792 / 1,027
789.転売屋は練習する
しおりを挟む
あれからスリングショットの練習は続けている。
庭でやるには少々うるさすぎるので、的を畑の外に設置して柵の手前から狙う感じで練習中だ。
毎朝の散歩ついでに的を狙い、命中させる。
装備の補正があるとはいえ最初こそ中々的の真ん中を射抜くことは無かったが、最近ではそれなりの命中率になって来たと思っている。
もっとも、動かない的だしそれが当たり前なんだけど。
「ふぅ、今日もこんなもんか。」
日課を終えスリングを腰に装着し直して息を吐く。
ジョギングなどと違って集中するものの体は動かさないのでどうしても全身が冷えてしまうのだが、試作品6号はそんな俺の体を足元からしっかりと温めてくれている。
他の試作品と違ってかなり大型で離れていてもそれなりの熱量を感じる。
近づきすぎると丸焼きになるんじゃないかと少々不安にもなってしまうが、こういう時にしか使わないので大丈夫だろう。
電源を切ってから的を確認しに行ってみる。
今日もいい感じに的の中心部分へと命中させることが出来たようだ。
これなら魔物だって狩れるんじゃないだろうかなんて考えてしまうのがだが、ダンジョンに潜るわけではないのであくまでも護身用。
自分の身は自分で守るというこの世界の常識を俺もそろそろ身に着けなければならない。
なんせ俺を守ってくれていたエリザは妊娠、出産ももうすぐだがしばらくは子育てに専念するだろう。
今はキキとアニエスさんがいるが、キキはともかくアニエスさんが同じようになるのも時間の問題だろう。
マリーさんの大きくなるお腹を見て、次は自分だと正直かなりお誘いがすごい。
あのアネットが少々引き気味になるぐらいだからなぁ。
幸い薬に頼る程ではないのだが、それも時間の問題かもしれない。
「さて、見回りに行くか。」
「ワフ。」
「レイ・・・はまだ寝てるのか。」
ブンブンブン。
スリングを使った射撃練習は楽しいが、それだけでは運動不足になってしまう。
なのでいつも通り街の外周を回るジョギングは欠かせない。
倉庫の奥ではレイがスヤスヤと寝息を立てているようだ。
全く困った子ね、と言いたげなルフの頭を撫でてやりのんびりと二人で城壁に沿って走り出す。
空は少しずつ明るくなり、開いた門から出ていく人もちらほらいる。
馴染みの警備に挨拶をしながら西門から南門へ、そして東門へと向かっていく。
拡張計画は主に南と東を広げる方向で進んでいるようだ。
既存の下水道を先に拡張して、その後基礎工事それから住居の建設。
規模は今の1.5倍程を予定。
工事が終われば住民も一気に増えるだろうしそれに比例するように新しい店も増えていく。
今までは店を出したくても空き店舗がなかっただけに、新規の店は住民としてもうれしい限りだな。
「ん?」
東門を通り過ぎそのまま街の北側を走っていると、先を行くルフがピタリと足を止めた。
俺もすぐにその場にしゃがみ当たりの様子をうかがう。
この反応は魔物が近くにいる時と同じだ。
街の周辺ではそんなに強い魔物は出てこないのだが、全くいないわけではない。
草原ど真ん中に街を作るという事は、常に魔物の脅威にさらされるという事。
畑側はルフとレイのテリトリーだし、カニバフラワーやコッコもいるので近づく魔物は皆無だがこの辺はそこからはずれてしまっている。
ルフがそこまで敵意をむき出しにしていないという事はそんなに近くにはいないんだろう。
目を凝らして辺りを伺っていると、右前方に黒い影が見えた。
あれはディヒーアだろうか。
確かにあれならルフがそこまで警戒しないのも頷ける。
基本は向こうから襲ってくることは無いし近づけば逃げる半分獣みたいなものだ。
とはいえちょっかいを出せば襲って来るし、こいつに殺される冒険者だっている。
油断は禁物。
ふとルフに視線を向けるとなにをしているんだというような目で俺を見て来た。
いや、ほんとにそんなことを考えている感じなんだ。
早くしろとでもいう様な感じ。
え、もしかして仕留めろって言ってるのか?
「打てって?」
ブンブン。
マジか。
こいつはあくまでも護身用で、自分から魔物を攻撃するつもりは全くなかった。
さっきまでは。
だがルフに促されて別の感情がどんどん膨れ上がって来る。
仕留めたい。
狙ってみたい。
的ではなく本物を。
油断は禁物、素人が手を出すような存在じゃないみたいなこと考えといてこれだよ。
ぶら下げたスリングショットを取り外しゴムが絡んでいないかを確認。
弾は鉄とこの前のドリルホーンの角。
勿体ないとかそんなのを考えている場合じゃない。
一撃必殺。
躊躇なく角を掴みスリングに設置、地面に片膝をついて姿勢を固定してから再び獲物を確認する。
大丈夫だ、ルフがいる。
ゆっくりと右手でゴムを引っ張って自分の鼻先に自分の手が触れるまで引っ張る。
獲物は正面。
左手首は固定、右手は力まず的の中央を狙えばずれてもどこかに当たる。
そう教えてもらった。
ルフがより身を屈めその時を待つ。
ディヒーアが再び草をはむべく頭を下げた次の瞬間。
俺は右手の力をゆっくりと抜くとギリギリまで引っ張られたゴムが勢いよく戻り、目にもとまらぬ速さで角を打ち出した。
ヒュンという音と同時にさっきまで頭を下げていたそいつが素早く頭を上げた。
が、逃げるよりも先に角は体の横っ腹を貫通。
衝撃で体をクの字に折ったディヒーアだったが、倒れる事もなく怒りの矛先を俺に向けて来た。
「やば!」
慌てて立ち上がると同時に身を伏せていたルフが迫りくるディヒーアへと勇敢に向かっていく。
角を華麗なステップで避け、そのまま首元へと鋭い牙を突き立てる。
暴れるディヒーア、振り回されながらも決して口を離さないルフ、そして逃げる俺。
ルフの事はもちろん心配だが、それよりも自分の身の方が心配だ。
猛ダッシュで東門まで戻ると警備が驚いた顔で俺を見て来た。
「どうしました?」
「すぐそこでディヒーアに遭遇した。仕留め損なってルフが首に噛みついたんだが、来てくれるか?」
「まさかそれで狙ったんですか?」
左手にはスリングショットがしっかりと握られている。
あまりにも気が動転してしまうのを忘れてしまったようだ。
そんな話をしていると、逃げてきた方角からドサッという何かが勢い良く倒れた音が聞こえて来た。
剣を抜いた警備と共に音のしたほうへと近づくと、息も絶え絶えのディヒーアが血まみれ体を横たえていた。
まだルフが牙を突き立てているという事は息絶えていない証拠。
とはいえ襲われる心配はなさそうだ。
「どうやら大丈夫なようですね。とはいえ、無茶はしないでくださいよ。」
「あはは、悪い。」
「でも助かりました、この巨体が街道まで出てしまうと誰かが襲われていたかもしれません。」
「メスはともかく雄はなぁ。」
「今日の昼食は決まりですね、差し入れ待ってます。」
剣を納めた警備が俺の肩を叩いて持ち場へと戻っていく。
解体はしてくれないようなので後で肉をエサに冒険者を呼んでこよう。
しばらくしてディヒーアは静かに最期の時を迎えた。
「ありがとうな、ルフ。」
ブンブン。
口と体を血に染めながら満足そうな顔で尻尾を振るルフ。
先に血抜きをするべく首元を短剣で切り裂き、身体の状況を確認。
毛皮に大きな傷は無し、でもど真ん中に小さな穴が開いている。
ここを角が貫通していったんだろう。
致命傷にはならなかったが出血量を見るにかなりの痛手を与えたのは間違いない。
すごいな、俺みたいな素人でもこんな傷を負わせることが出来るのか。
武器と弾に頼っているとはいえ、恐ろしい物だ。
そりゃ新米達が使いたくなるわけだよ。
でも武器が良く無かったらここまでの傷を負わすことはできなかっただろうなぁ。
命中補正に威力補正。
とはいえ、良い武器を使う事で助かる命もあるわけで。
俺はそれを売って彼らの命を救い、自分の懐を豊かにする。
そして今日は自分の腹も膨らみそうだ。
新鮮なディヒーア肉を使って今日はステーキにしよう。
もちろん一番の功労者でもあるルフには一番良い所の肉を進呈しようじゃないか。
角はアネットに渡して薬に、これだけの毛皮なら色々と使い道がありそうだ。
肉やらなんやらを金額に換算するとおおよそ銀貨15枚にはなるだろう。
新米からしてみれば大儲け。
一人で無理なら複数で倒す、やっぱりこれが重要だよな。
そしてもう一つ気付いた事がある。
やっぱり俺一人で魔物と戦うのは無理そうだ。
出来るとかちょっと思ってしまったが、ふたを開ければ尻尾を巻いて逃げ出す始末。
ルフが居なかったらあの角で突かれて死んでいたかもしれない。
練習は続けるがまだまだ自分で獲物を取るのは難しいようだ。
「あ、シロウ畑にいないんだもん探しちゃったわよ。ってなにこれ。」
「見たらわかるだろ、ディヒーアだよ。」
「え、シロウが仕留めたの?」
「あー、最後はルフだな。」
「そうよね、びっくりした。」
「なんだよそうよねって。」
「だって、最初から仕留めちゃったら調子にのっちゃうでしょ。」
「安心しろ、それはもう解決した。」
俺を探しに来たエリザが解決したと聞いて不思議そうに首をかしげる。
ちょうど良い所に来てくれたので解体を手伝ってもらうとしよう。
とはいえそのためには後二人ぐらい必要なわけで。
流石にエリザに肉体労働させるのはマズイ。
まだまだ練習は続けよう。
そしていつか自分で仕留める日が来ることを、ほんの少しだけ楽しみにするのだった。
庭でやるには少々うるさすぎるので、的を畑の外に設置して柵の手前から狙う感じで練習中だ。
毎朝の散歩ついでに的を狙い、命中させる。
装備の補正があるとはいえ最初こそ中々的の真ん中を射抜くことは無かったが、最近ではそれなりの命中率になって来たと思っている。
もっとも、動かない的だしそれが当たり前なんだけど。
「ふぅ、今日もこんなもんか。」
日課を終えスリングを腰に装着し直して息を吐く。
ジョギングなどと違って集中するものの体は動かさないのでどうしても全身が冷えてしまうのだが、試作品6号はそんな俺の体を足元からしっかりと温めてくれている。
他の試作品と違ってかなり大型で離れていてもそれなりの熱量を感じる。
近づきすぎると丸焼きになるんじゃないかと少々不安にもなってしまうが、こういう時にしか使わないので大丈夫だろう。
電源を切ってから的を確認しに行ってみる。
今日もいい感じに的の中心部分へと命中させることが出来たようだ。
これなら魔物だって狩れるんじゃないだろうかなんて考えてしまうのがだが、ダンジョンに潜るわけではないのであくまでも護身用。
自分の身は自分で守るというこの世界の常識を俺もそろそろ身に着けなければならない。
なんせ俺を守ってくれていたエリザは妊娠、出産ももうすぐだがしばらくは子育てに専念するだろう。
今はキキとアニエスさんがいるが、キキはともかくアニエスさんが同じようになるのも時間の問題だろう。
マリーさんの大きくなるお腹を見て、次は自分だと正直かなりお誘いがすごい。
あのアネットが少々引き気味になるぐらいだからなぁ。
幸い薬に頼る程ではないのだが、それも時間の問題かもしれない。
「さて、見回りに行くか。」
「ワフ。」
「レイ・・・はまだ寝てるのか。」
ブンブンブン。
スリングを使った射撃練習は楽しいが、それだけでは運動不足になってしまう。
なのでいつも通り街の外周を回るジョギングは欠かせない。
倉庫の奥ではレイがスヤスヤと寝息を立てているようだ。
全く困った子ね、と言いたげなルフの頭を撫でてやりのんびりと二人で城壁に沿って走り出す。
空は少しずつ明るくなり、開いた門から出ていく人もちらほらいる。
馴染みの警備に挨拶をしながら西門から南門へ、そして東門へと向かっていく。
拡張計画は主に南と東を広げる方向で進んでいるようだ。
既存の下水道を先に拡張して、その後基礎工事それから住居の建設。
規模は今の1.5倍程を予定。
工事が終われば住民も一気に増えるだろうしそれに比例するように新しい店も増えていく。
今までは店を出したくても空き店舗がなかっただけに、新規の店は住民としてもうれしい限りだな。
「ん?」
東門を通り過ぎそのまま街の北側を走っていると、先を行くルフがピタリと足を止めた。
俺もすぐにその場にしゃがみ当たりの様子をうかがう。
この反応は魔物が近くにいる時と同じだ。
街の周辺ではそんなに強い魔物は出てこないのだが、全くいないわけではない。
草原ど真ん中に街を作るという事は、常に魔物の脅威にさらされるという事。
畑側はルフとレイのテリトリーだし、カニバフラワーやコッコもいるので近づく魔物は皆無だがこの辺はそこからはずれてしまっている。
ルフがそこまで敵意をむき出しにしていないという事はそんなに近くにはいないんだろう。
目を凝らして辺りを伺っていると、右前方に黒い影が見えた。
あれはディヒーアだろうか。
確かにあれならルフがそこまで警戒しないのも頷ける。
基本は向こうから襲ってくることは無いし近づけば逃げる半分獣みたいなものだ。
とはいえちょっかいを出せば襲って来るし、こいつに殺される冒険者だっている。
油断は禁物。
ふとルフに視線を向けるとなにをしているんだというような目で俺を見て来た。
いや、ほんとにそんなことを考えている感じなんだ。
早くしろとでもいう様な感じ。
え、もしかして仕留めろって言ってるのか?
「打てって?」
ブンブン。
マジか。
こいつはあくまでも護身用で、自分から魔物を攻撃するつもりは全くなかった。
さっきまでは。
だがルフに促されて別の感情がどんどん膨れ上がって来る。
仕留めたい。
狙ってみたい。
的ではなく本物を。
油断は禁物、素人が手を出すような存在じゃないみたいなこと考えといてこれだよ。
ぶら下げたスリングショットを取り外しゴムが絡んでいないかを確認。
弾は鉄とこの前のドリルホーンの角。
勿体ないとかそんなのを考えている場合じゃない。
一撃必殺。
躊躇なく角を掴みスリングに設置、地面に片膝をついて姿勢を固定してから再び獲物を確認する。
大丈夫だ、ルフがいる。
ゆっくりと右手でゴムを引っ張って自分の鼻先に自分の手が触れるまで引っ張る。
獲物は正面。
左手首は固定、右手は力まず的の中央を狙えばずれてもどこかに当たる。
そう教えてもらった。
ルフがより身を屈めその時を待つ。
ディヒーアが再び草をはむべく頭を下げた次の瞬間。
俺は右手の力をゆっくりと抜くとギリギリまで引っ張られたゴムが勢いよく戻り、目にもとまらぬ速さで角を打ち出した。
ヒュンという音と同時にさっきまで頭を下げていたそいつが素早く頭を上げた。
が、逃げるよりも先に角は体の横っ腹を貫通。
衝撃で体をクの字に折ったディヒーアだったが、倒れる事もなく怒りの矛先を俺に向けて来た。
「やば!」
慌てて立ち上がると同時に身を伏せていたルフが迫りくるディヒーアへと勇敢に向かっていく。
角を華麗なステップで避け、そのまま首元へと鋭い牙を突き立てる。
暴れるディヒーア、振り回されながらも決して口を離さないルフ、そして逃げる俺。
ルフの事はもちろん心配だが、それよりも自分の身の方が心配だ。
猛ダッシュで東門まで戻ると警備が驚いた顔で俺を見て来た。
「どうしました?」
「すぐそこでディヒーアに遭遇した。仕留め損なってルフが首に噛みついたんだが、来てくれるか?」
「まさかそれで狙ったんですか?」
左手にはスリングショットがしっかりと握られている。
あまりにも気が動転してしまうのを忘れてしまったようだ。
そんな話をしていると、逃げてきた方角からドサッという何かが勢い良く倒れた音が聞こえて来た。
剣を抜いた警備と共に音のしたほうへと近づくと、息も絶え絶えのディヒーアが血まみれ体を横たえていた。
まだルフが牙を突き立てているという事は息絶えていない証拠。
とはいえ襲われる心配はなさそうだ。
「どうやら大丈夫なようですね。とはいえ、無茶はしないでくださいよ。」
「あはは、悪い。」
「でも助かりました、この巨体が街道まで出てしまうと誰かが襲われていたかもしれません。」
「メスはともかく雄はなぁ。」
「今日の昼食は決まりですね、差し入れ待ってます。」
剣を納めた警備が俺の肩を叩いて持ち場へと戻っていく。
解体はしてくれないようなので後で肉をエサに冒険者を呼んでこよう。
しばらくしてディヒーアは静かに最期の時を迎えた。
「ありがとうな、ルフ。」
ブンブン。
口と体を血に染めながら満足そうな顔で尻尾を振るルフ。
先に血抜きをするべく首元を短剣で切り裂き、身体の状況を確認。
毛皮に大きな傷は無し、でもど真ん中に小さな穴が開いている。
ここを角が貫通していったんだろう。
致命傷にはならなかったが出血量を見るにかなりの痛手を与えたのは間違いない。
すごいな、俺みたいな素人でもこんな傷を負わせることが出来るのか。
武器と弾に頼っているとはいえ、恐ろしい物だ。
そりゃ新米達が使いたくなるわけだよ。
でも武器が良く無かったらここまでの傷を負わすことはできなかっただろうなぁ。
命中補正に威力補正。
とはいえ、良い武器を使う事で助かる命もあるわけで。
俺はそれを売って彼らの命を救い、自分の懐を豊かにする。
そして今日は自分の腹も膨らみそうだ。
新鮮なディヒーア肉を使って今日はステーキにしよう。
もちろん一番の功労者でもあるルフには一番良い所の肉を進呈しようじゃないか。
角はアネットに渡して薬に、これだけの毛皮なら色々と使い道がありそうだ。
肉やらなんやらを金額に換算するとおおよそ銀貨15枚にはなるだろう。
新米からしてみれば大儲け。
一人で無理なら複数で倒す、やっぱりこれが重要だよな。
そしてもう一つ気付いた事がある。
やっぱり俺一人で魔物と戦うのは無理そうだ。
出来るとかちょっと思ってしまったが、ふたを開ければ尻尾を巻いて逃げ出す始末。
ルフが居なかったらあの角で突かれて死んでいたかもしれない。
練習は続けるがまだまだ自分で獲物を取るのは難しいようだ。
「あ、シロウ畑にいないんだもん探しちゃったわよ。ってなにこれ。」
「見たらわかるだろ、ディヒーアだよ。」
「え、シロウが仕留めたの?」
「あー、最後はルフだな。」
「そうよね、びっくりした。」
「なんだよそうよねって。」
「だって、最初から仕留めちゃったら調子にのっちゃうでしょ。」
「安心しろ、それはもう解決した。」
俺を探しに来たエリザが解決したと聞いて不思議そうに首をかしげる。
ちょうど良い所に来てくれたので解体を手伝ってもらうとしよう。
とはいえそのためには後二人ぐらい必要なわけで。
流石にエリザに肉体労働させるのはマズイ。
まだまだ練習は続けよう。
そしていつか自分で仕留める日が来ることを、ほんの少しだけ楽しみにするのだった。
12
お気に入りに追加
328
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
【完結】彼女以外、みんな思い出す。
❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。
幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる