに関わっているかが重要なんですよ。」

「俺の武器を買ったまま帰ってこなかった奴も多い、お前が解決できるのか?」

「ププト様より解決しろと怒鳴られてましてね。」

「そりゃ、やらないわけにも行かないな。いいだろう昨日来たやつらだが・・・。」

その後武器屋の親父から情報を仕入れた足で次に向かうのはサンサトローズで今一番話題のお店、そうネムリ商店だ。

武器屋同様陰日で休みだが中からがさごそ音がする。

よかったこっちもいたか。

「ネムリ、御無沙汰しています。」

「これはイナバ様!ようこそいらっしゃいました。」

「お休みの所申し訳ありません、お店にいてくれて助かりました。」

「世間は陰日でもやらなくてはならない事が山積みでして、これも全てイナバ様のおかげというものです。」

「最近は独自に色々と手を広げているそうですね、私も見習わなくてはなりません。」

最近店頭にすら出ていないからな。

これが終わったら厄介ごとには手を出さないぞ。

絶対だからな!

「まだまだイナバ様の足元にも及びません、それで本日はどのような御用件で?」

「そうでした。昨日夕方から夜にかけて携帯食料や水など探索用物資を買いに来た集団はいませんでしたか?」

「昨日ですか?確か夕刻頃に来たと思います。中々売れにくい物資がたくさん売れてこちらとしては大助かりでした。何でも冒険者が随分と行方不明になっているとか。」

「さすが耳がいいですね。」

「情報は商人の命ですから。それよりも私は南方の噂の方が気がかりなのですがアレは本当でしょうか。」

「噂は本当ですが、シルビアとププト様が懸命に対処されています何も心配ありません。」

横で控えていたモア君がまたか!という感じでため息をつく。

そんなに大きなため息をつかなてもいいじゃないか。

「イナバ様が大丈夫というのであれば大丈夫なのでしょう。」

「貴重な情報ありがとう御座いました。」

「お力になれたようで何よりです。」

状況は把握できた。

後はこれをギルドに持ち込んでどういう風に動いていくかを協議しなければならないな。

こちらとしては手駒が増えたと喜ぶ所なのだがギルドがどういう反応を示すかどうか。

いい顔はしないよなぁ。

「そうだ思い出しました!」

帰ろうとした所で奥にいたネムリが大声を出す。

「どうかしましたか?」

「先日イナバ様に教えていただいた『イニシャル』というものなのですがアレを王都の職人が偉く気に入りましてね、こちらでも使わせて欲しいという申し出があったのですがいかがでしょうか。」

なんかそんなもの教えた気がするけど。

お金を取るぞって話した気もしないではない。

思わぬところで思わぬ話が進んでいるもんだなぁ。

「先方はどうしたいと仰っているんですか?」

「個数に応じた使用料という形か年間での許可という形どちらかでお願いしたいとのことです。かなり有名な工房ですのでそれなりの金額を提示してくださるとは思うのですが・・・。」

「個数を全て把握する事は難しいでしょう。もったいないですが年間の使用料という所で手を打つのはいかがですか?」

「よろしいのですか?業務は煩雑ではありますが収入は間違いないものですよ?」

「ここで恩を売っておけば後で何か良い見返りがあるかもしれません。」

思わぬ収入ではあるが今はそれ所ではない。

ネムリに任せておけば別の部分で見返りを期待できるかもしれない。

「イナバ様でしたらそう仰ってくれると思っていました。先方からこれを頂いておりますのでどうぞお納め下さい。」

そういってネムリが差し出したのは二つの指輪だった。

片方には緑の、もう片方には青の石がはめ込んである。

「用意周到ですね。」

「前回は魔石でしたが今回は宝石となっております。冒険者の方々には効果はありませんが貴族の皆様には喜ばれているそうです。」

「遠慮なく頂いておきます。」

エミリアとシルビアにプレゼントといいたい所だが、そうなるとユーリとニケさんの分も必要になるわけで。

今日は持ち合わせがないからまたの機会にしよう。

「契約金の方はいかがされますか?」

「私では相場はわかりませんのでネムリにお任せします。」

「よろしいのですか?」

「悪いようにはしないと信じています。」

「お任せ下さい。」

面倒な事はネムリに任せて俺は俺の仕事をこなすとしよう。

貰った指輪を無造作にポケットへ突っ込みネムリの店を後にする。

「イナバ様、失踪事件の話は他言無用となっているのですが・・・。」

「私達が黙っていても他の部分から流出しているのは間違いない事実です。尾ひれのついた噂を信じられるぐらいならこちらから正しい情報を伝えたほうが向こうの印象も良くなります。それにあの二人なら好き勝手に言いふらすような事はしませんよ。」

「武器屋の親方はわかりますが商店の店主はどうでしょうか。あの手合いは口が軽いと聞いていますが。」

「そうであるならば私もその手合いの一人ということになりますよ?」

「イナバ様はそんな事ありません!」

いや、その確信は一体どこから来るのだろうか。

実際俺は他言無用の情報を流出させているわけだし。

まぁ良いけどさ。

「必要な情報は集まりましたのでギルドへ向かいましょう。」

「もうよろしいのですか?」

「目的は達しました、後はギルドに届いている最新の情報を仕入れに行きましょう。」

「はい!」

モア君は俺に全幅の信頼を寄せているようだ。

何が彼をそうさせるのかはわからないが、決して嫌なものではない。

嫌なものではないのだがその信頼を失ったときの反動が怖い。

俺がいつものように振る舞っていたとしても、何かの拍子で信頼を失うかもしれない。

周りに信じきることが出来る仲間がいないからこそ、彼のような味方は心強い。

その反面、いなくなったときの反動がでかい。

何をもって信頼を寄せているのかがわかれば、それを失わないよう事前に努力も出来る。

だがわからないのであれば努力のしようもない。

現状ではこの不安定な状況でいくしかないのだろう。

やれやれ、最高司令官が孤立無援とか最悪だな。

ウェリスでも良いから自分の考えを腹を割って話し合える仲間がほしいよ。

太陽が真上にくる少し前、冒険者ギルドに到着した。

時刻はお昼ちょっと前というところか。

そろそろ何か動きがあっても良いところだけど、どんなもんかいな。

取り敢えず入るか。

閉ざされた扉を開き中にはいるとギルド内は人で溢れていた。

この前ナーフさんを連れてきたときの比じゃないんだけど、お祭りでもあるのか?

いや違うな、お祭りを仕込んだのは俺たちか。

飲食スペースは立ち食いが出るぐらいだし、作業スペースでは武器の整備に余念がない。

誰もがこれから起きる祭りを今か今かと待ちわびている状態だ。

「イナバ様これはいったい・・・。」

「言ったでしょう、情報は私たちが黙っていても勝手に流れ出ていると。」

「でもそれはあってはならない事なのではないのですか?」

「情報は液体です。放っておいても染み出したり小さな穴から流れ出てしまって防ぎようがありません。我々に求められているのは流れ出たものをいかに上手く扱うかということなんですよ。」

人の口には戸は立てられないとはよく言ったものだ。

どれだけ口を閉ざすように指示しても、どこからか必ず噂は広がる。

まぁ今回の件については元々冒険者の中の噂から始まっているし、その噂を確信付けるように討伐隊を募集しちゃってるしで、火に油どころかガソリンぶち込んだ状態だ。

そりゃあこうなるよなぁ。

しっかりコントロールしてやらないと。

お祭り騒ぎのギルド内を見渡しながらとりあえずカウンターの方まで歩みを進める。

武装はしているが強そうに見えない俺と騎士団の正装に身を固めたモア君のペアはさぞ人目を引いたのだろう。

目の前の人ごみがモーゼの如く開けていく。

「おい、あそこにいるのってイナバさんじゃないか?」

「本当だ、盗賊殺しのイナバさんだ。」

「あれだろ、今回の討伐依頼もあの人の手引きだって話だろ?」

「いや俺は領主様を脅して無理やり依頼を出させたって聞いたぜ。」

おいコラ、誰だそんな噂流した奴。

俺はむしろ脅されて連れて来られた身だっての。

「騎士団員連れて今日は何しに来たんだ?」

「あれじゃねぇか?盗賊だけじゃ飽き足らず次はダンジョンを潰しにきたんじゃねぇか?」

「マジか!あの人の前に立つと人も魔物も関係なく切り殺されるって聞いたぜ。」

「きっと血に飢えてるんだよ。かっこいいよな、俺握手してもらおうかな。」

「おい抜け駆けすんなよ、俺が握手してもらうんだよ。」

「何だお前、やんのか?」

「お前こそなんだ、表でろ!」

血の気多すぎだろ、西部劇に出てきたギャングかっての。

ていうか誰も血に飢えてねぇよ。

むしろ嫌いだよ!

「すみませんティナギルド長補佐はお手すきですか?」

冒険者とカウンターで談笑していたギルド嬢に声をかける。

一瞬嫌そうな顔をするも俺の顔を見た瞬間に一気に顔がこわばり、直立不動になった。

「イ、イナバ様!しょ、少々お待ち下さい!」

そして踵を返し大急ぎで中へと走っていく。

横で談笑していた冒険者も俺を見るなりジリジリと距離をあけだした。

「怖がられるようなことしたつもりはないんですが、如何してこうなったんでしょう。」

「そりゃあイナバ様の実力があってこそです。自分のような新兵でもイナバ様の功績は耳に入ってきます、噂好きの冒険者ならなおさらですよ。」

「功績という功績は私個人のものではないんですけどねぇ。」

大きくため息をつきながら周りを見渡す。

ギルド内にいる全員が俺に注目するものの、目が合いそうになると一気に目をそらす。

俺はパンダか?

いやパンダなら目をそらされたりしないか。

「一人でキラーアントの大群に立ち向かい住民を救っただけでなく、颯爽とサンサトローズに現れて一夜にして盗賊団の根城を壊滅させる。最近では猫目館の悪徳支配人を懲らしめて罪の無い娼婦を解放させたって聞きましたよ。後は魔物の大群を笑いながら切り刻んだとか、顔を見た魔物が逃げ出したとか、悪党が道ですれ違ったら避けていくとか色々あります。」

最初はともかく後半は滅茶苦茶じゃないか。

魔物を切り刻むどころか俺が逃げ出したいよ。

噂の一人歩きどころか大暴走だろこれ。

「一度訂正しなければなりませんね。」

「それぐらいみんなイナバ様を尊敬しているんです。」

「むしろ敬遠しているような感じですけど。」

尊敬されるならともかく怯えたような目で見られるのは居心地が悪い。

でもまぁ舐められないという意味ではこれを利用する方がいいのかもしれないな、特に今回に関しては。

「お待たせしましたイナバ様!」

奥から大慌てでティナさんがかけてきた。

「お忙しい中すみません、何か新しい情報が入ってないか聞きにきました。」

「申し訳ありません、まだ冒険者からの情報は入ってきていないんです。」

「そうでしたか。」

まだだったか。

そろそろ動き出したい所なんだけどなぁ。

「情報が入り次第急ぎお伝えいたします。」

「ありがとうございます。そうだ、先行部隊とは別に独断で探索を行なっている冒険者の件なんですが・・・。」

「・・・イナバ様の耳にも入ってしまいましたか。」

「入ってしまいましたかというと何かあったんですか?」

「実はうちの馬鹿上司が冒険者を勝手にたきつけてしまったようでして、許可を取ってからにしてくださいとあれほど言ったのに聞く耳を持たないんです。」

「あー、そういう事情でしたか。」

「報酬も勝手に決めてしまうし、そのくせ責任は丸投げするしで・・・。」

なんかもう居なくて良いんじゃないかなそんなギルド長。

罷免権とかないの?

ギルド内が異様な盛り上がりを見せている理由もなんとなくわかるわ。

「どんな感じの依頼ですか?」

「先行した冒険者とは別に、ダンジョンを発見したら銀貨10枚ダンジョンを制覇したら銀貨40枚です。」

「それは高いんですか?」

「発見だけでも破格ですが、ダンジョン制覇も含めて50枚は相場の2倍ですね。」

「ちなみにププト様の依頼はどのようなものでしょうか。」

「探索のみで銀貨20枚、発見後ダンジョンの探索と制覇で金貨1枚です。」

大盤振る舞いだな、おい。

中に落ちているアイテムも報酬の一部だろうし何より失敗しても無条件で銀貨20枚だ。

人が群がるわけだな。

でもせっかく人が集まっているんだしこれを使わない手は無い。

ガソリンを注いだ分もしっかりコントロールするのが俺の仕事というわけだな。

「後で正式な連絡があるかと思いますが今回の探索に関してププト様より指揮権の委譲を受けました。今後は私の指揮のもと動いていただく事になります。」

「イナバ様でしたら何の問題もありません。あの人から指揮権を剥奪できただけでも十分です。」

「ちなみにギルド長はどちらに?」

「後続の冒険者と共に現場へ向かいました。そのまま魔物に食い殺されれば良いんです。」

黒い、黒いよティナさん!

でもまぁその気持ちは痛いほどわかる。

今までに何度頭の中で上司を殺してきたか。

ブラック社員の恨みは地獄よりも深い。

「では今後はここで私が指揮を取ります。せっかくですのでここに集まっている彼らにも頑張ってもらいましょう。」

「どういうことですか?」

「とりあえずはダンジョンが発見されてからの話で・・・。」

「御報告いたします!先行部隊がダンジョンの入口を発見、現在探索を行なっております!」

ナイスタイミングというか何というか。

とりあえずこれで準備は整った。。

さっそく指揮権を発動させてもらおうかな。
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