797 / 1,063
794.転売屋はお願いにいく
しおりを挟む
「なるほど、こうやって使うのか。」
「主様上手ですね。」
「難しそうに思っていたが、要は反復作業だもんな。時間つぶしにちょうどいいかもしれない。」
「今度私にも何か作ってくださいね。」
たどたどしい手つきながら編み棒を動かし続けていくと、少しずつだが形になっていくのが面白い。
馬車移動の時ってどうしても暇を持て余すのだが、この作業なら無心になれるし話をしながらでも何とかなりそうだ。
男が編み物をするなんてと昔なら言ったかもしれないが、最近じゃオリンピックの出場者が集中するときに編み物をして話題になったこともあったな。
確かメダルホルダーも自作したんじゃなかったっけ。
あれ、違ったか?
珍しくビアンカがアネットの所に遊びに来た翌日、ちょうどアイルさんに用事があったのでアネット共にビアンカを隣町まで送ることにした。
その時にビアンカが編み物を始めたので話の流れで教えてもらったというわけだ。
編み物か、案外面白いものだな。
元の世界では老眼が入ってきていたからか細かい手元作業が苦痛になっていたが、この世界ではまだまだ現役。
そういえばハーシェさんもリーシャに色々と作ってやっていた。
今度教えてもらうとしよう。
「そういえば今日は何をしに行かれるんですか?荷物も少ないですし行商という感じではないですよね。」
「今回は買い付けと雑用って感じか。そうだ、今街に空き家はあるか?」
「空き家でしたら何件かありますよ。」
「出来れば大きな倉庫とかあると嬉しいんだが。」
「倉庫までは・・・いえ、一件あったと思います。農具用の倉庫でよければですけど。」
「そうか、それはいいことを聞いた。」
今回の目的はズバリ清酒造り用の場所を確保する事だ。
新規で目的の場所に建築すると金貨1000枚。
だが、既存の建物をリフォームするのであればその半分以下の値段で確保できるともくろんでいる。
まずは水だけ確保して小規模で生産を始め、それが軌道に乗れば大規模生産に着手。
小規模で生産すればそれなりの利益を出せるはずだから、その利益を拠点整備に回せば大きな出費にはならないという考えだ。
セーラさんとラフィムさんにも意見を聞きながら進めたのでこれで失敗しても大損することはないだろう。
まずは軌道に乗せること、そのための第一歩が今日というわけだ。
もし前に飲んだものと同じ品質の物を作れるとして、100本用意できたとしよう。
一本金貨1枚で売れるとすればそれで金貨100枚。
初期投資にはおおよそ金貨300枚掛かると見込んでいるので全く足りないが、次の生産では倍増、さらに次の生産で倍増すれば本格生産を始めて一年で金貨400枚ベースになる。
一本当たりの原価率がどのぐらいになるのかはまだわからないが、仮に半分だとしても計画通りいけば一年半で投資回収、二年後には利益を生み出す感じだ。
で、その利益をプールしながら五年目までに大規模生産に着手。
仮に一回の仕込みで1000本作ることが出来ればそれはもう大儲けもいいところだ。
もちろんこれは机上の空論。
捕らぬ狸の皮算用というやつだが、事業を展開するのであれば最低でも2年は先を見越しておかないといけない。
元の世界で言う4年、そこで伸びないのであれば大規模生産をあきらめ小規模生産のままで行くしかないだろう。
この世界での初めての投資。
最初から失敗するとは思っていないが、成功を前提としてしまうのもよろしくない。
金儲けとはなんと難しいことだろう。
「わざわざありがとうございました。」
「また月末な。アネット、荷物を一緒に運んでやってくれ。」
「はい!」
二人で運べばすぐに終わるだろう。
その間に俺は用事を済ませてしまうか。
「これはシロウ様、お久しぶりです。」
「アイルさんも元気そうだな。」
「おかげさまで。このような寒い時期にどうされましたか?温泉であれば空いていますが。」
「温泉もいいが今日は仕事の話で来たんだ、奥いいか?」
「どうぞ、ご案内いたします。」
いつもと違う様子にアイルさんはすぐに何かを察してくれたようだ。
同じギルド協会職員でもこういうところが羊男と違うんだよな。
年の功という奴だろうか。
速やかに応接室に通され、それほど待たずに香茶を持ったアイルさんが戻ってきた。
「お待たせしました。」
「悪いな急な立ち寄りで。」
「いえ、この時期は暇ですので。」
「農閑期ってやつか。」
「雪が降っていませんのでまだマシですが、降り出すと静かなものです。」
「若者は外に出るのか?」
「そういう者も少なからずおりますが、ここは比較的少なめですね。」
どこの世界でも刺激を求めて若者は大きな町へと出ていく傾向があるのだが、ここはそうでもないらしい。
近くに俺達の町があるからかもしれないが、どちらかというと勤勉な人が多いんだろうな。
「さて、早速だが仕事の話だ。聞けば農具を入れる倉庫の付いた空き家があるそうだが、見せてもらうことはできるか?」
「それは構いませんが、こちらでも農業を?」
「いや、やるのはまた別の事なんだが。」
「わかりました、まずは見て頂きながらお話ししましょう。」
何も聞かずに話を進めてもらえるのは本当にありがたい。
別に犯罪になるようなことをするわけではないので堂々としていればいいのだが、世話になっているだけに正直に言えないのが心苦しい所だ。
ひとまずギルド協会を出て目的の空き家へと向かう。
場所は街の一番端、森のすぐそばで近くに家もない静かなところだ。
「住居は小さ目ですが二階も含めて三部屋ございます、そして農具用の倉庫へはこちらを通って直接移動できますので外を通る必要はありません。」
「お、それは便利だな。」
「元は備蓄用の倉庫に使っていたようで、壁はしっかりとして雪にも耐えられます。また上部に開閉出来る小窓もありますので換気も可能です。欠点らしい欠点としましては、見ていただいた方が早いですね。」
しっかり欠点を伝えてくれるあたり親切だよな。
今回は隠し部屋とかはなさそうなのでちょっとだけ残念だ。
一階二階と見て回り、問題の倉庫へと通じる扉を開ける。
かみ合わせが悪いのか少し力がいるが、鈍い音と共に引き戸が右から左に開かれた。
「結構広いな、それに地面もしっかりしている。」
「ここでいろいろと作業をしていたようでして・・・覚えておられますか、ビアンカを追い出したという話を。」
「あぁ、そういえばいたなそんな奴ら。」
「そして欠点と言いますのが奥に見えますあの山でございます。前回の持ち主が置いていったものなのですが、廃棄するにもお金がかかりますのでそのままになっております。使用できるか定かではありません。」
がらんとした倉庫の隅の方にうずたかく積まれた大量の何か。
薄暗いが倉庫の四分の一を埋め尽くさんとするそれはここからでもかなりの量だと分かる。
そしてど真ん中に鎮座する巨大な鍋。
寸胴鍋といって差支えのないそのフォルムは俺と同じぐらいの背丈があった。
あんなのいったい何に使うんだ?
「あのゴミを自分で何とかしろってことだな。」
「元の使用者が使用者だけに危険なものがあるかもしれません、そう考えると下手に触らない方が良いと判断しました。あまりいい話ではありませんからビアンカにも見せておりません。」
「随分と前の話だし使うからにはどちらにせよ分別する必要があるだろう。捨てるにしても燃やすわけにはいかないし、使える物があればむしろ万々歳だ。因みに賃料はいくらだ?」
「一月で金貨5枚、一年であれば金貨100枚で結構です。」
「安いな。」
「処分費も含んでですので。あの一件を知るものは好んで使いたがりませんので、借りて頂けるのであればありがたい話です。」
なるほどなぁ。
家は放置すればするほど傷みやすいだけに、誰かに使ってもらえるのならば安値でも構わないわけか。
それにこのままおいていても銅貨1枚にもなりやしない。
それならば安心して貸せる人から賃料をもらう方が何倍もマシって感じだろう。
ごみ処理までしてくれて万々歳ってか?
「因みに購入するといくらだ?」
「そうですね、金貨500枚で如何でしょうか。」
「ま、そんなもんだろう。」
「お値下げしたい所ですが我々も大変でして。」
「いやいや、その辺は気にしないでくれ。とりあえず一度戻ってから話を進めるが前向きに検討していると考えてもらっていい。家は悪くないし倉庫も広い、なにより近くに家がないから安心して使用できそうだ。問題は魔物だよなぁ。」
「森が近いだけに襲われない保証はありません。もちろん我々も巡回はしますが、ある程度は自衛していただく必要があるかと。」
俺達の所と違い魔物が近くまで来てもわかりにくいうえに、数も多い。
幸い凶暴な魔物は少ないがいないわけじゃないので、何かあった時に一番最初に襲われるのがここだ。
冒険者が多いわけでもなし、最低限戦えるようにしておく必要があるだろう。
いっそのこと常に護衛を常駐させるという手もある。
職人兼護衛ってな感じか。
となると人件費もかかるわけで。
世の中そんなにうまく話は進まないってか。
ひとまず物は確認できたし、後は戻って本人に説明して実際に見てもらうのがいいだろう。
そのためにもゴミの片づけと分別をしておかないと。
ミラとキキには悪いが鑑定の手伝いをしてもらって、他にも何人か冒険者に来てもらうとしよう。
この冬に仕込みをするのであれば時間はあまりない。
急ぎ動く必要があるだろう。
「あ、ご主人様いかがでしたか?」
「いい感じだった。荷物は運び終わったか?」
「はい!」
「それじゃあ残りをアイルさんに買い取ってもらって帰るとしよう。」
「お手柔らかにお願いします。」
そう言いながらも毎回いい感じの値付けをしてくれるんだよなぁアイルさんは。
買い叩こうとするどこかの羊男とは違うよな。
こうしてちょっとした小旅行を終え、編み棒を動かしながら帰路に就くのだった。
「主様上手ですね。」
「難しそうに思っていたが、要は反復作業だもんな。時間つぶしにちょうどいいかもしれない。」
「今度私にも何か作ってくださいね。」
たどたどしい手つきながら編み棒を動かし続けていくと、少しずつだが形になっていくのが面白い。
馬車移動の時ってどうしても暇を持て余すのだが、この作業なら無心になれるし話をしながらでも何とかなりそうだ。
男が編み物をするなんてと昔なら言ったかもしれないが、最近じゃオリンピックの出場者が集中するときに編み物をして話題になったこともあったな。
確かメダルホルダーも自作したんじゃなかったっけ。
あれ、違ったか?
珍しくビアンカがアネットの所に遊びに来た翌日、ちょうどアイルさんに用事があったのでアネット共にビアンカを隣町まで送ることにした。
その時にビアンカが編み物を始めたので話の流れで教えてもらったというわけだ。
編み物か、案外面白いものだな。
元の世界では老眼が入ってきていたからか細かい手元作業が苦痛になっていたが、この世界ではまだまだ現役。
そういえばハーシェさんもリーシャに色々と作ってやっていた。
今度教えてもらうとしよう。
「そういえば今日は何をしに行かれるんですか?荷物も少ないですし行商という感じではないですよね。」
「今回は買い付けと雑用って感じか。そうだ、今街に空き家はあるか?」
「空き家でしたら何件かありますよ。」
「出来れば大きな倉庫とかあると嬉しいんだが。」
「倉庫までは・・・いえ、一件あったと思います。農具用の倉庫でよければですけど。」
「そうか、それはいいことを聞いた。」
今回の目的はズバリ清酒造り用の場所を確保する事だ。
新規で目的の場所に建築すると金貨1000枚。
だが、既存の建物をリフォームするのであればその半分以下の値段で確保できるともくろんでいる。
まずは水だけ確保して小規模で生産を始め、それが軌道に乗れば大規模生産に着手。
小規模で生産すればそれなりの利益を出せるはずだから、その利益を拠点整備に回せば大きな出費にはならないという考えだ。
セーラさんとラフィムさんにも意見を聞きながら進めたのでこれで失敗しても大損することはないだろう。
まずは軌道に乗せること、そのための第一歩が今日というわけだ。
もし前に飲んだものと同じ品質の物を作れるとして、100本用意できたとしよう。
一本金貨1枚で売れるとすればそれで金貨100枚。
初期投資にはおおよそ金貨300枚掛かると見込んでいるので全く足りないが、次の生産では倍増、さらに次の生産で倍増すれば本格生産を始めて一年で金貨400枚ベースになる。
一本当たりの原価率がどのぐらいになるのかはまだわからないが、仮に半分だとしても計画通りいけば一年半で投資回収、二年後には利益を生み出す感じだ。
で、その利益をプールしながら五年目までに大規模生産に着手。
仮に一回の仕込みで1000本作ることが出来ればそれはもう大儲けもいいところだ。
もちろんこれは机上の空論。
捕らぬ狸の皮算用というやつだが、事業を展開するのであれば最低でも2年は先を見越しておかないといけない。
元の世界で言う4年、そこで伸びないのであれば大規模生産をあきらめ小規模生産のままで行くしかないだろう。
この世界での初めての投資。
最初から失敗するとは思っていないが、成功を前提としてしまうのもよろしくない。
金儲けとはなんと難しいことだろう。
「わざわざありがとうございました。」
「また月末な。アネット、荷物を一緒に運んでやってくれ。」
「はい!」
二人で運べばすぐに終わるだろう。
その間に俺は用事を済ませてしまうか。
「これはシロウ様、お久しぶりです。」
「アイルさんも元気そうだな。」
「おかげさまで。このような寒い時期にどうされましたか?温泉であれば空いていますが。」
「温泉もいいが今日は仕事の話で来たんだ、奥いいか?」
「どうぞ、ご案内いたします。」
いつもと違う様子にアイルさんはすぐに何かを察してくれたようだ。
同じギルド協会職員でもこういうところが羊男と違うんだよな。
年の功という奴だろうか。
速やかに応接室に通され、それほど待たずに香茶を持ったアイルさんが戻ってきた。
「お待たせしました。」
「悪いな急な立ち寄りで。」
「いえ、この時期は暇ですので。」
「農閑期ってやつか。」
「雪が降っていませんのでまだマシですが、降り出すと静かなものです。」
「若者は外に出るのか?」
「そういう者も少なからずおりますが、ここは比較的少なめですね。」
どこの世界でも刺激を求めて若者は大きな町へと出ていく傾向があるのだが、ここはそうでもないらしい。
近くに俺達の町があるからかもしれないが、どちらかというと勤勉な人が多いんだろうな。
「さて、早速だが仕事の話だ。聞けば農具を入れる倉庫の付いた空き家があるそうだが、見せてもらうことはできるか?」
「それは構いませんが、こちらでも農業を?」
「いや、やるのはまた別の事なんだが。」
「わかりました、まずは見て頂きながらお話ししましょう。」
何も聞かずに話を進めてもらえるのは本当にありがたい。
別に犯罪になるようなことをするわけではないので堂々としていればいいのだが、世話になっているだけに正直に言えないのが心苦しい所だ。
ひとまずギルド協会を出て目的の空き家へと向かう。
場所は街の一番端、森のすぐそばで近くに家もない静かなところだ。
「住居は小さ目ですが二階も含めて三部屋ございます、そして農具用の倉庫へはこちらを通って直接移動できますので外を通る必要はありません。」
「お、それは便利だな。」
「元は備蓄用の倉庫に使っていたようで、壁はしっかりとして雪にも耐えられます。また上部に開閉出来る小窓もありますので換気も可能です。欠点らしい欠点としましては、見ていただいた方が早いですね。」
しっかり欠点を伝えてくれるあたり親切だよな。
今回は隠し部屋とかはなさそうなのでちょっとだけ残念だ。
一階二階と見て回り、問題の倉庫へと通じる扉を開ける。
かみ合わせが悪いのか少し力がいるが、鈍い音と共に引き戸が右から左に開かれた。
「結構広いな、それに地面もしっかりしている。」
「ここでいろいろと作業をしていたようでして・・・覚えておられますか、ビアンカを追い出したという話を。」
「あぁ、そういえばいたなそんな奴ら。」
「そして欠点と言いますのが奥に見えますあの山でございます。前回の持ち主が置いていったものなのですが、廃棄するにもお金がかかりますのでそのままになっております。使用できるか定かではありません。」
がらんとした倉庫の隅の方にうずたかく積まれた大量の何か。
薄暗いが倉庫の四分の一を埋め尽くさんとするそれはここからでもかなりの量だと分かる。
そしてど真ん中に鎮座する巨大な鍋。
寸胴鍋といって差支えのないそのフォルムは俺と同じぐらいの背丈があった。
あんなのいったい何に使うんだ?
「あのゴミを自分で何とかしろってことだな。」
「元の使用者が使用者だけに危険なものがあるかもしれません、そう考えると下手に触らない方が良いと判断しました。あまりいい話ではありませんからビアンカにも見せておりません。」
「随分と前の話だし使うからにはどちらにせよ分別する必要があるだろう。捨てるにしても燃やすわけにはいかないし、使える物があればむしろ万々歳だ。因みに賃料はいくらだ?」
「一月で金貨5枚、一年であれば金貨100枚で結構です。」
「安いな。」
「処分費も含んでですので。あの一件を知るものは好んで使いたがりませんので、借りて頂けるのであればありがたい話です。」
なるほどなぁ。
家は放置すればするほど傷みやすいだけに、誰かに使ってもらえるのならば安値でも構わないわけか。
それにこのままおいていても銅貨1枚にもなりやしない。
それならば安心して貸せる人から賃料をもらう方が何倍もマシって感じだろう。
ごみ処理までしてくれて万々歳ってか?
「因みに購入するといくらだ?」
「そうですね、金貨500枚で如何でしょうか。」
「ま、そんなもんだろう。」
「お値下げしたい所ですが我々も大変でして。」
「いやいや、その辺は気にしないでくれ。とりあえず一度戻ってから話を進めるが前向きに検討していると考えてもらっていい。家は悪くないし倉庫も広い、なにより近くに家がないから安心して使用できそうだ。問題は魔物だよなぁ。」
「森が近いだけに襲われない保証はありません。もちろん我々も巡回はしますが、ある程度は自衛していただく必要があるかと。」
俺達の所と違い魔物が近くまで来てもわかりにくいうえに、数も多い。
幸い凶暴な魔物は少ないがいないわけじゃないので、何かあった時に一番最初に襲われるのがここだ。
冒険者が多いわけでもなし、最低限戦えるようにしておく必要があるだろう。
いっそのこと常に護衛を常駐させるという手もある。
職人兼護衛ってな感じか。
となると人件費もかかるわけで。
世の中そんなにうまく話は進まないってか。
ひとまず物は確認できたし、後は戻って本人に説明して実際に見てもらうのがいいだろう。
そのためにもゴミの片づけと分別をしておかないと。
ミラとキキには悪いが鑑定の手伝いをしてもらって、他にも何人か冒険者に来てもらうとしよう。
この冬に仕込みをするのであれば時間はあまりない。
急ぎ動く必要があるだろう。
「あ、ご主人様いかがでしたか?」
「いい感じだった。荷物は運び終わったか?」
「はい!」
「それじゃあ残りをアイルさんに買い取ってもらって帰るとしよう。」
「お手柔らかにお願いします。」
そう言いながらも毎回いい感じの値付けをしてくれるんだよなぁアイルさんは。
買い叩こうとするどこかの羊男とは違うよな。
こうしてちょっとした小旅行を終え、編み棒を動かしながら帰路に就くのだった。
8
お気に入りに追加
332
あなたにおすすめの小説
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界転生してしまったがさすがにこれはおかしい
増月ヒラナ
ファンタジー
不慮の事故により死んだ主人公 神田玲。
目覚めたら見知らぬ光景が広がっていた
3歳になるころ、母に催促されステータスを確認したところ
いくらなんでもこれはおかしいだろ!
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる