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第四章

時には休息することも重要

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 お昼には罠の設置場所も確定し無事商店連合への注文に間に合わせることが出来た。

 あとはエミリアに注文をお願いして明日荷物が到着次第準備に取り掛かるとしよう。

 来期の障害物競走のレイアウトも兼ねているとはいえ我ながら嫌な罠をセッティングしたものだ。

 人間性が出るんだよね、ああいうのって。

 効率を求める人もいれば、奇抜さを求める人も居る。

 自分の場合はいかにいやらしい罠にするかが良く出ていると思う。

 イヤラシイんじゃないですよ、いやらしいですよ。

 言葉って難しいですが、つまりはエロくないという事です。

 もちろん出来るなら服だけが溶ける酸とかさ、逆さ吊りの罠とかさ、催淫ガスとかさ、いっぱいあるじゃない?

 でも嫁さんがいるのでさすがにそれはまずいわけですよ。

 職場に女性しか居ないので女性を敵に回すとあとが怖いというのもあります。

 なので女性に優しく自分に厳しく。

 エロは妄想の中で頑張ろうと思います。

 え、嫁は?

 まだそこまではねぇ・・・。

 ほら、順番ってあるじゃない?

 段取りっていうかさ。

 そういうのを大事にする必要があってですね。

 つまりは、まだです!

 以上!

「お疲れ様でしたシュウイチさん、ユーリ。」

 地下から上がって来ると真っ先にエミリアが声を掛けてくれた。

 すみません、エロイこと考えていて本当にすみません。

「ありがとうございます、お店のほうは問題ありませんでしたか?」

「村の人が来てくれた位で大繁盛というわけではないですが、少しずつ売れています。」

 という事は主に日用品という事か。

 武器とか売りたいよなぁ。

 腐らないから別に構わないけどさ。

「御主人様、出来るのならば先に紐罠だけでも設置しようと思うのですがいかがでしょう。」

「それは構いませんが、もし冒険者の方が入ってしまうと全部無駄になってしまうかもしれませんよ?」

「・・・確かにそうですね。」

「焦る気持ちはありますが、できれば今日の夕刻ぐらいまで待ったほうがいいかもしれません。私も手伝いますので一気にやってしまいましょう。」

 本物の罠はユーリに任せればいいとして、ブラフ用の罠は自分でやっても構わないだろう。

 でも紐足りるかな。

 罠と一緒に頼んでおくか。

「ですが御主人様の手を煩わせるのは・・・。」

「決めるものを決めてしまえば私のすることは終わりです。後は好きに時間を使っているだけですからユーリは気にしなくてもいいんですよ。」

 時間の使い方は人それぞれだ。

 罠の配置を決めるまでが俺の役目であって、それ以外のことは店番ぐらいしか出来ない他力本願100%男ですから。

 たまには人の役に立ってもいいと思います。

 いや、立たないと罰が当たります。

「シュウイチさんは今日お手伝いしてはいけません。」

 と、意気込んでいた時横で話を聞いていたエミリアから待ったがかかってしまった。

 えーっと、どういうことでしょうかエミリアさん。

「それと同時にユーリも今日はダンジョンの整備をしてはいけません。」

「リア奥様どうしてですか!」

 俺も理由が聞きたいなー、なんて。

「二人とも昨日もその前も、それどころかいつも休んでいませんので今日ぐらいは何もしないで休んでください。もちろん、普通のお仕事はしてもらいますがそれ以外のことはしてはいけません。」

「ですが早めに準備しておかなければ間に合わなくなってしまいます。」

「それは一人でするからです。明日全部揃ってから全員で準備すれば間に合います。ですから今日は準備をせずに過ごしてください。」

 エミリアのいう事も分かる。

 確かにここ数日、いやここ2週間ぐらいまともに休んだ記憶は無い。

 記憶は無いがそれはエミリアにも言えることなのではないだろうか。

 俺に付き合って聖日も休息日も結局は休みなし。

 条件が同じなのだからエミリアも休むべきだという結論になるのだが、そこの所どうなんでしょうかエミリアさん。

「イナバ様は今日は特に顔色が優れませんので私も休むべきだと思います。」

 確かにさっきそういわれたけどさぁ、そんなに顔色悪い?

 え、顔が悪い?

 それは昔からです。

「でも私は昨日あの後すぐ休みましたから大丈夫ですよ?」

「いけません。シルビア様もきつく言われていますので今日は何をしてでも休んで頂きます。」

「私は昨日これといった事をしていませんので休まなくても問題ありません。体調も魔力残量もすこぶる良好です。」

「私が駄目ですといったら駄目です。時には休息することも重要ですよ。」

 まぁ確かに休息は大切だ。

 明後日の本番で体調不良で上手く出来ませんでしたとか言う大失態を犯すわけにはいかない。

 明日はその準備にかかりっきりになるだろうし、そう考えると休める日は今日しかないわけか。

 だが急に休めといわれても普段からこれといって特別何かやっているわけではないので、休まなければいけないことが無い。

 店番サボるわけにはいかないし。

 はて、どうしたものか。

「では今日はエミリアもセレンさんも休息するという事でいいですか?」

「私は店番しかしてませんからやすまなくてもいいですよ?」

「お店をご利用されるお客様もほとんどおりませんし、むしろこの状態でお給金いただいていいのか迷うぐらいです。休息をいただくなんてそんな・・・。」

 いけないなぁ。

 自分でこうしなさいと命令するのであれば、まずは自分が率先して行わなきゃ。

 上司が休まないと部下は休めないんです。

 上司が有給取らないと部下も使えないんです。

 上司が残業してるから俺たちも残業する羽目になるんです。

 そこんとこ、わかってんのかあのクソ上司がぁぁぁ!

 って落ち着け俺。

 ここにはあいつはいない。

 いないんだ。

 目の前にいるのは天使のようなエミリアだ。

 大丈夫だ問題ない。

 天使に身を任せればオッケーだ。

 よし。

 さぁいつでもウェルカム。

 あんなことからそんなことまでいつでも大歓迎ですよエミリアさん。

「なにか御主人様から危険な思考を読み取ることが出来ました。」

「私もです。」

 おっと、気配が駄々漏れだったようだ。

 こっちも落ちつけ、俺。

「エミリアとセレンさんが休息を取るなら私たちも休息をとります、いいですねユーリ。」

「御主人様がそう仰るのであれば問題ありません。」

「ですから私達は別に疲れてなんていませんよ。」

「二人が休まないのであれば我々も休む理由がありませんのでこのまま準備に取り掛かります。」

 これは引いたほうが負けである。

 いくらエミリアが可愛くセレンさんのお尻が素敵でもここは譲ってはならない。

 これは意地の張り合いなのだ。

 エミリアがすごい目で俺を睨んでくる。

 そ、そんな目で見ても俺はひかないからな!

 後ろからセレンさんが同じく見つめてくる。

 そ、そんな目で見つめられても俺は引かないからな。

 援軍を求めるように後ろを振り返る。

 なぜかユーリまでもが俺をじっと見つめている。

 何故だ!

 お前は味方ではなかったのか。

 なんだか俺が悪者みたいじゃないか。

「まったく、シュウイチさんは自分のこと何にも分かっておられないんですから。」

 やれやれといった感じでエミリアがため息をついた。

 いや、分かってますよ?

 だって自分の体ですから。

 ほら、元気元気。

「本当に、イナバ様は何も分かっておられないようです。」

「リア奥様セレン様が言うように御主人様はご自身の状況について理解していないと判断いたします。」

 なんだよ、ユーリまで寝返ったというのか。

 お、俺は負けないぞ。

 一人でも立派に戦い抜いてやる。

「休息しないでも特に問題は無いと思いますが?」

「そう思っているのはシュウイチさんだけです。今日はなんとしてでも休んでもらいますからね。」

「まずは先に食事を取って頂いて、そのままご自宅でお休みいただくのはどうでしょうか。」

「御主人様が外出しないよう外で罠を作りながら見張っておきます。」

 それは軟禁ですか?

 強制休息in我が家(軟禁状態)

 そこまでする必要あるんだろうか。

「どうしてもダメ?」

「可愛く言ってもダメです。本当に分かっておられないんですか?」

 はて何のことだろうか。

「わかるもなにも、いつも通りだと思いますがどこか悪いんでしょうか。」

 顔が悪いのは知ってる(二回目)

 でもそれ以外は本当にいつも通りだと思うんだけど。

「これを見てもまだ大丈夫と仰いますか?」

 そう言ってエミリアは側においてあった鏡を手に取り、俺の顔の前に突き出した。

 えーっと、いつもの俺ですね。

 口もあるし鼻もあるし。

 あ、剃り残し発見。

 そして・・・。

「あーパンダですねぇ・・・。」

 目の下に和歌山にもいるのに(神戸にも)上野ばかりが取り上げられる例の白黒動物と同じぐらい立派なクマができていた。

 こんな立派な物ができていたらそりゃあエミリアも怒るよな。

 疲れていないつもりだったが結構疲労が溜まっていたようだ。

 主に目の下に。

 目の下に出来るのは眼精疲労以外にも脳の疲れも影響しているとか。

 確かに最近脳を酷使していたからなぁ・・・。

 しらんけど。

「ご理解いただけましたか?」

「理解というか納得というか。」

「と・に・か・く!今日は何が何でも休んでもらいます!」

 滝川なんとかさんのような言い方だったけどそこはまぁスルーという事で。

 本番まであと二日。

 その貴重な二日のうち1日はこうして休息に当てられるのであった。

 目の下にあんなクマをつけたまま奴らとやりあうわけにはいかないし、いい機会なのかもしれない。

 1日でどれだけ復活できるかわからないが時には休息することも重要だ。

 仕方ない。

「わかりました、大人しく従います。」

「ご理解いただけたようで何よりです。食事は後で自宅まで届けますからシュウイチさんはそのままお帰り下さい。」

「え、ここで休息じゃないの?」

「当たり前です!」

 最後の抵抗をしてみたけど無駄のようだ。

 強制休息in我が家確定です。

 エミリアに追い立てられるように裏口から家に追い返される。

 太陽が真上にある。

 ちょうどお昼時だな。

 こんなに明るい時間から何もするなと言われても・・。

 暇つぶしのゲームもないし。

 かといって二日後の準備したら怒られるし。

 さてどうしたものか。

 とりあえず家に帰り、リビングの椅子に腰かける。

 朝食の後ユーリが綺麗に片づけをしてくれたようだ、食器もきれいに洗ってある。

 急にすることがなくなるとこんなに暇なんだ。

 いつも何かすることがあったから特に暇だと思う事はなかった。

 でも今日は違う。

 強制的に現場から離されて暇をもてあそんでいる。

 定年した翌日の企業戦士という生き物はこういう気持ちだったのかもしれない。

 することがなく孤独だ。

 ちがうな、時間を持て余しているのか。

 いつもは時間が足りないとばかり思っていたのに、今は時間が余っているように感じる。

 実際足りないという現実は変わっていないのだけど。

 でもまぁ、罠の入荷は明日だし確かに今日はすることがないと言えば無い。

 いいタイミングだったのかもな。

「シュウイチさんお昼を持ってきました。」

 どれぐらい時間がったんだろうか、ボーっと外を眺めていたらエミリアが食事を持ってきてくれた。

 いい匂いだ。

「セレンさん渾身の疲れが取れるお料理だそうです。」

「ありがとうございます。」

「しっかり食べてゆっくり休んで下さい。」

「ありがとう。」

 目の前にはとても立派なお肉の塊。

 いやまぁ確かにお肉食べると元気出るけど。

 焼肉とか行った翌日はもう元気ハツラツですけど。

 でもさ、限度っていう物があるじゃない?

 この前ユーリが作ってくれたモフラビットステーキと同じぐらのボリューム。

 添えられているパンと比較してもでかい。

 違うのはサラダがたっぷりと用意してあるという所。

 スープも美味しそうだ。

 うん。

 いただきます。

「あとで食器を片付けに来ますのでのんびり食べていてください。」

「わかりました。」

 そう言ってエミリアは商店に戻ってしまった。

 一人での食事とか久々だな。

 まてよ、この世界に来て初めてか?

 常に誰かいたし、一人の時間なんてほとんどなかった。

 ・・・静かだ。

 でも一人じゃないのがわかる。

 こうやって美味しい食事を作ってくれる人がいる。

 心配して休ませてくれる人がいる。

 ありがたいことだ。

 さて、そのありがたみを全力で感じさせてもらうとしよう。

 俺は愛情?たっぷりの食事に手を付けだした。



 そして、ボリュームたっぷりの昼食は思っていたよりもすんなりと胃に納まり、気づけば完食していた。

 おかしい。

 あの肉の塊はどこに消えたというんだ。

 まさか!

 お、俺の腹の中に納まったというのか!

 って当たり前だ。

 いやー満足満足。

 大変美味しゅうございました。

 手を合わせて、ごちそうさまでした。

「シュウイチさん、食後の香茶はいかがですか?」

 タイミングを見計らったかのようにエミリアが入ってくる。

「いただきます。」

「ちょうど食べ終えられたところでよかった。」

「大変美味しかったとセレンさんにお伝えください。」

「心配されていましたから喜ぶと思います。」

「あれだけ食べればすぐ元気になりますよ。」

 肉は命の塊だ。

 それを全部食べたのだから疲れなんてすぐに吹き飛ぶだろう。

「香茶はユーリが入れてくれました。なんでも秘伝の調合をしたお茶だとか。」

 ユーリ秘伝ってことは元をたどればユリウスト直伝という事になるのだろうか。

 彼のレシピという事は非常に効果があるように思うんだけど、中身は聞いたらいけない気がする。

 大丈夫、食べられるものしか入ってないって。

 たぶん。

「いい香りがします。」

「ご一緒してもよろしいですか?」

「もちろん。」

 カップが二つあるのはユーリの計らいだろう。

 二つのカップに香茶を注ぐと部屋中に香りが広がった。

 アロマテラピーの中には疲れをとるものもあるそうだ。

 香りだけなのに人の疲れをいやせるってすごい話だよな。

 向かい合って座り、香茶をいただく。

「美味しいですね。」

「本当に、とても美味しいです。」

 香りが強いと味がぼやけることがあるのだが、これはそんなこともなく美味しかった。

 無言の時間が過ぎる。

 決して話す内容がないわけではない。

 無言でいることが許される間柄だからこそ、この時間は非常に心地がいい。

 会話がなくても通じるものがある。

 その時間をエミリアと共有できるのがうれしかった。

「あの・・・怒っておられませんか?」

 ふとエミリアが呟いた。

「怒る?なぜですか?」

「時間がないのは確かですし、シュウイチさんにはシュウイチさんのやりかたがあったはずなのにそれを私の我儘で無理やりやめさせてしまいましたから・・・。」

「なんだそんなことですか。」

 怒るわけがない。

 むしろ俺が謝らなければいけないぐらいだ。

 不安そうにこちらを見るエミリア。

 そんな顔しないでも大丈夫だよ。

「怒るわけないじゃないですか。むしろ、私の体を気遣ってくれて本当にありがとうございます。自分では大丈夫なつもりでしたが思っていた以上に疲れがたまっていたんですね。あそこでエミリアが止めてくれなければ今頃大変な事になるところでした。」

 明日準備をしている最中に倒れてしまったかもしれない。

 折角ブラック企業から解放されたのに過労死とか馬鹿みたいだ。

「そう言っていただいてちょっと安心しました。」

「心配をかけてしまいましたね。」

「シュウイチさんはいつも頑張っておられますから。せめて今日ぐらいはゆっくりと休んでください。」

「それはエミリアもですよ。」

「いえ、私は特に何もしていませんから。」

「ダメです。ここに来た以上私と一緒に休んでもらいますよ。」

 大変なのはエミリアも一緒だ。

 店の事を全部こなしながら俺の心配もして、二人に指示を出して。

 聖日も休息日も休みなく俺のために働いてくれている。

 本当に休まなければならないのはエミリアの方なのかもしれない。

 エミリアの手をそっと握りしめた。

 少しこわばったように力を入れたが、すぐに受け入れてくれる。

「捕まってしまいました。」

「逃がしません、ここで私の休息に付き合うのが今日のエミリアの仕事です。」

「・・・仕事なら仕方がありませんよね。」

 そう、これは仕事なのだ。

 休息して体力を回復するというとても重要な仕事。

 サボっているわけではなく仕事をしているのだから何も問題はない。

 あー忙しい忙しい。

「では仕事をこなすとしましょう。」

「大事な仕事、ですね。」

 二人で目を合わせて笑いあう。

 手を絡め、体温を感じ、優しさを受け取る。

 エミリアの愛情がそっと包み込んでくるような気がした。

 どれぐらいそうしていただろうか、急にエミリアが手を放してしまった。

 慌てて手を掴もうとするとエミリアがそれに気づきまた笑った。

「大丈夫です、どこにもいきませんよ。」

 いや、まぁ、そうならいいんだけど。

 離したくないみたいでちょっと気恥ずかしい。

 エミリアはぐるりと回り俺の横に腰掛けた。

「横に座ってもいいですか?」

「もちろん。」

 二人で横に並んで座る。

 四人掛けのテーブルだから座れないことないけど、ちょっと窮屈な気がする。

 違うな、わざとくっついているんだ。

 机の下で手を握るとエミリアも握り返してくる。

「そのまま寝てしまってもいいんですよ。」

 俺の肩に寄りかかりながら二人で体重を支え合う。

 優しさが全身を包み込み、食後という事も重なって俺はすぐに意識を手放すことにした。

 エミリアの体温を感じながらしばしの眠りにつく。

「お休みなさいシュウイチさん、私の愛しの人。」

 最後に何を言ったのか聞き取る前に、俺は夢の世界へと旅立ったのだった。




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