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第五章

頬に残る幸せな感触

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食後のウォーキングといきたい所だったが、ありがたい事に白鷺亭はすぐ近くだ。

宿の手配をするだけだし長居をする予定もない。

サクッと済ませてメインイベントに参りましょうか。

中に入るも生憎支配人は不在だったのでロビーで待つように言われてしまった。

はやくもサクッと行かないとかどういうことよ。

暇なのでロビーに置かれていた雑誌風の本を手に取る。

なになに。

サンサトローズ一の高級宿白鷺亭。

各界のVIPから各国の貴賓まで様々なセレブ御用達のお宿である。

中の調度品もさることながら木目細やかな気配りとおもてなしの精神から宿泊客の評価も高い。

と、ガイドブックに書いてある。

もちろん読めないので書いてあるのを読んでもらったわけだが。

しかし何だこのガイドブック。

どこかリクルートの発行する旅行雑誌を彷彿とさせるタイトルのつけ方だよな。

『あなたの知らない本当はすごいサンサトローズ~魅惑の一人旅編~』 著サンサトローズ騎士団宣伝部

うーむ。

これも俺みたいな異世界人が作っているのだろうか。

まさかな。

ていうか、何で騎士団宣伝部がこんな雑誌作っているんだ?

活版印刷のない世界で雑誌とか全く意味が分からないよ。

だってこれ手書きだろ?

ページ数もほとんどないしできない事はないけどさぁ。

でも、世の中こういう仕事で生きている人も居るわけだからある意味大切な仕事になるのか。

つまりは、今後印刷技術が出来ると、こういう事をしている人達が職を失っていくんだろうな。

便利さと引き換えにして失うものは非常に大きい。

元の世界で言われていたAIに仕事をとられる業種とか一時話題になったしな。

不条理なものだ。

とか何とか難しい事を考えていると支配人が急いでやってきた。

そんなに走らなくてもいいのに。

「遅れまして申し訳ありません、イナバ様。」

「忙しい所こちらこそ申し訳ありません。今日もこちらを利用させて頂きたく参りました。」

「ご利用有難うございます。ただ、申し訳ありませんがいつもご利用いただいているお部屋が満室となっておりまして、別の部屋でよろしければご準備できるのですがよろしいでしょうか。」

おや、あの部屋が埋まっているなんて珍しいな。

よほどのセレブでも来ているのだろうか。

そもそも俺の部屋じゃないんだし、空いていないのも仕方がない。

予約していたわけじゃないしね。

「もちろん大丈夫です、こちらが急なお願いをしているんですから気にしないでください。」

「そう言って頂けますと助かります。一つ下の階に二部屋ご準備しておりますのでそちらをお使いください。」

そう言って支配人が鍵を二つ渡してくれた。

まさかあの短時間で部屋を準備したというのか。

受付に話を通してからそんなに時間は経っていないとおもうのですけど。

さすが忍者支配人、仕事はやい。

「おそらく夕刻を過ぎましたらシルビアが来ると思いますので、もし私たちが外出していましたら先に部屋に通してあげてください。」

「畏まりました。ただ、シルビア様でしたらもうこちらに来られていると思いますが・・・。」

あれ、ここにいるの?

てっきり騎士団にいるものとばかり思っていたけど。

「シュウイチ、来ていたのか!」

噂をすれば何とやら、後ろの階段からシルビア様が降りてきた。

なんとまぁタイミングがよろしい事で。

「昼前に到着しまして、騎士団には伝言を頼んでいたのですがこちらに居ましたか。」

「さるお方の警護を頼まれてな、今日の夕刻には引き継ぐから何かあればここに来てくれればいい。」

「それは好都合でしたね。今回は下の階に部屋をお借りしていますので終わりましたら先に休んでてください。私達は今から魔術師ギルドに先日の件について報告に行きますので。」

騎士団分団長自ら警護に当たるというのだからよほど身分の高い人か、重要な人物なのだろう。

王族とかなら領主様の館とかに宿泊するだろうし。そっち関係ではない事は確かだ。

「それは奇遇だな、我々も今から魔術師ギルドに向かう用があったのだ。」

「そうでしたか。向こうで合流できるようでしたら一緒に帰りましょう。」

「夕刻以降はカムリに引き継ぐから問題ないだろう。今日は久々に楽しい夜がすごせそうだな。」

「お酒は程ほどにしてくださいね。」

先日のような泥酔はごめん被りたい。

でもシルビア様からしたら自分の旦那に一週間ぶりに会うのだからはしゃぐのも仕方ないか。

俺だって早くみんな揃ってゆっくりとした時間を過ごしたい。

ちなみに楽しい夜というのは楽しい食事という意味だから誤解のない様に。

そっち系の妄想をした諸君、残念だったな!

「前回の失態を繰り返すほどおろかではないぞ。」

「それは失礼いたしました。」

「シア奥様夕食の希望はございますか?」

「私は特にないが、エミリアはどうだ?」

「私も皆さんと一緒に食べれたらなんでも構いません。」

となると、答えはひとつだな。

「そういうことですので、今回もよさそうなお店を教えて頂く事はできますでしょうか。」

困ったときの支配人である。

この人なら滑らないお店を知っているに違いない。

「そういう事でしたら戻られるまでに良いお店を探しておきましょう。」

「宜しくお願いします。」

「イナバ様たってのお願いですので頑張らせて頂きます。」

高級過ぎない店でお願いします。

なんせ庶民ですので。

大金持ちではございませんので。

「では私は警護に戻るが、また魔術師ギルドで会えるといいな。」

「シルビアも気をつけて頑張ってくださいね。」

「シュウイチも無謀な事はしないでくれよ。」

「そうですね、気をつけます。」

無茶な事をするなといわれて前回無茶をしてしまったので説得力はないが、俺だって好きでトラブルに巻き込まれているわけではないので、避けられるなら避けたい。

今回は大人しくしているつもりですよ。

今のところは。

「では失礼する。」

そう言うやいなやシルビア様が右頬に唇を当てたかと思うと大急ぎで階段を上っていってしまった。

嬉しいんだけどそういうのは周りの目がないときがいいな、とかなんとか思うわけで。

後ろを振り返るとエミリアが鬼の形相でそれを見・・・ていなかった。

特に変わった感じはなくニコニコとしている。

見てなかったのかな。

それならば別にいいか。

「そ、それじゃあ私たちも行きましょうか。」

「そうですね時間もありますので向かいましょう。」

ユーリと二人、何事もなかったかのように入り口へと向かう。

しかし、エミリアがついてくる気配がない。

あれ、どうかしたのかな?

そう思って振り返った瞬間今度はエミリアの唇が俺の唇のほんの少し横に当たった。

振り返ると思っていなかったのだろう、ものすごく驚いたエミリアの顔が眼の前にある。

「す、すみません!」

そして両手で俺をドンと突き飛ばすと真っ赤な顔のまま外に走り去ってしまった。

まったく何がどうなっているんだ?

「モテモテですね御主人様。」

「嬉しいのは嬉しいんですが、二人ともどうしたんでしょう。」

「久々に御主人様に会えたシア奥様と、それを見てうらやましいリア奥様といったところでしょうか。」

冷静に観察するとそうなるんだろう。

「何でしたらユーリもいかがですか?」

「私には心に決めた方がおりますので。」

ついでにユーリにもキスしてもらおうとか考えたら華麗にスルーされてしまった。

その思い人は俺の心のどこかに居るかもしれないんですけどー!

なんてね。

ユーリの心はもう彼のものだからしょうがない。

「冗談ですよ。」

苦笑いで自分の発言を誤魔化しておく。

とりあえずはエミリアを追うとしましょう。

ぽりぽりと頭をかきつつ歩き出しだその瞬間。

「私にも羨ましいという気持ちはありますので。」

そういいながらシルビア様と反対の頬にユーリの唇がそっと触れた。

何だ何だ何なんだ!

俺はこの後死ぬのか?

そうなのか?

こんな所で貴重なリアルラック消費しまくって大丈夫なのか?

行く途中に馬車に轢かれたりしない?

大丈夫?

ユーリは嬉しそうにエミリアを追いかけていく。

残された俺は呆然と白鷺亭の入り口で立ちすくんでいた。

「素敵な女性を虜になさって罪な男ですね、イナバ様は。」

「私のような男のどこがいいのか分かりませんけど。」

「もう少し自信を持って行動されればもっといい男になると思いますよ。」

そういいながら支配人が俺に近づいてくる。

待って、まさかそっちの人ですか!

と思ったら肩にゴミがついていたのかパパっと払ってくれた。

よかったビックリした。

「お二人がお待ちになっておられますよ。」

「そうでした行って来ます。」

「行ってらっしゃいませお気をつけて。」

支配人に見送られながら二人の後を慌てて追いかける。

その時支配人が何か言ったような気がしたが、うまく聞き取ることはできなかった。

そんなことよりも今は二人を追いかけなければ。

視界の先にもう二人はいないので急ぎ魔術師ギルドへの道を急ぐ。

前回三日連続で通ったので道はもうばっちりだ。

少し走ると仲良さそうに並んで歩く二人を発見した。

このまま追いつくのも何なので少し離れたところから二人の様子を観察しつつ尾行してみよう。

何を話しているかまでは聞こえないが、友達同士の様に仲良く話しをしている。

ユーリは家族のようでありながらも少し引いたような立ち位置でいることが多いので、エミリアと対等な立場で話すことが少ないように思える。

しかしこうやって見てみると、年もそんな変わらないような外見だし本当に仲の良い友達同士のようだ。

もっと普通に話しかければいいのに。

自分が人造生命体ホムンクルスということを気にしているのだろうか。

気にしていないことはないと思うが、あまり深く考えなくてもいいと思うんだけどな。

確かに元はダンジョン妖精として生きてきたという長い歴史があるけれど、今は魂を持った人と何にも変わらない。

少々体の構造や寿命が違うだけで、人と同じように笑ったりご飯を食べたりすることだってできる。

これも全て彼のおかげではあるのだけど。

一緒に過ごしていく中でユーリが他の人と変わらないように生活できるようになればそれが一番だ。

エミリアもシルビア様もそう思ってくれている。

と、信じてはいる。

聞いたことないから知らないけど。

今度聞いてみよう。

「御主人様、そんなに不思議な顔で歩いていると変な目で見られてしまいますよ。」

「そんなに変な顔していましたか?」

「シュウイチさんが考え事をしている時の困ったような顔でしたよ。」

考え事をしているうちに二人に追いついてしまったようだ。

というか後ろから話しかけられたという事は追い抜いていたのか?

「いつから気づいていました?」

「シュウイチさんが追いかけてこないので振り返ってみましたら、腕を組んで考え込んでいるのを見つけたので気づかないふりをしていました。ごめんなさい。」

「いったい何を考えておられたのですか?」

「それは内緒です。」

いったいいつから気づいていたんだろうか。

この考える癖もどうにかしないといけないんだけど、なかなか止めれないんだよな。

「御主人様の事ですからまた難しいことを考えていたのではないですか?」

「当たらずとも遠からずという所ですね。ですがいつも難しい事ばかり考えているわけではないんですよ?」

「でしたら淫らなことを考えているとか?」

「それは違います。」

「即答ですね。」

失礼な。

いつもエッチなことを考えているわけではないんだよ。

そりゃあ考えてないと言えばうそになるけど、この年になると学生の時の様に四六時中ピンクな妄想にふけっているわけではない。

一応大人として色々考えてはいるんです。

「御主人様の事ですからてっきりそういうことを考えているのかと思っていました。」

「ユーリ、さすがにシュウイチさんも四六時中そういうことを考えているわけではないと思いますよ、たぶん・・・。」

そこは言い切ろうよエミリアさん。

「そういう時期も昔はありましたけどね、昔の話です。」

「そういう物なのですか?」

「そういうもんなんです。」

「そうですか。」

わかったのかわからなかったのかどっちなんだい!

「ほら二人とも、魔術師ギルドが見えてきましたよ。」

「とりあえずこの件に関しましては一旦保留という事でよろしいでしょうか。」

「保留にせずに終了してくれると助かりますけどね。」

「そうですか。」

納得していないようだ。

いったい俺を何だと思っているんだろうかユーリは。

前言撤回、絶対深く考えていない。

今という時間を考えることでいっぱいのようだ。

それはそれでいいか。

「さぁ予定が詰まっていますから、魔術師ギルドでもさくっと話を終わらせてしまいましょう。」

「そうですね、領主様との件の打ち合わせもありますから。」

それはできればご遠慮したいんですがダメですかねぇ。

「逃げちゃだめですよ、御主人様。」

「に、逃げませんよ。」

急に腹痛が来たとか言ってもダメかなぁ。

ダメだよなぁ。

はぁ。

とりあえず頑張ります。

見慣れた魔術師ギルドの建物までもう少し。

今まで通ってきた中で一番重い足取りで魔術師ギルドへの道を歩ていく。

やらなければならないことがたくさんある、まずは一つずつ終わらせていくとしよう。

本日の予定消化率60%です。
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