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1078.転売屋は瓶を買い付ける
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「いやー、いい店で買い物ができた。フレイに聞いて正解だったな。」
「そんなことないですよ。いつも美味しい果物を置いているあの店がすごいんです。」
昨日尾羽を販売していた際にひと悶着あったのだが、色々な事情を踏まえ彼(フレイ)を雇うことにした。
契約内容は二つ、街に滞在している間は案内人として同行すること、それと自分の知っている店や商人を紹介すること。
明日の祭り当日は別行動をすることになるが、それ以外は今のように彼の知識と人脈を有効に活躍させてもらう。
その見返りとして彼の望む尾羽を提供しつつもうひとつの役割を果たす。
正直見返りの二つ目はおまけみたいなものなのだが、個人的に金を投げ捨てるようなやつに負けてほしくないんだよな。
なのでこれは完全に俺の私情なのだが彼にも利があるので何も言わず受け入れてもらった。
そして今、契約内容を遂行してもらっているのだがそれが思った以上の成果を生んでいる。
例えば今紹介してもらった果物屋だが、どれも非常に鮮度が良くさらには店主の知識もしっかりとしていて安心して買い物をすることができた。
事情を説明するとどの果物をジャムにするか相談に乗ってくれただけでなく、わざわざジャム用に使えそうな店頭に出せない分を格安で譲ってくれたぐらいだ。
今回仕入れたのはララライチとマルゴスティンの二つ。
どれも南方独特の味と香りが特徴で、生食だと傷みが早い為現地以外では見かけない果物。
そのせいもあって傷みかけの物を廃棄せずに提供できると店主も喜んでくれた。
しめて金貨2枚分。
今回はジャムに加工するためにそういったものを買い付けたが、今度は生食用に仕入れさせてもらうとしよう。
バーンと一緒なら傷む前に運びきることができる。
ほんとありがたい話だ。
「謙遜は美徳だがたまには素直に受け取ってもいいんだぞ。」
「僕なんかほんとまだまだで。むしろシロウ様みたいにすごい人と一緒に過ごせるだけで光栄です!」
「生憎と尊敬されるほどすごい人でもない、俺はただ金儲けがしたいだけの商人さ。」
これは謙遜でも何でもない、事実だ。
皆俺の事を凄いだのなんだのともてはやすが、結局は自分の金儲けがしたくて動き回っているだけに過ぎない。
この旅行も家族の為と言いながら半分はこういう仕入れを行うためだしな。
「でも名誉男爵になられたんですよね?」
「それもまぁ偶然みたいなもんだけどな。運も実力のうち、そういうことにしておいてくれ。そんじゃま、果物は宿に運んでもらうとしてあとは入れ物をどうにかしないとなぁ。予定ではこの街で作られているガラス細工の工房を訪ねることになっているんだが。」
「ガラス細工でしたらボトゥルさんの工房がいいですよ。ジャムの入れ物ってこのぐらいの大きさですか?」
そういいながらフレイは上下に10cmほどの隙間を両手で作る。
大型のはたくさんあるが、それだとかなりの量を入れないといけないので今回は小さいものを大量に作るつもりでいる。
作るときに煮沸消毒しやすく、封入後も大鍋で一気に湯煎できるしな。
湯煎するしないでジャムの長持ち具合が大きく変わるのでその辺は手を抜きたくない。
「そうだな、それぐらい小型のがあるとうれしい。他にも色々と入れたいものがあるから出来るだけ数を確保したいところだ。後はアクセサリーも一緒に買い付けたいんだが、こんな感じの小さくて丸いガラス細工が付いたやつ知ってるか?」
「そういうのはあまり詳しくなくて。でも、ボトゥルさんなら教えてくれると思います、いい人なので。」
「その辺の交渉は任せた。っと、そろそろアニエスさんが戻ってくる頃なんだが・・・。」
「お待たせいたしました。宿への配送手続きは完了、昼には持ち込んでいただけるようです。」
買い付けを行った後、荷運び業者をアニエスさんに手配してもらっていたんだが何とか話がついたようだ。
近場とはいえかなりの量だけに難色を示されるかと思ったが、こちらもフレイの紹介業者なので問題なく終わったらしい。
「ってことはそれまでに仕入れを行わないとだめって事か。」
「候補は見つかりましたか?」
「あぁ、ボトゥルさんって人が小さめの入れ物を作っているらしい。そこで一緒にアクセサリーについても聞く予定だ。フレイ、道案内を頼む。アニエスさんは周囲の警戒をよろしくな。」
「お任せを。」
「こっちです、ついてきてください。」
いくら平和な世の中とはいえ、俺達からしてみれば右も左もわからない危険な場所。
下手なところに入ってしまったら身ぐるみはがされないとも限らない。
もちろん彼がそんなことをするとは思っていないのだが、念のためにということで護衛としてアニエスさんについてきてもらった。
本当はウーラさんにもついてきてもらうつもりでいたのだが、今は別件で動いてもらっている。
今回の旅行はおよそ二週間。
戻る行程を考えると滞在日数は後四日しかない。
もちろんそれに合わせて色々と準備はしてきているし、スケジュールもある程度合わせてはいるのだがその通りに行かないのが人生ってもんだ。
事実まさかジャムづくりを自分たちですることになるとは思わなかったが、そのまま仕入れても無駄になるしドライフルーツにするとどうしても魅力が半減してしまう。
その点ジャムなら様々な購買層に売れる可能性があるし、なにより値段を下げずに売ることができる。
これも金儲けの為ってね。
フレイについていくこと10分程。
くねくねとした裏道を進むと、先程とは違い様々な音が響く地域に到着した。
「ここです、ちょっと声をかけてきます。」
「よろしく頼む。」
大きな扉の横には、ショットグラスのような紋章が描かれている。
どうやらここがボトゥルさんというガラス職人の工房のようだ。
西方ガラスに比べると細工などは少なめだが、その代わり大量生産しているので日用品として用いられているのだとか。
海酒も木の入れ物で飲むよりもガラスで飲んだ方が色もわかって美味しいからなぁ。
そういう見た目って結構大事だ。
「お待たせしました。」
「俺がボトゥルだ、なんでもフレイが世話になったらしいな。」
「むしろ世話してもらってるのはこっちの方だ。話は聞いていると思うがジャム用の瓶を200個ほど探しているんだが、それに合いそうなものはあるか?」
「小さいのでよかったらすぐに用意できる。大きさはこのぐらいでいいんだろ?」
「あぁ、問題ない。ちなみにほかの大きさの物も見てみたいんだが、サンプルはあるか?」
「それなら中に入ってくれ、現物を見てもらった方が早いだろ。」
中で事情を説明してくれたんだろう、話が早くて助かる。
フレイと一緒に出てきたボトゥルという職人の頭にはアニエスさんと同じ狼っぽい耳がついていた。
俺にはよくわからないが同族同士で何か感じるものがあるのか、一瞬だけだがアニエスさんと目を合わせていた。
念のためアニエスさんの方を振り向くと静かに頷く。
どうやら敵意は感じないらしい。
二人を追いかけて入った工房の中には大小さまざまが瓶が並べられており、その一つ一つに値札が付いていた。
細工は少ないがシンプルで使いやすそうなデザイン。
俺達の街だとそれなりの値段で売られていそうな物なのだが、実際に商品の横についている値札は俺の想像を大きく下回っていた。
「今回用意するのはこの瓶だ。で、それよりも大きいのがこっちで、細いが背は高くなるのがこれだな。」
「思ったよりも安いんだな。」
「うちのは実用重視だからな、細工仕事が苦手なもんでどうしてもこういうのばっかりになっちまう。その分値段は下げているから数を買ってもらえるのはありがたいんだが、どうだいいのはありそうか?」
「あぁ、最初のに加えてこの細長い奴をあるだけもらいたい。」
「さすがに全部となると高くつくぞ?」
「もちろんわかっているさ、だが全部買うついでに一つ頼みたいことがある。」
細い筒、いやどっちかっていうと筒よりも太めの試験管という方が正しいかもしれない。
太さは5cm長さは20cm程で上部がそのまま開いたようになっている。
一見すると製薬や調剤用に使うような機材に見えるが、俺には別の使い方しか思い浮かばなかった。
さっき果物を買い付けた時に見つけた小さな種。
弾力があり大きさはちょうどこの瓶と同じぐらいだのだが、なんでも使い道がないのでそのまま廃棄されているらしい。
それを組み合わせればいい感じの入れ物に生まれ変わるんじゃなかろうかと考えたんだ。
なんならその中にこの前みつけたグラススラグの欠片や貝殻を入れるといい感じで映えるんじゃないだろうか。
中身はもう街に送る手はずを整えてしまったので、せめて瓶だけでもすぐに使えるようにしてしまいたい。
ってことで事情を説明すると二つ返事で受け入れてくれた。
ジャム用の瓶が200個と欠片用の瓶が600本、どちらも一個銅貨20枚で販売してくれるそうなので加工賃も含めて全部で金貨2枚で購入。
思わぬ品を追加で買ってしまったが、後々のことを考えると結果オーライと言っていいだろう。
なんせ果物と合わせても昨日ぼったくった・・・じゃなかった、まとめ買いさせたぶんでお釣りが出る。
ジャムを銀貨1枚で売って、さらに欠片を銅貨50枚で売れば金貨5枚の儲け、やり方次第ではそれ以上も十分狙える。
と後は瓶を宿に送ってもらって、エリザ達にジャムの制作を任せておけば完璧だ。
昨日例の金投げ男が買っていった尾羽代と今日の買い物代が同じと考えれば、かなりの利益が出るのは間違いない。
いやー、笑いが止まりませんなぁ。
「そうだボトゥルさん、ガラス玉をつかったアクセサリーも探しているそうなんですけど、誰か知りませんか?」
「アクセサリーねぇ、それならもう一本中に入った所に工房があるからそこをのぞいてみるといい。俺の紹介っていえば話を聞いてくれるはずだ。個人を特定するのはちょいとあれだから、自分の目で確認してくれ。」
「わかった、そうさせてもらおう。」
瓶を買うだけですっかり忘れていたが、アクセサリーを買うって自分で言ってたな。
歌姫が着用していたかなんかで今かなり人気が出ている商品だけに、こっちをメインで仕入れてもいいぐらいだ。
果たしてどんな商品が眠っているのか。
果物に始まりまだまだ仕入れは終わりそうにない。
これもまたこの旅行の醍醐味・・・ってね
「そんなことないですよ。いつも美味しい果物を置いているあの店がすごいんです。」
昨日尾羽を販売していた際にひと悶着あったのだが、色々な事情を踏まえ彼(フレイ)を雇うことにした。
契約内容は二つ、街に滞在している間は案内人として同行すること、それと自分の知っている店や商人を紹介すること。
明日の祭り当日は別行動をすることになるが、それ以外は今のように彼の知識と人脈を有効に活躍させてもらう。
その見返りとして彼の望む尾羽を提供しつつもうひとつの役割を果たす。
正直見返りの二つ目はおまけみたいなものなのだが、個人的に金を投げ捨てるようなやつに負けてほしくないんだよな。
なのでこれは完全に俺の私情なのだが彼にも利があるので何も言わず受け入れてもらった。
そして今、契約内容を遂行してもらっているのだがそれが思った以上の成果を生んでいる。
例えば今紹介してもらった果物屋だが、どれも非常に鮮度が良くさらには店主の知識もしっかりとしていて安心して買い物をすることができた。
事情を説明するとどの果物をジャムにするか相談に乗ってくれただけでなく、わざわざジャム用に使えそうな店頭に出せない分を格安で譲ってくれたぐらいだ。
今回仕入れたのはララライチとマルゴスティンの二つ。
どれも南方独特の味と香りが特徴で、生食だと傷みが早い為現地以外では見かけない果物。
そのせいもあって傷みかけの物を廃棄せずに提供できると店主も喜んでくれた。
しめて金貨2枚分。
今回はジャムに加工するためにそういったものを買い付けたが、今度は生食用に仕入れさせてもらうとしよう。
バーンと一緒なら傷む前に運びきることができる。
ほんとありがたい話だ。
「謙遜は美徳だがたまには素直に受け取ってもいいんだぞ。」
「僕なんかほんとまだまだで。むしろシロウ様みたいにすごい人と一緒に過ごせるだけで光栄です!」
「生憎と尊敬されるほどすごい人でもない、俺はただ金儲けがしたいだけの商人さ。」
これは謙遜でも何でもない、事実だ。
皆俺の事を凄いだのなんだのともてはやすが、結局は自分の金儲けがしたくて動き回っているだけに過ぎない。
この旅行も家族の為と言いながら半分はこういう仕入れを行うためだしな。
「でも名誉男爵になられたんですよね?」
「それもまぁ偶然みたいなもんだけどな。運も実力のうち、そういうことにしておいてくれ。そんじゃま、果物は宿に運んでもらうとしてあとは入れ物をどうにかしないとなぁ。予定ではこの街で作られているガラス細工の工房を訪ねることになっているんだが。」
「ガラス細工でしたらボトゥルさんの工房がいいですよ。ジャムの入れ物ってこのぐらいの大きさですか?」
そういいながらフレイは上下に10cmほどの隙間を両手で作る。
大型のはたくさんあるが、それだとかなりの量を入れないといけないので今回は小さいものを大量に作るつもりでいる。
作るときに煮沸消毒しやすく、封入後も大鍋で一気に湯煎できるしな。
湯煎するしないでジャムの長持ち具合が大きく変わるのでその辺は手を抜きたくない。
「そうだな、それぐらい小型のがあるとうれしい。他にも色々と入れたいものがあるから出来るだけ数を確保したいところだ。後はアクセサリーも一緒に買い付けたいんだが、こんな感じの小さくて丸いガラス細工が付いたやつ知ってるか?」
「そういうのはあまり詳しくなくて。でも、ボトゥルさんなら教えてくれると思います、いい人なので。」
「その辺の交渉は任せた。っと、そろそろアニエスさんが戻ってくる頃なんだが・・・。」
「お待たせいたしました。宿への配送手続きは完了、昼には持ち込んでいただけるようです。」
買い付けを行った後、荷運び業者をアニエスさんに手配してもらっていたんだが何とか話がついたようだ。
近場とはいえかなりの量だけに難色を示されるかと思ったが、こちらもフレイの紹介業者なので問題なく終わったらしい。
「ってことはそれまでに仕入れを行わないとだめって事か。」
「候補は見つかりましたか?」
「あぁ、ボトゥルさんって人が小さめの入れ物を作っているらしい。そこで一緒にアクセサリーについても聞く予定だ。フレイ、道案内を頼む。アニエスさんは周囲の警戒をよろしくな。」
「お任せを。」
「こっちです、ついてきてください。」
いくら平和な世の中とはいえ、俺達からしてみれば右も左もわからない危険な場所。
下手なところに入ってしまったら身ぐるみはがされないとも限らない。
もちろん彼がそんなことをするとは思っていないのだが、念のためにということで護衛としてアニエスさんについてきてもらった。
本当はウーラさんにもついてきてもらうつもりでいたのだが、今は別件で動いてもらっている。
今回の旅行はおよそ二週間。
戻る行程を考えると滞在日数は後四日しかない。
もちろんそれに合わせて色々と準備はしてきているし、スケジュールもある程度合わせてはいるのだがその通りに行かないのが人生ってもんだ。
事実まさかジャムづくりを自分たちですることになるとは思わなかったが、そのまま仕入れても無駄になるしドライフルーツにするとどうしても魅力が半減してしまう。
その点ジャムなら様々な購買層に売れる可能性があるし、なにより値段を下げずに売ることができる。
これも金儲けの為ってね。
フレイについていくこと10分程。
くねくねとした裏道を進むと、先程とは違い様々な音が響く地域に到着した。
「ここです、ちょっと声をかけてきます。」
「よろしく頼む。」
大きな扉の横には、ショットグラスのような紋章が描かれている。
どうやらここがボトゥルさんというガラス職人の工房のようだ。
西方ガラスに比べると細工などは少なめだが、その代わり大量生産しているので日用品として用いられているのだとか。
海酒も木の入れ物で飲むよりもガラスで飲んだ方が色もわかって美味しいからなぁ。
そういう見た目って結構大事だ。
「お待たせしました。」
「俺がボトゥルだ、なんでもフレイが世話になったらしいな。」
「むしろ世話してもらってるのはこっちの方だ。話は聞いていると思うがジャム用の瓶を200個ほど探しているんだが、それに合いそうなものはあるか?」
「小さいのでよかったらすぐに用意できる。大きさはこのぐらいでいいんだろ?」
「あぁ、問題ない。ちなみにほかの大きさの物も見てみたいんだが、サンプルはあるか?」
「それなら中に入ってくれ、現物を見てもらった方が早いだろ。」
中で事情を説明してくれたんだろう、話が早くて助かる。
フレイと一緒に出てきたボトゥルという職人の頭にはアニエスさんと同じ狼っぽい耳がついていた。
俺にはよくわからないが同族同士で何か感じるものがあるのか、一瞬だけだがアニエスさんと目を合わせていた。
念のためアニエスさんの方を振り向くと静かに頷く。
どうやら敵意は感じないらしい。
二人を追いかけて入った工房の中には大小さまざまが瓶が並べられており、その一つ一つに値札が付いていた。
細工は少ないがシンプルで使いやすそうなデザイン。
俺達の街だとそれなりの値段で売られていそうな物なのだが、実際に商品の横についている値札は俺の想像を大きく下回っていた。
「今回用意するのはこの瓶だ。で、それよりも大きいのがこっちで、細いが背は高くなるのがこれだな。」
「思ったよりも安いんだな。」
「うちのは実用重視だからな、細工仕事が苦手なもんでどうしてもこういうのばっかりになっちまう。その分値段は下げているから数を買ってもらえるのはありがたいんだが、どうだいいのはありそうか?」
「あぁ、最初のに加えてこの細長い奴をあるだけもらいたい。」
「さすがに全部となると高くつくぞ?」
「もちろんわかっているさ、だが全部買うついでに一つ頼みたいことがある。」
細い筒、いやどっちかっていうと筒よりも太めの試験管という方が正しいかもしれない。
太さは5cm長さは20cm程で上部がそのまま開いたようになっている。
一見すると製薬や調剤用に使うような機材に見えるが、俺には別の使い方しか思い浮かばなかった。
さっき果物を買い付けた時に見つけた小さな種。
弾力があり大きさはちょうどこの瓶と同じぐらいだのだが、なんでも使い道がないのでそのまま廃棄されているらしい。
それを組み合わせればいい感じの入れ物に生まれ変わるんじゃなかろうかと考えたんだ。
なんならその中にこの前みつけたグラススラグの欠片や貝殻を入れるといい感じで映えるんじゃないだろうか。
中身はもう街に送る手はずを整えてしまったので、せめて瓶だけでもすぐに使えるようにしてしまいたい。
ってことで事情を説明すると二つ返事で受け入れてくれた。
ジャム用の瓶が200個と欠片用の瓶が600本、どちらも一個銅貨20枚で販売してくれるそうなので加工賃も含めて全部で金貨2枚で購入。
思わぬ品を追加で買ってしまったが、後々のことを考えると結果オーライと言っていいだろう。
なんせ果物と合わせても昨日ぼったくった・・・じゃなかった、まとめ買いさせたぶんでお釣りが出る。
ジャムを銀貨1枚で売って、さらに欠片を銅貨50枚で売れば金貨5枚の儲け、やり方次第ではそれ以上も十分狙える。
と後は瓶を宿に送ってもらって、エリザ達にジャムの制作を任せておけば完璧だ。
昨日例の金投げ男が買っていった尾羽代と今日の買い物代が同じと考えれば、かなりの利益が出るのは間違いない。
いやー、笑いが止まりませんなぁ。
「そうだボトゥルさん、ガラス玉をつかったアクセサリーも探しているそうなんですけど、誰か知りませんか?」
「アクセサリーねぇ、それならもう一本中に入った所に工房があるからそこをのぞいてみるといい。俺の紹介っていえば話を聞いてくれるはずだ。個人を特定するのはちょいとあれだから、自分の目で確認してくれ。」
「わかった、そうさせてもらおう。」
瓶を買うだけですっかり忘れていたが、アクセサリーを買うって自分で言ってたな。
歌姫が着用していたかなんかで今かなり人気が出ている商品だけに、こっちをメインで仕入れてもいいぐらいだ。
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