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第二章

カッコいい二人

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 部屋に通されてもまだお怒り気味のエミリアをなだめつつシルビアの到着を待つ。

 イケメンの入れてくれたお茶は悔しいがうまかった。

 こういう状態でも冷静でいられるもんなんだな。

 あきらめなのか、それとも実感がないだけだろうか。

 自分がこれから選ぼうとしている選択肢は命の危険を伴うものだ。

 大丈夫と口ではいうものの、その保証はどこにもない。

 にもかかわらず、無責任に大丈夫と言い放っているのだからエミリアが怒るのも無理ないだろう。

「遅れて済まない、話とやらを聞かせてもらおうか。」

 シルビア様はそう言いながら自分の席に荒々しく着席した。

 それもそうだろう、解決に向かおうとしていた事件が再び暗礁に乗り上げたのだから。

「やはり犯人の手掛かりは見つかりませんでしたか。」

「なかなか逃げ足の速い奴でな。予想していた通り何の手がかりも見つからずだ。」

 あれだけ大胆かつ正確に商人を殺めたのだ、そんなへまはしないだろう。

「ネムリの方はいかがですか。」

「奴らの手が伸びることはないと思うが念の為数名向かわせてある、安心してよい。」

「ありがとうございます。」

 これでネムリの方は大丈夫だろう。

 数日怖い思いはするだろうが、アジトをつぶしてしまえば安心してまた商いをすることもできるだろう。

 たまには家族で密な時間を過ごすといい。

「それで、次の動きというものを聞かせてもらおうか。」

「畏まりました。奴らは予想していたよりも早く商人に手をかけました。こちらの動きが読まれていた可能性は低いと思いますがこれでこちらが手詰まりになったのも事実。そこで奴らの動きですが二つ考えられます。一つは危険を察知し、そのまま外に築いているであろう砦に戻る。」

 あえて砦という単語を使う。

 運び出されたレンガや木材などを考えると、もはやアジトなどという小さいものではないだろう。

「砦と申したか。それはそういうに足る証拠が見つかったというのだな。」

「エミリアに調べていただいた内容を精査するとそう表現するのが妥当と判断します。なにせ冬の節90日全てを使ってレンガを搬出していたのですから。それだけ大量に準備をして石窯を作っていただなど考えることができますか。」

「そんなに長い期間搬出されておってなぜ気づかなかったのだ。これは我々のミスだ。」

「商人としては商いの薄い時期に貴重な収入となったのも事実、販売していた商人をとがめることなどできません。それにそのようなことに使われていたなど考えもしなかったでしょうから。」

 今更販売していた商人を捕まえて処罰をしたからと言って何の意味もない。むしろ、騎士団が市場に介入してきたと思われ白い目で見られるのは目に見えている。

「次に考えられるのは別の方法で資金を集めようとする方法です。あれだけのことをしでかしたのです、窃盗強盗あらゆる手段を使って集めようとするでしょう。売上金を確保できなかった以上そうしなければならない理由が彼らにはできてしまった。」

「しかし、先の件で町の警備が厳重になっているのも事実。そんな手段に出るだろうか。」

 そう思うのも無理はない。

 町の自警団だけではなく騎士団も奴らを探している。

 シルビア様が現場に出た事でそのことが奴らにもわかったはずだ。

 普通の思考ができればそのような無謀な手段に出ることはないだろう。

 しかし彼らには情報がある。

 危険を冒してでもそういう方法をとるべき相手がいることを知っている。

 エミリアの視線が痛い。

 早く事情を話せと言っているようだ。

「でます。その為に私は準備をしていたのですから。」

「それが、昨日言っておったエサをまくというやつか。」

「はい。昨日の時点では商人が確保できるのであれば無用の作戦でした。しかし商人から情報を得ることができなくなった以上多少強硬な手段を用いてでも情報を集めなければならなくなった。その為のエサをまいていたんです。」

 ほぼ確実に奴らはエサに食いつく。

 その為のリスクはおかしたし、最後の餌も武器屋の親父に託した。

 後は食いついた後が重要だ。

 食いついた後の選択を間違えれば恐らく俺は死ぬだろう。

 カッコいいじゃないか誰かのために犠牲になって死ぬなんて。

 昔あこがれたヒーローみたいだ。

 俺を置いて先にいけ、俺もすぐに行くというやつだ。

 そういって残ったやつは大半死んでいる。

 死亡フラグ其の2という奴だ。

「して、そのエサとはなんだ。」

「昨日から町中に噂をばら撒いておりました。一つは町に金持ちの商人が来ているという噂、これは裏の顔役に頼んでありますので間違いなく彼らの耳に入っているでしょう。」

「コッペンに会ったのか。町に来てすぐ会える奴はなかなかおらんという話だが。」

「彼も商人のは端くれ、儲け話には食いつくものですよ。持っていた蜜玉を換金する先を探していて偶然知り合ったものですから偶然ではありますが。」

 その偶然のおかげで大きな餌を準備することができた。

「それだけではあるまい、次を申せ。」

「次にその金持ちが白鷺亭に宿泊しているという噂、これは夜の世界で有名な猫目館でばら撒いておきました。酒、食い物ときて次に買うとしたら女でしょう。あ、買ってはおりませんよ念のために。」

 痛い痛いよエミリアさん。

 そんなに怒った顔しないでよ。

 横を確認しなくても怒っているのがわかる。

「確かにそこであれば十分可能性はあるだろう。しかしなぜわざわざ自分の居場所を知らせる必要がある。大金を持っているのは事実なのだろう、危険が増すだけではないのか。」

「その通りです。しかし彼らにしてみれば不特定多数の商人から奪い取るよりも確実に金を持っている人間を選んだ方がリスクが少ない。これだけ警備が厳重になっていても標的を一つに絞れば作戦も考えられるというものです。腐っても騎士団上がりです、良い教育をされていると思いますので。」

「その教育が皮肉にも悪用されているのだがな。」

「申し訳ありません、けして騎士団を悪く言ったつもりは・・・。」

「よい、事実だ。」

 怒らせてしまっただろうか。

 しかし事実であることは間違いない。

 今回の件も彼らがいなければここまで大きな話にはなっていないだろうから。

 ごろつきや冒険者を束ねて悪事を働いている張本人が元騎士団の人間であり、これだけの騒ぎを起こしているのだ。シルビア様もその現実には目を背けることはできない。むしろ目を背けず追いかけているからこそ俺がここに居るのだから。

「そして最後にその商人がこの目印を持っているという噂、武器屋の主人には金を渡し白鷺亭の金持ちがこれを持っているという噂を流すようお願いしています。」

 そういって机の上に先ほど買ったダマスカス鋼の短剣を置く。

「ほぅ、抜いても良いか。」

「どうぞ武器屋の主人渾身の力作とのことです。」

 シルビア様は鞘に手をかけ、刀身を引き抜く。

 ダマスカス鋼独特の黒光りする刀身に美しい模様が浮かび上がる。

 軽やかに振り回し、再び鞘に戻した。

「見事な短剣だ。重さも硬さも手に吸い付くようだ。これだけの物であれば目印として申し分ないだろう。して、わざわざ目印まで与えてイナバ殿はどうしたいのだ。」

「私をエサとして彼らに襲わせ町のアジトまで案内させます。そうすれば簡単に彼らの場所を突き止めることができるでしょう。」

 そう、これが作戦の目的。

 俺を襲わせることで奴らの居場所をあぶりだそうということだ。

「そんな、そんな危険な事させるわけにはいきません!」

 エミリアが大声で反論する。

 それもそうだ。

 エミリアが同じようなことを言い出したら俺も同じように声を荒げて反論しただろう。

「詳しく聞かせてもらおうか。」

「奴らは金を手にすることができず相当焦っています。何せ手に入るはずだった金は騎士団に接収され、しかも追われている。早急に武器を買い付けて外のアジトに避難したいと考えるはずです。そこで彼らにその武器を買い付けるための餌を準備して食いつかせるのです。」

「食いついた後はどうする。襲われた後は殺されるのがおちだぞ。」

「その時に金を持っていればそうなるでしょう。しかし持っていないとわかれば安易に殺すことはせず身代金要求という形をとって要求するはずです。白鷺亭へ身代金要求をさせ、金を準備すると言って時間を稼ぐ。その隙に私を救出していただければ無事生きて帰ることができます。」

 みすみす殺されるつもりはない。

 アリの時もそうだったがこの世界に来てやらねばならないとがたくさんある。

 はいそうですかと言って盗賊風情にこの命をくれてやるつもりもない。

 勝算はある。

 ただ、そのためには越えなければならない壁が多いというだけだ。

「救出してくれと簡単に言うが我々は奴らのアジトの場所を把握してすらおらぬ。どうやってその場所を見つけて救助に向かえばいいのか教えてくれ。」

「これを目印にして探していただくのです。その方法についてはエミリアが一番よく知っていると思います。」

 短刀の横にもう一つのキーアイテム、女王の持っていた蜜玉を出す。

「これは見事な。これほど大きいものは私も見たことがない。」

「キラーアントの持っていた女王アリの蜜玉です。」

「先日父の村を襲ったアリの蜜玉だな、報告は受けているがこれをどうするというのだ。」

「エミリアにこの蜜玉の在処を探してもらいます。これがある場所が、私と奴らのいるアジトということになりますので。」

「こんな人の多い場所では無理です!そんな事私にはできません!」

 エミリアが叫んで否定をする。

 そんなはずはない。

 エミリアはできるはずだ。

「できるよ。今日だってこれを目印に俺の所に来たじゃないか。」

 横を見ると驚いたように目を丸くしたエミリア。

 そんなに大きく見開くと可愛い目が飛び出てくるよ。

 ポロって。

 いや、ゾンビじゃないんだから出てきても困るけど。

 そんなに驚くことないと思うんだけどなぁ。

「どうしてそう言い切れる。」

「理由は二つ、一つはエミリアはこの蜜玉の波長を知っているという事。アリの事件で蜜玉を探していますから、それよりも大きいこの蜜玉を探すのは簡単なはずです。二つ目は実際にその波長を頼りに今日私の所に駆けつけているからです。」

 エミリアは市場にいる俺の場所までまっすぐ来ている。

 騎士団で居場所を聞き、白鷺亭で昼食を受け取り、そして人の多い市場へ向かった。

 騎士団ではどの場所にいるかまでは教えてもらっていないはずだ。

 ただ市場のどこかにいるという情報しかもらっていない。

 しかしその数少ない情報だけでエミリアはあの場所まですんなりとたどり着いた。

 さも当たり前のようにエミリアが俺の場所までこれた理由が蜜玉の出す波長だ。

 商店へ迎えに行った時もすぐに俺が来たとわかった。

 後輩ちゃんが先に出てきた時も俺の名前は出していない。

 しかし訪ねてきたのが俺しかいないと言わんばかりに階段を駆け下りてきた。

 それはなぜか。

 蜜玉の波長を感じれば俺が来たとすぐわかったからだ。

「エミリア殿それは真か。」

「それは・・・。」

 言葉に詰まるエミリア。

 それもそうか波長で探していることは隠していたみたいだし、それがバレたとなるとバツが悪い。

「エミリア別に怒っていないから安心して。むしろそうやって俺を見つけてくれたからこそ、この方法を思いついたんだから。」

 正直捕まった後どうするかまでは考えてなかった。

 しかし昼に市場まで来てくれたことでこの方法を思いつくことができたのだ。

 生きて帰る方法が見つかった。

 数少ない手札の中で最良の方法が近くにあったのだ。

 これほどうれしいことはなかった。

 ポケ〇ンでいうエミリア君に決めた!

 というやつだ。

「シュウイチさん・・・。」

「エミリア殿、イナバ殿の方法は可能なのか。」

「・・・可能です。夜で人気がないのなら、ほぼ間違いなくできると思います。」

 よかった。

 この方法が可能ならば生存率はぐんと上がる。

 できないと言われたらどうしようかと思った。

「なるほどわかった。イナバ殿はわざと襲撃され奴らのアジトまで運ばれる。時間を稼いでいる間にエミリア殿の誘導で我々がアジトを強襲しイナバ殿を助ける。」

「ついでに外の砦の場所もわかれば最高なんですけど。」

「可能だろう。資材を運搬していたのであれば地図が残っていてもおかしくない。何人か生け捕りにして今度こそ情報をはかせればよい。」

 頼りになりますシルビアの姉御。

 いや姉御は失礼か。

「あくまでもここでお話ししている内容は仮定の話です。話している通りにすんなりいく保証はどこにもありません。騎士団にも相当の無理をさせると思います。それでもこの作戦にのっていただくことは可能でしょうか。」

 俺はあくまで情報を整理し、可能性を示しただけに過ぎない。

 採用するかどうかはシルビア様次第だ。

 無理だというのならば別の方法を考えればいいだけの事。

 白鷺亭ではなくここに避難していれば攫われることもない。

「それしかないだろうな。今我々にはイナバ殿の知恵にたよるしか方法がないのだ。」

「できません!そんな危険な事、私は認めることはできません!」

「それはエミリア殿の私情だろうか。」

「違います、商店連合にイナバさんが所属している以上その身を守る義務が私達にはあります。私たちの客人にそのような危険をさせるわけにはいきません!」

 エミリアたぶんそれは無理だと思うよ。

 エミリアの私情ではないと言ってしまうと余計にまずいと思う。だって・・・

「それは商店連合の人間としての発言と取ってもよろしいか。」

「結構です。私にはシュウイチさんの身を守る義務がありますから。」

 義務なんだ。

 たぶん話の流れでそういってるんだと思うけど、

 会社に言われてやってますと言われているようでなんかショック。

 違うのはわかっているんだけどね。

 だけどその発言が命取りなんだろうな。

「では昨日の筋を通させてもらおう。これを見てもらえるか。」

 そう言ってエミリアに一枚の書類が手渡される。

「これは!そんな、そんなことって・・・。」

 内容は読めないからわからない。

 ただ、昨日の話の中で筋を通すという話をしていた。

 おそらくは筋を通してきたということなのだろう。

「文字の読めないイナバ殿にお伝え願えるか。」

「・・・イナバシュウイチ様。貴殿の身柄を一時的にサンサトローズ所属騎士団分団長シルビア殿に譲渡する。この命令は本件終了までの期間限定とする。メルクリア=フィフティーヌ。」

「いかにも、本日をもってイナバ殿の身柄はこの騎士団分団長シルビアが預かることとなった。商店連合からの直々の命令書だ。この意味エミリア殿であればお分かりになると思う。」

 筋をしっかりと通してきた。

 しかも、直属の上司メルクリアの署名入りとなってはエミリアには何も言えない。

 私情ではないと言ってしまった手前何も言い返すことができないのだ。

 組織に属するという事は組織の命令に従わなくてはならない。

 決定に反を翻すというのならば組織からの決別を意味する。

 エミリアにはそれはできない。

 そこをうまくついてきたのだ。

 騎士団長シルビアおそるべし。

「イナバ殿、今聞いていただいた通りだ。その身柄私が全力をもってお守りしよう。」

「その言葉を信じていますよシルビア様。」

「カムリ、聞いての通りだ。今すぐに人を集め襲撃の準備をせよ。」

「畏まりました!」

 つらい現実を突きつけられたエミリアは動くことができない。

 悔しいのだろう。

 何もできない自分に。

 手は膝の上で固く握られ、震えている。

 その眼には溢れんばかりの涙が浮かんでいる。

 その涙を必死に流すまいとこらえている。

「エミリア、俺の命守ってくれるかな。」

 そんなエミリアの拳に手を重ねてそっと聞いてみた。

 涙でいっぱいの瞳がこっちを向く。

「立場が普通逆だけどさ、俺の命エミリアに助けてほしいんだ。」

 普通は俺が助けに行くよっていう立場なんだけど。

 今回に限っては助けられる立場なので仕方がない。

 カッコ悪いけどお願いするしかない。

 卑怯なお願いだという事はわかっている。

 でも、こうするしか方法がなかった。

「シュウイチ・・・さん。」

「俺さ、待ってるから。どんなことがあってもエミリアが見つけてくれるって信じてるから。だからお願い。」

 そっと添えた手で今度は拳を握る。

 エミリアの手が指に絡まってくる。

 涙は、こぼれなかった。

「シュウイチさんにそんなふうに言われたら断れないじゃないですか。」

「卑怯だなっていうのは十分わかってはいるんだけどね。」

「それに、商店連合の方は方針を決めたんです。メルクリア様が決めた以上私はその命に従います。それになにより、シュウイチさんを危険な目になんて絶対遭わせません。」

「あはは、なんかカッコいいなエミリアは。その分俺がかっこ悪いけど。」

「そんなことありません。こんな危険なことに自分から挑んでいく人がカッコ悪いわけなんてありません。シュウイチさんはカッコいいです。」

 そんな目で見つめながらカッコいいなんて言わないでくれるかな。

 年甲斐もなく惚れてまうやろーってなるじゃないか。

「お熱い中悪いんだがお二人ともよろしいかな。」

 おっと、まだシルビア様が目の前にいた。

 慌てて手を離してはなれる2人。

 くそ、いいところだったのになんて言えるはずがない。

「それでは本作戦を実行するにあたって確認を取りたい。よろしいかな。」

「どうぞ。」

「ただいまよりイナバ殿の作戦を遂行する。この作戦には危険が伴うがそれでも我が騎士団のために力を貸していただけるか。」

「お望みのままに。」

「エミリア殿、そなたの力を本作戦のためにお貸しいただけるか。」

「シュウイチさんの命のためにも。」

 エミリアカッコいいな。

 命のためにもって。

 なんか恐縮です。

「よろしい。お二人の賛同をもって本作戦を私シルビアの責によって発令する。」

 シルビア様が高らかに宣言する。

 やってやろうじゃないか。

 命を張って見つけてもらうために!

 他力本願だけどね。
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